International Lavor Movement 2011/10/01(No.422 p48)

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2011/10/01発行 No.422

定価 315円(本体価格300円+税)


第422号の目次

表紙の画像

表紙の写真 核と原発に怒りのヒロシマ大行進(8月6日 広島)

■羅針盤 9・11―19反原発大闘争へ 記事を読む
■News & Review アフガニスタン
 米軍ヘリ撃墜、米兵ら37人が死亡   特殊部隊シールズ、タリバンの罠にはまる
記事を読む
■News & Review 日本 記事を読む
■News & Review ベトナム
 南沙諸島、西沙諸島巡る中越対立   米QE2の影響受け激しいインフレ襲う
記事を読む
■特集/全原発の即時廃止 非正規職化撤廃を  
■翻訳資料
 2011年米『国家軍事戦略』(下)
 2011年2月 米軍統合参謀本部   土岐一史 訳
 
■Photo News  
■世界経済の焦点
 中国バブル崩壊の切迫   インフレ抑制で不動産暴落する瀬戸際
 
■世界の労働組合 ドイツ編
 教育・科学労働組合(Gewerkschaft Erziehung und Wissenschaft:GEW)
 
■国際労働運動の暦 10月8日
 ■1967年10・8羽田闘争■   70年闘争を切り開く
 ベトナム参戦国化と日米安保強化に反撃し階級闘争の転換かちとる
 
■日誌 2011年7月  
■編集後記 記事を読む
裏表紙の写真 長崎集会で発言するシーハンさん(8月9日 長崎)

月刊『国際労働運動』(422号1-1)(2011/10/01)

羅針盤

■羅針盤 9・11―19反原発大闘争へ

▼8月17日、経産省原子力安全・保安院が北海道電力泊原発3号機の定期点検終了証を高橋知事に交付し、3号機は営業運転を再開した。「原発なくせ!」の圧倒的な声を踏みにじる暴挙だ。絶対に許せない! 福島原発事故は、今も1時間に1万_シーベルトという、数十分で死に至る高い放射線が検出されている。福島の子どもたちの45%が甲状腺の内部被曝をしていることも明らかとなった。放射性物質を含む汚泥や焼却灰が処理できずに、その量は14都県で少なくとも12万dに上る。原発事故の放射能被害は底なしに拡大しようとしている。人類と核・原発は共存できない。全原発を直ちに停止・廃絶しよう。再稼働を断じて許すな!
▼8月12日、福島県農林漁業者総決起大会が日比谷野音に農漁民など3千人を結集して闘われた。「原発事故ですべてを失った!」「損害賠償を早く支払え!」「私の人生を返せ!」「福島の自然を返せ!」「国の責任で元に戻せ!」など、政府や東京電力に激しい怒りがたたきつけられた。17日には、福島の子どもたちが永田町に乗り込み、「なぜこんなつらい目に遭わないといけないのですか!」と官僚たちに迫り、心から訴えた。
▼今こそフクシマの怒りと結び、全原発の即時停止・廃炉へ、原発を推進してきた犯罪者の責任を徹底的に追及し、打倒しよう! 「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全=NAZEN)が呼びかける「原発再稼働絶対阻止!」の100
0万署名を職場・地域・街頭で集めよう。9・11反原発百万人大行動に総決起しよう。自治労本部や日教組本部の制動を粉砕し、9・19を組合員の怒りで原発絶対反対集会に塗り替えるために先頭に立って闘おう。

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月刊『国際労働運動』(422号2-1)(2011/10/01)

