COMMUNE 2003/05/01(No327 p48)

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5月号 (2003年5月1日発行)No327号

定価 315円(本体価格300円)


〈特集〉 Q&A・イラク侵略戦争

口イラク戦争はなぜ起き、止めるためどうするか
口全世界に燃え広がるイラク反戦闘争の新局面
□欧米各地の軍需物資輸送阻止と米軍基地闘争

●翻訳資料1/ 虐殺された「人間の盾」コリーさんのメール
●翻訳資料2/ イギリス鉄道労組の反戦闘争
●写真と開設/ 中南米の闘い 

     Stop War World Action

三里塚ドキュメント(2月) 内外情勢(2月) 日誌(1月)

コミューン表紙

 虐殺戦争に反撃を

 ついに米英軍のイラク侵略戦争が始まった。ブッシュは「大量破壊兵器で脅す無法者の政権の思いのままにはならない」と述べ、イラクの脅威をデッチあげて武力行使(イラクの何千倍もの大量破壊兵器を使用して大量虐殺するということだ)を強行したのだ。「イラクの自由」作戦という盗人たけだけしい命名とはまったく逆に、これは政治的・経済的・体制的に行き詰まった米帝による帝国主義的侵略戦争、イラク人民虐殺戦争である。これは、ブッシュ・ドクトリンの先制攻撃論の実践である。そして、フランス、ドイツ、ロシアなどの他帝国主義との対立・決裂も辞さずに強行された、帝国主義の分裂と亀裂の世界史を画する事態である。帝国主義の本質としての侵略と虐殺が全面化したものだ。全力で反撃しなければならない。

 小泉は、開戦直後に米帝のイラク侵略戦争の全面支持を表明した。「もしも今後、危険な大量破壊兵器が危険な独裁者の手に渡ったらどのような危険な目に遭うか。日本も人ごとではない」と言い、同時に「米国は『日本への攻撃は米国への攻撃とみなす』というただ一つの国だ。日本も米国にとって信頼に足る同盟国でありたい」などと言っている。要するに、北朝鮮との戦争を構えて、日米同盟を堅持しイラク攻撃を支持する以外に日帝にとってどのような選択肢があるのかと言っているのである。米帝が「イラクの次は北朝鮮」として明確に北朝鮮侵略戦争を準備していることに対応して、日帝が共同的=競合的に参戦しようとしていることが、小泉をイラク攻撃断固支持、具体的な参戦の強化に突き動かしているのである。

 イラク侵略戦争は、日帝・小泉の有事立法策動を一層促進している。日帝はイラク参戦と北朝鮮侵略戦争を完全に一体のものとしてリンクさせており、北朝鮮(さらには究極的には中国への)侵略戦争のための戦争体制づくりそのものである有事立法を「この機を逃してはできない」とばかりに全力で突破しようとしているのである。イラク開戦が秒読み段階に入った3月19日、与党3党幹事長・国会対策委員長会談で有事3法案の4月衆院通過が確認された。武力攻撃事態法案は、日米安保新ガイドライン、周辺事態法の規定と連動して、北朝鮮が何らかの行動を起こそうとしているということを口実に「武力攻撃予測事態」を認定し、先制攻撃に踏み切ることを狙ったものである。いよいよ抜き差しならない有事立法決戦の時が来た。

 全世界で、米英帝のイラク攻撃に対する反戦闘争が巻き起こっている。特に、この侵略戦争に出兵している米英両国、オーストラリア、そして工兵隊を出兵しようとしている韓国では、激しい闘いが展開されている。アラブ・イスラム諸国でも激しい反米デモが巻き起こっている。この2、3カ月、地球上を覆い尽くした戦争反対の何千万人の決起を踏みにじった帝国主義の戦争強行に対して根底的な怒りが、つまり帝国主義打倒以外に戦争をやめさせることはできないという怒りが強まってきている。日本でも、何万、何十万の規模の闘いが爆発する情勢になってきた。特に若者が表現を求め、行動を求めて大決起を始めた。これを青年労働者の力として、労働組合的団結の復権として打ち固めていった時、日本の階級情勢は一気に塗り替えられるであろう。この中で4月統一地方選での闘う候補全員の当選をかちとろう。(た)

 

 

