International Lavor Movement 2009/05/01(No.393 p48)

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2009/05/01発行 No.393

定価 315円(本体価格300円+税)


第393号の目次
 

表紙の画像

表紙の写真 公共労働者のデモ(3月5日 ニューヨーク)

羅針盤 記事を読む
News&Review   韓国
  政権打倒へ5・1ゼネスト方針   “非正規職法改悪案を撤回せよ”
記事を読む
News&Review    ■動労千葉結成30周年を祝い
  民主労総ソウル地域本部が参加
記事を読む
News&Review    ヨーロッパ
  資本攻勢と闘う独伊の自動車労働者
  体制内労働運動との激突が不可避
記事を読む
News&Review    中国
  恐慌下でストライキに決起する労働者
  景気刺激策で激化する階級対立
記事を読む
■特集    道州制攻撃の先兵=橋下打倒を
記事を読む
■討議資料
  資料1 日本経団連第1次提言(抄)   道州制の導入に向けた第1次提言   2007年3月28日 日本経済団体連合会
 資料2 日本経団連第2次提言(抄)道州制の導入に向けた第2次提言  2008年11月18日 日本経済団体連合会
 資料3 関西経済同友会提言(抄)地域主権推進委員会提言要約5年以内に「連邦的道州制」へ移行せよ2006年4月
記事を読む
Photo News 記事を読む
■世界経済の焦点
  解決不能の過剰資本
  連合・全労連、「大企業には体力ある」と資本に懇願
記事を読む
『国際労働運動』(C393号1A)■世界の労働組合
  全米自動車労働組合(United Auto Workers:UAW)
記事を読む
『国際労働運動』(C393号1B)■国際労働運動の暦
  5・1メーデーの起源
  血の弾圧のりこえて――「一つの軍隊の閲兵式」(エンゲルス)
  かちとられた労働者の国際的団結
記事を読む
■日誌 2月 2009 記事を読む
■編集後記 記事を読む
裏表紙の写真 待遇改善を求めるホテル労働者(2月4日 サンフランシスコ)

月刊『国際労働運動』(393号1-1)(2009/05/01)

羅針盤

 羅針盤

▼世界大恐慌にのたうち回る最末期帝国主義は、今や自国の利益だけを確保する保護主義を強め、軍事力に訴えて資源や市場を奪い合う侵略戦争・世界戦争に突き進んでいる。米帝オバマは、イラク戦争から完全撤退などできない。逆にアフガニスタンへの増派に加え、パキスタンやイランへの戦争衝動を激化させている。日帝・麻生は、ソマリア沖侵略派兵で露骨な軍事的突出を始めた。
▼民主党代表・小沢の秘書の逮捕は、55年体制が崩壊し世界大恐慌が激化する中で、日本帝国主義が新たな政治支配体制を確立できず、支配階級が分裂し、腐敗と反動的な抗争を激化させていることを突き出した。その中で、道州制導入を日帝の唯一の延命策として、田母神的な戦争衝動をたぎらせた右翼勢力も今や台頭しようとしている。日本階級闘争も1930年代型の激突に入った。革命を真っ向から掲げ労働運動をよみがえらせて闘えば労働者が勝利する時代が来たのだ。
▼そのためにも、連合や全労連、日本共産党やJR総連カクマル松崎など体制内勢力との闘いが決定的だ。日本共産党委員長の志位は、「わが党の立場は、大企業の役割を否定したり、ましてや敵視するものでは決してありません。大企業に力にふさわしい社会的負担と責任を求めるということであります。経営者の中からも、わが党の主張への共感が寄せられている」と公言している。この奴隷根性! まさに資本主義の最後の救済者。
▼資本家に依拠し、資本家の発展を願う日本共産党は、打倒あるのみだ。今こそ労働運動と革命に人生をかけよう。職場で資本家と闘おう。労働者の団結の力で資本家に奪われたものを取り戻そう。

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月刊『国際労働運動』(393号1-2)(2009/05/01)

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 韓国

 政権打倒へ5・1ゼネスト方針

 “非正規職法改悪案を撤回せよ”

 韓国・民主労総は2月28日、MB(李明博=イミョンバク)悪法阻止全国労働者大会を開き、本格的な対政府闘争に突入することを宣言した。3万人の労働者、学生、市民を前に民主労総非常対策委員会のイムソンギュ委員長は「経済破綻の全責任を労働者に押しつけるイミョンバク政権を5・1ゼネストで退陣させよう」と訴えた。
 その後、民主労総組合員らは龍山殺人鎮圧第6次汎国民大会に結集し、集会を禁止し戦闘警察を差し向けたイミョンバク政権と激突して闘いぬいた。
 龍山殺人鎮圧事件とは厳寒の1月20日、都市再開発地域で強制撤去が行われ、ビルに立てこもって抵抗した住民たちにテロ鎮圧部隊が襲いかかり、攻防中の出火で住民5人が死亡した大惨事だ。この事件の真相究明と謝罪、責任者処罰と補償を求める怒りは、街を埋めるキャンドルデモとなった。これは労働者と都市撤去民の「生きさせろ!」の叫びであり、昨年、韓米FTA(自由貿易協定)反対を叫んでイミョンバク政権に退陣を迫った100万人デモへと再び発展する闘いが始まったのだ。
 民主労総執行部が女性組合員への性暴力事件で総辞職し非常対策委員会体制となって1カ月、組織された労働者の力で「生きさせろ!」ゼネストを実現する正念場だ。
 民主労総非常対策委員会の委員長はイムソンギュ公共運輸連盟委員長(ソウル地下鉄労組出身)、執行委員長はナムテッキュ金属労組首席副委員長。2月9日の執行部総辞職後の空白を埋め、次期委員長選出(4月8日までに選挙を行う)まで民主労総を率いる。3月13日に民主労総の性暴力事件真相究明特別委員会が、「被害者の主張は事実」とする最終調査結果を発表し、「性暴力事件の組織的な隠蔽助長行為があった」として5人の懲戒勧告を行った。
(写真 2・28MB悪報阻止全国労働者大会【ソウル・ヨイド公園文化マダン】)

 □MB悪法、国会提出へ

 3月12日、イヨンヒ労働部長官は、経済界が要求する大幅な規制緩和を進める「非正規職法改正案」を13日に発議すると発表した。期間制労働者と派遣労働者の使用期間をこれまでの2年から4年に延長するとともに、派遣可能な業種を現行32業種から拡大するというのだ。
 「非正規職保護法」が07年7月に施行されてから2年、正規職転換どころか、イミョンバク政権は「このままでは7月に97万人もの非正規職が解雇される」と危機説を垂れ流し、だから期間を4年に延長するのがいいとうそぶいている。どこまで行っても非正規職拡大、全労働者を非正規職化しようという攻撃だ。絶対阻止あるのみだ。
 民主労総は「政府は今年7月に97万人の非正規職が解雇されると危機説を強調しながら、さらに非正規職を拡大しようとしている」「政府は5人以上300人未満の50万社が、非正規職を正規職に転換した場合、事業主が負担する4大保険料の50%を2年間支給すると言うが、非正規使用が4年に延びるのにあえて月13万ウォンを受け取って正規職転換を選ぶ事業主はいない」と非難し、「すべての労働者を低賃金・貧困・非正規職にする非正規職法改悪案を撤回しろ」と要求した。
 翌13日、「期間制および短時間勤労者保護などに関する法律」「派遣勤労者保護などに関する法律」改悪案を官報に掲載し、4月国会提出に向けて動き出した。
 こうした中、社内下請け労組を襲撃し、民主労総から除名された現代重工業労組が労使共同宣言の道をひた走っている。現代重工業の筆頭株主・チョンモンジュンは今年2月の終値で1兆6420億ウォンを超える株式を保有している。この現代重工業で「現代重工業を見習え、譲歩して犠牲になれ」と労働者にイデオロギー攻勢をかけている。何が「経済危機の苦痛の分担」だ!

 □階級協力か階級闘争か

 御用組合を批判する現代重工業社内下請け支会のチョソンウン支会長は、「オジョンセ現代重工業御用労組委員長は、臨時代議員大会開始から5分、全員一致で無交渉・無争議方針を確定した。恐慌期に資本と政府は、労働者譲歩論(ストライキ自制、賃金凍結→雇用保障)で民主労組を攻撃する。労働者譲歩論は、金属労組指導部をも巻き込んでいる。部品メーカーの非正規職労働者が切られ、組合員賃金の40%が削られるのに『仕事を分け合うためにズボンのベルトを引き締める覚悟』というチョンガプトゥク金属労組委員長の正規職譲歩論はイデオロギー的武装解除であり、資本への奴隷的屈従だった」と指摘する。
 「階級協力か、階級闘争か。『すべての権力を労働者協議会へ!』のスローガンを掲げ、雷のように闘争する日が必ず来るだろう。今は生存権死守闘争が政治権力闘争の出発点になる革命の時代だからだ。恐慌期の資本のイデオロギーに対して階級的な立場が提出され、革命的展望が説明されなければならない。現代重工業の階級闘争を指導する元請・下請け共同の現場指導力が建設されなければならない。ことはすでに進行中だ」と結んだ。危機にかられた敵の攻撃の中に革命のチャンスはある。
 今春、韓国の闘う労働者とともに革命をつかもう!
 (室田順子)

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月刊『国際労働運動』(393号1-3)(2009/05/01)

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 ■動労千葉結成30周年を祝い

 民主労総ソウル地域本部が参加

●ハイテック支会から動労千葉に寄せ書き
金属労組ハイテックRCDコリア支会の組合員から動労千葉に贈られた寄せ書き。大きく「30年を超えて労働者解放のその日まで闘いで前進!」の文字

3月8日、DC会館。全国から450人が駆けつけた動労千葉結成30周年記念レセプションには、動労千葉と国際連帯のきずなを結んでいる米韓のゲストも駆けつけた。
アメリカの運輸労働者連帯委員会のスティーブ・ゼルツァーさんとともに韓国・民主労総ソウル地域本部の同志たちが参加。2月に首席副本部長に就任したパクスンヒさん、前本部長のイジェヨンさん、前々本部長のコジョンファンさん(キア自動車労組)、公務員労組のパクソンニョルさん、そして昨年11月、漢江のほとりで高空籠城中だった金属労組ハイテックRCDコリアのキムヘジン支会長の5人。パクスンヒさんとキムヘジンさんの発言を紹介する。

 

(写真左 前列左からパクスンヒ首席副本部長、スティーブ・ゼルツァーさん、田中康宏委員長【3月8日】)
(写真右 最後に全員で「インターナショナル」を斉唱)

 労働者の反撃の好機 民主労総ソウル本部 首席副本部長 パクスンヒさん

 ソウル本部15万人を代表して動労千葉結成30周年にお祝いを申し上げます。動労千葉と私たちの連帯の中で、私たちが何か差し上げたというより、動労千葉から大きな力をもらってきました。
 韓国はいま経済危機で、構造調整、賃金削減など非常に厳しい状況にあります。労働者、市民、農民、撤去民、学生が「イミョンバクOUT(アウト)!」を叫んで闘っていますが、現場の組合員は、力強く闘いを展開できていない現状にあります。
 しかし、私たちは絶望していません。危機はチャンスです。社会がグラグラになっているのは政権の危機であり、労働者にとっては反撃する絶好の機会です。単にイミョンバクを政権から引きずり下ろすためだけでなく、労働者が政権を握るために闘いたい。現場の一つひとつの小さな闘いを一つひとつつくっていくことが私たちの
課題です。
 海を越え、これほどの同志愛を感じることができて幸せです。業種、地域、国境を越え、労働解放、反戦平和、性の平等のために闘いましょう。

 動労千葉の思想で闘う 金属労組ハイテック RCDコリア支会長 キムヘジンさん

 皆さん、こんにちは。先ほど三里塚の同志からお話をうかがって、深く感動しました。
 動労千葉の同志たちの闘いが農民との連帯、それから国際的な連帯をとおして帝国主義に反対する闘いを労働者の分断を許さずに行っていることに深く感銘しました。
 世界大恐慌の時代を迎えていて韓国でも厳しい状況にありますが、イミョンバク政権は皮肉にも資本の投機によってこれをのりきろうとしています。再開発地域のヨンサンで強制撤去が行われて、警察、特攻隊が投入されて5人の住民が死ぬという事態が起こりました。この問題は南韓で起こっている根本的な問題を表しています。
 これは資本主義が腐敗した状況の中で経済危機に陥って、その矛盾を民衆に転嫁しようとして起こったことです。こうした問題の本質を理解している人たちは力強く闘いに立ち上がろうとしています。けれども動労千葉が三里塚との連帯を契機にして動労本部から分離した、そういう選択を韓国の労働者はまだできていません。問題は世の中の変革、労働解放、民衆解放という思想にまで労働者が至っていないところにあると思います。
 けれどもこの場に来て、動労千葉の同志たちが闘いの先頭に立っている姿を見て、動労千葉の30年間の闘いの原則を韓国に持ち帰って、韓国の場で実践して、韓国の解放をかちとっていきたいと思っています。
 全世界の労働者が動労千葉のような信念をもって闘えば、必ず労働解放の世の中、世界を変える闘いが行えると思います。この闘いを最後まで貫きます。
 トゥジェン(闘争)!

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月刊『国際労働運動』(393号1-4)(2009/05/01)

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 ヨーロッパ

 資本攻勢と闘う独伊の自動車労働者

 体制内労働運動との激突が不可避

 □決起する自動車労働者

 世界大恐慌の激化のなかで、破産の危機にあえぐ世界の自動車資本は、延命のために、公的資金援助を要求している。そして、それを国家権力に承認させる条件として、労働条件の極限的引き下げを要求し、体制内労働運動指導部を引き込んで、首切り・賃下げ・工場閉鎖の攻撃をかけてきている。
 米ビッグ・スリーを先頭とする自動車資本のこの攻撃に対し、全世界で労働者が決起を開始しつつある。帝国主義の牙城であった自動車産業のもっとも悪質な労働組合官僚=体制内労働運動の腐敗した指導部との闘いなしに、労働者は殺されてしまう、ということが、日々全世界的に明らかになりつつある。
 以下、焦点となっているドイツとイタリアについて、闘いの現状を検討する。
(写真 米GM傘下のドイツの自動車会社オーペルの労働者のデモ【2月26日】)

 □西欧GM工場での闘い

 2月26日、GM傘下のヨーロッパ全工場所在地で、親会社GMによるヨーロッパ工場の閉鎖・人員削減計画に反対する集会がもたれた。破産にひんしたGMは、米政府からの公的援助を引き出すためのリストラ計画として、世界で4万7000人、そのうちアメリカ以外の工場で2万6000人の人員削減と、いくつかの工場の閉鎖を計画していることが明らかになっている。
 抗議行動は、GMのヨーロッパ拠点であるドイツのオーペル会社の中心工場であるリュッセルスハイム(フランクフルト近郊)における中央集会をはじめ、全欧各地で統一行動日として行われた。
 中央集会には、本工場の1万人の労働者を中心として、オーペル社のその他四つのドイツ工場をはじめ、GMのイギリス子会社ボークザール社の労働者も参加した。

 □体制内派の制動

 しかし、主催のIGメタル(金属労組)の代表と、オーペルの工場委員会代表は、「オーペル社の危機は、すべてGM本社のせいだ」「アメリカGMの支配から独立して、ヨーロッパ自動車資本の統一的な経営を確立すべきだ」「そのためには労働者の犠牲が必要だ」と述べて、労働者を反米排外主義・欧州資本との協調=屈服の道に引きずりこもうとしたのであった。これは、「オーペル危機救済全欧ミニ・サミット」という「政労資」の緊急会議を呼びかけているEU産業委員会の統一方針を後押しするものである。
 集会に、政府・政党からの唯一の参加者として発言した社民党のシュタインマイヤー副首相・外相は、「オーペル社に代表される自動車産業はドイツの誇りだ」「その担い手である諸君、労働者とともにアメリカ資本と闘う」「そのために労働者の金融参加を期待する」という反労働者的路線を恥知らずにも展開した。
 オーペル社は、ドイツ政府に救済を要求しており、その条件が労働者への「譲歩」の強制なのだ。「賃金カット反対」や「人員削減反対」の主張などひとかけらもない。ましてや、苦闘するアメリカ自動車労働者には、だれも一言もふれない。
 このような組合指導部と政権党=社民党の演説に対して、オーペル労働者の反応は、ビデオをみても、さめたものだった。集会場に出された立て看板のなかには、オーペル労働者の資本への怒りが書き付けられているものもあった。
 この中央集会以外に、ドイツ国内の他の三つのオーペル工場、GM子会社のある諸国、イギリス、フランス、ベルギー、オーストリア、スペイン、スウェーデン、ポーランド、ハンガリア、ロシアでもデモ、集会が行われた。
 しかし、これを主催した各国自動車労組の方針は、EU労働者の自動車資本に対する階級的反撃を、EU内はもちろんアメリカの労働者へも呼びかけて、国際的連帯行動として組織することとはかけはなれていた。彼らの政策は、「GMからの分離」「ヨーロッパ独自の自動車コンツェルンの設立」「各国政府への財政援助」を要求する運動、すなわち、ヨーロッパ自動車資本の危機からの救済のために労働者の犠牲を求めるという運動にねじまげようとするものであった。

