COMMUNE 2004/11/01(No344 p48)

ホームページへ週刊『前進』季刊『共産主義者』月刊『コミューン』出版物案内週刊『三里塚』販売書店案内連絡先English

11月号 (2004年11月1日発行)No344号

定価 315円(本体価格300円+税)


〈特集〉 闘うチェチェン人民と連帯を

□ソ連崩壊時の「独立革命」と2つの侵略戦争
・ソ連崩壊が民族独立運動に拍車
・停戦合意し事実上の独立状態へ
・第2次チェチェン侵略戦争へ
口3百年続くチェチェン人民の民族解放闘争史
・カフカス戦争1817―64年
・ソヴェト体制下でも民族反乱
・スターリン権力に不屈に抵抗
・強制移住の苦難のなか民族性を堅持
●チェチェン共和国の概観

●翻訳資料 百万人労働者行進で労働貴族から労組奪還  村上和幸訳

国際労働運動 南朝鮮・韓国/非正規職悪法絶対阻止へゼネスト−−室田順子

    9・12宜野湾市民集会

三里塚ドキュメント(8月) 政治・軍事月報(8月)

労働月報(8月)  闘争日誌(7月)

コミューン表紙

   ブッシュ打倒の嵐

 全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3組合が、「 11・7全国労働者総決起集会」の呼びかけを発した。この呼びかけに全力でこたえよう。今年7回目になる3組合主催の集会は、今年はとりわけ重大な意味を持っている。イラク侵略戦争の泥沼化の中で日本帝国主義の自衛隊派兵とその多国籍軍化の攻撃。有事法制が国民保護法まで作られ、160の公共機関と民間企業を「指定公共機関」に指定し、労働者の戦争動員に向かってさらに攻撃が進んだ。そして、小泉・奥田路線のもとで資本攻勢(民営化を軸とする)が一層激しさを増している。11月労働者集会は、こうした「外に向かっての侵略戦争と内に向かっての階級戦争」の攻撃に対する総反撃の場だ。

 アメリカでは、11月大統領選を前に、「ブッシュ打倒」の労働者人民の闘いが燃え広がっている。ブッシュは「反テロ戦争」を正当化するために8月末の共和党大会を9・11の地であるニューヨークで行ったが、これに対して50万人もの労働者市民が大デモをぶつけ、2000人近くが逮捕される激突となった。さらにILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10、ローカル34などが呼びかけて、10月17日には首都ワシントンDCでMWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)=100万人労働者行進が行われる。アメリカ労働組合の最大のナショナルセンターであるAFL−CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)の指導部がMWM参加禁止指令を出しているにもかかわらず、これをのりこえて闘いが爆発しようとしているのだ。

 小泉政権は9月10日に郵政民営化の閣議決定を強行した。これは全逓労働運動の全面解体、労働者28万人に対する大量首切りの攻撃である。四つの会社に分割し、すべての郵政公社職員から国家公務員の身分を奪い、いったん全員解雇・選別再雇用による大量首切りを強行し、労組活動家をパージして労働組合を徹底的に破壊・解体しようとするものだ。国鉄分割・民営化やNTTでの大合理化を集大成してさらにエスカレートさせた攻撃だ。これに対してJPUに名称変更した連合全逓中央は郵政公社・生田総裁との「労使パートナー」宣言のもとで実質的に郵政民営化を推進している。日本共産党の「反対論」も労働者の立場からのものではない。階級的原則に立った不屈の反撃こそが求められている。全労働者の怒りの総決起を実現しよう。