翻訳資料

 翻訳資料-1

 虐殺された「人間の盾」コリーさんのメール

 村上和幸訳 

【解説】

 3月16日、イラク侵略戦争が迫るなかで、イスラエルは国際連帯運動の活動家を虐殺した。
 レイチェル・コリーさん、米ワシントン州オリンピアの学生(23)である。
 この日、8人のアメリカ人・イギリス人が、サミール・マスリさんの家を守る活動をしていた。横断幕とハンドマイクを使い、3時間にわたってイスラエル軍に対してアピールした。ブルドーザーが家を破壊するために迫ってきた時、コリーさんは最先頭で立ちはだかり、マイクで「止まれ」と叫んだ。ブルドーザーは、彼女を倒し、巨大なブレードがのしかった。さらにバックしてもう一度ひいた。意識的な虐殺以外のなにものでもない。
 コリーさんが参加していた「国際連帯運動」とは、パレスチナ人の指導の下に、世界各国、特に帝国主義諸国の人民がパレスチナ人民とともに闘う組織である。「民族解放運動が武装闘争を行うことは権利」としてパレスチナ人民の闘いを断固支持しつつ、直接的には非武装の行動によって、イスラエル軍のパレスチナ住民への攻撃に立ち向かっている。国際連帯運動の参加者は、米帝・イスラエルの暴虐とパレスチナ人民の生活と闘いについての経験を出身地の仲間に伝え、全世界労働者人民の諸闘争とパレスチナ解放闘争を一つのものとして発展させることをめざしている。
 コリーさんは故郷オリンピアのエバグリーン州立大の学生になるとともに、地元の病院で働き、そこの労組(SEIU=サービス従業員労組の支部)で活動した。9・11直後、仲間とともに「オリンピア正義と平和運動」を創設し、「反テロ戦争」反対の闘いと労働運動の結合に力を尽くしてきた。
 そしてこの1月、アメリカのイラク攻撃につれてイスラエルによる攻撃が激化するから、アメリカ人である自分がパレスチナで連帯行動を行うことが重要になると考え、ガザに入った。
 コリーさんの闘いは、世界の労働者階級人民の血の通った連帯を確実に前進させた。
 英ガーディアン紙には、彼女の5通のメールが掲載され、大きな反響を呼んだ。英国スコットランドTUC(労働組合会議)書記長も同紙に投書を寄せている。彼女の直接行動とメールの労働者人民の心をとらえる力を称え、「彼女の命以上でも以下でもないパレスチナ人民の命が日々同じように失われている」「巨大な屋外監獄」を弾劾し、「帰還権支持」闘争の強化を呼びかけた。
 現在のイラク反戦闘争の全世界での大爆発は、パレスチナ人民の不屈の闘いとの連帯が基礎になっている。パレスチナ解放闘争によって帝国主義の中東支配の不正義性が徹底的に暴き出されてきたし、また、人民の不屈の闘いが必ず勝利するという確信が大衆的に獲得されたのだ。
 米帝にとって、アメリカ人民のパレスチナ解放闘争との連帯は、対イラク戦争体制を根底から覆しかねない。イスラエルにとっても連帯闘争の発展は体制の死に直結する。だから、あのように凶暴にコリーさんを殺したのだ。
 この虐殺のための虐殺を弾劾し、国際連帯を大前進させよう。

………………………………………

 友人、家族、そしてその他の人びとへ(03年2月7日)