 □体制内派打倒の闘い

 GM傘下の工場は全ヨーロッパで、5万5600人の労働者(そのうち2万6000人がドイツ)を雇用しており、部品製造など関連産業を含めると40万人の職が影響を受けるという。こうした自動車労働者が、工場・企業・国境をこえて、賃下げ・工場閉鎖・首切りに絶対反対の統一行動をかちとったならば、ヨーロッパ労働運動に新たな展望が切り開かれるであろう。そのためには、この数十年にわたって自動車資本の手先として労働者に低賃金・労働強化・権利の剥奪・非正規雇用の拡大などに協力してきた体制内労組指導部を打倒せねばならないことは明らかである。

 □ドイツ労働者の怒りの声

 これに対する労働者の怒りの一端を、インタビュー記録とブログから拾ってみよう。
 「IGメタルの組合本部は企業みたいになってしまった。1984年以来、まともなスト一つやったことがない」
 「組合費をマネーゲームに使っている」
 「この工場(独リュッセルスハイム)の労働者は数年前には4万8000人いたのが、今では1万8000人、しかもその半分以上は非正規雇用の労働者だ」
 「おれは、オーペルで18年も働いてきた。会社はわれわれを人間としてあつかえ。おれたちは、取り外し自由の機械じゃない」
 「われわれはこの数年間、分裂させられてきたために敗北したのだ。今こそ国境をこえて、団結して闘うときだ」
このように、国鉄1047名闘争における「4者・4団体」のような「政労資交渉」への屈服路線との闘いが、全世界で始まっている。

 □フィアット労働者のスト

 

時を同じくして、翌2月27日、イタリアのポミリアーノ(ナポリ近郊)フィアット工場で、5300人の正規雇用労働者と1万人の非熟練労働者が、操業短縮(工場の一時閉鎖)に反対して、ストライキを行った。労働者は構内デモを貫徹した後、ストライキ連帯集会に出発した。
  フィアット社は昨年9月以来、19週にわたる操業短縮(実働時間は、この間5週間のみ)を行い、労働者を「賃金共済金庫」依存においこみ、ポミリアーノ工場の労働者の賃金は月額でわずか750ユーロ(約9万5000円)に引き下げられていた。自動車産業の危機を突破するための労働者への攻撃に対する怒りが爆発したのだ。
  スト連帯集会には、2万人が結集。ストに決起した当該工場の製造部門・事務部門の労働者に、イタリア全土のフィアット工場の労働組合代表が組合旗をかかげて合流し、さらにナポリ地方の労組地区組織、そして学生たちも大挙参加した。市内の商店の大多数が閉店ストで連帯をあらわし、地方議会議員や司教さえも登場し、ポミリアーノ全市をあげてのゼネスト状況がかちとられた。自動車労組の加盟する金属労組本部・地域本部、その他、CIGL、CISL、UIL、FISMIC、UGLなどの全国組織(注)も参加した。集会後、大デモが市内を行進。

 

(写真 イタリアのフィアット社の労働者がスト【2月27日】)

 

【注】イタリアの労働組合

 

CIGL(イタリア労働総同盟/旧共産党・社民系/500万人)
CISL(イタリア労働組合同盟/旧キリスト教民主党系=中道左派/300万人)
UIL(イタリア労働同盟/中道左派・右派/150万人)
UGL(イタリア労働総同盟/右翼労組)
FISMIC(金属自立労組)
(注)数字は組合員数の相対的目安〔1992年の数字〕
 

 □工場閉鎖、レイオフ攻撃

 フィアット社は、ヨーロッパ自動車産業のトップであるドイツのフォルクスワーゲンに次ぐフランスのルノー・プジョー=シトロエン(PSA)とならぶイタリア第一の企業である。フィアット社の生産は、イタリアのGDPの12%を占めるという位置をもっているが、世界大恐慌のなかで、5万8000人の労働者にレイオフ攻撃をかけ、さらにポミリアーノをふくむ二つの工場(もうひとつはシチリアのイメレーゼ工場)の閉鎖を計画している。
 今回のストに先立って、1月、2月と引き続いて、フィアットの拠点工場のあるミラノやトリノなどイタリア各地で、時間短縮・工場の一時閉鎖攻撃に反対するスト・デモが続いていた。2月5日、ポミリアーノ工場の労働者は、会社側が操業短縮の期限を延長したことに抗議して、工場前で抗議集会を行ったのちに、街頭デモを敢行、さらにローマ・ナポリ間の高速道路で座り込み闘争を展開した。これに対し機動隊が襲撃、激しい闘いとなった。

 □イタリア労働者の怒りの声

 このフィアット・ポミリアーノ工場のストライキによせられた連帯の声をブログから拾ってみよう。
 「デモに決起したすべての労働者に熱烈な挨拶を送ります。さまざまな職種、職場から、みな、労働者の誇りをもって参加していた」
 「車を作ったこともない奴らが、工場閉鎖だと! ふざけるな。毎朝5時起きで働きにでるおれたちの気持ちがわかるか。恐慌になってみんなが大変だという。だけど結局払わされるのはおれたちではないか。おれたちが労働者だからだ」
 「イタリアでもドイツでも、海外で生産している車の方が多い。ポーランドのフィアット工場の現実を知って驚いた。労働者が奴隷のようにあつかわれている! 国際的団結が必要だ」

 □体制内派の屈服

 労働者はこのように闘おうとしているが、自動車労働者が加盟している金属労組を始め労働組合のナショナルセンターの状況は、ガタガタだ。そもそも、このような操業短縮攻撃を現在まで許してきたのは、ほかならない体制内労働運動指導部だ。すでにいくつかのナショナルセンターの一部、CISL、UIL、UGT(注参照)は、政労資協定に署名している。さらに政府のスト禁止法立法攻撃にも屈服しているのだ。
 その中でCGILは、これに反対し、4月4日に全国行動を呼びかけている。それにいたる過程で、すでに2月13日、CGIL系の金属労組・公務員労組がストを行い、3月18日には教員組合が続く。
 しかし、当のCGILのこの15年間の基本路線が「社会契約」「社会的パートナーシプ」の名による労資協調路線であり、ベルルスコーニ首相とイタリア経団連に敗北と屈服を続けてきたのだ。しかし、現在の資本のより踏み込んだ攻撃、すなわち恐慌下のスト禁止、労働協約制度そのものの解体=労資の個別交渉への分断という攻撃に直面して、闘争のポーズだけでもとらざるをえなくなっているのだ。
□階級的労働運動の復権を
 激烈に開始されつつある労働運動内部の分岐を、職場での闘いにふまえて、階級的労働運動の復権、戦闘的な労働運動のあらたな潮流をかちとっていく闘いが、イタリアでも、そしてドイツでも急務となっている。
 (川武信夫)

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月刊『国際労働運動』(393号1-5)(2009/05/01)

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 中国

 恐慌下でストライキに決起する労働者

 景気刺激策で激化する階級対立

 景気の落ち込みと財政出動の総動員

 中国経済は世界金融恐慌の波及を受け、昨年から景気後退に入り、08年第4四半期にはGDP成長率6・8%にまで落ち込んだ。沿海部(特に東南部=珠江デルタや長江デルタ)の労働集約型の輸出企業が倒産の嵐に襲われ、さらに大型企業(国有企業や外資企業)も生産調整に入った。人員削減や賃金カットが行われ、農民工2000万人が春節(旧正月)前に相次いで帰郷する異常事態となった。09年に入っても、輸出はさらに減少しており、旧正月明けで都市に戻った農民工のうち1100万人は職がない状態におかれている。
 中国スターリン主義体制はこうした事態に衝撃を受け、8%成長保持をスローガンに、昨年11月段階で4兆元(約57兆円)に上る景気刺激策を打ち出し、景気刺激に大童の状態だ。雇用問題の解決を「社会の安定」のためとして押し出しつつ、財政出動の総動員によって8%成長保持に総力を挙げる構えだ。これに地方政府も便乗して独自計画を立て、18兆元もの財政投入を計画している。
 4兆元の景気刺激策は全人代での決定を若干手直しして、以下のようなものとなっている。

 4兆元景気刺激策は雇用問題を解決できない

 ▽社会保障性を持つ住宅建設など4000億(2800億)(括弧内は11月発表時点のもの、単位=元)▽農村民生(飲料水・電力網・道路・ガス・住宅など)3700億(3700億)▽インフラ建設(鉄道・国道・空港・水利など)1兆5000億(1兆8000億)▽社会事業(教育・衛生・文化など)1500億(4400億)▽省エネ・環境改善・生態建設など2100億(3500億)▽構造調整・技術改造など3700億(1600億)▽四川大地震復興支援1兆(1兆)
 これを見ても、「内需拡大」という触れ込みにもかかわらず、基軸的には人為的市場形成による企業救済という性格が明らかで、それに失業による打撃のカバーと消費拡大を一定フォローする人民慰撫的化粧をすこし分厚くしたものといってよい。これらは同時に失業対策の意味も込めて行われるもので、鉄道建設で600万人の雇用を生み出すとしているが、一時しのぎの性格を免れないものだ。
 雇用問題について言えば、仲大軍(『中国は世界恐慌にどれだけ耐えられるか』)によれば、「80〜95年のGDP年平均成長率が10・3%で、その間の就業成長率が年平均6・18%であったのに対し、95〜05年のGDPの年平均成長率は9・1%で、同期間の年平均の就業成長率が2・55%でしかなかった」というから、たとえ8%成長が達成できたとしても、まったく解決できないものなのだ。

 財源問題の危機性

 またこの刺激策の財源問題は危機性を孕んでおり、それも階級対立の激化を促進するものとなる。中央政府は1・18兆元投入する計画であるが、すでに全人代で打ち出された今年度予算において、9500億元の赤字を予定するものとなっている。重大なのは税収が激減し前年比8%増レベルでしかなくなっていることだ。これは企業からの税収が急激に落ち込んだためであるが、外需の長期落ち込みが今や完全に不可避となっている以上、さらに赤字国債への依拠の度合いが強まっていくことになる。
 地方政府はさらに深刻で、中央に依存するか銀行融資に頼るか、あるいは従来の方策であった土地使用権の譲渡益に再度依存するかしかない。中央そのものの財政の覚束なさから中央依存は増えず、結局は銀行融資と土地使用権の譲渡益への依拠となっていく。それは97年のアジア通貨危機のときに採った景気刺激策の結果が示すように、不良債権問題を再浮上させるとともに、土地収用問題の再度の激化=農民暴動の再爆発を引き起こすものとなっていく可能性が高い。

 □スタ支配体制下での経済発展構造の問題性

 中国の30年にわたる経済発展は、典型的な格差拡大を進行させ、二極分化した社会をつくりだしたが、それは構造的問題があるからだ。端的に言えば、第一に外需依存の大きさ・内需の少なさ(とくに消費)、第二に労働力の安さ・環境犠牲に依拠した競争力、第三に分配において家計(賃金)収入が少なく、政府収入と企業収入が多いという問題である。その上、外需と固定資産投資で経済を発展させてきたために、中国産業の各分野はほとんどが生産過剰状態だ。外需が激減したために、デフレが浮上する危険さえある。
こうした問題はスターリン主義支配体制のもとで労働者・農民に犠牲を強いながら社会を建設するという構造の上に、改革・開放政策による新自由主義政策が吹き荒れた結果起きているのである。この構造がある限り、一時的なバラマキ(中央の「家電下郷」政策(注)や各地方政府の消費券配布など)などでは、「消費拡大」が軸になることはない。結局、景気刺激策としては、公共事業を始めとする固定資産投資に頼るしかなく、それはこれまでの構造的問題性を深めるだけなのだ。

【注】 家電下郷政策 内需拡大のために、特定の家電製品を購入する農村部の消費者に対し一律13%の補助金を出す政策

  失業者・失地農民の激烈な増大と階級的激突の激化

  

いまや、スターリン主義による改革・開放政策が雇用問題の決定的爆発+失地農民の増大という形で、その破産性が徹底的に暴かれる過程に入っている。
失業率では、労働集約型輸出企業の労働力吸収があった段階でも、4%(実質は12%近く)であったが、刺激策の中で失業対策を強めても4・6%に上昇するという。実質15%近くの失業率となるのだ。しかも失対事業を含んでのもので、一種の矛盾先延ばし策以上のものではない。
他方で、企業の危機を救うために(「雇用を拡大する」との触れ込み)、労働契約法の規制の緩和や最低賃金規定の一時停止が各地で始まっている。企業による危機を振りかざした搾取の強化がすでに進行している。また鉄道用地のための農地取り上げなどがすでに始まっており、景気刺激策の本格化の中で、農民に対する土地収用の波が襲う事態となっていく。
中国労働者階級・農民階級の改革・開放政策(本質はスターリン主義の下での新自由主義政策)に対する生きんがための反撃が巨大な規模で始まる情勢に入っているのだ。すでにそれは導火線に火のつく事態となっている。

 タクシー労働者と教育労働者のスト

 中国ではますます争議件数が激増しており、この中でタクシー労働者のストライキ(08年11月)と教育労働者のストライキ(11月から1月)が起きた。それらは労働者や農民工の生きんがために闘う道を浮き彫りにしている。
 タクシー労働者の闘いは11月3日の重慶市1万台のタクシーのストライキから始まり、11月いっぱい中国の11の省市20カ所で打ち抜かれたものである。彼らの要求は企業による営業請負金の減額や白タク取締り要求であったが、何よりも決定的なことは、企業を超えた工会建設の抑圧や企業内の工会支配(工会があるところでも経営陣が工会を握っている)を突き破ってストライキという実力行使をやりぬいたことだ。
 警察の弾圧に対して、仲間を売らないという団結を貫いて闘い、政府の企業に対する譴責や請負金の減額指導をかちとり、さらに自分たちの「(闘いの)組織」を手にする意義を実践的に自覚する地平を切り開いたのだ。
 こうした闘いに鼓舞されたかのように、11月から1月にかけて教育労働者が四川省や重慶市を皮切りに全国で70カ所もの地域で授業放棄=ストライキに立った。
 この闘いは地方政府による教育(教員)への予算配分の差別的扱い(当地公務員と同等の待遇という法律的規定になっているが、実質的には半分以下の状態)に対する長年の怒りが爆発したもの。工会的統制や地方政府の脅しにもかかわらず、何万という労働者が決起したのだ。これらはいずれも、経済危機の下で生きんがための要求が怒りの爆発となったものだ。ストという労働者の実力闘争の力強さを実感することによって、労働者階級としての自己の力を確信させるものとなったのである。
(写真 1万人の教育労働者がストに突入し重慶市の市政府庁舎前で抗議行動【08年12月】)

