COMMUNE 2004/10/01(No343 p48)

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10月号 (2004年10月1日発行)No343号

定価 315円(本体価格300円+税)


〈特集〉 泥沼化するイラク侵略戦争

□総蜂起するイラク人民に追いつめられる米帝
・米軍占領支配の崩壊的危機
・ペテン的な「主権委譲」政策
・武装解放闘争、本格的発展局面へ
口イラク危機で破綻する米帝の中東支配再編策
●年表/イラク情勢03・3・20〜04・8・12

●翻訳資料 アメリカ百万人労働者行進
 AFL−CIOへの回答/なぜMWMが必要か?なぜ今か/ILWU国際本部委員長へ

国際労働運動 南朝鮮・韓国/イラク派兵・職権仲裁と闘う民主労総−−室田順子

    8・6広島反戦集会

三里塚ドキュメント(7月) 政治・軍事月報(7月)

労働月報(7月)  闘争日誌(6月)

コミューン表紙

   労働組合の再生を

 8・1東西革共同政治集会は、新指導路線のもとにこの1年間闘ってきたことの成果をしっかり確認し、全党が打って一丸となって労働運動、労働組合運動に全力を注ぎ、闘う方針を圧倒的に意志一致した。マルクス主義青年労働者同盟1000人建設を軸に党勢倍増をかちとることを誓い合った。そのことが可能であることは、この間の教育労働者、全逓労働者、自治体労働者の闘い、何よりも動労千葉を先頭とする国鉄労働者の闘いがはっきりと示している。中野洋・動労千葉前委員長著『俺たちは鉄路に生きる2』に表されている階級的労働運動の理論と実践を学び、また、革命にとっての労働組合の決定的役割を明らかにしたレーニン労働組合論を学び直し、実践に結びつけ、労働組合運動の1年間決戦を闘いとろう。

 とりわけ教労戦線での闘いは重大だ。「日の丸・君が代」を学校行事で強制する10・23都教委通達を打ち破って卒業式・入学式で「君が代」不起立を貫き、処分攻撃と真っ向から闘う都の教育労働者の闘いは、全国に大きな激励を与えている。この闘いは、労働者の戦争動員、教育基本法改悪・改憲の攻撃を粉砕する先端の闘いである。教労の闘いを軸に、全逓、自治体、国鉄の4大産別決戦を闘いぬき、動労千葉など3組合が呼びかける11月労働者集会を日韓米の3カ国連帯闘争として、昨年以上の大成功をかちとろう。小泉・奥田(日本経団連会長)の戦争と資本攻勢に対する闘いを連合、全労連指導部がまったく放棄している中で、労働組合の戦闘的再生をかちとる時が来ている。労働者は必ず立ち上がることを確信して闘おう。

 沖縄でついに恐れていた事態が現実のものとなった。8月13日、普天間基地所属の米軍ヘリが基地に隣接する沖縄国際大学構内に墜落炎上した事件は、住民に死傷者が出なかったことが奇跡であるような大事故である。普天間基地を7年間で返還すると約束したのが8年前の96年だ。住民と普天間基地は一刻も共存できない状態になっているのだ。そして、普天間代替として策動されている名護市辺野古への新基地建設に対しては、命を守る会を先頭に100日以上に及ぶ座り込みが続いている。金武町のキャンプ・ハンセンでは、都市型戦闘訓練施設建設に対する闘いが町ぐるみで燃え上がっている。いつまで沖縄に犠牲を押しつけ続ける気なのかという怒りの爆発である。今や再び沖縄人民の総反乱の時が来たのだ。