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■News & Review アフガニスタン

米軍ヘリ撃墜、米兵ら37人が死亡

特殊部隊シールズ、タリバンの罠にはまる

 □ロケット砲で撃墜

 8月6日未明、アフガニスタンで米軍のヘリコプターが撃墜され、特殊部隊員を含む米軍兵士30人とアフガン兵7人の計37人が死亡した。墜落したのは回転翼を前後に持つ大型輸送用チヌーク・ヘリで、タリバン掃討作戦に出動していた。
 現場は、カブールから97`南西にある東部ワルダク州サイード・アバド郡タンギ・ジョイ・ザリン地区のタンギ渓谷。谷の両側を急勾配の山々がそそりたち、NATO軍の度重なる攻撃にもかかわらず、タリバンの根拠地となってきた。
 AFP通信が伝えた目撃者の証言によると、タリバン司令官の家の屋根にヘリが降りた直後に戦闘が始まり、ヘリが再び飛び上がったところを撃墜された。
 一方、アフガニスタン政府高官は、米軍ヘリ撃墜は「タリバンの罠だった」と語った。この政府高官は、タリバンのカリ・タヒル司令官が、タリバンの会合があると、その情報を米軍に流し、米軍部隊を現地におびき出したとして次のように述べた。
 「タリバン側は、ヘリがどのルートを飛んでくるかを把握していた。あれが唯一のルートだったので、タリバンはタンギ渓谷を挟む両側の山に陣取り、ヘリがやってくるとロケット弾や現代兵器で攻撃したのだ。ヘリは複数の攻撃をうけて墜落した」
 撃墜されたヘリには米海軍特殊部隊シールズの22人や空軍特殊部隊の3人が乗っており、米軍の最精鋭特殊部隊は大きな痛手を負った。死亡したシールズ隊員の大半はビンラディン襲撃作戦を担当した「シールズ・チーム6」に所属しており、さらに同作戦に従事したメンバーが含まれていたことも明らかにされた。タリバン側から言えば、ビンラディン暗殺の下手人に対する報復戦であった。
 「シールズ・チーム6」の投入は、この作戦のターゲットが反政府武装勢力の中でも最重要人物だったことを示唆している。シールズ・チーム6は、3000人の隊員を擁するエリート部隊であるネイビー・シールズの中の最精鋭のチームとされる。
 情報戦で最先端を行く米軍の特殊部隊が、タリバンのウソの情報の罠にはまって大敗北を喫した。アフガニスタンの軍事情勢を大転換させるような戦略的な大敗北と言える。今回の米軍ヘリ撃墜により、今年に入ってからの連合軍兵士の死者数は365人となり、今月の死者数は42人となった。
(写真 撃墜された米軍ヘリと同型の大型輸送用チヌーク・ヘリ)

 □相次ぐタリバンの攻勢

 南部や東部で、タリバンなどの武装勢力が駐留米軍やアフガン治安機関への激しい攻撃を継続している。
・6月28日 首都カブール西部郊外の高級ホテル「インターコンチネンタル・ホテル」が襲撃を受け、12人が死亡した。
・7月12日 ハミド・カルザイ大統領の弟で南部カンダハル州議会議長のアフメド・ワリ・カルザイが、自宅で暗殺された。アフメド・ワリは、自宅に踏み込んできた最も信頼していた護衛責任者により射殺された。タリバンが戦闘声明を出した。アフメド・ワリは、カンダハルの州議会議長を7年間務め、南部地域を取り仕切ってきた。アヘン取引や民間警備会社との関係が取りざたされる一方で、カルザイ大統領は弟を通じて中央政府の政策を南部に浸透させていたと言われていた。
・7月17日 首都カブール西部の高級住宅街で夜、武装した3人組のグループがジャン・モハンメド・カーン大統領顧問の自宅を襲撃した。タリバンが、「駐留米軍に協力的な人物を殺害した」との声明を出した。カーンは南部ウルズガン州の元知事で、カルザイ大統領の側近。
・7月27日 南部カンダハル市で、ハミディ市長が武装グループの自爆テロで死亡した。タリバンが戦闘声明を出した。ハミディ市長は市庁舎内の執務室で、地元の長老らと会っていた際、男が市長に近づき自爆したとされる。
・7月28日 アフガニスタン中部ウルズガン州の州都タリンコートで、タリバンが州立テレビ局の建物を占拠し、近くの州知事庁舎や州警察本部へ向け銃撃を繰り返した。アフガン治安部隊との間で激しい戦闘が行われた。タリバンが戦闘声明を出した。警察官や州政府職員ら21人が死亡、40人近くが負傷した。この半年で最大級の戦闘だった。