 総工会支配の打破の切り口を開いたストの力

 中国の労働組合センターの総工会は、企業や資本による労働者や農民工の解雇が相次ぐ中で、中国共産党の「社会の安定」政策に相和している。総工会は、副主席の孫春蘭が「国内外の敵対勢力が農民工の隊伍に浸透し破壊しようとしているので厳しく防げ」と発言しているように、企業や資本と闘うのではなく、体制の護持に躍起となっている。
 だが今や、総工会の実態が労働者(農民工)の前にがんがん暴かれている。総工会はスト権を認めないスターリン主義体制の支柱そのものであることが暴露され、スト阻止の役割を担っていながら、農民工の道路封鎖の闘いやタクシーや教員のストをもはや抑止できない状態なのだ。
 総工会は確かに労働契約法の制定に参画した。だがそれは、労働者の新自由主義政策への怒りに押されて体制を揺るがすものに発展しないように、労働仲裁や裁判で権利を主張すれば、一定の権利が認められるとして、労働者の不満のガス抜きをするものに位置づけられているに過ぎないのである。それ自体は労働者自己解放を抑止する総工会支配の危機を乗り切るためのものなのだ。

 人民内部にたぎるスターリン主義支配への怒り

 昨年12月初めに中国の一党独裁反対、民主化要求の「08憲章」が出された。その中身はともかく、弾圧されても異議申し立てをする(弁護士や人権活動家や学者や党の長老)という人々の存在が相当の規模で中国内に増えつつある状況に中国は入っている。
 重要なのは、「08憲章」署名者の中には、89年天安門闘争の指導部がかなり入っていることだ。こうした人々が、経済発展政策の破綻の中で、スターリン主義支配の持つ問題性を自覚しつつ、最も犠牲を受けている労働者・農民階級と結合して、階級の力となることによって、闘いの条件がさらに拡大していく可能性が強まっているのである。
 だい10章 中国労働者人民との結合は世界の労働者の責務
 今日、帝国主義列強は「中国頼み」の願望にのめりこんでいる。帝国主義はもともと新自由主義の展開の決定的環として中国を資本の満展開の場として引き込んだことによって、延命の条件を確保してきた。それは中国スターリン主義による労働者・農民への犠牲の集中による「発展」の期待が本質なのだ。その上で、こうした「中国頼み」はスターリン主義の国内支配における権力側の攻勢の圧力となり、企業救済の一方で失業問題や失地農民問題への高飛車な攻勢となっていく。つまり、新自由主義の破綻は同時にスターリン主義支配の破綻であるが、「中国頼み」はそのスターリン主義の矛盾の爆発を抑え込むための力として使われていく。その限りでは帝国主義とスターリン主義は一致しており、中国労働者階級人民の闘いはスターリン主義の重圧の下で帝国主義の重圧をも受けるという構造のなかにある。
 だから逆に国際プロレタリアート人民は、中国労働者階級と連帯することによって、新自由主義に対する大反撃を開始していく必要がある。スターリン主義支配の下での彼らの苦闘と連帯する闘いをつくり出そう。世界各国に中国人労働者はいる。具体的結合はまったく可能だ。恐慌情勢下で、苦闘して新たな情勢を開きつつある中国プロレタリアート人民の闘いを包摂してこそ、世界革命の展望が大きく開かれるのである。
 (賀山宏)

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月刊『国際労働運動』(393号1-6)(2009/05/01)

大阪・豊中市職女性部の呼びかけで闘われた府庁前行動。橋下大阪府知事による道州制攻撃に反撃の火柱を上げた(3月6日)

特集

 ■特集

 道州制攻撃の先兵=橋下打倒を

 はじめに

 日帝ブルジョアジーは、世界大恐慌によって資本主義が崩壊のふちに立たされたところから、道州制攻撃という一大反革命に出ている。これは改憲・戦争国家化攻撃でもある。道州制攻撃との対決こそ09年の最大の激突点である。
 日帝・麻生は日本経団連とともに、ここに超極右反動のエネルギーのすべてをかけている。大阪府知事の橋下がその先兵だ。安倍政権倒壊とともに挫折した改憲攻撃だが、道州制導入を切り口として巻き返しを図っているのだ。
 第1章は、道州制とは、国家公務員・地方公務員360万人をいったん全員解雇し自治労・日教組を解体する国鉄分割・民営化型の攻撃であることを暴いている。
 第2章は、橋下が発言し、実行していることが道州制そのものだという観点で、橋下の言動と行動を弾劾した。
 第3章は、3・6大阪府庁前行動が「道州制粉砕! 橋下打倒!」の突破口を切り開いたことを伝えている。
 

■第1章

  首切りと労組破壊攻撃――自治体の丸ごと民営化狙う

 道州制導入への急速な動き

 道州制に向かって、08年に大きな動きが起きた。
 一つは2月に大阪府に橋下知事が生まれたことであり、二つには、自民党、政府、経団連などの道州制への提言が全面的に出たことである。
 自民党道州制推進本部は、08年7月、「限りなく連邦制に近い道州制」という第3次中間報告を出した。11月13日には、道州制基本法案を検討する委員会の設置を決め、基本法案の09年1月通常国会提出を目指す方針を明らかにし、年内に道州制の理念や移行目標などを定めた基本法案骨子をまとめるとした。
 政府の道州制ビジョン懇談会は、08年3月に「地域主権型道州制」を内容とする中間報告を出し、11月には自民党が09年1月に道州制基本法案を提出するとの動きに合わせ、ビジョン委員会も法案骨子を定めるとした。
 自民党の国家戦略本部は、08年5月に、「中央官庁を1府6省(内閣府と大蔵、環境、内務、法務、外務、国防省)に再編」と提案した。国家公務員の大幅なリストラを含む中央官庁のスリム化を打ち出した。
 麻生首相は、08年9月の政権発足時に公明党と「道州制に関する基本法の制定に向け、内閣に『検討機関』を設置する」ことで政権合意を交わし、所信表明演説でも、国の出先機関を地方に移すなど地方分権を進めた上で「最終的には地域主権型道州制を目指す」と表明していた。
 11月18日、日本経団連は、「道州制の導入に向けた第2次提言」を発表し、政府自民党の道州制基本法案提出の動きに並んだ。
 12月8日、政府の地方分権改革推進委員会が第2次勧告案を発表。「地方分権」から「道州制推進」へ大きく方針転換した。
 一方、民主党も11月13日の分権調査会で、市町村合併を進めて全国を700〜800の自治体に再編し、最終的には都道府県を廃止して小沢一郎代表の『日本改造計画』(1993年)がうたう「300程度の基礎的自治体」からなる地域主権型の国家を目指す方針を打ち出した。
 しかし、政府与党は世界大恐慌の直撃を受け、景気対策に追われ、国会解散含みの政治危機の深まりの中で、道州制基本法案の提出に踏み切れないでいるが、その機会を必死にうかがっている。

 道州制への視点

 道州制について日本経団連は、「国家百年の大計」や「究極の構造改革」と呼号し、日本帝国主義・資本主義の再建をかけた明治維新以来の「大改革」のように描く。
 だが道州制導入とは、日本資本主義の崩壊に震え上がったブルジョアジーが延命を求めて、破産した旧来の統治形態に代わる唯一の手段としてすがりついたものなのだ。絶望的な攻撃なのだ。
 自民党道州制推進本部、日本経団連、政府の道州制ビジョン懇談会などからそれぞれの道州制論が出ているが、基本的には@都道府県を廃止して全国を約10の道または州に分割し、道州に国の役割以外の権限を移譲する、道州に立法権、行政権を与える、A市町村を合併(廃止)し最終的に300の新しい基礎自治体に再編する、B国の役割を外交・軍事などに特化する。「国の形を変える」国家大改造ということだ。
 最初に押さえておきたいことは、「国鉄分割・民営化から道州制を見る」という観点がないと、道州制の正体は見抜けないことだ。道州制でやろうとしていることは驚くほど国鉄分割・民営化とそっくりだ。道州制とは、国鉄分割・民営化を国と地方自治体にあてはめたものであり、国鉄分割・民営化を全社会に拡大したものだ。
 橋下のブレーンの上山信一は「本気で道州制を推進するなら国鉄改革をもっと研究すべきでしょう。国鉄には二つの既得権益が貼りついていました。一つは”我田引鉄”の国会議員、もう一つは労組です」と道州制の狙いに国鉄労組破壊の教訓を重ねていることを告白している。
 道州制は、旧来の行政改革や教育基本法改悪や公務員制度改革ではやりきれなかった自治労・日教組解体攻撃を、「国の形を変える」ことでなしとげることに核心がある。
 では日本経団連の第2次提言は何を言っているのか。

 道州制導入への経団連第2次提言

 「究極の構造改革」

 「道州制が実現すれば、地域内の政策は道州が担う一方で、国は国益を重視した政策に専念することになる」「こうした統治機構の抜本的な改革」が「究極の構造改革」である。
 明治以来140年存続してきた都道府県に「地域内政策を委ねる」のでなく、なぜ道州制なのか。経団連は「都道府県は規模が小さ過ぎ、非効率だ」と言うが、本当の狙いは、都道府県と市町村という現在ある地方公共団体の機構を破壊することにある。つまり、「国の形を変える」こと、既存の統治機構の破壊、エセ「革命」(つまり「究極の構造改革」)が必要なのだ。
 何のために?
 国と自治体の公務員の全員の「全員解雇・再雇用」、260万人公務員労働者の首切りのためだ。これは現在の都道府県・市町村体制を残したままではできない。つまり雇用の継続を断ち切るために必要なのだ。
 都道府県廃止とは都道府県職員の職場を奪い雇用の継続を断ち切ること、市町村制度廃止で職員の職場を奪い、雇用の継続を断ち切ること、これで地方公務員の「全員解雇」の道筋を切り開くことだ。
 この過程で権力による公務員労働者に対する選別・差別・分断が行われ、労組破壊が始まる。道州と基礎自治体は、ブルジョアジーの基本方針に従う労働者だけを選別して再雇用するのが狙いだ。労組はここで徹底的に破壊される。
 国鉄分割・民営化の時も同じだ。国鉄という公共企業の形から民営化という新しい形に変えること、新会社への移行を口実にして雇用の継続を断ち切る。全員解雇・再雇用をふりかざして、労組破壊の攻撃をかけてきた。動労千葉だけがこれを真っ向からとらえ絶対反対で闘い抜いた。
 国家公務員についても現行の1府12省庁から1府6省庁への大再編で全員解雇・再雇用の道筋をつけようとしている。
 国家と地方自治体の大改造とは、「国の形を変えること」による国鉄分割・民営化型の自治労と日教組の破壊による公務員労働運動の解体であり、その結果として公務員労働者を労働者ではなく、国家に忠誠を誓う官吏にしてしまおうという狙いだ。

 関西経済同友会提言

 この点をストレートに言っているのが、関西経済同友会の提言(資料3/34n参照)だ。
 提言は、国鉄分割・民営化の教訓の上に立って以下のことを主張している。
 410万人いる国家公務員と地方公務員のうち、警官・自衛官など50万人を除いた360万人を「いったん全員解雇」する。
 85万人の定員を削減する。教育公務員と現業労働者126万人の職場は最初から公設民営化され、無条件で非公務員化され、いつでもクビが切れる非正規職に置き換えられ賃金を半分にすることが狙われている。
 新たなエリートして中央・道州で新規採用されるのは50万人ぐらい、残る解雇された公務員234万人のうち中央・道州で再雇用されるのは100万人ぐらい。「国家に忠実な下僕となり、半分の人員で倍の仕事を引き受ける」と誓った者だけが選別雇用される。
 選別・排除された134万人が、国鉄分割・民営化の時の清算事業団のような「公務員支援事業団」という就職あっせん団体送りになる。清算事業団がそうであったように「就職あっせん」などしない、元の職場に戻ることを断念させる機関だ。
 410万人の公務員は200万人に削減され、教育労働者を含めると実に260万人の公務員労働者がクビを切られる。
 日帝は、道州制攻撃で自治労・日教組を破壊し、資本家階級と労働者階級の階級的力関係の反革命的転覆を通して、派遣労働者の解雇から正社員解雇に進もうとしている。「正社員は保護されすぎている」「正規と非正規の格差を解消」「解雇4要件の規制緩和」などと宣伝を強めている。公務員バッシングによる「分限免職の自由」と公務員の「非公務員化」によって6000万労働者を「首切り自由」の無権利状態に追いやろうとしている。

 道州

 「道州が自らの地域を経営し、その結果責任を負うという地域経営の視点」「道州が地域の目標を掲げ、その達成に向けて様々な戦略を練り、もてる資源を効率的に活用」「道州自体が国際的な競争に挑み、それを通じて経済発展を実現する」
 道州とは、今ある都道府県とはまったく別な物だ。そこにあった戦後的地方自治は一掃されている。ブルジョアジーが言う「地域主権」とは地方自治とは無縁のものだ。地方自治を根本で支えた公務員労働運動の解体の上にあるからだ。
 「地域主権」とは、地域住民の自治が一掃された上に立つ道州知事独裁の別名だ。道州知事のもとで大独占資本が「地域経営」の観点から何もかも取り仕切る独裁王国が道州だ。現在大分県知事と御手洗キヤノンの関係が暴かれているが、道州になれば、もっとあけすけで当たり前になる。道州制の下での「地方分権」は、本来の意味を失い、この「地域主権」と同じ意味になる。
 道州制を先頭で推進する江口克彦(政府道州制ビジョン懇談会座長)は、著書『地域主権型道州制』(PHP新書)で、道州についてバラ色の夢を語っている。
 四国州についての部分を要約してみた。
 「四国は道州として自立できるか懸念されていた。初代州知事に関西で企業経営していた川口が当選した。川口がまずしたことは税制改革で法人事業税、固定資産税を2分の1に、相続税は完全廃止した。法人事業税の低さが呼び水となって関西地域の企業が四国に次々と本社を移転、関連中小企業も続いた。だが本当の移転の理由は知事の行財政改革断行で、行政手続きが効率化、簡素化、スピード化したことであった。企業の利益に立った行政になったからだ。  「四国は道州として自立できるか懸念されていた。初代州知事に関西で企業経営していた川口が当選した。川口がまずしたことは税制改革で法人事業税、固定資産税を2分の1に、相続税は完全廃止した。法人事業税の低さが呼び水となって関西地域の企業が四国に次々と本社を移転、関連中小企業も続いた。だが本当の移転の理由は知事の行財政改革断行で、行政手続きが効率化、簡素化、スピード化したことであった。企業の利益に立った行政になったからだ。
 固定資産税の半額で全国から富裕層が集まってきた。工場が進出し、働く人も四国にやってきた。人口も10%増え、域内生産も4%成長になった。黒字になった財政で国・地方の長期債務の元金も返している。
 税制改革、行政改革、教育改革などはすべて企業経営者の観点から行われた。それらは四国州に花を咲かせ、住民を豊かに元気にした」
 川口州知事はあたかも四国州株式会社の社長のごとく全権をふるい、大独占企業と富裕層のために力を尽くしている。そのために労働者・人民にあらゆる犠牲を集中しながら、それを無視している。
 このように、東海であればトヨタ、関西であればパナソニック、中国であればマツダなど地域を代表する巨大独占資本がその代理人を道州知事に仕立て、思うがままに地域を支配し、国際競争に打って出て、そのために必要な道州法を勝手に次々と制定する。これまであった国(省庁)による資本に対するコマゴマとしたうるさい規制、地方自治体による煩雑な規制を一掃する。「中央集権の打破」とブルジョアジーが改革派然として言うが、これはこの規制緩和のことだ。
 教育、社会福祉、医療、雇用など自治体のあらゆる業務が丸ごと民営化される。すべて道州すなわち独占資本の弱肉強食の世界にたたきこまれる。保育所も学校も民営化。水道もゴミ回収も民営化。病院も診療所も民営化。なんでもかんでも民営化だ。金のないやつは保育所に預けるな、学校に来るな、ゴミを出すな、水を飲むな、病院に来るな、ケガするな、という社会になる。だから道州制攻撃は公務員労働者に襲いかかるだけではない。まさに全人民に対するすさまじい攻撃である。
 公務員労働運動の解体の上に、ブルジョアジーの独裁権力はかつてなく強化され、中央集権はますます進むのだ。今あるブルジョアジーとプロレタリアートの階級的力関係が反革命の側に圧倒的に優位に転覆する。ここでは目茶苦茶な労働者支配、社会保障や福祉の切り捨て、土地の収用、公害・環境問題、廃棄物処理での強権とデタラメがまかりとおる。
 道州は、公務員の定数削減・賃金削減、公共投資の効率化でひねり出した6兆円もの財源で私企業向け産業政策を展開し、経済を成長させ、日本経済を成長路線に復帰させることができると夢を見ている。こんなのは大恐慌の現実でぶっとばされているのに。