 この沖縄の事故に劣らず重大な事件は、8月9日の関西電力美浜原発3号機での4人の労働者を殺した大事故の発生である。原発史上最悪のこの事故は、日帝が原発下請け労働者の犠牲の上に、安全は二の次の原発政策を続けてきたことの必然的結果である。そもそも原発は日帝の独自核武装のための準備である。あらためて「核と人類は共存できない」という原点を確認しなければならないし、日本帝国主義が、国策のためには労働者の命など意に介さないことを怒りをもって弾劾しなければならない。イラク侵略戦争で連日イラク人民が虐殺されていること、トランスフォーメーション(米軍大再編)で北朝鮮・中国侵略戦争の体制が強められようとしていること、改憲攻撃が小泉・奥田路線として強められていること、これらと一体の問題として、普天間でのヘリ墜落事故、美浜原発の事故を見る必要がある。(た)

 

 

翻訳資料

  アメリカ百万人労働者行進

 阪中浩一訳

【解説】

 この7月、動労千葉代表団は昨年に続き2度目の訪米を行った。11月集会を結集軸とする日本の階級的労働運動の新潮流と、ILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)を先頭とする自立した階級的労働運動の新潮流の闘いが、相互に促進する時代が始まった。
 ILWUローカル10は今、10月17日の°百万人労働者行進″の組織化に全力をあげている。
 この運動、「ミリオン・ワーカー・マーチ」=MWMの画期的な点は、労働者が労働者階級として、独立した勢力として登場することだ。MWMの要求項目は、労働者の切実な生活と権利の諸要求であり、イラク反戦である。共和党も民主党も労働者の要求を実現しないから、労働者自身の力で実現しようということだ。
 これまでアメリカは、資本家政党である共和・民主の両党による二大政党制が行われてきた。そして、アメリカの労働組合のナショナルセンター、AFL−CIOは、民主党を支持してきた。
 こうした中で、西海岸のILWUローカル10から始まった労働者独自の運動に、東海岸の北部ニューヨークや南部サウスカロライナなど多くの強力な労組やAFL−CIO地域協議会、州連盟が結集してきている。NEA(270万人の教育労働者の労組)は、大会決定でのMWM賛同に動いた。
 今回の翻訳資料は、このMWM=百万人労働者行進運動の勢いに恐怖を感じたAFL−CIO執行部が出したMWM賛同禁止指令に対する、MWMの側からの反論を掲載する。@は、MWM組織化委員会の反論、Aは、ニューヨーク州ロングアイランドのチームスターズ労組の書記長の合同協議会の闘争抑圧への反撃、Bは、ILWUローカル10指導部からのILWU本部へのMWMへの本格的な力の投入の呼びかけだ。
 MWM組織化委員会は、共和・民主両党の反労働者性をあいまいさなく痛烈に批判しつつ、同時に、既成労組幹部との関係や労働者のさまざまな意識に対して注意深い姿勢をとっている。
 既成指導部の下で諸労組が大会決定した運動方針では、ケリー選挙運動に全力投入するとしたものがほとんどだ。しかも、戦闘的労組員の中にさえ、「ブッシュを落とすためにケリーを」という意識が根強い。こうした中で、MWM組織化委員会は、諸労組の支部組織などがMWMへの賛同決議をあげやすいように配慮している。民主党やそれを支持するAFL−CIOへの批判は、労働者の具体的な要求と民主党の具体的な政策との対比という形で行われている。そして、既成指導部による労働者の選挙動員への直接的な批判よりも、°労働者自身の独立した闘いが不可欠″ということに絞り上げて主張している。MWMが現実に数百万、数千万の労働者とともに闘おうとしていること、そして労働者階級を階級として組織しようとしているからだ。

