International Lavor Movement 2009/08/01(No.396 p48) 
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2009/08/01発行 No.396
定価 315円(本体価格300円+税)
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月刊『国際労働運動』(396号1-1)(2009/08/01)
■羅針盤
6・14―15闘争は大高揚
▼6・14―15連続闘争は動労千葉が呼びかけた新しい労学共闘の階級的団結の力で、歴史的な高揚と勝利を実現した。戦争・改憲と大失業の攻撃に突き進む麻生政権への怒りと法大暴処法弾圧への怒りがひとつになって大爆発した。6・14―15の勝利は、何よりも2100人(14日)、1200人(15日)という結集の規模が示している。階級的団結でかちとったこの大結集の威力が権力と体制内反動派を圧倒した。大恐慌と革命情勢のただ中で、国鉄1047名闘争を基軸とした4大産別決戦にかける動労千葉派が、圧倒的な存在感と戦闘力をもって登場したのだ。この場で、「2009国際反戦共同声明」が、三里塚芝山連合空港反対同盟と動労千葉、韓国・民主労総ソウル本部、ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル34、運輸労働者連帯委員会の連名で発せられた。
▼さらに全国結集で6・14闘争を闘った労働者が、動労千葉の呼びかけにこたえ、年休をとり1千人規模で6・15闘争も闘った。「逮捕したからもうキャンパスには戻って来ない」などと当局が宣伝していた法大文化連盟が、暴処法弾圧を打ち砕いて奪還され再登場した。動労千葉労働運動と階級的団結論に徹底的に学び、自らを「第2の動労千葉」として鍛え上げてきた全学連が屹立し、坂野陽平全学連委員長代行(上智大学3年、21歳)が新たなリーダーとして鮮烈に登場した。法大闘争は4大産別決戦と一体で戦争を阻む砦である。4・24を引き継ぐ法大生の総決起は不可避な情勢になっている。
▼6・14―15連続闘争の大高揚ひきつぎ1047名解雇撤回・派遣法撤廃へ前進しよう。労働者階級の怒りで麻生政権を倒そう。
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月刊『国際労働運動』(396号1-2)(2009/08/01)

News&Review
■韓国
“李明博殺人政権退陣!”求め10万人決起
民主労総ゼネストの組織化へ

8000人が集った故パクジョンテ烈士闘争勝利のための総力闘争決意大会(5月9日 大田)
6月10日、ソウル市庁前広場は「李明博殺人政権退陣!」を叫ぶ10万人の人波で埋まった。不正資金疑惑で捜査対象となっていた盧武鉉前大統領が5月23日に自殺。その衝撃がイミョンバク政権への鬱積した怒りの火に油を注ぐことになった。昨年100万人にまで広がったロウソクデモ、さらに87年労働者大闘争が今に甦ろうとしている。
しかし、野党4党と市民・労働団体などが主催した「6・10抗争精神継承・民主回復汎国民大会」は、警察によるソウル広場使用禁止を押し返して開催されたが、「イミョンバク大統領の国政刷新」を求める決議文、舞台左側のスクリーンにはノムヒョン前大統領がイラクに派兵された軍人と抱擁して笑う写真が写し出された。人民の圧倒的な声は「イミョンバク政権退陣」であるにもかかわらず、野党・民主党代表は「2001年、再度民主改革政権を打ち立てよう」と発言、選挙運動に収れんさせようとしていた。
汎国民大会の1部が終わり、2部の追慕文化祭が始まると労働者は立ち上がって街頭に飛び出した。追慕祭終了後には集会参加者も「殺人政権退陣!」を叫んでソウル広場横の大漢門前の道路を占拠して警察と対峙した。夜11時すぎには強制鎮圧作戦に転じた警察との激突となった。
□87年労働者大闘争
87年6月10日、明洞聖堂から広がった6月民衆抗争は時の全斗煥軍事独裁政権を追い詰め、与党の大統領候補であった盧泰愚は6月29日、野党が要求した大統領直接選挙と憲法改正を受け入れることを宣言した。この「6・29民主化宣言」は、「政治的危機が致命的な結果に至ることを避けようとして、全斗煥政権が戦術的に国民の力に譲歩した結果であった」(ハーゲン・クー『韓国の労働者』)。