 □米帝の大崩壊の開始

 7月16日に米軍はアフガニスタンから撤退を開始した。オバマは、8月6日のような海軍特殊部隊「シールズ」などによる襲撃作戦を多用して、「名誉ある撤退」の軍事環境を作り出そうとしていた。格好よくアフガニスタンから逃げ出そうという試みが大失敗したのだ。
 米帝は、米軍撤退の後を埋めるアフガニスタン政府の治安部隊(軍と警察)を今年中に30万人に増強する計画に一縷の望みを抱いているが、これがまったく目途が立っていない。アフガニスタンの治安部隊は訓練や装備が不十分で、タリバン側に寝返る者も少なくない。
 イラクでもアフガニスタンでも米帝の軍事敗北により米帝の世界支配は一挙に崩壊に向かう。なによりも世界恐慌が激化し、ドル暴落の危機が迫り、米帝の大崩壊が始まっている。
 シンディ・シーハンさんは8・6広島大行動で「アメリカは民主主義国ではない。帝国主義の独裁政権だ。原発を廃止するためにも戦争を終わらせるためにも必要なのは革命です」と宣言した。これがアメリカの労働者階級の声だ。国際連帯で、イラク・アフガニスタン侵略戦争を粉砕しよう。
 (宇和島 洋)

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月刊『国際労働運動』(422号2-2)(2011/10/01)

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■News & Review 日本

 シンディ・シーハンさんと共に8月闘争―-広島・ナガサキ、沖縄、東京で集会

 2011年8月の反原発・反戦・反核闘争は画期的な地平を切り開いた。8・6広島―8・9長崎、8・11沖縄、そして8・15東京で、04年にイラク戦争で息子を殺され、反戦闘争の先頭で闘い抜いてきたアメリカの「反戦の母」シンディ・シーハンさんを迎え、フクシマの怒りと結びつき、全世界に闘いを発信したのである(シンディ・シーハンさんの8・6ヒロシマ大行動と8・15労働者・市民のつどいでの発言は要旨別掲)。

 □核も原発もなくそうと闘う広島の世界大会

 被爆66周年の8・6ヒロシマでは、朝の菅首相の祈念式典出席を弾劾するデモが闘われ、午前9時から、原爆ドーム前に1100人が集まり、「私たちは、フクシマとヒロシマの怒りを一つにして、すべての原発をただちに、一つ残らず廃絶する闘いにたちあがることを宣言する」と、「すべての原発を今すぐなくそう!8・6ヒロシマ宣言集会」が行われた。
 午後からは、広島県立総合体育館小アリーナに1685人が集まり、8・6ヒロシマ大行動が行われた。
 広島から反戦被爆者の会の下田礼子さんが「私たち被爆者は核の恐ろしさを誰よりも知っている。核と人間は共存できない」と訴えた。
 1954年にアメリカの水爆実験によりビキニ環礁で被爆した第五福竜丸元乗組員の大石又七さんは「米軍は1946年から58年に67回の核実験を行い、100の核爆発を行った。その放射能が内部被爆を起こした。ビキニ事件を隠した結果、2万3千発の核弾頭ができあがった」と弾劾した。
 被災地を代表してふくしま合同労組の市川潤子委員長は「労働者の命、子どもの未来より核武装や一握りの資本家の儲けを選ぶ社会を断固拒否する。私たち福島の労働者は、全世界から核も原発もなくすための闘いの先頭に立つ」と発言した。
 主催者を代表して被爆2世の中島健さんが「@福島原発事故を絶対に許さないAフクシマとヒロシマの怒りをひとつにB人間をカネと核の下にひれ伏させる新自由主義との闘いC労働組合こそ反原発を闘う団結の軸にD国際連帯の力で勝利しよう」というアピールを提起した。
 シンディ・シーハンさんは「アメリカは民主主義国ではない。帝国主義の独裁政権だ。原発を廃止するためにも戦争をやめさせるためにも必要なのは革命です」と訴えた。
 イラクで劣化ウラン弾被害と闘う小児科医のフサーム・サリッヒさんは「イラク民衆はよりよい未来とより豊かな生活を求めている。生きぬく闘いの象徴の街だからこそ、私はヒロシマにやってきた」と発言した。
 動労千葉の田中康宏委員長は「僕たちは今、この社会を変えるチャンスを迎えている。もっともっと怒りの声を上げよう。原発・失業に反対して闘い、11・6全国労働者総決起集会にすべての労働者の力を集めよう」とアピールした。
 集会後のデモ行進は、前日に広島で結成集会を開いた「すべての原発いますぐなくそう!全国会議(略称・な全)」に結集する青年・学生の隊列を先頭に勢いよく行われ、沿道からの参加者も数多く現れた。
(写真 原爆ドーム前で開かれた「すべての原発を今すぐなくそう! 8・6ヒロシマ宣言集会」)