 パレスチナに来て2週間と1時間になりますが、見たものについて語る言葉は、まだほとんど見つかりません。アメリカに送るメールを座って書きながら、その間にもここで起こっていることについて考えることは一番難しいのです。ここの子どもたちが、戦車砲で開けられた壁の穴や占領軍が四六時中見張っている監視塔がない生活をしたことが一度でもあるのかどうか、わかりません。もっとも幼い子どもたちでも、暮らしはどこでもこんなふうなのではないということは理解しているのではないかと思います。確信があるわけではないけれど。私がここに来る2日前に8歳の子がイスラエルの戦車に射殺されました。たくさんの子どもたちが、これがアリだといって、私に壁の彼のポスターを見せました。……
 しかし、どんなに読んできても、いろいろな会議に出てきても、資料を見てみても、人の話を聞いてきても、私にはここの状態がわかってはいなかった。みんなも自分で見るまでは想像さえできない。というより、たとえ自分で経験しても、その自分の経験が現実とは全く違うことがわかるだけでしょう。イスラエル軍が非武装のアメリカ市民を撃てば、面倒なことになります。軍が井戸を壊しても、私は水を買うお金を持っているし、もちろん、私はここを離れることも選択できます。私の家族の誰も、車を運転していて大通りの塔からロケット弾で撃たれたというようなことはありません。私には家があります。私は海を見に行くこともできます。私を何カ月、何年と裁判なしで拘留することも今はまだ非常に難しいことです(もちろん、他の人たちと違って白人のアメリカ市民だからです)。……
 彼らは、アメリカの子どもたちが普通は、両親が撃たれることはないことも、時々海を見に行ったりすることも知っています。しかし、彼らが、海を見ることができたら、そして夜、ブルドーザーで水が盗まれることもなく当たり前に使え、夜、壁が突然内側に崩れて目覚めさせられることもない静かな所で生活することができるようになったら、身内を失ったことが一度もない人に会うことが出来たら、――そして殺人者の塔と戦車と武装「入植地」に包囲され、さらに今巨大な金属壁に包囲されるようになっている所でない所の現実を経験できたならどうでしょうか。世界第4位の軍事力――世界の唯一の超大国に後押しされた――が故郷から彼らを消し去ろうとして絶え間ない圧迫を加えてくることに対する抵抗にすべての子ども時代を費やしてきたことを、彼らはこの世界を許すことができるでしょうか。……
 こんなふうにいろいろ考えたあげく、結局私はラファにいるわけです。ここにはだいたい14万人が住んでいます。約60%が難民です。多くの人は2回、3回難民になっています。ラファは1948年以前にも存在しましたが、ここの多くが歴史的パレスチナ――現在のイスラエル――から移ってきた人かその子孫です。ラファは、シナイがエジプトに返還された時に半分ずつに分割されました。現在イスラエル軍は、14メートルの高さの壁をラファの中のパレスチナと国境の間の所に建設しています。家々を壊して国境に沿って、無人地帯を作り出しています。ラファ民衆難民委員会によると、602の家がブルドーザーで破壊されたそうです。部分的に壊された家はもっと多いのです。……
 国境沿いには、いつも戦車があり、その上、ラファと入植地の間にはイスラエル軍の塔が数え切れないほどあります。アーミー・グリーンの金属だけの塔もあるし、ラセン階段がネットで覆われていて、中で何がやられているか分からなくしているものもあります。建物の高さよりも少しだけ低くて、隠れているものもあります。国境に一番近い所は、元々のラファの町で、住んでいる人たちは、少なくとも一世紀前からここにいるのです。町の中心部の1948年のキャンプだけがオスロ合意のもとで管理されています。しかし、私が知っているかぎりでは、どこかの塔から見えないような場所はほとんどありません。…
 私には、外の世界からのニュースがなかなか得られません。しかし、イラクに対する戦争のエスカレーションは避けられないと聞いています。ここでは、「ガザの再占領」についてたいへん恐れられています。ガザは、毎日、さまざまな程度に再占領されています。しかし、いくつかの道に入ってきて、そこで監視したり射撃したりしてから数時間か数日間で撤退していた戦車が、全部の道に入ってくるようになり、そこに留まるようになることが恐れられているのだと思います。数日前にハン・ユニスで行われたイラク人民と連帯する集会に行ってきました。イスラエル占領下のパレスチナ人と米国に占領されることになるイラク人との類似について多くのことが言われていました。戦争そのものというより、戦争の後に確実に来る悪影響についてです。もしも人びとがこの戦争がこの地域全体の人びとに与える影響についてすでに考えていないとしても、これから考えはじめることを私は希望しています。
 また、みんながここに来てくれたらと思っています。ここにいるインターナショナルズ(国際連帯運動のメンバー)は、5人になったり6人になったりです。近隣で、私たちの滞在を望んでいる所は、イブナ、テル・エル・スルタン、ヒ・サラーム、ブラジル、ブロックJ、ゾロブ、ブロックOです。イスラエル軍が最大の井戸2つを破壊してからは、ラファの町はずれにある井戸も要請されます。町の水利局によると、先週破壊された2つの井戸は、ラファの水の半分を供給していたそうです。多くの地区から、インターナショナルズが夜間に滞在して、家の破壊の盾になってほしいという要望があります。夜10時以後は、移動することが非常に難しいのです。イスラエル軍は通りを動く者は誰でも抵抗者とみなして射撃するからです。明らかにわれわれの数は少なすぎます。
 私は、ふるさとの町、オリンピアがラファと姉妹コミュニティーの関係を結べば、得るものも与えるものも多いと今も信じています。いくつかの教師と子どもたちのグループが、Eメールの交換を通じて関心を示してくれています。しかし、これは行うべき連帯行動の氷山の一角でしかありません。多くの人は、自分たちの声を聞いてもらいたいと思っています。そこで私は、インターナショナルとしての特権を使って、こうした声を直接に米国に届ける必要があると思っています。たとえば私のような善意のインターナショナルのフィルターを通した声というよりも、直接の声をです。私は、あらゆる困難に立ち向かって組織する人びとの力、あらゆる困難に抵抗する力から、いまやっと学びはじめたところです。
 ワシントン州シェルトンで一人の友人が平和グループを組織して、1月18日のワシントンDCの大抗議行動に代表団を送ったことをアメリカの友人たちが知らせてくれました。ここの人たちも報道を見ていて、また今日も米国で大きな抗議行動があったことが英国で「政府にとって問題」になっていると私に言っています。ありがとう。おかげで、ここの人たちに、アメリカでは多くの人が政府の政策を支持していないし、世界の例からどうやって抵抗するかを学んでいるとおずおずと言ってみる時に、自分がまったくの楽天家だと感じなくても済むようになりました。……