しかし、解き放たれたエネルギーは権力者の思惑をはるかに超えて「7〜9月労働者大闘争」へと引き継がれた。「市民」として民主化抗争に立ち上がった労働者たちが階級意識に目覚め、ついに歴史の前面に登場したのである。
2週間もたたないうちに激烈な労働争議が現代財閥グループのお膝元である工業都市・蔚山から始まった。争議の波は現代重工業、現代自動車から系列下の下請け企業へ、釜山、昌原、馬山へと拡大した。製造業から鉱業、運送業、造船業、サービス業へと広がり、8月半ばにはソウル・京仁地域の中小零細企業に届いた。大部分が作業中断、非組織的ストライキ、デモを伴い、ピークに達した8月中旬には1日に100件を超える労働争議が発生した。9月までに3311件を数え、争議参加総数は120万人に上った。「ストライキの熱風」が韓国全土を覆ったのだ。
(写真 特殊雇用労働者の怒りが爆発【5月16日 大田】)
□「解雇は殺人だ!」
09年6月10日をストライキで迎えた労働者がいる。
「整理解雇撤回」を要求し無期限ストライキ中の金属労組双龍自動車支部からも組合員150人が参加し、「解雇は殺人だ! これ以上殺すな!」とシュプレヒコール。家族対策委員会に結集する家族たちも「整理解雇無効」のメッセージボードを掲げていた。労組は5月22日の無期限スト突入以来、スト現場である平沢工場の門前に巨大なコンテナ四つを積み上げ、出入りを統制し、工場内で籠城を続けている。(4〜5n参照)
10日午後4時、「外注化阻止・労組弾圧中断」を求めて労組結成10年にして初のストライキに突入したのは公共労組ソウル常用職支部だ。ソウル市の行政機関で道路舗装や漢江公園などの「環境美化」事業に携わる労働者たちで組織されている。5月13日、外注化を進めるソウル市は市が雇用する組合員231人を対象とする団体協約の解約を通知してきた。区庁雇用の1100人の組合員とともに、「団結! 私たちには団結しかない」(ククスンジョン支部長)と長期争議を覚悟してストライキに入った。
宅配やトラック労働者で組織する貨物連帯は、11日午前0時ストライキに突入した。
大韓通運の宅配労働者78人が携帯メールで解雇通告されたのは3月16日。これと闘い、指名手配された貨物連帯本部光州支部のパクジョンテ第1支会長(38)が命を絶って発見されたのは5月3日だった。遺体が安置されている大田市で5月9日、「パクジョンテを返せ! 大韓通運は被解雇者を原職復帰させろ」と貨物連帯、民主労総など8000人が集まった。16日の「5・18精神継承全国労働者大会」には2万人が結集した。大会に先立って全国運輸産業労組貨物連帯は大田政府総合庁舎南門広場で全国12支部8000人以上が参加する組合員総会を開き、「烈士闘争勝利!貨物連帯死守のためのゼネスト宣言」を発した。
大会後のデモでは警察暴力により457人が連行される事態が発生した。怒りをたぎらせた貨物連帯は、「特殊雇用労働者の労働基本権保障、非正規職撤廃、労働弾圧中断、運送料削減中断、解雇者原職復帰」を掲げ、「貨物連帯の全面ストライキで大韓民国を止めて命の代価を受け取る」と闘いぬいている。
時代は革命情勢だ。労働者の怒りを組織し、まっすぐにゼネストへ!
(室田順子)
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月刊『国際労働運動』(396号1-3)(2009/08/01)

News&Review
■金属労組サンヨン自動車支部
官製デモ粉砕しストライキ死守

組合員1100人が双龍自動車平沢工場内に立てこもり、整理解雇撤回を要求して無期限ストライキを続けている金属労組サンヨン自動車支部。スト25日目の6月16日、会社側は整理解雇の対象にならなかった職員を強制動員しての「労―労衝突」によるスト破りに打って出た! 緻密な「工場進入準備資料」を作成し、そのために「救社隊」と称するチンピラを合宿所に集めて暴力的制圧の訓練をしていたのだ。すべては会社側の策略だ。
6月8日には、976人を整理解雇しようとしているサンヨン自動車が、3年後の2012年までに84
1人を追加採用する計画であることが判明。整理解雇の目的は、組合つぶし以外のなにものでもなかった。
サンヨン自動車労組は15日に記者会見し、「平和的解決を願うと言いながらフォークリフトなど重装備を動員! 計画的暴力行為を助長して第3の殺人を挑発する政府と法定管理人を糾弾する!」と題する「緊急声明書」を発表。政府とパクヨンテ法定管理人に対し、「整理解雇=分社計画」の撤回を要求した。