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 @AFL−CIOへの回答

今や、われわれの力と権利のための闘いを見せるときだ!
百万人労働者行進組織化委員会はAFL−CIOの指令に答える。
 2004年7月23日、ジョン・スウィーニーとAFL―CIOの指導部の命を受けて、AFL−CIOの実地動員局長マリリン・C・スネイダマンは、「百万人労働者行進」に関する「すべてのAFL−CIOの各州の連盟と中央労働者協議会」に覚書を送り、「ワシントンDCのデモへの支持や資金提供をするな」と指示した。
 この覚書の送付が、百万人労働者行進の公式な賛同者や組織者に事前にまったく知らせずに行われたことに注目しなければならない。賛同者や組織者の中には、ILWUの港湾部門に属するすべての労組、黒人労組活動家全国連合、AFL−CIOサウスカロライナ州連盟、全米各地の労働者協議会、そして国際行動委員会やグローバル・エクスチェンジなどの全国組織が含まれている。
 事実上、AFL−CIOの指導部は、労組や反戦団体、コミュニティー団体、異宗教間組織の大きな部分の頭越しに、ワシントンDCでの労働者大行動をボイコットするように指令したのだ。
 これは前例のないことで、問わざるを得ない。なぜAFL−CIOの指導部は、労働者の動員を恐れるのか? アメリカで働く人々が直面している危機に立ち向かい、生活水準や社会福祉、住宅、健康や教育への全面的攻撃の転換を求め、働く者の労働から搾り出した数兆ドルを、10年を超える永続的な戦争、石油のための野蛮なイラクへの戦争と占領に提供するために流用することに異議申立をするこの行動を、なぜ恐れるのか?
 AFL−CIOの覚書は言う。
 「われわれはこの行進の多くの目的と課題に賛成できるが、AFL−CIOはこの行動を共催しないし、この秋のデモへの動員のために資金やエネルギーを提供することをしない」
 「われわれは、労働運動が、ジョージ・ブッシュを公邸から追い出すことに関わることは、極めて決定的だと考える」
 「われわれは、AFL−CIO州連盟や地域協議会、中央労働者協議会がワシントンDCでのデモを共催したり、資金提供せず、選挙に集中することを訴える……」
 百万人労働者大行動は、政治家や政党とは独立して、われわれにとって必要なことやなすべきことを推進するために組織されている。
 われわれは、われわれの名で行動すること以外に、自分たちに必要なことを前進させる運動を打ち立てることはできないと断言する。労働組合運動の形成そのものが、働く者の独立した組織化と動員の結果であった。産業別労働組合のための闘い、女性参政権のための運動、公民権のための偉大な運動――これらはすべて、われわれ自身の名において、独立した運動の意志によって実現した。
 AFL−CIOの指導部も賛同しているのだといっているMWMの目的は、単一保険者による「ゆりかごから墓場まで」の皆健康保険(政策)も含んでおり、それは貪欲な保険会社の締め付けを終わりにするだろう。〔現在、アメリカには、HMO(保険維持機構)等々、多種多様な保険者が運営するシステムがある〕
 ジョージ・ブッシュの敗北はこれを実現するだろうか?
 MWMの目的には、あらゆる場所で激しい競争の中で労働者相互を争わせ、どん底の搾取工場に突き落とす大企業の貿易協定を終わらせることが含まれている。ブッシュ敗北はこれを変えるだろうか? 民主党は、NAFTA、MAI〔多国間投資協定〕、ファスト・トラック〔大統領の貿易協定包括締結権限〕をもたらした。それが、ディズニーやJ・C・ペニーがハイチの労働者に一時間21セントしか払わないという状態を作った。
 ブッシュの敗北は、民営化と公共事業体の労働組合の破壊の終わりとなるだろうか? 民主党は、「政府のダウンサイジング(縮小)」の名で、民営化したし、われわれの仕事を外注化したのだ。
 ダウンサイジングされたのは、社会福祉だった。企業の儲けと軍事が、全労働者の低賃金から数兆円を吸い尽くしながら、そういうことをやったのだ。
 ジョージ・ブッシュの敗北は、崩壊しつつあり、荒廃した公学校を、短期集中的に大変革し、アメリカのすべてのコミュニティーでそれらの学校を、見事な公教育の状況に変えるだろうか?
 ジョージ・ブッシュの敗北は、われわれの大都市中心部を再建し、自由で現代的な、芸術的な家を備えた町にし、ホームレスをなくすだろうか。〔アメリカの公共事業資金の投下は極端に不平等で、貧困層が多く住む大都市中心部の荒廃は著しい〕