 母親へ(2月20日)

 ……ここの人たちのことを考えるのは本当に恐ろしい。昨日は、1人の父親が2人の幼い子の手を引いて外に出るのを見ました。戦車と塔の狙撃兵の視界内です。彼は、自分の家が爆破されると思ってしまったのでした。…これはわれわれの翻訳のミスのためで、本当は近くの場所での爆破でした。おそらく、パレスチナのレジスタンスのしかけたものです。
 この地域では、日曜日には、入植地の外側に約150人の人たち集められ包囲されました。彼らの頭上には銃弾が飛び、戦車とブルドーザーが25個の温室を破壊しました。温室は、300人の生活を支えていたものです。あの父親は、家の中にいるより戦車の視界の中に出ていく方がまだ危険が少ないと感じたのだと考えてしまったのかと考えるのは恐いことです。…
 電話でお母さんが、パレスチナ人の暴力は問題の解決に役立たないと言っていたことを何度も考えてみました。2年前は、6万人の労働者がラファからイスラエルに働きに行っていましたが、今はたった600人です。その600人も、よそに移りました。こことアシュケルトン(最も近いイスラエルの町)の間の3つの検問所のおかげで、通勤に12時間もかかってしまうからです。車で40分の距離なのに。…ガザ国際空港は滑走路が破壊され全面封鎖され、エジプトと貿易していた国境にはイスラエルの狙撃塔があり、海へのアクセスは検問所とガシュ・カトィフ入植地によって完全に切断されました。インティファーダが始まって以来、ラファで破壊された家屋は約600戸にのぼります。ほとんどが抵抗運動と関係なく、たまたま国境沿いに住んでいる人びとの家です。ここには中産階級がありました。最近までは。ガザからヨーロッパに出荷された生花が、エレツで治安上の検査のためとして、2週間も止め置かれたこともあります。欧州市場で、2週間前に切られた花にどんな価格が付けられるか、想像できるでしょう。そして、ブルドーザーが来て、野菜畑を奪っていく。人びとにとって、何が残されているのでしょうか。何か考えついたら、教えて下さい。私には、考えられません。
 もしも、私たちの誰かが、生活と福祉を完全に抑えつけられ、兵隊と戦車とブルドーザーがいつ何時でも来て、何年も耕してきた温室を壊し、その間中、他の149人の人と一緒に何時間も捕らわれ殴られる――という状態で、子どもたちと一緒にますます狭まる土地で暮らしているとしたら、われわれは、どうするでしょうか。われわれがほんのひとかけらでも残されたものを守るために、何らかの暴力的手段をためすこともあると、考えられませんか。私がこう考えるのは、特に果樹園や温室が破壊されているのを見る時です。何年も世話をして耕してきたものです。私はお母さんのことを考え、これだけのものを作るのに、どれだけのものが必要か、仕事を愛する心がどれだけ必要か考えます。同じような状況に置かれたら、ほとんどの人が出来るだけの方法で自分を守るに違いないと私は本当に考えています。クレイグおじさんはそうすると思います。たぶんおばあさんもそうすると思います。私もそうするでしょう。
 お母さんは、非暴力の抵抗について聞いてきましたね。