サンヨン自動車は今年1月に経営が破綻し、法定管理を申請(日本の会社更生法手続きに相当)。すでに正規職・非正規職の労働者ら3000人が工場から追い出され、この過程で2人の労働者が会社による脅迫と懐柔で苦しめられた末に脳出血と心筋梗塞で死亡。6カ月もの賃金未払いと無給休職を強いられた上に解雇通知が届いたのだ。「希望退職」で追い出された労働者への退職金も6月12日現在、支払われていない。
□「これ以上殺すな!」
決戦前夜の15日、工場内で開かれたロウソク集会には組合員とともに家族らが集まり、「整理解雇粉砕! 決死闘争!」と叫んだ。
緊張の中、夜が明けた。工場内に立つ高さ70bの煙突の上にも「勝利するまで降りない」と宣言して闘う組合員がいた。16日は高空籠城34日目だった。
工場正門前には棺桶が置かれ、真っ白な喪服を身にまとった家族対策委員会の家族たちが決死の覚悟で「これ以上殺すな」「一緒に生きよう」と訴えていた。(5n写真上)
午前8時を前に正門、裏門に会社の管理職らが集まり、正門には「不測の事態に備える」と称して警察の大型バス30台が待機。8時すぎ、民主労総、金属労組、民主弁護士会を始めとする諸団体が記者会見を行い、会社側の暴力鎮圧の中断を求めた。家族対策委員会のイジョンア代表は「私たちは必ず勝利し、間違っていない労働者がこのように闘えばよいという希望を示すだろう」と語った。
この記者会見中にも、駐車場から正門前に強制動員された労働者が移動していた。その中には会社のユニフォームで偽装した「救社隊」の姿があった。150
0人の官製デモが「ストライキ撤回! 正常操業!」などを叫んで工場への侵入を図る。これに家族たちが勇敢に立ち向かった。
労組がマイクで鉄条網の中から訴えた。「官製デモに動員された皆さん。直ちに解散してほしい。10年、20年同じ釜の飯を食って現場で働いてきた労働者に石を投げるのか!」「会社が『きょう来なければ懲戒解雇する』と言ったのも知っている。使用者側のウソにだまされるな! これ以上資本に利用されるな!」
激しい攻防の中、1人の女性が失神。それでも、驚くべき勇気を発揮した家族たちはひるまなかった。(写真下)
午前11時45分、やつらはすごすごと退散せざるを得なかった。ついに官製デモを粉砕。勝利した!
「あなたが荷物をまとめて無期限ストに入ったあと、初めて心に浮かんだ思いは子どもたちにどういう世の中を残したいのかだった。これ以上、理不尽な犠牲を生むことのない社会、一生懸命働く誰もが苦しむことなく幸せに暮らせる世の中、違いを理由に抑圧されることのない、私はそんな世の中で生きたかったんだと」「だから今、工場を占拠し、顔が真っ黒に日焼けするまで、取るものもとりあえず、『共に生きよう』と叫んでいるのではないだろうか」「きっと勝って、私と子どもたちの前にもっと素敵な夫として、もっと誇らしいパパとして堂々と立ってくれるように願う。そんなあなたの横で、この世で最も明るい顔で一緒に立っているから」
これは、サンヨン自動車労組家族のクォンジヨンさんが書いた夫への手紙だ。「整理解雇通知」を受け取って泣きじゃくっていた妻たちが、闘士となってピケを守り抜いた。ストライキを闘う中で労働者は自らの現実と社会の矛盾を理解し、自らの未来を切り開いている。勝利が見えてきた。
(工場正門前には棺桶が置かれ、真っ白な喪服を身にまとった家族対策委員会の家族たちが決死の覚悟で「これ以上殺すな」「一緒に生きよう」と訴えていた)

(激しい攻防の中、1人の女性が失神。それでも、驚くべき勇気を発揮した家族たちはひるまなかった)
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月刊『国際労働運動』(396号1-4)(2009/08/01)

News&Review
■アメリカ
GM破産、30年代を超える大失業の開始
フリント工場占拠の悪夢に脅える支配階級
□資本家に巨額ボーナス
4月30日、クライスラーが連邦破産法適用を申請したのに続き、6月1日、ビッグ3の最大手、ゼネラルモーターズ(GM)も同法の適用を申請した。アメリカ史上最大の製造業の破産だ。
関連企業を含む大量解雇攻撃を意味する。ディーラーの大量廃業、大量解雇が始まっている。また、自動車部品会社40万人のうち少なくとも三分の一が1〜2年のうちに失職すると商業新聞でさえ報じている。大部品会社(一次下請け)だけで、今年中に49社、2010年にさらに60社が破産するという。