 基礎自治体

 「基礎自治体は、住民に身近な行政サービスを提供するが、限られた財政収入のもとで、これまで以上にサービスの重点化・効率化を図ることが必要となる。住民は受益と負担の関係を常に意識しつつ、身近な社会的課題に直面した際には行政に過度に依存せず、相互扶助・共助の精神で自らその解決に取り組む」
 ここに登場する基礎自治体も、現在の市町村とはまったく別の物だ。公務員労働運動が解体され、戦後的な地方自治などかけらも残されていない。
 財政は各基礎自治体の自立・自助が基本だ。「限られた財政収入」などと言っている。だから福祉・医療・介護などは行政に頼らず、受益と負担の関係を意識して、住民の相互扶助・共助、自己責任・連帯責任でやりなさいというのだ。
 基礎自治体がどうなるのかは、大前研一『道州制で日はまた昇るか』(現代人文社)の中の「2020年『道州制』後の日本」に描かれている。この要約を左nのコラム欄にまとめたのでそれを読んで欲しい。
 基礎自治体とは、ブルジョアジーが見捨てた社会保障・福祉・医療・教育などの財政負担を労働者人民に押しつける役割を担うものだ。大前はそれがいいことだ、素晴らしいことという転倒した話をしている。「地方分権」とは道州では知事独裁の意味だが、基礎自治体では労働者への徴兵制(強制ボランティア)だ。

 「債務の移管」

 「道州制の導入に際しては、必要な国の資産を道州に移管するとともに、債務もあわせて移管することが必要となる」
  国が抱える現在の債務800兆円強を道州に移管するというものである。結局のところ大独占資本が道州をとおして税制を好きなように制定し、800兆円を重税として労働者階級人民に押しつけてくるのだ。
  道州制とは、国鉄分割・民営化を念頭に置いて、それをより大規模に実施するものだ。自治体丸ごとの民営化と、公務員360万人のいったん全員解雇・選別再雇用の強行による自治労・日教組解体、それをテコとした4大産別を始めとする日本労働運動の絶滅を狙った攻撃だ。国鉄分割・民営化をもはるかに上回る労働組合解体と大量首切りの大攻撃だ。改憲クーデターという狙いもこめた攻撃だ。
  そして道州制とは、今日の金融大恐慌を引き起こし破産した新自由主義攻撃の絶望的な続行である。ここには、そうしなければ延命できない資本主義の末期の姿があるとともに、これこそが資本主義そのものでもあるのだ。道州制導入に対して「資本主義は終わりだ」とたたきつけるべきなのだ。
  道州制攻撃には、今日の大恐慌の爆発が革命に転化することへの恐怖の反動がある。プロレタリア革命を圧殺する反革命クーデターの本質をはらむ攻撃だ。そしてその先兵に仕立て上げられているのが大阪府知事・橋下である。きわめて凶暴だが本質的には実に脆弱な、このとんでもない人物に体制の死重がかかった攻撃を託すしかないところに、日帝の危機があり、逆に労働者階級にとっての決定的なチャンスがある。 

これが日本経団連道州制憲章7カ条(討議資料参照)の実践だ 

 ■基礎自治体になると(『道州制で日はまた昇るか』現代人文社より)

 (『道州制で日はまた昇るか』現代人文社より)

 ●サラリーマンの藤田君からの報告

 S市は東京から新幹線で1時間半、関東道の端にある。道憲章に基づき、市長が情報を積極的に公開し始めた。
 「わが市にはお金がありません。市の収入は支出の3分の1、私も職員も給料も減らします。大型公共事業も中止します。でも足りません。みなさんの力を貸して下さい」
 まず急務は老人介護だった。介護に回る“もみじ組”が市職員と民間共同の当番で組織された。ボクの母親も加わった。1日おきに軽自動車で山村の過疎地を3軒ずつ回る。寝たきりのおじいちゃん、おばあちゃんが「よく来てくれたねぇ」と喜んでくれる。母も四方山話で「リフレッシュ」しているらしい。
 1日活動すると”社会活動券”というクーポンがもらえる。それをためて将来自分で使える。
 次の問題は治安対策だった。警察官も削減されていた。そこで“イチゴ組”という夜回り組が組織された。週に1回。ボク自身が街を守っている。そんな誇りが生まれた。 雇用対策に市長の提案でセカンドライフタウン構想が始まった。温泉とイチゴ園と山の風景で都会の人に転居してもらう。市職員は東京・埼玉の自然・農業関係のNPOを回った。1年以内に百組を超える世帯が転居してきた。

 ●公務員の寺元君からの報告

 K市は中国山地の分水界から日本海にいたる人口10万弱の都市。合併した市は壮絶な自立への取り組みを続けていた。職員の縮減、歳出の徹底縮減、特例債の見直しなど。市民と行政と議会の3者がはじめて気持ちをひとつにした。キーワードは見つかった。「一緒に汗をかくこと。一緒に動くこと」
 市職員の私の新任務は地域おこしだった。まず取り組んだのが廃止になった「過疎バス」に替わる市民の足の確保だった。私の提案で市職員が交代で運転手を勤めることになった。高齢者宅を巡回し、介護サービス、弁当宅配などをこなしながら地元の生の意見を集める相談会を開いてヒアリング調査も行った。
 次は雇用の提供だ。私が注目したのは衰退した漁業。地元のおばちゃんたちを集めておいしいメニューの検討会をした。私は州都に本社を置く中堅スーパーに営業に出かけた。そのうち小さな漁協が輸出で外貨を稼ぎだした。規制緩和で小規模漁港でも輸出入が可能になったからだ。

 ●OLの月山さんからの報告

 

私は東北道M市在住のOL。昨日、私の元にも市内の小学校からSPレターが届いた。1カ月先の社会科見学の引率を依頼する手紙だ。SPとは「スクールパートナーズ」の略。学校ボランティアで、学校内の業務のほとんどが対象になる。
  市では、幼・小・中・高の学校から要請を受けて20歳以上の市民が全員で年2回以上のSP活動が条例で義務になっている。拒むと別な要員を立てるか、補償金を払う。また東北道内の法人は、社会貢献法により、社員のSP活動を有給扱いにすることが決められている。
  私も来月は有休休暇をとって初SPをする。いま社会の一員としては一人前の大人になったような気持ちもしている。

 

■第2章

 橋下は関西財界の代理人――大阪発の“自治体経営革命”叫ぶ

 大阪府知事・橋下は、昨年末の12月18日に麻生首相を訪問し、「大阪府は首相を全面的に支えるので道州制を一刻も早く実現するように頑張ってください」と訴えた。今年の1月22日には日本経団連・御手洗会長を大阪府庁に迎え入れ、「道州制を一緒にやろう」と意気投合した。
 これを受けて経団連は2月9日に意見書「日本版ニューディールの推進を求める」を出し、「『道州制推進基本法(仮称)』を早期に成立させ、道州制の導入に向けた具体的な工程表を国民に示すとともに、その着実な推進を図るべきである」と政府自民党に迫った。
 道州制攻撃とは何か、道州制が実施されたらどうなるのか、その答えは橋下が現に今、大阪で実行していることの中にある。

 府職員労働者を攻撃

 08年2月、初登庁した橋下は、就任演説でいきなり「みなさん方は、破産会社の従業員である。民間会社であれば職員・給与は半減、ボーナスゼロは当たり前」と府職員労働者を攻撃した。
 そして府庁幹部を集めた臨時部長会議では、「私といっしょに死ぬ覚悟でやって下さい。最後に死んで下さい」と言い放った。直ちに「大阪府財政非常事態宣言」を発して、「全事務事業をゼロベースで見直す」ことを打ち出し、知事直轄の「改革プロジェクトチーム」を発足させた。
 その後も橋下は、「大阪を変えたいという意気込みのない職員は府庁を去っていただきたい」「知事部局に限らず、教職員も分限免職を積極的に使い、府庁を去ってもらう。分限免職は一般企業では当たり前」と府職労働者・教育労働者に対する攻撃を続けた。
 4月11日に改革プロジェクトチームが「財政再建プログラム試案」発表した。これが道州制になれば、道州や基礎自治体の財政はこうなるというお手本なのだ。
 その内容は、08年度大阪府予算を1100億円削減、9年間で6500億円削減するとんでもないものだった。その最大のものが、職員人件費の大幅削減、さらに教育関連の35人学級の廃止、私学助成の3割削減、医療・福祉関係の老人、乳幼児、障害者、一人親などの医療費1割負担削減、そして市町村補助金79億円カット、救命医療センター運営補助の廃止などであった。
 さらに「図書館以外の施設はいらない」と27の府立施設のうち、国際児童文学館、ドーンセンター(女性総合センター)、ワッハ上方(上方演芸資料館)、体育館など20の施設の廃止、移転・縮小、自立化、売却の対象に指定した。
 他方で、「重点政策」として20億円といわれる御堂筋のライトアップなどの「大阪ミュージアム構想」をうちあげた。

 「大阪維新プログラム案」

 6月5日に発表された「大阪維新プログラム案」は、「財政再建プログラム試案」を踏襲したもので、「過去のしがらみや経過には一切とらわれない、大阪発の“自治体経営革命”を起こします」「府県を越える“広域的な行政組織”の実現をめざす中で、大阪府の“発展的解消”が将来目標。これにより『関西州』へのステップを確かなものにする」と明言した。
 大阪府のあらゆる施策をゼロベースで見直し、「高齢化社会を乗り切るのは自己責任と互助」と言い切り、府議会でも「住民サービスは市町村、府は産業政策に特化する」(7月8日)として新名神高速道路など大型事業継続を打ち出した。
 「府職員人件費削減案」によれば、通年で631億円のカット、1人平均15%以上の賃金カットで、退職金手当や諸手当まで削減の対象となっている。さらに「自己責任と互助」と称し、福祉・医療の全面切り捨てを宣言している。「高齢者在宅生活総合支援事業の廃止」「障がい者就労支援事業の廃止」「地域就労支援事業の廃止」など、いわゆる「社会的弱者」の支援事業は全面的に廃止するとしている。
 教育については時間講師の縮減や教育事務補助員などを全面的に廃止することも打ち出している。30年間にわたって働き続けてきた労働者を問答無用で「クビを切る」という宣言だ。「指導力に問題のある教員は去っていただくべきだ」と「不適切教員」の切り捨てを盛り込んでいる。
 他方で5兆円といわれる大阪府の借金をつくってきた責任については何も触れていない。関西ブルジョアジーどもが府財政を食い物にしてきたことを不問に付している。
 その典型が関西新空港だ。りんくうタウンとコスモポリタン関係だけでも2700億円もの借金である。この上に関空会社に1400億円もの資金を出し続けている。その利子である70億円を金融資本に払い続け、関空会社には無利子で貸しているのだ。

 道州制で弱肉強食社会に

 知事室に張った近畿地方の地図を毎日ながめ、「関西から日本を変える」「関西州」設立の妄想をふくらませている橋下は、ブルジョアジーの道州制シナリオをどう実現していくかしか考えていない。 橋下は、日帝ブルジョアジーの支持の下、これまでの体制内勢力との「しがらみを持たない人物」として堺屋太一によってかつぎだされた。独裁者として、労働者に戦争を仕掛けることを自らの使命として知事になった人物だ。
 日帝ブルジョアジーは、中曽根内閣の国鉄分割・民営化に続いて新自由主義を貫徹するために、99年に石原が都知事になり反革命的突撃を開始したが、部分的な突出に止まった。そこで01年に小泉内閣が生まれ、小泉構造改革が全面的に行われたが、今やその破産があらわになった。
 そこで破産した新自由主義を貫徹するために道州制が持ち出され、この道州制推進のためには「東京一極集中打破」「関西州の実現」を叫ぶ関西財界を先頭とする地方の突出が必要だった。そこに橋下の出番があった。
 その橋下のブレーンが大阪府の特別顧問、慶応大教授・上山信一だ。上山は竹中平蔵、本間正明などの新自由主義グループだ。
 橋下の言動は上山のシナリオに従っている。それは以下のようなものだ。
 「改革とは戦争です。反発や抵抗、人格攻撃は当たり前。そんな反応が出ないなら、やろうとしていることが改革の名に値しないということです」
 「筆者(上山)は官民さまざまな組織の改革に軍師としてかかわってきた。そこから得た教訓は『改革の本質は権力闘争であり、内実は革命である』ということである」
 「革命と同じく最初に前政権の悪事を暴き、権威を失墜させる。『情報公開』と『公益通報制度』で外堀を埋め彼らの自然崩壊を待つ。同時に政府軍(各部局)に忠誠を誓わせ人事権を行使しながら徐々に実権を掌握する。やがて新機軸を打ち出し、外部(全国)の評価を獲得して権威を確立する。かくして改革は巡航飛行に入るのである」
 橋下は、このシナリオに沿って、公務員労働者へ戦争を仕掛け、府幹部に権力闘争を仕掛けて忠誠を誓わせ、高校生にまで人格攻撃を仕掛け、国際児童文学館の職員をビデオ盗撮し、教育委員会・教育労働者を罵倒するなど、ひたすら敵をたたきのめすことで権威の確立を図ってきた。
 だから橋下に対し労働者が激しく闘うとその権威は一挙にガラガラと崩壊してしまうのだ。
 さらに上山は、道州制戦略についてこんなことを言っている。
 「『道州制』の設計も(中央主導では)進まない。道州の必要性やその内容は九州、関西など個々の地域での議論なしには明確にならない。要はわが国の中央政府には地域再生や自治体再建を仕切る能力がない」
 「地域再生とは、各地域が国のくびきから自ら解放し、潜在能力をフルに開花させる独立運動、いわば革命である」 これは反革命の右翼ファシスト運動だ。右翼ファシスト反革命であることは、その核心に公務員労働運動の破壊をすえていることで明白だ。間違えようが無い。
 ところが多くの左翼的な人たちも道州制にからめとられている。
 沖縄では道州制攻撃の一環として沖縄「単独州」の策動がある。仲井真県政も、沖縄「革新」政党や体制内労働運動指導部も「沖縄の自治拡大」の美名のもとにこれを推進している。
 だが道州制とは「沖縄の自治」を破壊するものだ。沖縄に道州制が持ちこまれれば、橋下のような人物が州知事になり、真っ先に自治労や教組が破壊される。基地は永遠に固定され、経済的には「自立」だけを要求され惨憺たる状態にされることは明らかだ。
 沖縄の労働者階級はこの道州制の狙いをとらえ闘いに立ち上がっている。

 教育非常事態宣言

 橋下の次の攻撃は教育に向けられた。08年8月29日、全国学力テストの調査結果が発表された。大阪府は2年連続で低位に終わった。橋下は教育委員会と教育労働者にかみついた。
 「2年連続でこのザマはなんだ。教育委員会には最悪だと言いたい。民間なら減給は当たり前だ」
 「教職員と教育委員会には、いままでのやり方を抜本的に改めてもらわないと困る」「市町村の教育委員会が甘えている。市町村ごとの結果を公表すれば、どこの市町村教委が仕事していないかすぐ分かる」
 そして9月5日、教育非常事態宣言を出して、「学校や教育委員会だけには任せず、地域や家庭にも責任を持ってもらう」「ダメ教員に去ってもらうため、分限免職は厳格に適用する」「集団生活が成り立たないのは、教師が怒れなくなり体罰がなくなったからだ」「全国学力テストを公表しないと予算をつけない」「『なんでも自由』は改める」と叫び立てた。
 9月7日には「あのクソ教育委員会野郎が、過度の競争が生まれるから公表しない」「公表・不公表で(市町村教育委員会に35人学級などの予算配分で)差をつける」と暴言を吐いた。
 さらに、現在の教育委員会制度そのものを解体して、「夜スペ」で有名になったリクルート出身の民間人校長・藤原をブレーンに招き、首長直轄の教育支配をつくりあげようとしている。PTAも含めて、地域のあり方そのもの、今までの共同体的あり方を最終的に解体する。そして、教育内容は国家的に統制する一方、教育においても丸ごと民営化を進める道州制を導入する攻撃だ。
 10月16日、橋下は門真市の保育園の畑を、第2京阪道路建設のために強制収用した。「園児たちがサツマイモ堀りを楽しみにしている2週間待って」という声をふみにじって。橋下は「2週間待てば6億円の通行料の損失が出る」と開きなおった。これが道州制だ。
 橋下は、10月26日の府民討論会では、次のように言い放った。
 「私は大阪の行政のトップで、教育に責任がある。ところがトップの方針に学校の先生が従わない。公務員の身分保障の中でぬくぬくとやってる。どこの会社に社長の方針に従わない部下がいますか。そんな部下がいたらクビになる」「9割の先生は一生懸命やっている。地域や家庭の皆さんが学校運営にかかわり、1割のどうしようもない先生を排除してください」「子どもたちをこんな先生に任せておけないですよ。中山大臣の発言は正しいじゃないですか。現場を見て下さいよ」
 そして10月23日、橋下は、私学助成金をカットしないでと訴えた高校生に、「今の世の中、自己責任が原則。誰も救ってくれない」「(それがおかしいと言うなら)国を変えるか、日本から出るしかない」と声を荒らげた。
 労働者の中には怒りが渦巻いている。「橋下知事はヒトラーである」「われわれはあなたの奴隷ではありません」「マスゴミ(ママ)の世界へお帰りください」「兼業禁止、ストライキ権のはく奪の制度を改めよ」など府職労働者の中から怒りが噴出している。