 イラク侵略戦争での米兵死者1000人突破の反対側にはその10倍20倍ものイラク人民の死者がある。この理不尽な侵略戦争にあらためて国際的な怒りが集中されなければならない。そしてこの戦争に参戦する日帝・小泉は、沖縄にますます犠牲を押しつけ、さらに米軍と自衛隊の基地を強化し、イラク侵略戦争の継続激化と北朝鮮侵略戦争に向かって改憲に突っ走ろうとしている。同時に、労働者に対しては、闘う教育労働者への処分、郵政民営化、公務員制度改悪などの攻撃を強めている。帝国主義は体制として危機に陥り、労働者を食わせていくことができなくなっている。それをこのように戦争と資本攻勢の強化でのりきろうとしていることに、根底的な怒りを爆発させなければならない。日本、アメリカ、韓国、そしてイギリスなど各国の労働者の闘いは、共同の敵帝国主義の支配を打ち倒す闘いとしてつながっている。(た)

 

 

翻訳資料

 百万人労働者行進で労働貴族から労組奪還

 村上和幸訳

【解説】

 ILWUローカル10が2月に提起した百万人労働者行進(ミリオン・ワーカー・マーチ=MWM)は、今や巨大なうねりとなってアメリカ労働運動を塗り替えようとしている。
 アメリカのナショナルセンターAFL−CIOは、労働者自身の主体的な決起が自分たちの労組支配を脅かす恐怖に震えあがり、必死になって百万人労働者行進に賛同するな、資金を出すな、という指令をだした。だが、MWMは、こうした締め付けと激しく闘いながら前進している。
 アメリカ最大の労組、NEA(全国教育連盟、270万人)が全国大会でMWM賛同を決議した。NEAは、AFL−CIOに加入していない独立労組であるが、AFL−CIO傘下のAFT(米教員連盟)と協力関係にあり、たとえばロサンゼルスでは、UTLA(ロサンゼルス統一教員組合)という統一組織をAFTとともに作っている。UTLAは、MWMに向けての準備集会を行うなど、積極的にMWMを組織している。
 AFSCME(自治労に相当、140万人)の多くの支部、地区協の賛同が勝ち取られている。ニューヨークの第1707地区協(2万3千人)、第37地区協(12万5千人)、ワシントンDCやバルチモア市などの第92地区協(3万人)などだ。AFSCME中央の書記長も賛同した。
 ニューヨークの都市交通の2大組合、TWUローカル100(3万8千人)とATUローカル100(3万人)も共に賛同している。
 翻訳資料の@は、イラク反戦を労働者の切実な要求として掲げるMWMが反戦運動諸団体に合流を呼びかけたものである。
 翻訳資料Aは、映画リーサル・ウェポンなどで日本でも有名な俳優、ダニー・グローバーの演説である。50万人がニューヨークの共和党大会と対決した闘いの中で、9月1日には、AFL−CIOの労働者集会に4万人が集まった。その壇上から、ダニー・グローバーが演説したのだ。彼は、ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10がMWMを提起すると、直ちに賛同人となってその先頭に立ってきた。だが、若い時から黒人解放運動、労働運動を筋を通してたたかってきて、労働者に圧倒的な人気があるグローバーは、AFL−CIO中央も排除できなかった。
 翻訳資料のBは、世界最大の郵便労組であるAPWU(33万人)が8月27日、全国大会であげたMWM賛同決議である。AFL−CIO中央の制動にもかかわらず、傘下の大労組が丸ごと賛同したことはきわめて重大な事態だ。あわせて反戦決議も掲載する。
 APWUのカリフォルニアのローカルは、すでにAFL−CIOサンフランシスコ労働者評議会の大会とAFL−CIOカリフォルニア州連盟の大会にMWM賛同の決議案を提出し、ともに満場一致で賛成をかちとっていた。そして、イラク占領の即時停止を決議した。
 翻訳資料CはAFL−CIOカリフォルニア州連盟のNED反対の決議である(サンフランシスコ労働者評議会も同様の決議を採択)。NEDとは、「米民主主義基金」のことで、アメリカ政府の資金で外国の「民主化」を行うという基金および基金団体である。
 この「民主化」とは何か? それは、ブッシュが昨年11月6日に行ったNED設立20周年の演説の内容で明らかだ。そこでブッシュは、イラク占領から中東全域の「民主化」に突き進むことを明らかにしている。民族自決権を圧殺し、再植民地化し、石油資源を独占的に制圧していくことが、彼らの言う「民主化」なのだ。
 AFL−CIO中央、スウィーニー執行部は、NEDから資金を受け取り、国務省や米軍、CIAと協力してイラクの労働運動に介入しようとしている。NED資金の使途やAFL−CIOの国際活動部門である「連帯センター」の活動内容は発表されない。ここが、AFL−CIOの暗部である。
 スウィーニー執行部は、すでにイラクの前に、ベネズエラで、民族主義的・反米的なチャベス政権をクーデターで転覆するために御用組合を援助している。労働運動の名をかたった帝国主義侵略者の悪行ではないか。
 カリフォルニア州連盟の傘下には250万人の組合員が結集しており、AFL−CIO全体の6分の1を占める。こうした大勢力から、AFL−CIO中央の帝国主義労働運動と正面から対決し、打倒していく巨大なうねりが始まっているのだ。
 翻訳資料のDは、MWMへの賛同ということではないが、右派労組の中で反戦決議を勝ち取った記録である。
 NPMHU(全国郵便取扱労組、5万人)が8月28日、全国大会で圧倒的多数で反戦決議をあげた。この労組の歴史上、反戦決議をあげたのは初めてだ。
 NPMHUは1968年に、LIUNA(土木・建設などの労組。80万人)に加入している。LIUNAはマフィアと癒着していることで悪名高い右派労組で、ブッシュのアフガニスタン侵略戦争突入の際にも、愛国主義をあおっている。これまでNPMHUの大会では、右派幹部による威圧的な議事運営によって、執行部の意に反する議論は抑え込まれてきたのが常だった。だが、自分たちや息子、娘の命をイラク戦争で奪われている一般組合員の怒りは、ひとたび火がつくと、労組官僚の制動を突破して燃え上がっていった。
 MWMを担う現場の労働運動、反戦運動を担う労働運動は、AFL−CIO中央打倒を射程にとらえている。
 日本でも、帝国主義労働運動=連合執行部を打倒しよう。外務省と協力して国鉄労働者をイラクで活動させると宣言するに至った国労西日本・革同(日本共産党)を打倒しよう。