 ブッシュが敗北すれば、国民がこの国の再建を担える技術と能力を訓練する国家的事業が実施されるようになるであろうか。
 それは、貧しい者の有罪化の終わりと、黒人やラテン系の若い世代を破滅させる刑務所産業複合体の廃止をもたらすだろうか?
 ジョージ・ブッシュの敗北は、両政党の労働組合つぶしと67年間にわたって生きてきたタフト・ハートレイ法などの反労働者法を一掃するだろうか?
 ブッシュの敗北は、すべての市町で、現代的で自由な大衆の交通手段を確保するだろうか?
 ジョン・ケリーは、ブッシュを極右から攻撃している。彼は、いわゆる「テロとの戦争」の強化を訴えており、人民をターゲットにして「彼らが行動する前に」、反対派にテロリストのレッテルを貼り、裁判なしで拘留することや、秘密に逮捕することに明示の許可を与えようとしている。
 民主党から立候補しようとしているジョン・ケリーは、イラクへの大規模な米軍の劇的な増大を要求しており、中東とその背後での米軍の軍事支配を拡大しようとしている。
 ブッシュの敗北は、イラクの占領とより大きな帝国主義戦争の計画を終わりにするだろうか?
 彼の敗北で、米軍部隊は直ちに戻れるだろうか。それとも、広く報道されているように、選挙後の計画は、労働者階級の若者の徴兵と軍拡なのだろうか。
 7月25日、アメリカの上院は、98対0で、ペンタゴンに4億1600万ドルを提供することを可決した。それより前に上院は93対4で、イラクへの増派を可決した。それは議会が、次の10年間のための最初の1兆ドルの軍事予算に賛成したすぐ後であった。
 われわれは、防衛会計局が4兆4000億ドルがペンタゴンの会計から消えさっていることを知っており、記録は数十年もごまかされてきたことに注目している。
 1兆ドルは、イエスの誕生以来、1分間に1000ドルという額として表現される。
 ジョージ・ブッシュの敗北は、略奪した資金を明らかにするだろうか?社会的サービスをさらに劇的に削ることと不可避につながっている、軍事産業にドルを垂れ流す永久的なサイホンを廃止するだろうか?
 現在、71パーセントのアメリカ企業は税金を払っていない。そしてジョン・ケリーの主席経済相談役はウォール街のワーレン・ブフェットであり、彼は、ジョージ・シュルツとともに仕事をし、アーノルド・シュワルツネッガーとまったく同じ役割をはたしている。
 ケリーが彼の副大統領候補として考えているジョン・マッコイや、ケリーに賛同するゼネラル・モータース、クライスラーのリー・アイアコッカは、労組や働く者の利害を代表しているのだろうか?
 AFL−CIOの公式指導部は、アメリカでの働く人々の偉大な行動を支援する現場労働者の急速な成長に直面し、百万人労働者行進の支援をせず、止めるように組織労働者に命令した。
 すべての労働運動と組織労働者は、2004年10月17日のワシントンでの百万人労働者行進の呼びかけをボイコットするようにと通告されたのだ。
 アメリカの労働者は、包囲攻撃されている。企業と銀行の寡占体がこの社会で権力を持っており、われわれ皆に階級戦争をしかけてきている。
 攻撃につぐ攻撃に直面したAFL−CIO指導部のこれまでの回答は、沈黙と怠慢でしかなかった。
 彼らの声は静められた。彼らには、「もうたくさんだ」と叫ぶ勇気はない。二つの党は同じ人びとの資金によって動いており、二つの党の現住所はウォール街である。だが、彼らはそれを指摘することもできない。
 労働者の反撃を指導すべきときに沈黙すべきではないし、反撃する者を声高に非難すべきではない。
 36年前、マーチン・ルーサー・キングは、危機にあるシステムに立ち向かい、アメリカの二つの党を支配する銀行・企業寡占体がわが政府とわが国をハイジャックしていることと対決するために、ワシントンでの偉大な貧者の行進を呼びかけた。
 AFL−CIOは、マーチン・ルーサー・キング、マルコムXおよびセサール・チャベス〔UFW(農場労働者組合)創立者〕に率いられた偉大な公民権運動の行進と動員をボイコットしサボタージュするようにとの指令をすべての組織労働者にあえて送るであろうか。
 非常に現実的な意味で、アメリカの労働運動は、それ自身の危機に直面している。われわれに対する容赦ない階級戦争は、労組の組織率を12パーセントも下げてきた。これは、この国の富の90パーセントを所有している、人口の1パーセントが行っている、意識的攻撃の結果である。