 昨日、爆薬が爆発した時、ここの家族の窓はみな割れました。私はお茶をいれ、小さな赤ちゃんと遊んでいるところでした。今は、私にはつらい時です。運命に直面している人たちから、こんなにも愛されていること、非常に優しく愛されていることには、胃が痛くなる思いです。米国では、これが誇張に聞こえることは私には分かっています。正直に言うと、ここの人たちのこの上ない親切さと、彼らの生活が意図的に破壊されていることが明々白々だという事実が一緒になっていることが、私には現実のものとは思えないのです。……お母さんと話した後、私の話はたぶん完全には信じてもらえないのかなと感じました。信じないなら、そのほうが本当は母さんにとっては良いのだと思います。つまり、私は、独立した批判的な考え方を何よりも大切だと思っているからです。…私はお母さんが自分で調査することを知っていますから。…暗殺、子どもに対するロケット砲や銃の攻撃は、残虐行為です。しかしそれを焦点にしてしまうことで、それが置かれている脈絡を見失ってしまわないかと私は恐れています。ここの大多数の人びとは、――逃げ出すだけの経済的手段を持っている人でも、またたとえ自分の土地での抵抗をやめて出ていきたいのだとしても――出て行くことはできません。というのは、ビザを申請するためにイスラエルに行くことさえもできないし、また行き先の国が(われわれの国もアラブ諸国も)入国を認めないからです。だから、生き延びるための手段は、出口のない刑務所(ガザ)に閉じこめられるということでしかないのだと思います。それは、ジェノサイドだと思います。……たぶんお母さんはジェノサイドについての国際法上の定義を探し出せるでしょう。私は今は思い出せません。私は、こういう激しい言葉を使うのは好きではありません。それはお母さんがよく知っていることです。私は言葉を本当に大事にしたい。ものごとを描いて、ひとが自分自身の結論をそこから引き出せるようにしたい。
 まとまりがなくなってしまいました。お母さんに書いて、この長期的な陰湿なジェノサイドを私が見ていることを伝えたかったのです。……
 お母さんとお父さんを愛しています。ひどい批判をしてごめんなさい。今、知らない人が私に豆をくれました。お礼を言って食べなければ。それではこれで。

 

翻訳資料

 翻訳資料-2

 イギリス鉄道労組の反戦闘争

【解説】

 昨年9月28日ロンドンの40万人デモ、今年3月15日全国200万人デモなどを組織している統一戦線組織、SWC=戦争阻止連合の基軸を労組が担っている。今回は、2つの鉄道労組、ASLEFとRMTの闘いを紹介する。
 ASLEF=機関士・機関助手協会連盟は、旅客・貨物の運転士を中心にした組合。地下鉄も含まれる。組合員数約1万7千人。
 RMT=鉄道・海運・運送労組は、鉄道を軸に、海運、バス、トラックなどの労働者約6万人で組織している。
 両組合ともSWCの主要構成団体。ホームページのトップにSWCの闘いを掲げている。RMTはその直後に3・28、31、4・17の運転士スト(安全問題)の呼びかけを入れている。
 イギリスの鉄道労働者は、サッチャー政権以来の労組破壊攻撃にさらされてきた。さらに労働党ブレア党首らの「ニューレイバー」路線も重大問題だ。これは労働党・既成労組幹部がサッチャー路線の先兵になるものだった。
 イギリスの鉄道分割・民営化は、日本以上に細分化が激しく、安全が切り捨てられており、すさまじい鉄道事故があいついだ。
 鉄道労働者の怒りは、ニューレイバー路線を吹き飛ばした。ASLEFとRMTで戦闘的潮流が執行部に選出され,運転保安闘争,再国有化要求闘争が行われている。

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 反戦運転士が軍需貨物の輸送を拒否 英ガーディアン紙 03年1月9日