 @反戦運動への公開状

 04年7月29日

反戦運動に、労働運動の闘いへの参加を呼びかける。
呼びかけに賛同しよう!
10月17日ワシントンに集まろう!

 アメリカ人民が直面する危機は、日ごとに深まっている。凶暴な占領への抵抗運動はエスカレートし、イラク全土に広まっている。だが、2大政党は、部隊の増強、果てしない戦争への数兆ドルの追加投入、そしてアメリカの社会福祉の破壊を競い合っている。
 この2月、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10の指導者たちは、ワシントンDCでの大行動に結集することを、組織・未組織の労働運動に、また社会的正義のための諸団体と諸宗教間コミュニティーに、そしてアメリカの人民大衆に呼びかけた。
 この呼びかけは、海外での軍事冒険と国内での階級戦争に反対するわれわれ自身の課題を提唱するものである。それは、われわれが、選挙の時は甘い言葉をかけられ、選挙が終わったとたんに裏切られるということがないように、警告するものである。
 今日、アメリカの政治プロセスに資金を出し、それをコントロールし、その推進力となっている企業と銀行が、圧倒的多数の勤労人民の政治的意志と願いを排除していることは、あまりにも明らかである。彼らは、数百、数千万の労働者家族の心の底からの願いを排除する「選挙」を実施しているのである。
 今こそ、われわれすべてが団結すべき時である。働く人民、組織・未組織の労働運動、反戦活動家そしてすべての社会的正義を求める人びとが団結すべき時である。
 百万人労働者行進組織委員会の指導者たちは、ワシントンDCのインタナショナル・アクション・センターの指導者たちと会合した。互いの力を合わせ、共に闘うために、百万人労働者行進の宣伝担当議長及び各地域代表者が、インタナショナル・アクション・センターの共同世話人と会ったのである。
 われわれは、°ユナイテッド・フォー・ピース・アンド・ジャスティス″(平和と正義のための連合)、°ノット・イン・アウア・ネーム″(われわれの名で戦争するな)、そして民主党大会及び共和党大会に対する大デモを行おうとしている指導者とすべての組織に、2004年ワシントンDCで広範な統一行動を形成するように呼びかける。
 アメリカで最大の労組、270万人の労働者を組織するNEA(全国教育協会)が、1万2千人の代議員が集まった全国大会で百万人労働者行進に賛同することを決定した。
 その少し前には、200万以上の組合員を代表するAFSCME(州・郡・市職員連盟)とSEIUが、全国大会でイラク占領の即時終了と米軍部隊帰還を求める決議を可決した。AFL−CIOカリフォルニア労組連盟も同様の決議をあげた。
 黒人労組活動家連合(CBTU)は、第33回全国大会で、占領の即時終結と全米軍部隊の帰還を求める呼びかけを採択した。そして、CBTUとチームスターズ(トラック輸送等の労組)全国黒人部会は、農場労働者組織委員会や全米各地の移民の権利グループとともに、百万人労働者行進に賛同したのである。
 われわれの力を合流させること、社会的正義のための1つの大運動として結集すること、労働運動のランク・アンド・ファイル(一般組合員)を反戦運動やすべての社会的正義の運動と団結させることは、われわれの歴史的な責任である。
 われわれは、あらゆる階層の兄弟姉妹、社会的改善、民主的権利の前進のため、基本的経済的社会的進歩のため、兵器生産と戦争から自由な社会秩序を求めるあらゆるグループ・委員会・組織・運動の兄弟姉妹に訴えるものである。
