2010年3月11日23:27

ギリシャで今年第2波目のゼネスト!

 3月11日、再びギリシャの労働者は午前零時から全国24時間ゼネストに決起した。ギリシャの全労働者500万人の半数を組織する公務員の労組と民間の労働組合が共同で呼びかけ、学校・大学・病院・公官庁は閉鎖、バス・鉄道・地下鉄、すべての航空、フェリーも停止、ラジオやテレビも一切止まった。写真は3月10日、オリンピック航空の民営化で解雇された労働者がゼネストに向け、アテネ中央の事務所前でバリケードを張って抗議。

 前回2月24日のゼネストにもかかわらず、パパンドレウ政権は緊縮財政を撤回するどころか、さらなる公務員8%賃下げ、付加価値税2%アップ(21%)、社会保障の削減などの第2次緊縮財政を議会で強行採決した。たった数週間の間にたばこ・アルコール・ガソリンの20%引き上げが2回も行われるという異常事態である。パパンドレウは欧州委員会やオバマの指示を受けながら、ギリシャ資本主義のみならず、すべての資本主義の命運をかけて、資本主義の破産の全責任をあくまでギリシャ労働者に押しつけようとしている。このあからさまな攻撃に、ギリシャ労働者がますます怒りを爆発させていることは決定的だ。
 ところがゼネストを呼びかけているはずの体制内組合幹部は、ゼネストがパパンドレウ政権打倒に発展することをおそれ、「本当は緊縮財政が必要なことはわかっている。今回のストライキはシンボルに過ぎない」などと必死に闘いの意義を低め、さらに労働者階級の怒りを自国政府から排外主義にそらすことに躍起になっている。もはや戦術のエスカレーションだけでは突破できない、体制内の制動を突き破る革命の路線と指導部を確立することこそが決定的に問われている。
 にもかかわらず、ギリシャ労働者階級のこの間のストライキは、当初は60~70%が「緊縮財政やむなし」となっていたギリシャ世論を、86%の反対へとひっくり返した。3月4日にはEUの経済危機を象徴するPIIGS諸国(ポルトガル・イタリア・アイルランド・ギリシャ・スペイン)の一つであるポルトガルでも、30万人の公務員が初めての労組共闘を実現して社会党政権の緊縮財政に反対する全国ストライキに決起した。アイルランドでも来週、公務員ストが計画されている。何よりもEU主要国のイギリスにもギリシャ情勢が波及していることは決定的だ。闘いは体制内指導部の思惑を超えて進み、革命情勢は日々深化・拡大している。
 イラク開戦7周年の3・20全世界一斉デモは、世界革命の路線をめぐる大党派闘争となった。動労千葉ストライキの圧倒的勝利を武器にして、ワーカーズアクションin渋谷を大成功させよう! 世界の革命情勢を力にして4大産別の青年労働者を何がなんでも獲得しよう!(SG)
 写真は、ドイツやアメリカの国旗と一緒に破産したギリシャ経済を棺桶に入れてデモする労働者たち(3月10日アテネ)

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