 昨日、運転士たちが、ペルシャ湾岸に展開している英軍向けだと思われる弾薬を運ぶ貨物列車の運転を拒否した。
 支援者は、その乗務員たちを、「良心的参戦拒否者」と呼んでいる。彼らは、トニー・ブレアのイラクへの攻撃の脅しに反対であると宣言した。そのため鉄道経営側は、国防省の役務をキャンセルすることになった。
 この反戦反乱は、この種の争議行為としては、この数十年間で初めてである。
 このマザーウェルの2人の運転手は、グラスゴー地域とスコットランド西海岸のNATO最大の武器庫であるグラン・ダグラス基地との間の列車運転を拒否した。
 イングランド・ウェールズ・スコットランド鉄道(EWS)は、国防省の軍需物資も民間物資も運
送しているが、昨日、その運転士たちを明日までに運搬するよう説得することを試みた。
 EMS経営側との会合で、鉄道労組ASLEFは、運転士に折れるように求めるよう要請された。しかし、この組合はイラク攻撃に反対しており、組合役員がこれに応じることはありそうもない。…… 

 議会への働きかけと集会 1月21日(ASLEFの回状)

 知ってのとおり、ASLEFは対イラク戦争反対闘争の先頭に立ってきた。この闘いの一部として、ノー・ウォー・オン・イラク・リエゾン(対イラク戦争反対連絡会)及びSWCは、国会議員と直接に論議しており、1月21日の議会ロビー活動を組織してきている。それに続いて、その日の夕方には、大委員会室で集会が行われる。ASLEFは、その集会で発言するよう求められている。
 私は、ロンドンの組合員全員に対して、集会に参加し、そして特に、この決定的な問題で自分が出来る限り選挙区の議員に働きかけることを求める。……
 これは、ロンドンの組合員だけの問題ではないけれども、他のASLF組合員よりもロンドンの組合員のほうがロビーと集会に出席することが容易である。しかし、それでも参加できない場合には、自分は本来は1月21日の集会に参加して政府の米国主導の対イラク戦争への参加の動向への懸念を伝えたかったのだという趣旨の手紙を選挙区の議員に書きことを考えて欲しい。……
友愛をもって
委員長 M D リクス
〔その他、2月15日、3月15日などの集会に全力動員の指令をだしている〕

 9労組委員長の声明

英ガーディアン紙への投稿
02年7月30日
 最近の貴紙の記事にあるように、イラクに対する米国の戦争についてのメディアの憶測が拡大している。われわれは、ジョージ・ブッシュのイラクに対する軍事行動の推進に反対し、英政府にそれを支持しないように求めるわれわれの考えは、英国と世界の世論を代表するものだと信じている。
 イラクが大量破壊兵器を開発しているとの主張はほとんどの西側の専門家によって強く疑問を呈されている。それには、元国連軍備査察官スコット・リッターも含まれる。彼は最近、そのことを実証する事実を提示したものは誰もいない、ということを指摘した。われわれは、リッターと同意見であり、イラクは米国あるいは他の誰かにとって脅威であるという証拠はないという考える。
 核及び他のあらゆる兵器は懸念される。それには、米国のものも含まれる。ジョージ・ブッシュは、彼がそれらを先制的に使いうることを望むことを明らかにしている。
 われわれは英国政府に、最近、英国教会が司教に回した声明にある勧告を推奨する。その声明は、このような戦争が国際法に違反することを指摘し、「行動に賛成する論拠は米国の対外政策の優先課題を反映したもの」であること、に考慮することを促している。
 中東の市民は、ただでさえパレスチナの窮状について激怒している。イラクへの戦争は、この地域全体をさらに不安定化するであろう。
TGWU〔運輸一般労組〕委員長ビル・モリス
FBU〔消防士労組〕アンディー・ギルクリスト
CWU〔通信労組〕ビリー・ヘイズ
NUJ〔ジャーナリスト労組〕ジェレミー・ディア
GPMU〔グラフィック・紙・メディア労組〕トニー・ダビンズ
ASLEF〔機関士・機関助手労組〕ミック・リクス
Natfhe〔大学教員労組〕ポール・マクニー
Napo〔家裁・保護観察労組〕ジュディー・マクナイト
RMT〔鉄道・海運・運送労組〕ボブ・クロー