COMMUNE 2001/5/01(No305 p48)

ホームページへ週刊『前進』季刊『共産主義者』月刊『コミューン』出版物案内週刊『三里塚』販売書店案内連絡先English

No305号 2001年5月号 (2001年5月1日発行)

定価 315円(本体価格300円+税)

〈特集〉 介護保険発足後1年の現実

□ 全面的に露呈した高齢者介護切り捨ての実態
□ 新たな段階にはいった介護保険制度との闘い
□ 原理的に福祉破壊する『21世紀社会保障』報告

●環境問題 地球温暖化めぐる帝国主義間争闘戦 益子 孝史

 ニューズ&レビュー 南朝鮮・韓国/大宇自動車労組の整理解雇撤回せよ 室田 順子

 解同全国連第10回大会

三里塚ドキュメント(2月) 内外情勢(2月) 日誌(1月)


羅針盤 恐慌と戦争の危機

 世界的連鎖の株安の中で、米帝経済のバブル崩壊、日本経済の本格的恐慌が進行し、どのような景気対策も通用しない破局的な様相になっている。特に米帝の危機が深刻だ。ナスダックが2000ポイントを割り、ニューヨーク市場のダウ平均株価が1万ドルを割ったことは、米のバブルの本格的崩壊を示すものである。事態は、1929年型の世界大恐慌に向かって急降下している。日帝の危機も金融緩和策によってものりきれないところまで落ち込んでいる。そして、この経済危機が、自民党危機、森政権危機と連動しているという点で、日帝の体制的危機は真に底知れぬ深さのものである。森政権の支持率は10%以下を低迷し、回復は絶対にできない。「支配階級がこれまでどおりにはやっていけない」という、まさに革命的情勢の到来だ。

 新しい歴史教科書をつくる会が作成し検定申請している中学校歴史・公民教科書の内容は、「自由主義史観」を掲げてこの間進められてきた歴史ねつ造運動をそのまま子どもたちに教えようとする、すさまじい侵略賛美と皇国史観に染まったものである。これは、新しい侵略戦争の担い手をつくろうとする意図を持った攻撃であり、アジアの人民に対する再侵略戦争の宣言である。こんなものを絶対に許してはならない。これは「神風特攻隊」や「集団自決」を「国に命を捧げる尊い行為」としてたたえ、再びそれを強制していくことにつながるのだ。これは今日における日帝の戦争国家化の最先端の攻撃であり、改憲・教育改革攻撃そのものである。闘うアジア人民との連帯の力で、絶対に侵略賛美教科書を葬り去る必要がある。

 このつくる会の攻撃を始めとする教育改革攻撃に対して、革共同以外のすべての政治党派が闘おうとしていない。とくに、日本共産党は、「改憲に向かっての教育改革」に反対するのではなく、「私たちの教育改革の提言」を叫び、「子どもたちの学力の低下を是正する」ことを唱えている。これは、日帝の絶望的攻撃と立ち向かう闘いに敵対し、「責任政党」として、支配階級も認める運動を対置するというものでしかない。しかも、「学力の向上」とは結局、子どもたちを主体とした問題提起ではなく、「日本の国力」の問題として言われているのだ。それは、他帝国主義との争闘戦における日帝の帝国主義的課題である。侵略戦争国家として有能な才能を育てるということなのだ。日共は完全にこの教育改革攻撃の先兵に転落した。

 6・24の都議選投票日までもうあとわずかだ。腐敗と危機と反動の自民党を全員たたき落とせ。公明・保守はその悪らつな共犯者だ。また、自民党に買収された野党もダメだ。これまでの既成の政党とはまったく違った種類の、労働者人民の要求を掲げ、労働者人民の先頭に立って、大衆運動を発展させる政治勢力、候補として、都政を革新する会とけしば誠一氏が立っているのだ。自民党は、森を降ろしても次が誰かも明確にできない、末期的な状態である。経済・財政も、再建策はない。つまり、支配階級自身が展望を喪失してしまっているのだ。労働者階級の総決起による帝国主義体制打倒の革命によるしか、解決の道がないところまで来ているのだ。そうした革命的党派として今こそ登場することが必要だ。そのように鮮明に闘いを訴え、民衆の怒りと結びついて、けしば当選をかちとらなければならない。(た)