 小さな争い、組織的な懸念、細かい問題をめぐる相違は、横に置いておこう。共通の願いを思い出し、他のことを忘れよう。それができるならば、われわれの歴史のなかでかつてなかった運動を作るチャンスになる。もしそれができなければ、われわれの前には、果てしなき戦争と国内・国外のいたる所での苦難しかないということになる。
 われわれの多くは、民主党大会と共和党大会に対する大抗議行動に積極的に参加している。労働組合、反戦統一戦線、平和と正義の委員会は、互いに手をさしのべている。一つの統一した力としてワシントンDCに10月17日に結集することを、われわれは皆に呼びかける。一緒になれば、われわれは統一した運動を作ることができる。
 選挙の結果がどうなろうとも、戦争の機構は、つまり企業と銀行は、彼らの死と破滅の計画を押し付けようとしてくることを、われわれは知っている。われわれの闘争が、発育期にあることをわれわれは知っている。
 選挙の後で、そして数ヶ月、数年先に、さらに大きな課題が待っていることを知っている。
 われわれが直面しているのは、世界のもっとも貧しい者の安価な労働と資源を求めて戦争が行われて、深まりゆく体制の危機と衰退である。
 毎日のようにわれわれは、°何者かに攻撃されるから選挙の中止が必要になる、憲法上の保護の停止が必要になる″と言われている。
 それらはアメリカの事実上の軍事支配を公然と要求するものであり、企業と銀行のほんの一握りの支配者の絶望的あがき以外の何物も意味しない。彼らは、わが人民大衆の離反におののいている。彼らは、アメリカ第一革命〔独立戦争と建国〕の枠組そのものの解体に向けて瀬踏みを始めている。すなわち、代議制政治の廃止、われわれの基本的権利と民主政治の原則そのものの破壊である。
 こうした大騒ぎは、一つの明々白々な目的をもっている。われわれを沈黙させ、おとなしくさせることである。わが人民を恐怖させ、海外での果てしない戦争と国内での社会福祉の破壊と生活水準の崩壊にともなう大弾圧に黙って従うようにさせることである。
 「百万人労働者行進の趣意書」は、36年前にマーチン・ルーサー・キング・ジュニアが偉大なワシントンでの貧者の行進を呼びかけた宣言で始まっている。
 「合州国政府は、世界最大の暴力行使者の一つである。……アメリカは、歴史の十字路に立っている。われわれは、国民として、社会として、新たな道を選び、そこを決意と勇気をもって進むことが決定的に重要である」
 マーチン・ルーサー・キング・ジュニアが描いた危機は、さらに深まってきている。それに立ち向かうために、われわれはすべての人に合流することを呼びかける。
 われわれは、緊急にあなたがたの賛同を求める。組織化のための資源をワシントンDCの2004年10月17日の広範な動員を共に作り出すために投入することを誓うように求める。
クラレンス・トーマス(ILWUローカル10、百万人労働者行進共同議長)
トレント・ウィリス(ILWUローカル10書記長、百万人労働者行進共同議長)
ラルフ・シェーンマン(UAWローカル1981、百万人労働者行進連絡議長)
ブレンダ・ストークリー(AFSCME第1707地区協議会議長、百万人労働者行進地域共同世話人)
ラリー・ホームズ、(インタナショナル・アクション・センター全国世話人、ANSWER運営委員会)
シャロン・ブラック(百万人労働者行進地域世話人、インタナショナル・アクション・センター)