オバマ政権は、一方で自動車会社を破産させながら、他方、銀行、証券、保険会社には天文学的な救済資金を投入した。これは結局、労働者人民が負担するのだ。
救済資金を提供されたAIGの経営幹部が1億6500
万j(約161億7092万円)の巨額のボーナスを自分で自分に支払っていることが発覚し、人民の怒りが爆発した。
オバマは、テレビに出て、「納税者への侮辱だ」といきまいてみせた。だが、公的支援を受ける企業のボーナス規制強化法案を撤回させたのはオバマ自身だ。
政権の経済政策の中心であるサマーズ国家経済会議委員長は、巨額ボーナスが問題になった後でも、「ボーナスは巨額だが、契約を覆したら、この社会は成り立たない」とテレビインタビューで語っている。オバマ自身も、AIGや他の金融資本の巨額ボーナス問題は、契約を理由にして結局は認めていった。
だが、オバマは、労働者に対する契約は、契約期間中であっても、変更するのが当然だという。
□「労組が譲歩せねば破産」
UAWとGMやクライスラーとの労働協約は、契約である。その契約にもとづいて労働者は苦労して働いたのだ。だから、退職したら協約どおり年金を受け、医療を受けることは当然だ。
だが、オバマは、「労働条件を下げて競争力をつけねばならない。UAWが協約を変更する譲歩をしないかぎり、破産法申請をするしかない」と迫った。
資本家に途方もない巨額ボーナスを払う一方で、労働者からは医療さえ奪うオバマのやり口にUAWの労働者の怒りは爆発した。
だが、UAW本部ゲテルフィンガー委員長らは、「破産を回避して雇用を守るためには、譲歩しかない」としてクライスラーとの協約改定を行った。
4月27日、UAWは、かつてない大幅譲歩の協定を締結した。
第一に、時給28jだったこれまでの労働者に加え、新規に時給14jの労働者を採用することを認めた。新採労働者には諸手当もほとんどない。
労働者の間に階層を設けて、団結を破壊し、分断する攻撃に賛成したのだ。そして今後は、この新採労働者に比べて、従来からの労働者の人件費が高すぎるとして攻撃される道を開くものだ。

第二に、退職者医療給付をカットし、「VEBA」と呼ばれる退職者医療基金に対してクライスラー社が払い込むことになっていた金額を、同社の株で支払うことにする。
もともと会社側が医療費支払いに100%責任を持つのがUAWと会社側の協約であったが、最近の協約改定で、UAWがVEBAという投資基金を作り、そこに会社側が資金を払い込むことにした。このVEBAをUAWが投資運用し、その運用益で医療費をまかなうとされた。しかも、当初の会社側払込は、30%もカットされた。
VEBAの資金が枯渇すると自動的に医療費が削減される仕組みが作られたのだ。
今回、その仕組みが全面的に発動されたわけである。今後、会社側は、VEBAに現金で払い込むのではなく、紙くず同然になる破産会社の株式で払うということなのだ。
第三に、次の協約改定に際しての「仲裁の拘束力の承認」と「ストライキ放棄」が決められた。
通常は、どんな体制内労組指導部であっても、協約の有効期間中はともかく、有効期間が切れたら、スト放棄条項も失効するとしてきた。だが、今回は、協約期限を6年間として、その期間中ストを放棄する条項を入れただけでなく、さらには、期限切れ後の次の協約に向かって交渉する時でもスト放棄を入れたのだ。
そして、「仲裁が拘束力を持つ」とは仲裁への異議は認めないということだ。仲裁人にすべて委ねるということだだ。それなら、一体何のために労働組合が存在するのだ。
「スト放棄」とは、単に本部が闘争放棄するだけではない。これを協約で決めれば支部ストも協約違反=違法とされる。大量首切りや危険作業の強制、大幅賃下げなどに対して、やむにやまれず職場の労働者が決起しても逮捕や損害賠償の対象にされる。UAW本部は、組合員を権力に売り渡したのだ。
UAW本部は、この新協約のほとんどの具体的な条項を組合員に隠し、「破産、工場閉鎖、解雇を回避するためには譲歩はやむをえない」という恫喝だけで抜き打ち的な組合員投票にかけた。そして29日、「組合員に批准された」と発表した。
オバマは、翌30日、「クライスラーの破産法11条申請」を発表した。「労組が譲歩せねば破産」といって恫喝し、譲歩が確定したとたんに破産させたのだ。
破産法が適用されると、破産裁判所の権力によって、以前の労働協約も変更させられる。資本に都合の良い部分だけを残し、他は破棄することもできるのだ。