 労働運動は、包囲攻撃下にある。というのは、企業の経営者たちは、組合運動がすべての労働者と米国の圧倒的多数の声を組織していることを知っているからである。
 われわれは生産点にいる。そしてわれわれの部隊を動員すれば、われわれは、いかなる不当な権力にも押し止められない勢力を代表することになる。それが、いかに集中された権力であろうとも、押し止められない。
 われわれは、ランク・アンド・ファイル(一般組合員)の息吹に触れている。未組織労働者の息吹に触れている。労働者の圧倒的多数は、果てしなき戦争の終結を望んでいる。この国の資産を軍事生産と戦争に大量費消することを終わらせたがっている。
 まさにこの週末、AFSCMEとSEIUという2つのアメリカで最大の労組が満場一致でイラクでの戦争を即時終結させ、米軍部隊を帰還させる決議をあげた。
 これが、百万人労働者行進が労働運動に呼びかけている理由である。
 われわれは、アメリカ中の労働者協議会が、この行進に賛同していることを誇りに思う。サンディエゴからアンカレッジまでのすべてのILWUの支部が賛同したことに感激している。黒人労組活動家連合の賛同、農業労働者組織委員会や移民の権利のための組織の賛同に感激している。
 MWMは、アメリカのすべての労組を組織しつつあり、労働運動のエネルギーと情熱を、変革を望む人々がいるところはどこであっても、引き出している。
 われわれは、働く人々に、いつもの日常的な生活から、アメリカの変革、われわれがなすべきことに集まることを呼びかけている。
 MWMのデモと動員は、「もうたくさんだ」と言っている全ての人のためのものである。ハーレムにおける幼児死亡率は、バングラデッシュよりも高く、バングラデッシュでは、ILWUをつぶそうとしている同じ港湾会社が、港を民営化し、飢餓賃金を輸出している。
 米国の都市での失業者は、無職の若い男性黒人の比率が60パーセントを超すという壊滅的状態に至っている。だから、武装警官隊が一つの占領軍として配備されているのだ。
 アメリカの子どもの4人に1人がひどく飢えているが、労働組合の数億ドルの資金が、それに対して何もしない政治家の資金として当然のように使われている。
 選挙の時にはわれわれにおべっかを言い、そして選挙と選挙の間はつねに、われわれの仕事と利益、社会的サービスを破壊する政治家に白紙委任する必要はない。
 われわれは、すべての組合員、すべての組合支部、そしてすべての労働者協議会、州連盟と中央労働者協議会に訴える、労働者の声を聞かせよう! と。
 われわれの権利のためにともに立ち上がろう! われわれのなすべきことをともに進めよう! われわれのコミュニティーと雇用のためにともに闘おう!
 アパルトヘイトに抗議して港を閉鎖し、タフトハートレイ法やすべての反労働者法に反対して闘ってきたILWUの労働者を支援しよう!
 性と生殖に対する権利と同一労働同一賃金を求めてワシントンDCで行進し行動した125万人の婦人を支援しよう!
 その政治家が誰であれ、どんな横断幕のもとでパレードをしていようが、すべての政治家にメッセージを送ろう。「われわれは売り物ではない! おべっかを言われたくない! 嘘をつかれたくない。支持が当然とは思ってほしくない!」
 彼らに、われわれの経験や必要性、ビジョンにもとづいて、われわれがなすべきことを持っているのだと知らせよう。彼らを試練から逃げられなくすべきだ。
 AFL−CIOの指導部、そしてわれわれの援助を求めるジョン・ケリーやほかの政治家に期待や希望をもっているすべての人に訴えよう!「トップの沈黙と、底辺での忍従を混同するな!」と。
 労働組合は、あまりに多くの白紙手形を発行しすぎたが、われわれは、物を奪われ、切望を無視されただけだった。
 団結しよう! すべての者は労働運動のもとに!
 われわれがこれまで得たものはすべて、労働運動の一つの旗のもとで得たのだ。働く者は誇りがあり、強く、組合も強い。そしてわれわれは、自分達自身の声と名でわれわれの権利のために闘う。
 来たれ、兄弟姉妹よ! われわれの偉大な力、社会的正義と変革への欲求を、発展させよう!
 われわれはすべての人に、10月17日のワシントンDCでの百万人労働者行進に賛同し、それを作り上げ、財政的にささえ、動員することを求める。この日は、われわれがアメリカを縦断するデモをする日であり、労働組合と労働者が行進し、われわれがこれ以上否定されることがなくなる日となる。