 Aダニー・グローバーの呼びかけ

 9月1日 ニューヨーク労働者集会での演説 

 団結した人民は、けっして打ち破られない!
 兄弟姉妹! 私が「兄弟姉妹」というのは、兄弟姉妹が労働者階級のメンバーだからだ。兄弟姉妹! ランク・アンド・ファイルの兄弟姉妹! この選挙はなにをめぐる選挙か。あなたたち、あなたたちの家族、子どもたちをめぐる選挙だ。……
 労働者は、常に闘いをリードしてきた。決定的な局面には労働者がいたのだ。ランク・アンド・ファイルの労働者は、われわれの町のバックボーンだ。われわれの伝統に誇りを持っている。誇りを持つということは、今、立ち上って闘うということだ。労働者だけが、この国を救うことができる。町を再建しなければならない。学校を再建しなければならない。保険のない人々が150万人も増えている問題に取り組まねばならない。闘わねばならないのは、医療費が、労働者にとっては50%も上がっているからだ。闘わなければならないのは、この4年間に250万人以上の雇用がこの国から失われているからだ。
 われわれは立ち止まっているわけにはいかない。今日、行進しよう。明日も、行進しよう。そして、11月〔=大統領選〕の後も行進しよう。行進を続けよう。選挙が終わったからといって、われわれの旗を降ろすわけにはいかない。選挙が終わったからといって、家に帰って寝ているわけにはいかない。闘いつづけよう。行進しつづけよう。
 10月17日に、行進しよう。ワシントンDCで。労働者は、10月17日に集まって行進するのだ(拍手)。われわれは、そこに行かねばならない。われわれには、『体制変更』が何がなんでも必要なのだ。われわれは、この運動を作りつづけねばならない。下からこの運動を作っていくのだ。これは、われわれ自身の闘いだ。われわれは、すべての働く人民のために闘う必要がある。わが国の外交政策によって、略奪された人民のために、……全世界の労働者の仲間のために。彼らが十分な収入を、十分な手当・給付、労働条件を得られることを要求しよう。
 何も新しいことではない。われわれはいつも闘ってきた。これがわれわれの伝統だ。どんな勝利も闘いによってしかえられない。力を持った要求こそが、唯一の尊重される要求となる。
 あなたたちこそ、真のアクション(行動)の英雄だ。シュワルツェネッガーではない。私ではない。あなたたちこそ、真の行動する英雄なのだ。
 アメリカを取り戻そう。アメリカを取り戻そう。10月17日、ワシントンで会おう。