 道州制戦略3点セット

 橋下は、道州制戦略として@府・市の二重行政の打破を掲げ、大阪府・市の水道事業の統合、病院の民営化・統合、A大阪市が建設し経営破綻したWTC(ワールドトレードセンター)の府庁舎への転用、B伊丹空港の廃止・関西新空港と神戸空港の一体的運用を打ち出した。すべてに徹底的な人員削減が含まれている。伊丹空港の廃止は空港職員のリストラであり、さらに橋下は伊丹空港跡地を5000億円〜1兆円で売却する利益をあてこんでいるのだ。
  橋下は、「関空が沈めば、関西経済が沈む」と、関西資本の延命策として関空を道州制の中心に位置づけた。WTC(ワールドトレードセンター)に府庁を移転し、関空と高速道路網で結び、神戸空港ともども関西州の中心にするという構想(上山信一・大阪府特別顧問)を掲げた。
  大阪府は「関西3空港と阪神港を一体的に運用して物流拠点に」と打ち出した。関空と湾岸エリアを中心に位置づける関西州をアジア侵略の拠点にし、延命しようというのである。
  しかしこれは橋下の最大の弱点になる。道州制で大増税し、労働者から奪い取った巨額の税金を湯水のごとくつぎ込まなければ関空は維持できない。関空会社には1兆1千億円もの借金がある。府はこれまでに関空会社に資本金として900億円、無利子貸付金を500億円も出している。これはすべて労働者が納めた税金で賄われている。
  さらに空港連絡橋の国有化に65億円、毎年の関空補助金2億5千万円、09年度二期事業に6億円と、毎年関空に税金を出し続けている。道州制になれば、もっと巨大な負担を労働者に押しつけるしかなくなる。こんなやり方を労働者が許すはずがない。
  道州制とは、各自治体に橋下のような人物が知事や市町村長になって、橋下と同じことを言い、同じことをやることだ。つまり、財界の代理人として“自治体経営革命”などと称して財界の利益を上げることが自治体の使命であるとし、自治体の財政をそこに集中する、そのためには公務員バッシングを叩きつけ公務員の賃下げ、首切りを進め労働組合を壊滅する、利益にならない社会保障、福祉、医療を民営化し、自治体の負担をなくし財界のための金を捻出することだ。
  そのためにも、日帝ブルジョアジーは、民営化を促進し、自治労、日教組の壊滅による公務員労働運動の解体が前提であるとして、ここに全力を注いでいる。
  しかし労働者階級が実力で決起した途端に、橋下のデタラメは暴かれ、権威は一挙に失墜する。
  ファシストは、労働者階級の決起を一番恐れている。改革をペテン的に語るファシストは、本当の改革=プロレタリ革命を実行できる労働者階級の革命的存在とその力にいつでも脅え、綱渡りをしているのだ。
  3・6大阪府庁前闘争は労働者階級の怒りの激しさを示す火蓋を切った偉大な闘争だ。
 

■第3章

 

 府庁前行動で決戦の火柱――橋下の道州制攻撃を迎え撃つ

 自治労の体制内派と激しい闘争

 女性部ニュースを偽造

 3月6日、道州制攻撃に対する火柱が上がった。大阪・豊中市職員組合女性部が呼びかけた「道州制粉砕! 橋下打倒!」大阪府庁前行動である。この行動には、豊中市職女性部を先頭に、沖縄を始めとする全国の自治体労働者、教育労働者、関西の労働者ら450人が結集し、怒りのデモが大阪府庁を包囲し、橋下知事を直撃した。
 デモの前に国民会館で行われた集会で、基調報告に立った豊中市職女性部長の深町加代子さんは、「今日の日が来るまで様々ありました。やっぱり労働者の団結やね。よかった。もう勝利だと今から言いたいと思います。うちの組合でも様々議論がありまして、真っ二つに割れた。今日の朝、女性部ニュースが配られていた。組合の執行部が女性部ニュースを偽造して3・6集会はないというビラを配っていた。あんなしょうもない組合でもやる時は牙をむき出しにしてやってくるということがはっきりして、『断固やるぞ』というビラを朝からまいていました」と切り出した。
 実際、3・6行動は、当日まで自治労大阪府本部、豊中市職の体制内派執行部との激しい党派闘争の中でかちとられたのだ。
 深町さんは、「これはまさしく資本主義の終わりで革命情勢に向かっていく中で、徹底的に差別されるのか、頑張って闘うのかの分かれ目ということが目の前で起こった」と述べた。

 国鉄分割・民営化の教訓

 そして、国鉄分割・民営化反対闘争に触れ、「国労は『静かにしていれば波が通り過ぎるのではないか』と闘わない方針を決めた。労働者が依願退職して現場を離れたり、200人の労働者が自殺した。そういう時、自治労や日教組や全逓はあんな闘いは二度としたくない、ああいう攻撃にさらされたくないということを決めた。そういう中で、労働組合は団結を損なう方針で動いてきた。自治労の中では、『質の高い公共サービス』論を展開して、今は『職の確立』ということで、自分たちは正しい評価される職ということでどんどん労働者性を失っていく。しかし、その中でも動労千葉が絶対反対でストライキに立ち上がった。そういう中で労働組合は残って、1047名の解雇撤回闘争が今もある。自治労はそれを見てあんなふうにはやりたくないと固く決心している。そういう中で橋下が登場して賃下げをされて、働かない労働者だとか、ぬくぬくしているとか、働いていないことを盗撮してテレビで言うとか、労働組合だったら許せないことだけど、まったく抗議しない。シーンとしている。国鉄の時と同じだと思うけど、一切闘わない、屈服路線を決めている」と、自治労本部を徹底弾劾した。
 橋下は、すでに述べたように、道州制攻撃を先取りする攻撃をどんどん進めている。関西州をつくるということで、首長を集めて広域連合のネットワークをつくっている。大阪市と大阪府を合体させようと動いている。それに対して、闘う労働者が「道州制は民営化であり絶対反対だ」と訴えると、組合執行部は「いい道州制もあるんじゃないか」と言って、反対運動をつぶしにかかる。しかし、「労働者の団結でつぶせることが今日の集会でもはっきりした。大切なのは民営化への怒りだ」と深町さんは訴えた。

 病院の民営化が焦点

 特に焦点となっているのが病院の民営化だ。総務省は2007年12月に「公立病院改革ガイドライン」を出した。これは、「(財政破綻した)夕張市のようになりたくなければ賃金を半分にせよ」と、今年4月から本格施行される自治体財政健全化法とセットで、全公立病院に「3年間で経常収支を黒字にすること」を求め、そのための計画を今年度末までに出すことを要求している。また、「再編・ネットワーク化」を5年で達成することを求めている。これは赤字の病院をつぶし、新たな民営化病院をつくり、道州制の先駆けとしようというのだ。
 今、全国の公立病院の8割が赤字だ。このガイドラインを実行すれば、ほとんどの病院が閉鎖か、民間資本に売り飛ばされることになる。全国で半数近くの病院が地方独立行政法人(非公務員型)や指定管理者制度に移行することを決めている。すでに千葉県の銚子市立病院が昨年9月末で診療を休止し、職員185人が分限免職=解雇となった。大阪でも市立松原病院が3月末で閉鎖、松原徳州会という医療法人が一部の医療機能を引き継ぐことになった。
 豊中市職女性部の多くの労働者が働く市立豊中病院も例外ではない。豊中市当局は「公営企業法全部適用(全適)」を経営見直し方針として打ち出してきた。豊中市職女性部は、この「全適」が民営化そのものであることを暴き、絶対反対を訴えて闘っている。ところが豊中市職執行部は、「『全適』は、公務員身分が保障されるから民営化ではない」と主張する。だが、これはまったくのペテンだ。
 「全適」の核心は、院長以外に「病院事業管理者」という、会社の社長に当たる役職を新設し、この管理者が財政・人事など全権を握って、激しいリストラ・賃下げをやろうとしているのだ。だから、女性部は、「全適は民営化そのものだ」と批判しているのだ。
 しかも、公立病院改革ガイドラインに沿って、3年で赤字をゼロにしろということになる。そのもとで、当局は、職員の賃下げだけでなく、正規職を削減して非正規職に置き換えるなどの手段を使って「賃金を半分にする」ことを狙ってくる。現場には労働強化・退職強要・首切り・団結破壊の攻撃が襲いかかる。だから、民営化そのものなのだ。

 自治労本部が攻撃の積極的推進者に

 さらに重大なのは、こうした攻撃は、実は自治労本部の積極推進のもとで進められているということだ。
 昨年12月に自治労本部・衛生医療評議会が「運営形態変更・公立病院の再編・ネットワーク化に係わる取組み指針」を出した。「指針」は冒頭で、公立病院民営化攻撃に対して「『絶対反対』との闘争を組むことは過去の事例より『避ける』ほうが賢明」と現場を恫喝している。そしてなんと、指定管理者制度、民間移譲にならないように「地方公営企業法の全部適用(=全適)を推奨」「むしろ組合からの逆提案という形でも望ましい」と、組合側から民営化を積極提案すべきだと言っているのだ。
 市立豊中病院の民営化(全適)も、実は自治労豊中市職の執行部が提案したのだ。
 さらに許しがたいことに、「指針」は「全適推奨」にとどまらず「地方独立行政法人化も選択肢として容認し取り組む」とまで言うのだ。
 そして自治労本部は、「これまでの概念だけでの民営化反対闘争は成り立たない可能性が非常に高い」「保身闘争としてしか映らない」「現実対応」「(直営について)デメリットと指摘されている部分もあながち間違っているとは言い切れない」などと、自らの裏切りを合理化している。
(写真 自治体労働者らが全国から450人が結集し、道州制粉砕へ闘うことを誓い合った【3月6日 大阪】)

 動労千葉のように闘おう

 この自治労本部の裏切りは、「攻めの民営化対応」と称して、全面的に民営化推進にカジを切るものだ。それは、国鉄分割・民営化を前にした動労カクマルとまったく同じである。攻撃の積極的な先兵になることによって、支配階級に自分たちの存在を売り込み、延命を図ろうというのだ。だが、それは一部の幹部だけが労働貴族として生き延びようとするものであり、圧倒的多数の組合員の首を差し出し、組合の団結も解体していく道だ。現に動労は解散し、多くの動労組合員はカクマルの恫喝のもとで職場を去り、JR総連という完全な御用組合として存在を許されているというのが実態なのだ。
 闘うべき時に闘わなければ、団結を破壊され、雇用も守れないのだ。動労千葉は、40人の解雇者を出しながらもストライキで闘ったことによって一人の落伍者も出すことなく団結を維持して、今もJRのもとで意気軒高と闘い抜き、平成採の若い組合員を獲得している。「迷ったら左を選択するのが正しい」――この動労千葉の教訓を、今こそ道州制粉砕決戦の中に貫くべきだ。
 3・6行動は、そうした動労千葉のように道州制粉砕決戦を闘う火柱を打ち立てたのだ。
 深町さんは、「労働組合が道州制絶対反対の旗を掲げて、大恐慌情勢に立ち向かおう! 資本主義を打倒して、労働者の社会をつくろう! 労働者には力がある。労働者の団結に生きよう!」と基調報告を締めくくった。

 沖縄からも結集

 3・6行動の意義はさらに、自治労沖縄県本部女性部の労働者(沖縄市職)が参加したことを先頭に、全国の自治体労働者がともに闘うことを宣言したことだ。沖縄の労働者は、特別州になることで沖縄にとってはよいことのように宣伝されているが、沖縄の労働者は絶対に反対しなければならないと断言した。
 また、全国で吹き荒れる現業の民営化、賃下げ・査定給の導入(年功序列賃金の解体)などに対し、道州制粉砕のひとつの決戦として一丸となって闘うことが、全国の自治体労働者から宣言された。
 もう一つは、八尾市西郡で2月26日に森本政二さんに対する住宅明け渡しの強制執行の攻撃と闘い抜いた部落解放同盟全国連西郡支部と八尾北医療センター労組が、「労働者の団結に生きる」と勝利感に満ちて登場したことだ。部落民に対する住宅明け渡し攻撃も、橋下大阪府政によって強行されている、道州制攻撃そのものなのだ。
 さらに、森精機による派遣労働者の雇い止め=解雇攻撃に対して闘う関西合同労組技能育成センター分会を始めとして、まさに大恐慌下の首切り攻撃に団結して闘うことを高らかに宣言したことだ。
(写真  3・6集会で発言する部落解放同盟全国連西郡支部と八尾北医療センター労組)

 労働組合を甦らせよう

 以上のように、3・6行動は、豊中市職女性部の奮闘によって、自治労の体制内派執行部の敵対を打ち破り、道州制粉砕、橋下打倒への突破口を開く闘いとなった。道州制攻撃とは、凶暴な攻撃であるが、それは自治労本部のように労働者が闘わないことを前提にしたものであり、しかも、現在の大恐慌下では実に破産に満ちたものだ。道州制によって地方経済を資本の思うままに発展させて労働者を搾取し利益を上げるなどという、江口らの「道州制推進論」は絵に描いた餅に過ぎない。
 だが、日本帝国主義は、自治労、日教組を破壊しつくすために、国鉄分割・民営化以上の大攻撃をもって労働者に襲いかかってくる。一切を労働者人民に犠牲転嫁し、資本の延命を図ろうというのだ。
 これに対しては、労働者の団結で立ち向かう以外にない。いや、闘えば絶対に粉砕できるのだ。そのために、現場から闘う労働組合を甦らせ、道州制粉砕決戦を一大階級決戦として闘い抜こう。

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月刊『国際労働運動』(393号1-7)(2009/05/01)

討議資料

 ■討議資料

 資料1 日本経団連第1次提言(抄)

 道州制の導入に向けた第1次提言

 2007年3月28日 日本経済団体連合会

 2.道州制導入の意義・目的

(1) 統治機構の見直しを通じた政策立案・遂行能力の向上 (1) 統治機構の見直しを通じた政策立案・遂行能力の向上

日本経団連はかねてより、地方分権の推進と地域の自立の必要性を強く訴えてきた。これからの日本のあり方を考える際、まず念頭におくべきは、中央集権体制から地域自立体制への移行である。(略)そのために、内政上の政策にかかわる企画・立案や意思決定、関連事務・事業について、国から地方公共団体へと権限を移すこと、すなわち統治機構を根本から見直すことが、『希望の国、日本』をつくり出す基礎をなすものであると確信する。
ここでいう地方公共団体とは、現在の都道府県ではなく、全国を大ぐくりに区分した新たな行政体、すなわち道州である。交通網や情報網が発達し、経済圏が広がっている今日、現在の都道府県の規模は小さすぎ、非効率である。また、国から大幅な権限および税財源の移譲を受け、自立した地方公共団体となるためにも、規模をより広域なものとする必要がある。そのためには、都道府県合併など現行制度に基づく広域化ではなく、地域自らの発意に基づき広域化を目指し、わが国全体で道州制を実現すべきである。
道州制が実現すれば、地域内の政策は道州が担う一方で、国は国益を重視した政策に専念することになる。こうした統治機構の抜本的な改革を通じて、わが国の政策立案と政策遂行の能力が飛躍的に高まることが期待される。道州制の導入は、いわばわが国が直面する内外の様々な課題の解決に向けた「究極の構造改革」として位置づけられるものである。