これほど露骨なペテンをやっておいて、オバマはGMの労働者に対してもまったく同じ手口を使った。労組の譲歩がなければGMの破産は不可避と言いいつつ、UAWの譲歩が確定したとたん、GMの破産手続に入ったのだ。
そして、クライスラーとGMは、UAWの譲歩が確定したとたんに、次々に工場閉鎖と大量解雇を発表している。
このペテンに協力したUAW本部に対する労働者の怒りは大きい。
「譲歩派を倒せ! 倒した時初めて本当に変えることができる」「力ずくて引きずり下ろせ!」「これまでわれわれを貧困、病気、戦争に縛り付けてきた鎖をすべて引きちぎった時、初めて変化をかちとれる」(SOS――「連帯の戦士」の6・14〜17全米活動者会議への呼びかけ)
(写真 UAW組合員の工場閉鎖阻止集会(5月18日 ウィスコンシン州ケノーシャ)
□リパブリック工場占拠
このUAW本部の全面屈服と対照的な闘いが、昨年12月にシカゴで行われた「リパブリック工場占拠闘争」だ。
昨年12月5日、リパブリック・ウィンドウズ&ドアズ社が労働者に3日後に工場を閉鎖し解雇すると通告してきた。
その少し前から会社側が密かに最新鋭の設備を運び出している形跡があり、同社の労働組合の活動家の間で、工場閉鎖・全員解雇→組合のない場所での工場再開という攻撃が迫っていることが話しあわれ、その場合には、逮捕覚悟で工場占拠をしようと意思一致してきた。
同社の労働組合、UEローカル1110(統一電機労組第1110支部)の約250人の労働者の工場占拠闘争は、たちまち全米の労働者に注目され、支援、支持があつまった。
それには、連邦政府の金融救済資金を投入されていたバンクオブアメリカが同社への貸し渋りをしていたことへの怒りもあった。各地の同銀行本店、支店では労働者のデモや座り込みが行われた。
もっとも特徴的なことは、リパブリックの工場占拠闘争が始まったとたんに、誰もがUAWの1936年〜37年のシットダウンストライキを想起したことだ。
デトロイトの近郊フリントにあるGMの工場で闘われたシットダウン(工場内での座り込み、占拠)は、工場内にこもった労働者と外の支援部隊が警官隊、州兵部隊と44日間も闘い抜き、ついにGMに労働組合を認めさせた画期的な闘いだった。この勝利を機に、UAWは3万人の組織から一挙に50万人の巨大労組に成長し、30年代階級闘争の疾風怒濤の大高揚の展望を開いたのだ。
当時は、ソ連の権威とアメリカ共産党の権威が大きく、労働者の闘いはスターリン主義によって破壊されてしまった。資本家階級を代表する民主党ルーズベルト政権への協力に歪められたのだ。
だが、現在は、たしかに労働運動を民主党支持に歪めていく勢力は存在するとはいえ、当時の共産党ほどの力をもった勢力はない。しかも、現在のアメリカ資本主義の危機は、30年代恐慌の時とは比べものにならないくらい深刻だ。
だから、リパブリックの250人の工場占拠に支配階級は震え上がった。
シカゴ市とイリノイ州の政治家たちも一斉に占拠闘争支持を表明した。大統領選で当選していたオバマも、支持表明をした。あらゆる勢力が、工場占拠に恐怖し、UEローカル1110の労働者を取り込もうと必死になった。
バンクオブアメリカは、労働者の2カ月分の解雇予告手当と医療給付のための融資をすることを発表した。
それだけではなく、リパブリックの工場を別の資本に買収させ、そこでUEローカル1110の労働者全員を同じ労働協約で、同じ賃金で再雇用することも決められた。
リパブリックの労働者は完勝したのだ。
2月、UEローカル1110は、全国各地に勝利報告ツアーにでかけた。
デトロイトの報告会には、UAWを始め、AFL―CIO(米労働総同盟産業別組合会議)ミシガン州連盟、AFT(米教員連盟)、AFSCME(米州・郡・市職員連盟)、USWA(全米鉄鋼労組)、IBEW(国際電機工組合)など多くの組合代表や活動家が参加した。
ローカル1110のロブレス委員長は、「多くの先達の闘い、特にGMフリントのシットダウンストライキがあってこそわれわれの勝利がありえた」と強調し、90歳以上になる2人のフリント占拠の闘士を紹介した。
オレン・ハムさんはGMのいくつかの戦略的な建物を占拠し、警察と州兵の襲撃と戦った経験を語った。催涙弾を打ち込まれ、極寒の中で窓を開け放さねばならなかったという。ジェラルディーン・ブランケンシップさんは女性非常旅団のメンバーとして工場の外で警察や州兵と対峙するという中心的な役割を担ったという。
また、工場閉鎖・1700人の解雇に直面する全米鉄鋼労組の支部長と交流した。