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 AなぜMWMが必要か? なぜ今か?

2004年6月16日  (抄訳)

兄弟姉妹へ
 本日、チームスターズ第16合同協議会は、百万人労働者行進への呼びかけに対する賛同と支持を拒否した。そのため、あらためて、「なぜ行進が必要か。なぜ今か」という問題を述べなければならない。
 労働運動は、40年以上もの間ずっと重包囲下にあった。民主党は、北米自由貿易協定(NAFTA)や対中国通商関係正常化(PNTR)など多数の貿易協定を成立させ、トラック輸送業と航空業の両方の規制緩和を可決した。銃弾が足に当たるのと頭に命中するのは違う。これらの協定の可決は、労働者と労働組合組織が銃弾を頭にぶち込まれたということである。民主党の大統領と民主党主導の上下両院のもとでも、われわれはスト代替要員に関する法律を成立させられなかった。いつまでも民主党の言いなりにではいけない。労働者階級の共同の力こそ、1955年を頂点とした労働運動の衰退を逆転させる力である。共和党は、レーガンが航空管制官を首にした時、犠牲者を処刑する銃弾を1つ使った。この銃弾は、アメリカの労働者家族に対する絶え間ない突撃の開始と、労働者搾取の世界的拡大の号令だった。
 われわれは、選挙を支援して施しを受けることにもっと気をつかうのか、それとも労働者階級の集団的な意志と力を信頼するのか。われわれが代表している組合員たちは、この行進を望んでいる。われわれの運動の存続そのものがMWMにかかっている。われわれは力を発揮して、国中の労働者家族が直面している問題をこの偉大な国民に自覚させなければならない。行進は、11月の大統領選挙を戦っている候補者同士のやり取りを変えるであろう。このようにして力を示すことで、労働運動が掲げる問題点を議題として採り上げさせることができるようになる。どちらの候補も本当に労働者家族の利益になるような立場は明らかにしていない。今がわれわれにとって、候補者をつかまえて離さない決定的瞬間なのである。
 組合員は、組合員を指導する者としてわれわれを選出した。……すべての労働団体は、労働者の大衆的な動員が力となることを信じ、理解している。われわれはみな、百万人労働者行進がわれわれの闘いに大きな前進をもたらすことを知っているのに、なぜ行動するのを拒否するのであろうか。
 労働組合運動の前進は、労働者階級を大衆動員していくことでしか実現しない。20世紀の後半と21世紀の初頭の動向は、動員への呼びかけが正しいことを示している。労働者がよく知っており、毎日感じているように、あらゆる理由で、この動員への呼びかけは必要である。
 ローカル808の組合員が鉄道企業で最初に週5日40時間労働制をかちとったのは、果敢に抵抗したからである。組織労働者の歴史の中でわれわれ鉄道労働者が偉大な躍進を達成できたのは、果敢な抵抗の故である。果敢な抵抗によって労働者は、男女の労働者と家族の生活水準を引き上げることができた。1934年のミネアポリスのスト、ヘイマーケット暴動、モリー・マグワイア党員、労働騎士団、シカゴの食肉処理場のストといった一連の闘いがかちとったものを惜しげもなく毎日浪費しているが、われわれには21世紀におけるこうした闘いを指導する覚悟ができているのであろうか。労働者は経営者と闘うために労組に入っている。われわれは労働運動のリーダーなのか、それともサービス組織の経営者のリーダーなのか。労働官僚か、大義を持った戦闘的な労働運動リーダーか。