 B世界最大の郵便労組がMWMに賛同

 APWU(米郵便労働者組合)大会のMWM賛同決議

 アメリカ人の大多数が、健康保険・賃金・雇用・年金保障・教育・環境保護・労働組合保護の後退に苦しみつづけている。また、国連の調査が完了する前にニセの口実によって開始された戦争の結果に苦しんでいる。
 メディアが独占され、メディア労働者の労組破壊が行われて、労働運動の声を伝えることが困難になってきている。
 したがって、アメリカ郵便労働者組合は、民主主義を回復し、労働者に力を与え、今の米国の外交を支配している果てしない戦争推進を終わらせる組合運動である04年10月14日の百万人労働者行進に賛同することを決議する。

 同大会での、イラク占領 終結を求める決議

 ブッシュ政権は、イラクが大量破壊兵器とそれを配備する能力を持ち、したがって米国および世界への差し迫った脅威になっているという口実でイラク侵略を行ってきた。
 そして、占領後の大規模な捜索によっても、イラクが大量破壊兵器やそれを配備する能力を所持している証拠はみつからなかった。
 そして、イラクに対する戦争と軍事占領は、米軍部隊の750人以上の命と数千の負傷者、そしてイラク民間人の数千の死者と負傷者をもたらした。
 戦争と占領は、アメリカの納税者に千億ドル以上の出費をもたらし、他方で、社会的・人間的サービス、教育、帰還兵への給付が削減された。
 納税者の出費の一部は、占領と再建計画の双方において政府に過大な請求をしている企業に契約を与えるために支払われている。
 以上のことの故に、AFL−CIO所属アメリカ郵便労働者組合は、アメリカのイラク占領の終結、主権のイラク人民への早急な返還、および米軍部隊の彼らの故郷と家族のもとへの帰還を呼びかけることを決議する。