(2) 地域経営の実践による選択と集中 (2) 地域経営の実践による選択と集中

現行の地方自治制度は、施策のうえでも財政のうえでもすでに立ち行かなくなっている。このままでは、グローバル競争の激化や少子化・高齢化といった社会構造の変化に対応することは困難である。今後、国民一人ひとりの活力を引き出す一方で、社会の絆を強くするためには、地域自らが地域に根ざした政策を企画・立案・展開することが不可欠である。
その際に重要な視点は、道州が自らの地域を経営し、その結果責任を負うという地域経営の視点であろう。地域経営は、道州がそれぞれの地域の目標を掲げ、その達成に向けて様々な戦略を練り、持てる資源を効率的に活用し、道州税や道州債などの自主財源をもとに政策を展開しながら最大の成果を挙げることである。その際、グローバルな視点から成長戦略を練り、道州自体が国際的な競争に挑み、それを通じて経済発展を実現するという点も重要である。

 ●道州制憲章7カ条(試案)

一、 国に依存せず、地域の個性を活かし、それを磨きあげる心が、日本全体に活力をもたらす。 一、 国に依存せず、地域の個性を活かし、それを磨きあげる心が、日本全体に活力をもたらす。
一、地域の自立は、そこに住まう住民の発意と熱意によって実現される。
一、日本に、そして世界に誇れる街づくり・地域づくりを進める。そのため、住民全員が努力し、各々の責任を果たす。
一、地域を愛し、地域のために尽くす人材は、地域の宝である。
一、一人ひとりが、生涯を通して地域に根ざし、はつらつと生活し、学び、働ける地域をつくりあげる。
一、多様なチャレンジの機会にあふれ、全ての人々が切磋琢磨する社会をつくる。また弱者には手が差し伸べられる。
一、家庭を基本的単位とし、住民が相互に支えあう地域をつくりあげる。

 

討議資料 資料2 日本経団連第2次提言(抄)

 道州制の導入に向けた第2次提言

 2008年11月18日 日本経済団体連合会

 1.道州制の導入に向けた国民の理解と政治主導の重要性

 (1) 国民理解を深めるうえで政治主導の取り組みに期待する

 真の地方自治を実現し、地域の自立と活性化を実現するために道州制の導入が有効であることは、国会議員、地方公共団体・議会関係者、さらには各地経済界の間で、徐々にではあるがコンセンサスが得られつつある。しかし、道州制導入の意義が国民一人ひとりに理解されるようにならなければ、道州制を導入しようという積極的な気運は生まれてこない。地域におけるより広範な人々の参加を得ながら道州制導入の議論を進展させ、その効果や意義についても理解が深まっていくことが肝要である。
国民の代表者たる国会議員には、与野党問わず、道州制の導入が国家百年の大計のもとに行われるべき大改革であることを強く認識し、積極的にイニシアティブをとるよう期待したい。政治主導の取り組みがなされなければ、改革は骨抜きとなり、道州制は画餅に終わる。

 (2) 日本経団連が考える道州制とは

日本経団連が考える道州制は、@ 現在の都道府県を廃止し、これに代わる広域自治体として全国を10程度に区分する「道州」を新たに設置する、A 地方公共団体を道州および基礎自治体という二層制として、道州、基礎自治体それぞれが自治権を活用し、真の住民自治を実現するために必要な権限と財源もあわせて備えるというものである。  日本経団連が考える道州制は、@ 現在の都道府県を廃止し、これに代わる広域自治体として全国を10程度に区分する「道州」を新たに設置する、A 地方公共団体を道州および基礎自治体という二層制として、道州、基礎自治体それぞれが自治権を活用し、真の住民自治を実現するために必要な権限と財源もあわせて備えるというものである。
 道州制のもと、国の役割は外交や防衛など必要最小限のものに限定され、国民の日々の生活に関わる政策の大半は、道州、基礎自治体がそれぞれの地域の実情や地域の経営戦略に基づき立案・実施する。明治以来の中央集権体制から地域自立体制へと、わが国の姿は大きく変わる。これが、日本経団連が目指す道州制の姿である。

 (3)「究極の構造改革」を実現する

 道州制の導入は、国と地方の役割や統治のあり方など、行政のあらゆる面を見直す「究極の構造改革」である。百年有余続いてきた中央集権体制のもと、国が政策を立案、法を運用し、行政権を行使するシステムを根本から見直すものであり、その実現は容易ではない。
 「第1次提言」に示した通り、道州制導入の意義・目的は、中央集権体制から地域自立体制へと国の統治のあり方を根本から改革することを通じて、道州、基礎自治体による多様な地域経営の実践を可能とすることにある。道州、基礎自治体それぞれがグローバルな視野に立って地域経営を実践し、新たな成長を創造することで、各地に活力に富む自立した広域経済圏が形成され、東京一極集中が解消していくとともに地域の経済力が全体として底上げされ、わが国全体の豊かさも増す。また道州制の導入は、縦割りの弊害が顕著となっている行政の実態、ならびにいまだ実質的に上下・主従の国と地方の関係を根本から見直し、より住民に近いところで道州、基礎自治体が内政を担うことによって行政サービスの質的向上を図り、真の住民自治が実現するという点においても大きな意義を持つ。

 (4) 官の役割をゼロベースで見直し、民主導の経済社会を実現する

 道州制の導入に伴い、これまで官が担ってきた公の領域において民が活動できる範囲を拡げ、小さな政府、民主導の経済社会運営を目指すことが重要な課題となる。そのため、官の役割をゼロベースで見直し、規制改革の推進や官業の民間開放、PFIによる事業実施などを徹底する。あわせて、官の肥大化を防ぎ、公務部門においても生産性、効率性の向上を図る観点から、公務員制度改革をはじめとする行政改革の断行や電子行政の推進を図る必要がある。加えて、様々な社会的課題に行政のみが対応するのではなく、企業、NPO・NGOなどが解決策を模索し、自ら実行することも重要である。
3.道州制のもとでの国、道州、基礎自治体の役割

 (5) 住民は地域の行政に積極的に参加する

 基礎自治体は、住民に身近な行政サービスを提供するが、限られた財政収入のもとで、これまで以上にサービスの重点化・効率化を図ることが必要となる。住民は受益と負担の関係を常に意識しつつ、身近な社会的課題に直面した際には行政に過度に依存せず、相互扶助・共助の精神で自らその解決に取り組む。具体的には、町内会・自治会などのコミュニティ組織、NPO・NGO、ボランティアグループなどの活動や現行の地域自治区制度の活用を通じて、防犯、消防、災害時対応、子育て、介護などの分野において住民は行政と協働する。これにより、行政サービスの質の向上が図られ、日々の生活に欠かせない「協力的市場」や「温かい地域社会」も形成されよう。

 4.道州制を支える諸制度のあり方

 (1) 新たな役割分担を踏まえ税財政制度を抜本的かつ一体的に改革する

 国、道州、基礎自治体がそれぞれ、行政上の役割を果たすうえで必要な財源を確保するため、新たな視点から国税と地方税を再編成する一方、現行の地方交付税と国庫補助負担金を廃止する。
道州制のもとで道州、基礎自治体は、財政面でも自立した地方公共団体とならなければならない。道州や基礎自治体はその役割に応じて、地域経営の視点から主体的に自主財源の充実を図ることが強く望まれる。地方の基幹的財源としては、地域の住民が担う個人住民税や固定資産税が重要である。加えて、地域による税収の偏在性が少なく安定性を備えている地方消費税を充実させることが不可欠である。日本経団連では、「税・財政・社会保障制度の一体改革に関する提言」(2008年10月2日)において、税制の抜本改革のなかで消費税率を少なくとも10%に引き上げ、国と地方の配分を7対3にすべきと提言したが、道州制の導入後には、国民の理解を得つつ、道州の基幹的財源として地方消費税を充実させるべきである。また、道州と基礎自治体には一定の範囲で課税自主権を認め、地方税の税率や税目を自由に定められるようにする。その際、情報開示と説明責任を果たすことが、住民の納得性を高め、受益と負担の関係をより意識した地方行政の実施や、住民の自治意識の向上につながる。
加えて地方債の起債を自由化し、道州、基礎自治体が、議会による監視や市場での格付けのもとで、自己責任により資金調達を行い、必要なインフラ整備などを円滑に行えるようにする。(略)加えて、道州制の導入に際しては、必要な国の資産を道州に移管するとともに、債務もあわせて移管することが必要となる。そこで、その前段階として、国の資産・債務の縮減を大胆に進める必要がある。現在、政府は、行政改革推進法により、2015年度末における国の資産規模の対GDP比を2005年度末に比べ半減させることを目指している。まずはこれを着実に達成するとともに、独立行政法人、国立大学法人、さらには地方公共団体などの資産・債務改革もあわせて推進すべきである。道州制の導入時に、道州に帰属することになる債務処理の方法については別途、検討する必要があろう。

 

討議資料 資料3 関西経済同友会提言(抄)

 地域主権推進委員会提言要約

 5年以内に「連邦的道州制」へ移行せよ  2006年4月

 ―憲法改正と廃県置州により実現する地域主権提言―

 1.提言に先立って

 (3)どんな体制を提案するのか

 この提案は、憲法を改正し、連邦制に限りなく近い道州制を実現するものである。憲法により、中央集権は国家の統合が必要な部分に限定し、立法権・行政権、部分的には司法権を含む広範な自治権と「道州代表院」への参画を道州に保証する。官から民へ徹底的に権限を移譲した上で、政令指定都市と同程度の権限をもつ300の基礎自治体「市」、内政に関して従来の国と同程度の権限をもつ道州政府、外交と国家の統合を担う中央政府、からなる三層の体制にかえる。85万人の公務員と2万1千人の議員を削減した上で、新たな時代にふさわしい人材を幅広く国民全体から募って人材を入れ替える。弱者を峻別し、守るべき弱者は守る。そして、1000兆円の借金を背負うに至った国家全体を徹底的に見直し、増税せずに55兆円の国債・地方債の発行を停止、国民全体で助け合える日本をつくるものである。
 廃藩置県140周年にあたる平成23(2011)年8月29日、新体制を発足しよう。あと5年しかない。奇跡の構造改革である「廃藩置県」を断行できた我々日本人には遂行できる。

 2.提言 憲法改正し5年以に「連邦的道州制」へ移行せよ

 (1)国・地方合わせて55兆円の歳出削減、国債・地方債発行を停止

 官僚主導経済に終止符を打ち、一刻も早い債務の償還を行うため、国債・地方債の発行を停止し、国・地方合わせて55兆円の歳出を削減する。これにともない、規制緩和と権限移譲、官業の民業化とコミュニティサービスの支援を行い、民間や伝統のもつ活力を呼び覚さなければならない。これらを同時に行って、各地域が地域の責任によりニーズと経済力に見合った地域運営ができる体制に移行する。
 連邦的道州制への移行を大義名分に、国の一般歳出(国債費を除く)を30兆円、地方で25兆円歳出カットする。これらは、国債・地方債の償還や防衛費、警察・消防、心身障害者などの社会的弱者対策を除いた全ての歳出を50%カットすることに相当する。国・地方の役割分担、制度、人材を徹底的に見直し、効率的な政府に再生しなければ未来はない。このような巨額の削減は、国民・産業界あげての協力、政治家・公務員の全面協力なしには実現できない。安易な増税には反対である。

 (2)改憲して参議院を「道州代表院」に改組、議員を2万1千人削減

 地方分権により国と地方の関係は対等の関係に移行したもののその実感がない原因のひとつは、地方の代表が制度決定に直接関与していないことにある。 地方の代表が直接立法に関われるよう、憲法を改正して参議院は、衆議院と同様の直接選挙による選出を改め、道州政府の代表で構成するドイツ型の「道州代表院」に改組する。「道州代表院」は、道州知事や各道州の担当閣僚が、道州の権限や道州間の利害について議論・決定するとともに、道州の立場にたって法案を内閣・衆議院に提出する議会である。道州の行政に関する法律は、「道州代表院」に先議権を与え、「道州代表院」の同意を義務付ける。道州制の導入に伴い、都道府県議会は廃止し、総定数を1000人削減した道州議会を置く。府県議員は、立法能力のある道州議員に生まれ変わらなければならない。
 失職する旧都道府県議員はその経験を活かして、コミュニティ再生など地域課題に率先して取り組む政策委員(無給)に任命する。市町村の更なる再編に伴い、市町村議会は平成18年4月現在、3・7万人いる議員を更に2万人削減し1万7千人にする。
(注) 合併による定数特例・在任特例を適用しない場合の議員数。平成17年12月末現在の実際の議員数は4・8万人。 (注) 合併による定数特例・在任特例を適用しない場合の議員数。平成17年12月末現在の実際の議員数は4・8万人。

 (3)公務員は一旦解雇、85万人を削減、教育公務員等126万人を民間に

 道州制の導入に伴い新たな人材を募る為、410万人の国・地方の公務員の内、自衛官・警察などを除く360万人弱を関係法を制定の上一旦解雇する。85万人の定員を削減した上で、新しい時代に適した能力をもち、かつ公の意識をもつ人材を、幅広く国民から募り、新たなエリートとして中央・道州政府に登用する。旧公務員から、立法能力をもつ者や業務に精通した者は、中央・道州政府で再雇用する。新たな政府で働く人材は、「半分の人員で倍の仕事」をする気概と能力が必要である。教育公務員等126万人の現業公務員は、国立・公立学校を私学化するなど組織を公設民営化した上で再雇用の機会を与える。
 現在、経済界は団塊の世代の退職、少子化、若年層の学力や人間力の低下という、労働人口の減少・劣化に直面している。この改革に伴って、これまで官の世界に留められていた人材が民間に開放されることは経済界としても大いに歓迎できるところである。
 失職する公務員は、民間企業に転職するのは勿論であるが、政府開発援助により支援する国の行政指導者へ転用、さらにシンクタンクやコミュニティビジネスに転職・創業を勧める。政府開発援助に日本の公務員が力を発揮することは、日本の新たなODAとして世界に貢献する国策とする。転換にあたっては、旧国鉄の改組に亘って実施したように、受け皿機関「公務員支援事業団(仮称)」をつくり転換支援事業を実施し、事務能力や技能を生かした転職、派遣を行う。関西経済同友会のシミュレーションでは、国・地方合わせて少なくとも85万人の公務員が、「公務員支援事業団(仮称)」を通じて民間に開放されることになる。

 (4)憲法に国の役割を限定列挙、地域主権(自治権)を保証し道州に競争とリスク分散を

 国民の機運の盛り上がりをとらえ5年以内に憲法を改正する。現行憲法には中央政府の肥大化の抑止、国民の自立は明文化されていない。そのため、国民が国家にぶらさがり、官僚主導経済の肥大化をまねいた。このようないびつな状態を抜本的に改める為、改正憲法には、国民の自立を明文化すると同時に第三の主権概念として地域主権(自治権)を明記しなければならない。国防、外交、通商等の中央政府の役割は限定列挙し、それ以外は道州政府の自主的な立法・行政を保証する。こうすることによって、各地域がそれぞれの責任でもって模索し、サービスを競い合い、よい場合は全体で共有、豊かな時代につきものの試行錯誤のリスクは国家全体で分散する。
 地域主権が、国家主権と国民主権の間に確立された時、分権型社会、本当の地方自治が始まる。北海道、四国、九州は自立すれば、デンマーク、フィンランド、オランダの誇りと活力を持ちうる。東京圏や関西圏、中部圏だけではなく、各道州地域の自立は可能である。

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月刊『国際労働運動』(393号1-8)(2009/05/01)

Photo News Photo News

3月5日、アメリカ最大の都市・ニューヨークで市職員・医療福祉労働者・大学職員・学生など7万5000人が、民主党のパターソン州知事と共和党のブルームバーグ市長の予算削減案に抗議するデモを行った。教育予算25億jのカット、医療介護予算の32億jのカットなどを含む総額150億jの広範な予算削減に対してアメリカ州・郡・市職員連盟第37地区協議会や、ニューヨーク市統一教員労組、ニューヨーク市労組評議会が呼びかけたデモに、予想を超える数の労働者・学生・市民が決起して巨大な抗議の声を上げた。