 未組織の人たちは、強さと団結にあこがれて、労働運動というパワフルな勢力の一員になりたいとわれわれのところへやってくる。もう一度、決定的な力を持ちうる、臨界点に達する量の労働者の組織化を開始しよう。再び民間部門の労働者の35パーセントの組織率を達成すべきである。
 MWMは、有権者を動員する決定的手段になる。そのタイミングは投票の2週間前であり、チームスターズ〔陸上輸送部門などの労組〕とAFL−CIOが今までのどんな手段より安価で効果的に有権者を投票に向かわせる方法である。われわれは、労働者に恩恵をもたらすようにとこの2政党に何百万という金を賭けてきた。だが、成果はほとんどない。今がまさにこの同じ金を使って労働者を大衆運動に動員する時である。なぜわれわれは自分たちの金を自分たちの組合員に使うことをすぐ躊躇してしまうのか。われわれの勝利への行進に投資しよう。
 この50年間、われわれはあらゆる面で次々と陣地を失ってきた――組合員が減少し、ストライキ権が削られ、健康保険と年金が縮小され、そして今では多くの職場にも二層制が出現している。こうした喪失が50年も積み重なっているのに、今立ち上がらなくていつ立ち上がれるのか。
 動員の呼びかけは、労組のリーダーが多数参加したサンフランシスコでの大衆集会でILWUローカル10(AFL−CIO)が最初に行った。ローカル10は、偉大な労働組合指導者ハリー・ブリッジスの出身組合である。ローカル10は南アメリカからの船の荷下ろしを拒否し、アメリカの労働者の南アフリカのアパルトヘイト政策に反対する闘いの火ぶたを切った。
 ダニー・グローバー、AFSCME(アメリカ州・郡・市職員組合)第1707地区協議会議長ブレンダ・ストークリー及び私が、そこで基調演説を行った。私は、シアトルからサンディエゴまでのILWUローカルのリーダーたちが出席した西部地区協議会で演説する栄誉を与えられた。彼らも行進に賛同したのである。
 ローカル808は、直ちに呼びかけに賛同し、百万人労働者行進の成功のために努力すると答えた。支部が、支部の力になるようと、国際本部〔チームスターズ中央〕と加盟下位諸組織〔合同協議会16など〕を作ったのである。それらが支部を運営するためではない。国際本部は、諸支部の全体的利益のための仕事をするのである。大会の代議員が力なのである。大会の代議員がこの組合の最終的権威になるのであるから。われわれは目的や政策、運営ルールを設定し、それらを実行する役員を選ぶ。われわれは、自律的な支部組合であるから、行動を起こすのに役員の承認は必要ない。……
 私は、全国のすべての自律的なチームスターズ支部労組に、04年10月17日にワシントンで行われる行進に組合員を動員するよう呼びかけている。さらに、すべての支部労組のリーダーたちに、この国の労働者階級を強化するこの最も価値ある作業を支援するために賛同し、資金を出し、動員するように全加盟諸団体に手紙を書くよう呼びかける。このスケジュールは、11月に投票に向かわせる強力な討論の場となる。選挙のプロセスの重要さをわれわれは十分に理解している。しかし、われわれが組合員を投票所まで連れて行くのであり、11月に労働運動が勝利するための最後の詰めとして、MWMは最大のフォーラムになる。
 私は、すべての支部労組に、MWMに参加して労働者の反撃の意志を強化するよう呼びかける。
友愛を込めて
F・クリストファー・シルベーラ
ニューヨーク州ロングアイランドのチームスターズの書記長