 C世界の労働者の団結と信頼を築こう

 04年7月AFL−CIOカリフォルニア州連盟隔年大会決議

 AFL−CIO、そしてアメリカの労組は、他の諸国の労働運動との連帯という考え方に深く関与してきた。
 米国民主主義基金(NED)は、疑惑に包まれた歴史をもっている。NEDは、他の諸国の民主的に選出された政府の転覆を支援したり、労働運動の内部問題に干渉したりして、米政府の外交政策の目標を推進するために、頻繁に投入されてきた。
 ILO(国際労働機関)の諸条約は、すべての国の労働者に、政府・企業または外国からの干渉や制約から自由に自分が選んだ労働団体または組合に代表される権利を保障している。
 AFL−CIO指導部は、AFL−CIOの「連帯センター」を通じて、そのイラクでの作業のために、NEDから300万jないし500万jを受けることを申請する意図を公表している。
 AFL−CIOのNED資金の受領は、そのイラクでの作業に、仮に実際にはそうではないとしても、AFL−CIOが米政府とその外交政策の代理人であるとの外見を与えかねない。それは他国の労働運動から見てAFL−CIOの評判を落としかねない。AFL−CIOの国際問題における動機と真の独立に疑義を生じさせかねない。
 サウスベイAFL−CIO労働者評議会(SBLC)とその加盟労組である配管組立労組ローカル393が2002年7月24日のAFL−CIOカリフォルニア州連盟大会で「疑惑究明決議案」を提出した。そして、多くの代議員がベネズエラについて現在の懸念を有していたにもかかわらず、「疑惑究明決議案」は、1973年のチリのクーデターでAFL−CIOが果たした主導的役割を略述してAFL−CIOに「チリで何が行われたのか、また同様の役割がわれわれの名で行われたと思われる他の国で何が行われたかを全面的に報告すること、そうした政策と手法を放棄すること……、政府機関が拠出した資金を使って今も行われていると思われる活動を国ごとに正確にいかなる活動であるかを説明すること、そしてわれわれの本当の信頼性と国内・海外の労働者の信用を傷つけ、われわれを政府に買われたエージェントないし企業の経済的グローバル化の力のエージェントにしかねないそうした結びつきを放棄することを求める」と述べた。
 州連盟の指導部は、この決議案の代案として「AFL−CIOの海外政策の将来を考える」という決議案を提出した。それは、AFL−CIOに、「カリフォルニア州連盟および関心があるカリフォルニアの加盟労組との会合を召集し、政府の資金を使ったAFL−CIO指導部の現在の対外活動について討議することを呼びかける。そして、この会合の目的は、AFL−CIOの海外政策に関する疑惑を究明し、真のグローバルな連帯の政策を確立することである」というものであった。
 州連盟とSBLC、ローカル393およびUFCW(食品商業労組)ローカル428の指導者たちは、「将来を考える」決議案を受け入れる妥協に合意する交渉を行った。それは、略述された懸念を解決することをAFL−CIOとの会合の課題として課すということを明示の了解とした上に成り立ったものであった。そしてもしも、それが出来なかった場合には、元々の決議案である「疑惑究明」決議案を実施するということであった。団結のために、この了解は、大会の会議場において異議ないし不一致なしに、明確に言明された。
 本大会にもたらされた情報が、ベネズエラへのAFL−CIOの関与についての最近明らかにされた政府文書に含まれる情報とどのように関係しているのか、またAFL−CIOのNED資金の受領とどのように関係しているのかという問題が提起されている。
 以上のことの故に、AFL−CIOカリフォルニア労働連盟の第25回隔年大会は、ILO諸条約に表された自律、独立、自決権の原則への支持を確認することを決議する。
 さらに、AFL−CIO本部およびその連帯センターに対して、NEDなどがイラクや他の場所での仕事に資金を拠出する政府、その諸機関および他の諸機関からの資金を求めるにあたっては、あるいはそれから資金を受けるにあたっては、極度の注意を払うことを求める。そして、こうした資金の受領は、誠実な国際労働者連帯の目標を推進するためにのみ行われるべきであって、米企業および米政府の政策の追求のために行われてはならないことを求めることを決議する。
 さらに、「疑惑解明」決議案の基本的な要求を支持することを決議する。AFL−CIO中央に、「チリ、ベネズエラおよび同様の役割がわれわれの名で行われたと思われる他の諸国で何が行われたかを全面的に報告することを要求する。今も政府機関に支払われた資金で海外で行われていることを国ごとに正確に説明することを要求する。そして、われわれの本当の信頼性と国内・海外の労働者の信用を傷つけ、われわれを政府に買われたエージェントないし企業の経済的グローバル化の力のエージェントにしかねないそうした結びつきを放棄することを求める」ということである。
 さらに、AFL−CIO中央に、世界中で国際労働者連帯を強化するプログラムを提起し、見直す作業部会を設立することを求めることを決議する。
 さらに、AFL−CIO中央に、可能な場合は常に、その加盟労組およびその組合員から直接に集められた資金を使って、AFL−CIOの国際活動に資金を提供することを求めることを決議する。
 そして最後に、AFL−CIO中央に、世界中の労働者の間に信頼と団結を作るように前進するために、直ちに配慮することを求めることを決議する。