 □長崎闘争も大高揚

 8・9長崎反戦反核闘争では、午前10時過ぎから爆心地近くの城栄公園で、菅首相の平和祈念式典出席を弾劾する集会とデモ行進が行われた。
 午後1時半から長崎勤労福祉会館で「反戦反核反原発・長崎集会」が115人の参加でかちとられた。国労小倉闘争団の羽廣憲さんが基調報告を行い、「反戦・反核・反原発と国鉄闘争に勝利しよう。闘う労働組合をつくり直し、その力で労働者が主人公の社会をつくろう」と呼びかけた。
 シンディ・シーハンさんは「今、本当に必要なのは革命に向けた行動です。原発と戦争、貧困、新自由主義と闘おう。闘いをやめない限り、敗北することはない」と訴えた。

 □沖縄でも講演集会

 8月11日、沖縄・那覇市のパレット市民劇場で160人を結集した「『反戦の母』シンディ・シーハン8・11沖縄講演会」が開かれた。
 シーハンさんは、体調を崩して参加できなかったが、録音されたメッセージが流され、ともに、反戦・反基地を闘い抜くことを誓い合った。

 □東京で8・ 集会

  8月15日、早朝の靖国参拝阻止デモを引き継ぎ、「原発とめよう 世の中かえよう 8・15労働者・市民のつどい」が東京・なかのゼロ小ホールで行われ、575人が会場を埋め尽くした。
 シンディ・シーハンさんが「『革命の母』として歴史に残りたい」と訴えた。
 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人で福島子どものいのちを守る会の佐藤幸子代表が、文科省交渉や土壌の独自調査などの取り組みを報告した。また、反原発への学生の決意に触れて「それを信じます。ぜひ若い人の力で原発をとめて下さい」と訴えた。
 韓国の民主労総ソウル本部のノミョンウ首席副本部長とキムハヤン組織次長が登壇。ノ副本部長はイミョンバク政権を弾劾し、「資本と政権に反撃を加える闘争を展開する」と宣言した。
 8月の一連の闘いは、3・11東日本大震災と原発事故を受けて情勢が一変する中で、新たな反原発、反戦・反核の闘いを創造する重大なステップとなった。9・11―19反原発闘争から11・6全国労働者総決起集会の1万人結集に向かって全力で闘おう。
 (大沢 康)

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 「原発を廃止し戦争をやめさせるには革命が必要」 「反戦の母」シンディ・シーハンさんの発言

 8・6ヒロシマ大行動での発言

 アメリカは独裁政権
 アメリカ合州国は民主主義の国ではありません。独裁政権です。帝国主義の国です。資本主義の独裁政権です。ずっと支配している階級の独裁政権です。世界で見ると、それはアメリカだけではありません。世界中の企業と政府は協力して無理やり新自由主義を行使しています。
 原発を廃止するには革命が必要です。そして戦争をやめさせるにも革命が必要です。そして、唯一正当な戦争は階級闘争です。
 一方、実際に武器を使った戦争、占領において一番問題なのは、それぞれの国の労働者階級と貧乏な人々がお互いを殺し合わせられていることです。
 日本人であろうがアメリカ人であろうがイラク人であろうが、一番重要なのはみんな同じ階級であることです。多くのアメリカ人はアメリカに階級はないと思い込んでいます。貧乏な人も億万長者になれる「アメリカの夢」という神話があるからです。しかし、人生を豊かにするのは物ではありません。人間関係です。本日は地球的な人間関係をつくる機会です。
 この悪の新自由主義と闘っているうちに、私は牢屋に入ったり、けがをしたり、深い屈辱感を抱いたことがあります。しかし、国境、海、憎悪、戦争をすべて越えたグローバル化もあります。そのグローバル化はいいものです。これらの闘いを非常に光栄に思っていることだし、勝利するために、みんなとその勝利を分かち合いたいと思います。
 私の国が66年前に広島の人間たちを実験台として使いました。そして、今年3・11の時も、自然災害もありましたけど、資本主義とか利益を最優先することによって大災害になったことをみんな見ていると思います。