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 BILWU国際本部委員長へ

兄弟スピノザへ
 われわれは、この手紙で、あなたとの会合を提案します。ご承知のとおり、港湾部会は、ILWUローカル10が開始した百万人労働者行進に満場一致の賛成票で賛同し、それを支えることを決定しました。したがって、われわれは、国際本部が支持し、後ろ楯となってくれたことに感謝せねばなりません。
 しかし、AFL−CIOの実地動員局長マリリン・スネイダマンの百万人労働者行進に関する最近の指令には、われわれは確かにがっかりしました。
 彼女は、百万人労働者行進の目的と課題についてはAFL−CIOは同意していると言いながら、AFL−CIOはそれらについて行動することを望まず、行動する者を引き止めています。
 労働組合を抑えて行進を支持させないようにすることは、ILWU港湾部会の全メンバーへの侮辱です。われわれは、強く反論する権利があると信じています。
 行進の呼びかけは、事実、選挙以前にわれわれの課題を強調する草の根の組織化を行うということの表現です。われわれの課題は、共和党によっても民主党によっても、取り組まれていません。
 われわれの10月17日への動員は、ブッシュを取り除こうとすることと全く矛盾しません。しかし、われわれは選挙だけを労働運動の焦点にするのではなく、むしろ根本的に、われわれの生存を焦点にすべきだと信じています。
 スネイダマンの覚書は、「ILWUの原則的指針」と相容れません。ILWUの原則的指針が規定していることは、ランク・アンド・ファイルによるコントロールです。われわれの港湾部会がそのランク・アンド・ファイルによるコントロールを表現しているのです。
 「組合の力は、ランク・アンド・ファイルの財布から来る」と兄弟ハリー・ブリッジス〔ILWUを創設した指導者〕は、言いました。AFL−CIOは、われわれの歴史と伝統を知るべきです。
 ケリー上院議員は、軍増強計画を公式に発表しています。この計画は、徴兵制なしには実現できないものです。また、「テロリズムに対する戦争」の拡張計画も公表しています。そして、労働者についての国内の計画については、説明していません。
 上院は、98票対0票で、軍事作戦の費用を7700億j増加させることに賛成しました。そして、93票対4票で、在イラク米軍部隊を増やすことに賛成しました。
 ケリー上院議員は、企業課税5パーセント削減を提案しています。海外に拠点を持つ企業の71パーセントが税をまったく払っていないし、米国内に拠点を置く企業の50パーセントがこの好況の数年間に税を全然払っていないという時に、こんな提案をするのです。そして、米国企業の94パーセントは総収入の5パーセント以下の租税債務しか有していません。
 ウォールストリートジャーナル紙は、「ウォール街がケリーの死命を制している」と書いています。ケリーに献金している者の50パーセントは、ブッシュにも献金しています。
 われわれは、こうしたことをできるだけ早い機会にあなたと膝詰で話し合いたいと思っています。
ヘンリー・グラハム(ILWUローカル10委員長)
クラレンス・トーマス(MWM組織化委員会共同議長)
トレント・ウィリス(MWM共同議長)