大恐慌の中で実力で勝利をもぎ取った経験を、体制内労働運動の歪曲を粉砕し、世代を超え産業を超えて、拡大した時、30年代をはるかに超える闘いが爆発する。
(写真 旧リパブリック工場の新規操業開始を発表するUEローカル1110のロブレス委員長。後方は新経営者とバイデン副大統領【4月27日】)
□ビッグ・ストライキ
そのための意識的な闘いがすでに開始されている。1934年のサンフランシスコのゼネラルストライキについては、毎年の11月集会を動労千葉とともに闘っているILWUローカル10、34(国際港湾倉庫労組第10、第34支部)を中心にして、この7月には75周年の学習会や記念集会・デモが行われる。労働者の団結の力への確信を深め、社会の主人公になっていくのだ。動労千葉、ヒロシマ・ナガサキの代表、民主労総ソウル本部も7月に訪米し、ともに闘う。
アメリカの労働者と団結し、全世界の資本主義を打倒しよう。
(村上和幸)
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月刊『国際労働運動』(396号1-5)(2009/08/01)

News&Review
■中国
大恐慌下で広がり深まる労働者の闘い
輸出減退で下降するGDP成長率
□4兆元景気刺激策
中国の09年第1四半期のGDP成長率は6・1%で、08年第4四半期の6・8%よりも下降した。
この6・1%という数値の実態は、輸出で前年同月比2割程度のマイナス状態が08年11月から続くという中で、4兆元(約57兆円)景気刺激策が始まり、固定資産投資(前年同期比3割も増加、うち新規の開発工業プロジェクトは同9割も増加)の大量投入の中で、やっとつくりだされたものだ。
しかも銀行の融資残高は前年末比15%も増えているが、政府(中央・地方)の財政収入は1〜4月で13%も減っている。また1〜3月期の社会消費財小売総額は15%増であり(固定資産投資の率より低い伸び)、貯蓄率は昨年末で28・8%と過去最高になっている。また失業率はじりじりと上がっている状態だ。
つまり、輸出の激減を、政府と国有企業が財政投入と銀行融資の満展開をテコに大量の固定資産投資を行って穴埋めしていた結果なのだ。
また輸出の落ち込みを抑えるための輸出税の還付率(関税は輸入品にかける税金、輸出税は輸出品にかける税金、還付金とは輸出品にかけた税金から一定割合を輸出者に還付する金)を昨年後半から6度も上げたり、人民元のレート安を維持したり、消費刺激のための補助金支給などのあらゆる手立てを講じているが、輸出の減少は止まらない。
さらに消費の拡大は旧来レベルを若干上回る程度の伸びしか得られない状態であり、そして肝心の失業率が上がってしまっている。
これらの事態は、中国経済の持つ構造的危機が深まっていくことを示しているのだ。
□経済の根本的構造問題
中国経済の根本的構造問題は二面ある。
第一には、「改革・開放」政策のもとで帝国主義経済体制に自らを組み込み(組み込まれ)、それを条件として経済発展構造をつくってきたことだ。しかも帝国主義の最末期の新自由主義による世界経済のバブル化の下で、固定資産投資を軸にしつつも輸出に決定的に依拠する形での経済成長だった。
つまり中国経済が10%以上の成長率を続けたこの5年間の展開そのものがバブル的性格を持つものであって、帝国主義の不可避な恐慌への突入の中で、過剰生産の危機への突入(すでにデフレ懸念が問題化)を条件付けられていたのだ。
第二には、中国がスターリン主義であることに規定されている問題である。「一国社会主義論」(世界革命抜きの「一国による社会主義建設が可能とする」論)による国内建設は、社会主義としての内実を形成できず、スターリン主義体制による人民支配体制というエセ社会主義になってしまっていることである。
世界革命から切断される中での国内建設は、強権による農民からの収奪と労働者に対する低賃金・低生活水準への縛りつけによって獲得されたフォンド(資金)で、「国の工業化」を進めるという構造となってしまうのだ。
これは毛沢東時代から今日まで変わっていない。強搾取にあえぐ農民工や国有企業から解雇された膨大な労働者の存在、都市と農村の格差が拡大の一途を辿っている問題などという形で、依然として労働者と農民に犠牲を集中する社会構造が続けられている。
こうした理由で消費拡大は進まず、景気を支えるための固定資産投資は生産力の過剰を増大させるものとなっていかざるを得ない。
□労働者階級人民の状態
