2010年4月29日08:07

JR資本への怒りに燃え、尼崎事故現場に480人がデモ

 尼崎事故から5年目の4月25日、尼崎現地で事故弾劾の集会と事故現場までのデモが闘われ、480人の労働者・学生が結集した。この闘いは、4月25日を「静寂な慰霊の日」からJR資本弾劾の「怒りの日」へと塗り替えた。また、国労臨時大会を翌日に控えたこの日の闘いは、1047名解雇撤回をあくまで貫く戦闘宣言を発する出撃の場になった。集会では、「解決案」を受諾した国労本部への怒りが渦巻いた。
 呼びかけ人を代表してあいさつした動労千葉の長田敏之書記長は、JR東日本の検修全面外注化4月実施を阻止した勝利の大きさを強調し、1047名闘争解体攻撃に抗して、新たな国鉄闘争をつくり上げると宣言した。

  国労5・27臨大闘争弾圧被告団の富田益行団長が基調報告を行った。富田さんは、尼崎事故を引き起こしたJR西日本を徹底的に弾劾、また翌日の国労臨大への総決起を宣言して、「和解案」とその受け入れを強行する国労本部を全面的に批判した。
 満場の拍手を浴びて、国労闘争団と動労千葉争議団が発言に立った。和解絶対反対を貫く国労闘争団員は、国労本部を激しく弾劾、解雇撤回まで闘いぬく烈々たる決意を表明した。動労千葉争議団の中村仁さんは、1047名闘争は青年を始めとした全労働者の命運を決する闘いであり、絶対に負けるわけにはいかないと訴えた。この時点で4・9政府和解案は、根底において粉砕されたのだ。
 5・27被告の原田隆司さんは、労働者を事故現場に動員し、懺悔を強いているJR西日本への怒りをたたきつけた。5・27弁護団の山本志都弁護士は、国鉄闘争の勝利をかけて控訴審闘争へ総結集をと呼びかけた。動労千葉とともに検修全面外注化阻止闘争に決起したJRの現場労働者からの決意表明が続いた。国から結集した国労組合員はいずれも、臨大決戦を全力で闘い、国労本部を打倒して1047名解雇撤回を貫く強固な意志を表した。動労水戸の組合員は、検修外注化は大事故をもたらすと指摘し、青年を組織して外注化を絶対阻止すると決意を述べた。動労西日本の山田和広副委員長は、自身にかけられた雇い止め解雇を弾劾し、解雇撤回・契約社員制度粉砕へ闘いぬくと宣言した。
 さらに、自治体の青年労働者、全学連の冨山小太郎副委員長の決意表明が続いた。行動提起を5・27被告の橘日出夫さんが行い、1047名解雇撤回闘争を貫徹して階級的労働運動を力強く歴史に登場させようと熱を込めて訴えた。
 集会後、参加者は直ちに事故現場までのデモに打って出た。「事故弾劾・解雇撤回」のシュプレヒコールを響かせて進むデモ隊に、沿道から熱い注目が集まった。この闘いがJR体制を根底から揺るがしていることに恐怖したJR西日本と一体となった警察権力は、事故現場で献花に向かう代表団を阻止しようとしてデモ隊に襲いかかった。だが、デモ隊はこれと真っ向から対峙し、怒りの声を上げ続けた。この日の闘いは、現地の労働者のJRへの憤りと緊密に結びつき、権力とJR資本を圧倒しきった。

関連記事:この記事と同じカテゴリーの記事

Previous Next Move Close