 D右派郵政労組のランク&ファイルの決起

  全国大会で反戦決議

 USLAW(全米反戦労組連合)の資料より

 NPMHU(全米郵便内務労組)では、すべての決議案が、8月22〜29日の大会の1ヶ月前に提出されていなければならないことになっている。それは、大会の決議委員会があらかじめ検討して、修正を加えるか、あるいは却下するためである。3つの反戦決議案が提出されたが、いずれも、決議委員会の推奨する決議案とはならなかった。つまり、これらの決議を可決させるためには、大会のその場で、一般代議員が提案するしかないということである。
 大会場では、多くの反ブッシュ・親ケリー発言が行われた。また、多くの愛国主義的な発言もあった。そして、ある場面では、元兵士は全員起立するように求められた。代議員の40%から50%が元兵士であった。そして別の場面では、現在イラクで軍務についている数百人の組合員が大スクリーンに映し出された。
 大会の最初の日から、戦争反対の代議員たちは何度も集まった。情勢の見積もりを行い、このような状況下で、もっとも成功する可能性が高いものは、次のような決議であるという結論に達した。
 「NPMHUは、戦争とイラク占領の迅速な終結を呼びかける。戦争と占領は、反労働者的なブッシュ政権のニセの主張に基づいて行われた。そして、それは900人を越えるアメリカ兵と1万人を越えるイラク民間人の死をもたらした。この戦争と戦争は、アメリカの納税者に数十億jの費用負担をかけ、それは、雇用、教育、住宅、保健医療などの必要不可欠な社会的なニーズのほうに振り向けるべきものである」
 大会の最後の日の前日、数人の反戦代議員たちは、すべての代議員に、ニューヨークタイムズの7月25日の記事のコピーを配布した。それは、「民主党員は左に傾き、戦争に反対している」と題した記事だった。民主党大会代議員の93%、民主党に投票するという人の85%、全投票者の59%が、イラクでの戦争をアメリカ人の生命や他の犠牲に値すると考えていないという調査結果が掲載されている。
 大会最終日、決議委員会に推奨されていない諸決議案の提案が行われた。上記の決議案は、1人の代議員のマイクによる動議という形で行われた。彼は、動議を読み上げ、前日に配布されたニューヨークタイムズの記事から、ボストンに集まった民主党大会の代議員の10人に9人が「イラクでの戦争に突入すべきではなかった」と考えているということを引用した。そして、ブッシュ政権のニセの主張が戦争に導いたこと、そして、前日までの大会の議論がブッシュ政権の反労働者的な政策を批判していることを指摘し、彼と他のニューヨーク地域の代議員は、帰ったらすぐにニューヨーク市中央労働者評議会の反ブッシュ抗議行動に参加することを明らかにした。また、彼は、アメリカとイラクの双方の悲劇的な生命の犠牲について語り、また戦争と占領に費やされた数十億jは、雇用・教育・住宅・保健医療に使うべきだったと述べた。民主党大会代議員の間の大きな反戦感情は、郵便内務労働者の代議員の感情と同じだと述べ、代議員が良心に基づいて投票し、戦争・占領に反対するよう訴えた。
 NPMHUのジョン・ヒーガティー委員長は、大会の信任委員会は、一般代議員から提案されたその決議案について、現在軍務についている軍部隊を支持することに言及していない点以外には反対する理由はないとコメントした。彼は、そうした文言で原案が修正されるならば、その決議案に賛成すると述べた。その後、その修正案や他の修正案について討論が行われた。1人を除いて、すべての発言者が決議案に賛成の討論を行った。何人かの元兵士が発言したが、そのうちのバージニア州の女性の元兵士は、彼女がどれほど戦争に反対しているか、どれほど米軍部隊を支持しているかを感動的に述べ、そして修正された決議案について賛成した。ローカルの委員長である別の発言者は、決議が彼の琴線に触れたことを語った――戦争に反対し、ブッシュに対する適切な攻撃をし、部隊への支持を表明していると。多くの支持発言と、発言希望者の長い行列の後に、採択が行われ、圧倒的多数で可決された。
 この大会では、第一に、イラク戦争・イラク占領への反対がいかに強く、広範であるか明らかになった。それは、多くの場合、直接に個人的な問題でもある。(たとえば、ある本部役員は、一人の息子がイラクで軍務につき、一人の義娘がイラクにいるため、戦争に強く反対しており、部隊が安全に帰還できるようにねがっている)
 第二に、いかに多くの労働者が反ブッシュ感情を抱いているか、イラクで費やされている金が他の基本的な社会的ニーズに使われるべきだと思っているかが明らかになった。
 第三に、多くの元兵士が戦争に反対しており、それを話したがっているかが明らかになった。
 第四に、問題が、組合員が直接自分の体験によって知っているものである場合には、常日頃は威圧的な雰囲気の中で行われる組合大会であっても、正しいことを発言できるということが明白になった。
 第五に、あらかじめ戦争反対を決める空気があることが明らかであるわけではない場合においても、基本的な人間的・政治的・経済的な諸問題を提起し、それらを結びつけるという簡単な行動によって、集団的で非常に明確な反戦感情を表現するようにさせることができることが明らかになった。