中国スターリン主義が「景気刺激策」に躍起になっている中で、実際に生じている事態は驚くべきものがある。いくつか暴露しよう。
80年代後半から、数百万の民弁(毛沢東時代からの臨時・代用教員)の解雇・切り捨てが何十万という数で起きてきており、それに対する補償を要求して、民弁教員が何年も政府に陳情している。
彼らは1カ月40元(約560円、1元=14円位)という賃金ならざる賃金で20年も30年も働きながら、辞令一つで解雇され、解雇後の補償もない。この間の景気悪化の中で耐え切れずに各所で闘いを強めているが、地方政府は景気刺激策への財政投入で財源がないといって、これに頬かむりする姿勢を強める一方なのだ。
同じような事例は、国有企業から解雇された労働者についても広範におきている。
国有企業の株式会社化や民営化の中で、大量の労働者が解雇された。だが地方政府の管轄下にあった国有企業では今に至るも退職時の補償金や年金や医療保険の問題が未解決のまま放置されており、退職労働者の各地地方政府への集団的陳情行動が激化している。
また80年代以降に早期退役させられた軍人への補償・就業問題に対する地方政府による冷遇があり、不満をもつ退役軍人たちの陳情行動も激化している。
さらに、中小企業(私営、香港資本など)の倒産による解雇は続いており、その上、紡績、石油、鉄鋼などの中大国有企業でも、賃下げ、人員削減、正規工から派遣工への身分切り替えの強要などが各所で起きている。企業の生き残りのために労働者へ犠牲が次々集中しているのだ。
また政府は、失業就業対策の面で、3500万人規模の就業口(仕事のない2000万人の農民工、新大卒600万、昨年に未就職大卒200万、高卒などの新規労働者580〜600万)をつくりださなければならない事態に追い込まれている。
公共事業などへの臨時雇用の枠をつくりだすことを軸に大卒者の「上山下郷」政策(地方の公務員や教員になれば、授業料を免除する)とか人員削減抑制のための企業への補償金などを行っているが、一時的な性格を免れない。
実際、09年の新規の高卒者の就職内定率は5割に満たない状態だ。中国の就業問題は「一国社会主義」路線の下では解決できないのだ。
□農民の状態はどうか
今日の中国スターリン主義の農民・農業政策は、ひとえに「農業の効率化」を目指した「農業の産業化」に中心がある。
これは日本における資本の農業への新自由主義的襲撃と似たものであり、その核心は、農民の持つ農地使用権の流動化をはかり、農村からの「余剰労働力」の小中都市への移動を促進し、企業を軸にした農地の大規模集約による農業の「効率化」という名の支配を行うことである。
すでに地方政府の優遇政策の下で4万社を超える「農業竜頭企業」と呼ばれる企業(外資も投下されている)による農業・酪農の支配が進んでいる。農民はこの企業の下に労働者として雇われるか、企業との間での契約による農業・酪農経営をしていくかの選択を迫られる。また土地を追われて失地農民化する農民もいるが、その数はすでに5000万人を超えている。
中国政府はWTO加盟過程ですでに農業を犠牲にする決断(農業分野の関税を極低率にした)をしており、農業はいまや外国産品との激しい競争の中にあり、雇われたり、契約した農民は都市の農民工より低い賃金や所得しかえられない状態だ。
企業はそれ自身が外国との競争に勝ちきれず、低コストを迫られる中で、かの三鹿集団(ほとんどの中国酪農を軸にした竜頭企業がそうだが)のようなメラミン粉ミルク事件を引き起こすところに追い込まれているのだ。
その上、景気刺激のための公共事業や固定資産投資の重要部分をなす不動産開発などによる農地の収用は続いており、さらにこれから強まる状況になっている。
□スト・工場封鎖・道路封鎖・座り込み・新組合結成
昨年のタクシー運転手の各所でのストライキ、教員の授業放棄=ストライキを一つの節として、中国労働者の闘いは広がっており、労働者階級としての権利を積極的にかちとろうとする労働者の意識における転換過程が進んでいる。
08年から09年の過程においては、先の大規模な二つのストライキの波とともに、金融恐慌の波及による企業の倒産の波の中で労働者の闘争の嵐が爆発した。しかし、闘争は国有の中大企業にも波及していった。われわれのつかんだ主なものだけ挙げておこう(なお、インターネット前進速報版参照のこと)。
3月4日には吉林省通化市の通化鋼鉄集団(国有)で賃金切り下げ・一時金停止に抗議する数千名の決起。
