2009年12月18日02:16

動労千葉鉄建公団訴訟で元国鉄官僚が重大証言

 12月16日、動労千葉鉄建公団訴訟の第23回口頭弁論が東京地裁で開かれ、元国鉄官僚の伊藤嘉道証人への証人尋問が行われた。ここで、JR不採用とされた動労千葉組合員12人は、当初は採用候補者名簿に登載されていたという決定的事実が明らかになった。にもかかわらず、鉄道労連(現JR総連)カクマルの“不良職員は採るな”という突き上げを受けた「不採用基準」の作成・適用によって名簿から排除されたということだ。伊藤証言によって、その不当労働行為性が初めて暴かれた。(写真は公判終了後、地裁前)

 今回、裁判所が採用した伊藤嘉道証人は当時、国鉄職員局長・澄田、職員局次長・葛西らのもとで職員局補佐として新会社への採用候補者名簿作成の実務を取り仕切り、87年2月7日のJR設立委員会に名簿を搬入した当事者。現在はJR東日本高崎支社長だ。
 名簿作成当時の様子を生々しく証言した伊藤は、①職員からの希望調査を集約して各新会社(現JR7社)に振り分けた最初の名簿ができたのは87年1月中頃である②その中には不採用となった動労千葉組合員12人を含めて本州でJR不採用となった職員(計117人)も含まれていた③「停職6カ月、または停職2回以上」の不採用基準に該当する者を名簿から排除するよう指示したのは葛西である④基準を適用して名簿を作り直したのは2月7日の設立委員会直前である――と証言した。
 総括集会で川崎昌浩執行委員は、「動労千葉組合員12人を排除した張本人が葛西だった。葛西の証人尋問をかちとり、解雇撤回へ闘いを強めよう」と呼びかけた。当該の中村仁さんは「分割・民営化に賛成した組合がわれわれを排除した。それを当局も認めた。勝てる裁判だ。JRに復帰して私は運転士になる」と決意表明した。検修外注化阻止決戦と一体で、1047名解雇撤回へさらに闘いを強めよう。(2421号に詳報掲載)

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