 

(写真@、A)

 

(写真 B、C)

3月8日、イスラエルのテルアビブでアラブ系イスラエル人の女性労働者が、雇用を要求して国際婦人デーのデモに立ち上がった(写真@AB)。イスラエルではアラブ系イスラエル人の女性の83%が何らかの仕事につくことさえできず、失業状態にある。イスラエル政府や資本家は、賃金の安い外国人労働者を雇用するが、相対的に高い賃金を払わなければならないアラブ系イスラエル人の女性を決して雇用しようとしないからだ。
国際婦人デーの彼女たちのデモはこうした状況に怒りを燃やし、労働者としての権利を要求する闘いの新たな発展をもたらすものだ。
同日、イランでも数百人の女性労働者が、イラン・イスラム政権による女性の権利の全面的抑圧に抗議して、国際婦人デーを記念する集会をテヘランで行った。彼女たちは、警察やイスラム政治勢力の民兵による襲撃をはねかえして断固として集会をかちとった(写真C)。  同日、イランでも数百人の女性労働者が、イラン・イスラム政権による女性の権利の全面的抑圧に抗議して、国際婦人デーを記念する集会をテヘランで行った。彼女たちは、警察やイスラム政治勢力の民兵による襲撃をはねかえして断固として集会をかちとった(写真C)。 

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月刊『国際労働運動』(393号1-9)(2009/05/01)

世界経済の焦点

 ■世界経済の焦点

 解決不能の過剰資本

 連合・全労連、「大企業には体力ある」と資本に懇願

 世界金融大恐慌は、300年続いた資本主義・帝国主義の歴史の終わりであり、全世界の労働者階級が一つに団結して、資本主義・帝国主義を打倒する世界革命の時代の到来だ。
 資本主義の救済に走るのか、革命をめざして資本と非和解に闘うのか。労働組合をめぐる体制内労働運動指導部との党派闘争に勝ちぬき、世界革命の勝利へ前進しよう。
□「労使共同宣言」で首切り・賃下げ
 連合は「企業は、足元の状況は激変しているが、景気回復下で蓄積してきた体力は十分にある」「企業に集積した所得を、家計部門へ適切に配分していくことが不可欠」(『2009春季生活闘争方針』08年12月2日)と主張している。
 日共・全労連も「製造業の大企業の内部留保は、……120兆円に増えている。たった1%を使っただけで、40万人の首切りはやらないですむ」(『赤旗』1月21日)、「賃上げにも雇用にもこたえる体力は大企業に十分にあるし、ともに守ってこそ内需を増やして日本経済を立て直すことができる」(『赤旗』1月25日)などと主張する。ここには資本の首切り・賃下げと闘うという思想は一かけらもない。実践的には、日本経団連との「労使共同宣言」であり、「ワークシェアリング」と道州制・民営化の推進であり、国鉄1047名解雇撤回を投げ捨てる4者4団体路線の推進だ。
(写真 ロサンゼルス・ロングビーチ港に足止めになっているトヨタ車)

 □大恐慌に突入したアメリカ経済

 「大企業には十分な体力がある」というのは大ウソだ。世界と日本の労働者階級を分断しようとするものだ。このことをはっきりさせるために、まず大恐慌下のアメリカ帝国主義の破産と没落の実態から見ていこう。
 アメリカ帝国主義は、今年3月上旬時点で、総計7450億j(約75兆円)もの公的資金を金融機関の救済のために注ぎ込んでいる。これに加えてオバマ政権は7500億j(約72兆7500億円)の資本救済策を決定したが、08年には25銀行が破綻、09年もすでに14行が破綻している。このペースでいくと年末には100行以上が破綻する計算だ。
 何より金融恐慌の土台にある実体経済の大崩壊はこれから本格化する。とりわけ米住宅バブルの崩壊、自動車産業の総破産として鋭く現れている過剰資本・過剰生産力の問題だ。
 昨年1年間の米住宅着工件数は前年比33%減の90万4000戸と、1959年の統計開始以降、最低の水準となった。06年の着工件数180万戸、07年の135万5000戸から、この2年間で約半分にまで落ち込んだことになる。また昨年の住宅差し押さえ件数も233万483件と、07年比で81%、06年比で225%増加した。「アメリカの住宅の54軒に1軒は差し押さえ」という、すさまじい現実だ。
 自動車についても、昨年、全米で差し押さえられた乗用車は約190万台にのぼる。1年間に販売されたうちの7台に1台だ。つまり住宅と同様、低所得の労働者に詐欺同然のローンを組ませて自動車を買わせていたということだ。しかもGMは、この自動車ローン債権を証券化して世界中に売りさばいていた。その証券化商品の総額は100兆j(約9700兆円)とも言われている。いわば「自動車版サブプライムローン」だ。

 □新自由主義の総破産

 これは、日本共産党のいうような「ルールなき資本主義」だから起きたのではない。74年〜75年世界恐慌として露呈した戦後発展の行きづまりと階級支配の破綻に対して、労働組合破壊と民営化・規制緩和という新自由主義政策で生き延びてきた資本主義・帝国主義のなれの果ての姿なのだ。
 「一方の極での富の蓄積は、同時に反対の極での、すなわち自分の生産物を資本として生産する階級の側での、貧困、労働苦、奴隷状態、無知、粗暴、道徳的堕落の蓄積などである」(マルクス『資本論』)。
 1976年には36倍だった企業最高経営責任者と労働者の収入格差は、93年には131倍に、04年には431倍にまで拡大した。そして06年には米国内の約6000万人(総人口の約2割)が1日7j(約679円)以下の収入で生活するという極度の貧困化が進んだ。今年2月には失業率8・1%、昨年1月からの非農業部門就業者の減少数の合計は438万4000人に達し、4カ月連続での50万人超の減少となった。
 オバマ政権の巨額の資本救済とAFL―CIOの体制内労働運動指導部の屈服にもかかわらず、アメリカ帝国主義の没落は止めることはできない。世界金融大恐慌の根本にある賃労働と資本の矛盾、資本と労働者の非和解の対立はますます先鋭化していく以外にないのである。

(グラフ 鉱工業生産と設備過剰感の推移)

 □賃労働と資本の矛盾が過剰資本の根源

日本帝国主義も同じだ。対米輸出に依存して生き延びてきた自動車産業・電機産業の壊滅は、まさに日本帝国主義の壊滅だ。今年1月の自動車輸出台数は、前年同月比59・1%減の約23万台となり、国内需要も前年同月比19・9%減の約30万台。
 連合も日共・全労連も「外需依存から内需拡大への転換」などというが、そんなものは日々激化する大恐慌の現実の前にすでに吹っ飛ばされてしまっている。個人消費を拡大できれば過剰資本・過剰生産力の問題は解決し、資本主義は立ち直ると考えているところが大間違いなのだ。資本は、労働者を搾取して得られる利潤を増やすために、労働者の賃金を最低限まで引き下げ、雇い入れる労働者の数を極限まで減らす。これが資本の本質であり運動だ。
 「もし資本主義が、現在いたるところで工業よりもおそろしく立ちおくれている農業 を発展させることができるならば、またもし、目まぐるしい技術的進歩があるにもかかわらず、いたるところで半飢餓の極度の貧困状態にとりのこされている住民大衆の生活水準を資本主義がひきあげることができるならば、――そのばあいには、もちろん、資本の過剰などということは問題となりえないであろう。…なぜなら、発展の不均等性も、大衆の生活の半飢餓的な水準も、ともにこの生産様式の根本的な不可避的な条件であり、前提であるからである」(レーニン『帝国主義論』)。  「もし資本主義が、現在いたるところで工業よりもおそろしく立ちおくれている農業 を発展させることができるならば、またもし、目まぐるしい技術的進歩があるにもかかわらず、いたるところで半飢餓の極度の貧困状態にとりのこされている住民大衆の生活水準を資本主義がひきあげることができるならば、――そのばあいには、もちろん、資本の過剰などということは問題となりえないであろう。…なぜなら、発展の不均等性も、大衆の生活の半飢餓的な水準も、ともにこの生産様式の根本的な不可避的な条件であり、前提であるからである」(レーニン『帝国主義論』)。

 □「120兆円の内部留保」の実態

 だから、「内部留保の1%を取り崩すだけで40万人の首切りはやらないですむ」というのも、賃労働と資本の非和解性を隠蔽するための反動的主張だ。しかも連合や日共がいう「内部留保」とは、企業が作成する貸借対照表の「貸方」に記載されている「利益剰余金」のことにすぎない。これを指して、トヨタの「内部留保」は約12兆4千億円、キヤノンの「内部留保」は約2兆8千億円、「製造業の大企業は120兆円の利益をためこんでいる」と言っているのだ。しかし、それはあくまで帳簿上の数字であり、「利益剰余金」と呼ばれるもののほとんどは「現金」ではない。生産設備・土地・研究開発に再投資されているか、または証券や国債の購入という形で金融投機に使われている。
 「日本の自動車資本は、アメリカのGMなどとは違う」と言われるが、内情は大して違わない。例えば07年には「史上空前の利益」をあげたトヨタも、実際のところはGMと同じように、自動車をローンで買わせていただけだ。トヨタの自動車ローンの貸し倒れなど金融面での損失額は1400億円とされているが、実際には1兆円以上と言われている。そのため、政府系金融機関の国際協力銀行は、トヨタの金融子会社に対して、アメリカでの自動車ローン事業の資金確保のために2000億円規模の緊急融資を行っている。そうした「救済」を受けなければ、GM同様、トヨタも倒産するしかないところに追い込まれているのだ。
 それだけではない。トヨタは、米住宅バブルと個人消費の拡大が続くことを前提に、借金を重ねて海外生産設備を急激に拡大してきた。その有利子負債は約11兆円に膨らんでいる。それが今や利潤を生みださない過剰生産力となってトヨタ資本を締め上げている。トヨタの「史上空前の利益」なども、国鉄分割・民営化以来の新自由主義政策が生みだした低賃金の非正規労働者からの搾取によるものであり、米住宅バブルをあてこんだ生産拡大と自動車ローンによって築かれた「砂上の楼閣」にすぎなかったのだ。「大企業には十分な体力がある」どころではない。まさに「資本主義は終わっている」のだ。

 □労働運動の力で革命を

 大恐慌の根本にあるのは、過剰資本・過剰生産力の問題だ。アメリカと日本だけで世界の3割、1日で6万台以上の自動車生産が可能なほどに発展した巨大な生産力。これが「資本主義の枠内」すなわち「賃労働と資本」の生産関係とは完全に相容れなくなっているのだ。「資本主義の枠内」に止まるかぎり、もはやこれ以上の社会の発展はない。労働者階級が資本家階級から生産手段を暴力的に奪い取らないかぎり、大恐慌は労働者の大量解雇と飢餓賃金の強制、保護主義と世界戦争をもたらす。
 互いに競争しあい蹴落としあうことしか知らない資本家は「資本主義の枠内」でしか生きていけない。しかし、労働者は闘う労働組合を甦らせ、一つに団結すれば、腐り果てた「資本主義の枠内」「資本主義のルール」などぶっ壊して生きていくことができる。動労千葉や京品ホテルの労働者の闘いは、資本家や経営者などがいなくても、労働組合で職場を動かすことができることを実証している。むしろ大恐慌の現実が日々示していることは、日本経団連のような資本家連中の存在こそが生産と社会の運営にとっての妨害物になっているということだ。
 (柴田之雄)

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月刊『国際労働運動』(393号1-A)(2009/05/01)

世界の労働組合

 ■世界の労働組合

全米自動車労働組合(United Auto Workers:UAW)

 ■概要

 正式名称はInternational Union, United Automobile, Aerospace and Agricultural Implement workers of America(全米自動車・航空宇宙・農業機器労働組合)。  正式名称はInternational Union, United Automobile, Aerospace and Agricultural Implement workers of America(全米自動車・航空宇宙・農業機器労働組合)。
 UAWは、アメリカ自動車産業最大規模の労働組合で、本部はミシガン州デトロイトにあり、現会長は2002年に選出されたロン・ゲッテルフィンガーである。ビッグスリーと呼ばれるアメリカ自動車大手3社(ゼネラル・モーターズ、フォード、クライスラー)とその部品会社を中心とした約2000社とのあいだで3100の労働協約を結んでおり、800を超えるローカル組合がある。アメリカ、カナダ、プエルトリコに組織を拡大し、50年代から60年代にかけて米国の自動車産業の繁栄とともに巨大化し、自動車産業だけではなく、飛行機や自転車、農機具などを含む産業機器の製造に従事する労働者も組織するようになった。
 最盛期の70年代には組合員が150万人いたが、年々激減し2006年には約54万人となり、2007年には46万人台という、シットダウン・ストライキで組合拡大をはかっていた1941年の50万人を下回る数に落ち込んでいる。組合組織率は、80年代に62%から50%へ、90年代ではもっと急速に落ちて、2000年には37%までに下がってしまった。

 ■75年間の栄光と衰退の歴史

  UAWは、1935年に「アメリカ労働総同盟」(American Federation of Labor:AFL)の傘下で発足した。30年代の階級闘争の激動の中で、AFL内部に組織された「産業別組合委員会」(Committee for Industrial Organization:CIO)がAFLから除名され、UAWもCIOの一員として新たなナショナルセンター「産業別組合会議」(Congress of Industrial Organizations:CIO)を立ち上げ、戦闘的な闘いを繰り広げた。   UAWは、1935年に「アメリカ労働総同盟」(American Federation of Labor:AFL)の傘下で発足した。30年代の階級闘争の激動の中で、AFL内部に組織された「産業別組合委員会」(Committee for Industrial Organization:CIO)がAFLから除名され、UAWもCIOの一員として新たなナショナルセンター「産業別組合会議」(Congress of Industrial Organizations:CIO)を立ち上げ、戦闘的な闘いを繰り広げた。
 UAWは、シットダウン・ストライキという、工場を労働者が占拠して座り込む戦術で勝利を続け、組織を拡大していった。1936年にはまずGMでシットダウン・ストライキを展開、1936年12月から翌年2月まで続いたミシガン州フリント工場のストライキは、未経験の労働者が団結を崩さず工場を占拠し続け、全米のGMの自動車生産を実力阻止した。引き続いてクライスラーでも勝利を収めると、次にフォードとの闘いに入った。だが、フォード社は社内にセキュリティ部門を設置して組合員や支援者を恐喝し、暴力的に排除しようとした。フォード社がUAWとの団体交渉を受け入れたのは、1941年になってからであった。
 1946年にウォルター・ルーサーが委員長に選出され1970年まで就任したが、この期間にアメリカの自動車産業は揺るぎない巨大企業になっていった。UAWは、企業の医療保険制度、公的年金、勤続30年以上の退職金制度、レイオフ時の失業手当金上乗せ、毎年3%の賃金アップなどの好条件をかちとり、ほかの業界の労働組合もみんなUAWを手本にしていった。
 だが、UAW指導部は会社側の生産性向上運動と一体となって、「GMにとって良いことはアメリカにとって良いこと」と、30年代の組合結成時の非妥協の戦法を否定し、秩序ある労使関係を保つ役割を担っていった。70年代後半に入り、オイルショックなどの影響で自動車業界は大幅な赤字を計上する事態になり、景気不振期の80年代、UAWは再び労働運動の先導的役割を果たしたが、この時は、譲歩と露骨な労資協調路線を先導した。
 この時からUAWは、会社あっての労働者だとして、組合員に譲歩につぐ譲歩を強いてきた。だが、どんなに譲歩しても雇用はカットされた。アメリカの自動車産業は、90年代のバブル期に若干持ち直したが、2004年頃からはいつ倒産してもおかしくない状態になった。そして、ついにこの世界金融大恐慌の中で破綻は免れない状況に陥り、オバマ大統領はビッグスリーに公的資金投入を決定した。ビッグスリーは、米政府から支援を受ける条件としてUAWとの交渉を完了することが義務付けられ、今年3月9日、フォードの組合員が、労働協約と退職者向け任意被用者給付基金(VEBA)の変更について承認したと発表した。
(写真 スト中のUAW労働者【07年9月】)