27日から、河北省保定市のもと国有で現在香港資本に買収された依棉集団(紡績工場)で、工場閉鎖・人員整理に抗議する連続1週間の4000名のスト。
4月13日には重慶市の陵金帝集団(国有紡績工場)の5000名の、大量早期退職強要と賃金不払いに抗議するスト。
13日には江蘇省徐州市の中国石炭発電集団の大屯石炭火力発電所で2000余名が賃金引き上げ要求の行動。
16日には陝西省で去年破産した国有紅旗セメント工場で、移動配置費の不払いに抗議。
17日には陝西省西安市で西安農業機械工場の他企業による併呑に抗議して道路封鎖行動。
22日からは新疆ウィグル自治区で中国石油集団のカラマイ石油天然ガス会社の2万人の人員削減に対し、1000人近くの労働者が新疆石油管理局前で、連日抗議行動。
27日には河南省の安彩ハイテク会社(国有)で3日間続けて道路封鎖。配置された退役軍人が長年の臨時工扱いに抗議闘争。

5月13日から、湖北省随州市の随州第3建築公司で低額の補償による早期退職強要に抗議して数百名の連日の陳情行動。
16日には重慶糧食集団(国有事業体)で数千名のリストラに数百名の代表労働者が補償・社会保障がないことに抗議して、市政府に横断幕を掲げた抗議行動をした。
このほかに、これまであまり表面化してこなかった解雇された民弁教員の問題、国有企業の退職労働者の問題、退役軍人の補償の問題などがある。いずれも金融恐慌の波及の中での生活の苦しさから、政府に対する弾圧を恐れぬ闘争になっており、これに失業の増大が重なっていく中で、中国社会の階級対立関係は、労働者人民の闘いの広がりの中で緊迫した情勢に向っているのである。
この中で、昨年のタクシー労働者と教員の広範なストライキが中国労働者階級人民の中にじりじりと影響力を広めている。
多くの闘争は政府に労資関係への介入を求めるという意向を持っているが、しかし自分たちの権利を積極的に主張することを行動(スト、道路封鎖、工場封鎖、座り込みなど)で表し、行動の主体として生き生きした気迫を示す例が増えている。
従来のように「じっと我慢」とか「辞めてしまう」というような傾向は急減している。中には自分たちで工会(労働組合)をつくり、自分たちで運営したいので認めろ(07年の深の埠頭のクレーン運転手のストや08年の吉林石油の退職労働者工会の建設の試み)といった事例も散見されており、具体的に労働者に対する総工会(中国労働組合の全国組織)支配を乗り越えたいという気運が広く生まれてきている。
天安門事件20周年の中で、これを経験してきた知識人(弁護士や学者や人権活動家など)や労働者の中に、労働者・農民の闘いとの結合を強めつつ、中華全国総工会支配の工会の現状への批判や農民の農会の建設の必要を述べる人々も出てきており、恐慌の波及の下で治安維持に腐心する国家権力との闘争の中で、闘いの主体が鍛え上げられる条件が広がっている。
中国労働者階級人民の闘いは、新自由主義攻撃に対する国際労働者階級人民の闘いの重要な一環であり、世界革命の重大環であるが、同時にまた世界革命は中国労働者階級人民を先頭とするスターリン主義打倒の闘いの勝利を不可欠の一環としている。
国際労働者階級人民と中国労働者階級人民の連携強化を、スターリン主義の統制を乗り越えてつくりだすことは、われわれの闘いの義務である。
(賀山 宏)
(写真 河南省の安彩ハイテク公社で、退役軍人の長年の臨時工扱いに抗議し、3日間の道路封鎖【4月27日】)
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月刊『国際労働運動』(396号9-1)(2009/08/01)

■編集後記
前号の翻訳資料「オバマのプラハ演説」が読者の間で評判となり盛んに学習されている。
オバマのプラハ演説は日本共産党によってオバマの核廃絶宣言と大宣伝されている。だが日本共産党は演説の中の「私は米国が核兵器のない世界の平和と安全を追求する」と都合のいいところだけをとりあげ、決して全文を示そうとしない。
オバマはその言葉の後に「しかし勘違いしないでいただきたい」としっかりと釘を差し、「核兵器が存在する限り、わが国はこれに対する抑止を行い、安全な、確実な、効果的な核兵器の備蓄を維持する」と核戦力を高度化し、独占し、行使することを宣言している。
オバマ演説を読んでくれた多くの読者の皆さんが、特集やその他のところも読まれ本誌の愛読者になってくれることを期待したい。
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