 ■継続するランク・アンド・ファイルの「生きさせろ!」の闘い

 UAW指導部は、労使一体となった協調路線を唯一の延命策としてひた走りに走っているが、一方でランク・アンド・ファイルの力強い動きが台頭してきている。それを示したのが、2007年9月のGMの全米ストライキだった。本部の裏切り協約締結でストは集約されてしまったが、ランク・アンド・ファイルは、「会社がつぶれたら元も子もない」論を大衆的に乗り越える闘いに決起しつつある。

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月刊『国際労働運動』(393号1-B)(2009/05/01)

国際労働運動の暦

 ■国際労働運動の暦

 5・1メーデーの起源

 血の弾圧のりこえて――「一つの軍隊の閲兵式」(エンゲルス)

 かちとられた労働者の国際的団結

 労資協調主義の連合指導部は、「労働者の団結」に恐怖し、メーデーからも逃げ回って4月下旬にずらし、資本家階級に対する労働者の闘いの日という性格を消し去るのに躍起だ。
 だが、もともとメーデーは労働者のゼネストと、それに対する銃と警棒による暴力的鎮圧という、血と硝煙の中から生み出された。

 ●8時間労働制の要求

 1886年、アメリカの労働者階級は「8時間労働制」を要求してゼネラルストライキに立ち上がった。AFLの前身「アメリカ・カナダ職業別労働組合連合会」が84年にシカゴ大会で採択した決議に基づいていた。だが、この連合会指導部はゼネストを実現する熱意が弱く、その組織化と指導はもっぱら無政府主義者の国際組織のシカゴグループが中心になった。アナーキストと言っても、彼らはあくまで労働者大衆を基盤とするゼネストや蜂起に依存する戦略思想を持っていた。
 86年5月1日を期して全米各地でのゼネストが決行された。中心になったシカゴでは、約4万人の労働者がストに入って一大デモンストレーションを行い、その他4万5千人の労働者はストに入らないうちに要求を獲得した。これに対する大弾圧は、支配階級がプロレタリア革命の現実性に震撼したことを示している。

 ●警官隊との衝突

 ストライキ3日目の5月3日、シカゴ郊外のマコーミック収穫機工場の入り口で、ストライキ労働者とスト破りの間に衝突が起こった際、警官隊がストライキ労働者をめがけてピストルを乱射し、1人を殺し数人に重傷を負わせた。
 これに対する抗議の集会が翌4日夜、ヘイマーケット広場で数千人を集めて行われた。集会も終わりに近く、雨も降って聴衆が3分の1に減ってきた中で、警官隊が広場を急襲した。この時、1発のダイナマイトが爆発、警官1人が死に、数人が負傷した。逆上した警官隊は銃を乱射し、棍棒を振るい1人を殺した。
 この事件以降、アメリカ労働運動史上最大のフレームアップ攻撃が襲いかかった。シカゴ検察庁は、ストライキの指導者8人を警官殺害の共謀罪の犯人として法廷に立たせた。4人が絞首刑になった。(注)

 ●第2インターの創立

 1888年、AFLは8時間労働制要求のために90年5月1日のゼネストを決定した。翌89年の第2インターナショナル創立大会は、AFL会長からの要請に応じ、毎年5月1日を8時間労働制獲得と労働者の国際的連帯の日として設定すべきだとするフランス代表の提案を可決した。この決議を受けてヨーロッパ各地で最初の国際的メーデーが実施された。
 『共産党宣言』のドイツ語第4版の序文が書かれたのはこの第1回メーデーの日だった。エンゲルスは言う。「私がこの文章を書いている今、ヨーロッパとアメリカのプロレタリアートが、一つの軍隊として、一つの旗のもとに、一つの当面の目標をめざして、はじめて動員された自分たちの兵力の閲兵式を行っている」と。
 メーデーは、「万国のプロレタリア団結せよ」のスローガンのもと、世界革命へのときの声をあげる日として始まったのだ。

 ●米メーデーの復活

 その後アメリカの労働運動指導部が、シカゴ労働者の革命的闘いに恐怖し、資本に屈服し、メーデーをタブーとしたため、発祥の地でありながらアメリカのメーデーはすっかりすたれてしまった。だが、メーデーの戦闘的復権の動きは21世紀になって急速に高まった。
 06年5月1日に移民労働者1000万人が全米で決起し、メーデー復活の突破口が開かれた。
 これを受けて、08年5月1日、イラク戦争停止を要求し、ILWU(国際港湾倉庫労組)は、米西海岸の29の港をすべて止めた。イラクの港湾労働者はそれに連帯し、同日ストで応えた。イラク侵略戦争の当事国、侵略する側とされる側の労働者が、海を越えて連帯したのだ。これこそメーデーの国際的精神を甦らせた歴史的な闘いだった。
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 ■ヘイマーケット事件

 1886年5月4日、ヘイマーケット広場の労働者集会でのダイナマイト爆発・警官死亡事件の容疑で8人が共謀罪で裁判に掛けられた。8人の内、7人は事件の時、現場にいなかった。もう1人は演説者だった。つまり官憲は被告の内の誰がダイナマイトを投げたかを立証できず、被告たちが暴力革命を唱える指導者であったことを理由に絞首刑を要求した。1人に懲役15年、7人が死刑判決。1人が獄死、2人が無期懲役に減刑、4人が絞首刑となった。米史上最大のフレームアップ事件の一つ。
(写真 ヘイマーケット広場での爆弾破裂の瞬間【警察発表に基づいて描かれた絵】)

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月刊『国際労働運動』(393号1-C)(2009/05/01)

日誌

 ■日誌 2月 2009

1日 交流センター運動の大発展へ
全国労組交流センターの第16回定期全国総会が1月31日〜2月1日、150人を超える参加者で開かれ、交流センターを現場労働者の階級性に依拠した戦闘的活動家集団として確立する方針を決定した。なおこの全国総会で「階級的労働運動の力で、無実の星野文昭さんをとり戻そう」との画期的な特別決議が採択された
3日千葉 農地法裁判第1回弁論
千葉地裁で開かれた農地法裁判第1回弁論の傍聴・支援に150人の労働者・農民・学生・市民が駆けつけた。これに先だって午前9時、千葉中央公園で総決起集会をかちとった。市東さんの「農地を死守するぞ」と大書されたプラカードを先頭に、デモは千葉市民に強くアピールした
5日東京 法政大、文連先頭に入試に登場
法政大の入試が始まった。全学連と文化連盟は固く団結し一体となって、東京をはじめ大阪、仙台、広島、金沢などの入試に登場した
5日広島 法大入試の受験生と盛り上がる
広島でも法大入試決戦をやり抜いた。試験会場の入り口前に陣取ってビラを配布した
5日長崎 ブルーリッジの長崎寄港阻止行動
米海軍第七艦隊の旗艦「ブルーリッジ」(1万9600d)が長崎に寄港し、「長崎労組交流センター(準)」は、長崎港に結集した長崎の労働者とともに怒りの声をあげた
6日埼玉 ショーワの派遣労働者、第2波スト
行田市のホンダ系自動車部品メーカー、ショーワで派遣労働者が第2波ストを決行した。ストはついにショーワのバンディング(ピストンに樹脂をまきつける職場)の機械4台を止め、資本に実体的な打撃を与える闘いとして貫徹された
8日宮城 ワーカーズアクション宮城を闘う
集会に先立ち、繁華街で街頭宣伝を行い、集会に移った。数多くの仲間からの発言を受けた後、教育労働者のコールで仙台のアーケード街を突っ切るデモに出発! 労働者が手を振り街頭は怒りにあふれた
8日大阪 自治体労働者春闘討論集会開く
自治体労働者春闘討論集会が、3月廃止がたくらまれている大阪府立青少年会館で開かれた。8自治体12単組から30人が参加した
11日広島 教労集会 6人が不起立宣言
「生きさせろ! ゼネストへ 09春闘を不起立で闘おう 2・11ヒロシマ教育労働者団結集会」に100人が結集し6人が不起立を宣言した
13日大阪 市大で道州制・2部廃止反対のデモ
大阪市立大学で「道州制粉砕・2部廃止絶対反対」のキャンパス集会とデモをうちぬいた
14日千葉 動労千葉、3月中旬にスト配置
動労千葉は、第60回定期委員会をDC会館で開催し、3月の春闘本番にむけたスト配置を含む決戦方針を確立した
14日東京 2・14集会、“裁判勝利と革命へ”
「『簡易・迅速』裁判粉砕し、4人の無罪確定へ差し戻し審・上告審の勝利かちとろう!2・14集会」(主催/迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会)が、池袋で開かれ、80人が集まった
14日広島 海自呉基地に派兵中止を申し入れ
百万人署名運動広島県連絡会など5団体が、海自呉地方総監杉本正彦に対して、ソマリア沖への海自護衛艦の派兵を中止せよと申し入れた
16日千葉 三里塚耕作権裁判、提訴取り下げよ
三里塚反対同盟・市東孝雄さんの耕作権裁判第10回口頭弁論が、千葉地裁で開かれた
16日東京 1047名解雇撤回へ800人
動労千葉主催の「1047名解雇撤回! 09春闘勝利! 2・16労働者総決起集会」が、すみだ産業会館で開かれ800人が集まった。この日は、国鉄分割・民営化を目前に控えた87年2月16日にJR不採用通知がなされてから22年目にあたる。動労千葉はこの集会で「1047名闘争の新たな出発」を高らかに宣言した
16日東京 社長は謝罪しろ、JR東日本を弾劾
三多摩労組交流センターと「中村さん闘争に勝利する会」は、JR東日本本社に行き、清野社長の謝罪を求める弾劾行動を取り組んだ
18日東京 “JP労組中央は退陣せよ”
有明TFTホールで開かれたJP労組中央委員会に対して、全国労組交流センター全逓部会の仲間たちは、ビラを配布した
19日奈良 森精機、解雇撤回へ2月大闘争
関西合同労組大阪東部支部・技能育成センター分会は、森精機解雇撤回闘争に断固決起した。1月22日の闘争を倍する45人の大結集だ
19日愛知 森精機名古屋本社に解雇撤回のビラ
関西合同労組大阪東部支部技能育成センター分会の第4波ストライキに連帯して、森精機名古屋本社前で東海合同労組はビラまき行動を行った
19日宮城 東北石けん労組、第3波スト
全員解雇を月末に控えて、東北石けん労組の第3波ストが門前を制圧して闘い抜かれた。
19日神奈川 道州制粉砕・県労連本部打倒へ
県労連・市労連の労働者を先頭に50人が道州制粉砕を掲げ、県庁と横浜市庁前で、のぼりを立て、横断幕を掲げビラをまき県庁前に座り込んだ
21−23日広島 日教組全国教研で大宣伝戦
日教組第58次全国教育研究集会が広島市内で行われた。青年教育労働者を先頭に、宣伝戦をやりぬき日教組組合員と大合流をかちとった
21日東京 ビキニデー55周年に反戦反核集会
杉並の阿佐谷地域区民センターでビキニデー55周年反戦反核東京集会が開かれた
24日東京 キヤノン本社へデモ
なんぶユニオンと南部労組交流センターは、ス労自主労組のストを突破口に、オリックス・宮内、キヤノン・御手洗弾劾の1日行動に決起した
24日東京 共謀罪を廃案へ国会闘争
“共謀罪を廃案に”の執念に燃えて「破防法・組対法に反対する共同行動」が国会闘争を行った
26日大阪 西郡住宅闘争、森本さんと支部決起
警察権力を使った大阪・八尾市による強制執行で、全国連西郡支部の森本政二さんは、住居に立てこもって徹底抗戦を貫いた。八尾北医療センター労働組合は、初めてのストライキを打ち抜き共に闘った
27日長崎 米原子力空母の佐世保寄港を弾劾
アメリカの原子力空母ステニスが佐世保に入港し、長崎労組交流センター(準)は早朝から反対闘争に決起した
28日東京 精研労組がストライキ
池袋で「大幅賃上げ! 人員を増やせ! 解雇撤回! 生きさせろ!ゼネストをやろう!」東京北部集会とデモが行われ130人が結集した。この日朝から春闘賃上げストライキを打ち抜いた精研労組隊列がバーンと登場し力と熱気があふれた
28日千葉 春闘団結集会
千葉市民会館で、ちば合同労組と千葉労組交流センターの呼びかけで「ちば春闘団結集会」がかちとられた。デモは85人で横断幕やのぼりを林立させ繁華街を席捲した
28日東京 中部春闘討論集会
東京中部労組交流センターの青年労働者が中心で呼びかけたワーカーズアクション中部の春闘討論集会が約30人で行われた

(弾圧との闘い)

2日東京 迎賓館・横田爆取差し戻し審 
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判差し戻し審の第13回公判が、東京地裁刑事第20部・林正彦裁判長による検察側立証の大幅な省略・手抜き・早期結審攻撃の緊迫情勢の中で行われた
6日東京 5・29法大デモ弾圧裁判(1G)
5・29法大デモ弾圧裁判(第1グループ)の弁護側立証がいよいよ開始された。この日は、被告と弁護人の冒頭陳述と文化連盟副委員長の恩田亮君への証人尋問が行われた
10日東京 5・29法大デモ弾圧裁判(2G)
陪席裁判官の1人が交代したので、まず弁護人と被告団全員による更新意見の表明が行われた。弁護人と中村真之君による圧巻の冒頭陳述がこれに続き、終始法廷を圧倒した。裁かれているのは国家権力の方だ。誰もがそう実感する熱気が満ちあふれた
12日東京 5・28法大弾圧裁判
東京地裁刑事第18部(福崎伸一郎裁判長)で5・28法大弾圧裁判の第9回公判が行われた
13日東京 5・27臨大闘争弾圧裁判
国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第104回公判が東京地裁刑事第10部(植村稔裁判長)で開かれ、荻野富士夫・小樽商科大学教授が証言した
16日東京 7・24法大弾圧裁判
東京地裁刑事第21部(半田靖史裁判長)で7・24弾圧裁判の弁護側立証が始まった
19日東京 5・29法大デモ弾圧裁判(2G)
5・29法大デモ弾圧裁判・第2グループの第8回公判が開かれた
20日 不当逮捕の3人奪還、デッチあげ粉砕
「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」なる容疑でデッチあげ逮捕されていた3人の奪還をかちとった
23日新潟 不当弾圧を粉砕
新潟県警はA君を不当逮捕した。反撃が開始され労働者の圧倒的なシュプレヒコールによる警察署包囲、駅までの大宣伝で、24日には裁判所が検察の勾留請求を却下しA君を奪還した
24日東京 迎賓館・横田爆取裁判
東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判・差し戻し審の第14回公判が行われた
25日東京 5・29法大デモ弾圧裁判(1G)
5・29法大デモ弾圧裁判・第1グループの第10回公判が東京地裁で行われた
27日東京 5・27臨大闘争弾圧裁判
国労5・27臨大闘争弾圧が開かれ、検察の論告(求刑)が行われた。求刑は向山和光被告に懲役1年6カ月、富田益行、橘日出夫、東元、原田隆司、小泉伸、羽廣憲の各被告に懲役1年という断じて許したがたいものだ。同日夕方、全水道会館で、論告弾劾集会が開かれ、150人の労働者・学生が結集した

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月刊『国際労働運動』(393号1-D)(2009/05/01)

編集後記

 ■編集後記

 世界大恐慌は始まったばかりだ。これは、世界革命によってのみ決着がつけられる。ところが、新聞やテレビを見ていると、年末には景気は回復するのではないかなどという楽観論がまかりとおっている。
 時代認識が全く違う。彼らは資本主義が永遠に続くと思っている。資本主義は終わっているのだ。資本主義である限り、経済恐慌は続き、侵略戦争が止まることなく拡大していく。労働者階級人民は労働組合に団結し、プロレタリア革命に一斉に決起していく。
 日本経団連は、道州制になれば日本が元気なるとほざいていたが、大恐慌に直撃され日帝本体そのものが死に体に陥っている。国鉄分割・民営化をはねとばした動労千葉を先頭に、階級的労働運動の力で道州制粉砕、日帝打倒をかちとることが唯一の人民の明るい展望である。

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