 闘いをやめない限り、敗北することはない

 そして、ビキニの実験で被爆した兄弟もいます。米軍占領で苦しんでいるイラク人の兄弟もいます。66年間、被爆してから生活を送っている兄弟もいます。怒りを抱いているのは当然のことです。怒りを持たなければ、いったいどうしたのですかと思います。でも、怒りと違って、私はみんなを見る時、恨みとか敗北感はまったくありません。
 私は息子を亡くしましたけど、その事実もポジティブなことに変えようとしました。小さな敗北や後退はたまにありますが、闘いをやめない限り敗北することはないのです。
 新自由主義の怪物たちと闘っている一人でも残れば、私たちは勝利します。

 8・15労働者・市民

のつどいでの発言
 人間の歴史で戦争で亡くなった人たちが非常に多い。まったく不必要かつ無意味な死だと思います。戦争というのは必ず避けることができると思います。
 アメリカの大統領がテレビに出て、「イラク、アフガニスタンに派兵している兵士の数を増やしたくない」と、悲しそうな顔で言っているのに腹が立ちます。あいつらはウソつきです。
 例えばベトナム戦争を考えてみると、なぜ終わらせることができたか。アメリカの戦闘的な闘い、そしてベトナム国内の戦闘的な闘いがあったからです。

 戦争を終わらせるために国際的な連帯を

 本来、みんな一緒に連帯して、戦争を終わらせるための戦闘的な闘いをすべきなのに、そうじゃなくて、選挙政治に時間を無駄にしています。戦争を国家の道具として使わせない、そして原発を使わせないと思うなら、国際的な連帯で闘いをつくらなければいけません。われわれ民衆は、資本家階級の戦争に利用されることに対して、一緒に抵抗しなければなりません。

 戦場で殺された息子を誇りに思う

 私の息子はイラク戦争に行くか行かないかの選択の自由はありました。「母さん、僕は行きたくないけれど行かなければいけない」と彼は言いました。そして私は、「ケーシー、例えば車で事故を起こしたら、行かないで済むじゃないか」と答えました。もちろん軽いケガ程度ですけれども。しかし、最近分かったのは、ケーシーが「戦いに出ろ」という命令に対して抵抗したそうです。司令官が戦場に向かうトラックに乗れと命令したらしいです。「私は単なる修理工だから嫌だ」と答えたらしいです。そして無理やりに乗せられ、戦場で殺されたんです。でも私は非常に誇りに思っています。自分の国が占領している人を殺すのを断ったのです。その抵抗が戦争を終わりにすることができます。

 「革命の母」として歴史に残りたい

 すべての力はわれわれ民衆にある。そして私たちが力を発揮すれば、世界がよりよくなると思います。
 今日、「反戦の母」と「反核の母」、私は「反戦の母」なんですけれども、「反核の母」もいらっしゃると聞いております。しかし、私は「反戦」でもあるし、「反核」でもあります。アメリカではよく「平和の母」と言われています。しかし、私は、「革命の母」として歴史に残りたいと思います。
 私たちが今、生きている時代の悪の制度は、制度内の改革じゃ直らないです。唯一、打倒できるのは、われわれの連帯・団結です。

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月刊『国際労働運動』(422号2-3)(2011/10/01)

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■News & Review ベトナム

南沙諸島、西沙諸島巡る中越対立

米QE2の影響受け激しいインフレ襲う

 □ベトナム共産党第11回大会が開催

 今年に入ってからのベトナムの動きは、1月12〜14日に5年に1度のベトナム共産党第11回大会が開かれ、新指導体制が生まれたことである。そして、5月22日に国会議員選挙が行われ非党員候補42人が当選。定数500のうちの8・4%である(前回より1人少なく、党が目標としていた10〜15%にはならなかった)。
 また7月にはそれに基づいでベトナム国会が開かれ、新たな国家指導体制が生まれた。
 1月の党大会は370万人の党員(総人口8900万人の4・2%)の代表1377人が出席し、新書記長にグエン・フー・チョン国会議長(67)を選出した。彼は党の理論誌編集長、ハノイ市党書記などを歴任している。そして政治局員14人、党書記局員4人、党中央委員175名などの新指導体制を選んだ。
 書記長に次ぐ序列第2位の国家主席は、7月のベトナム国会でチュオン・タン・サン共産党書記局常務(62)を選出。国家首席は、国家元首であり人民軍最高司令官、国家安全保障評議会議長を兼任している。南部ホーチミン市の人民委員長(市長)や市党書記長を歴任した改革派と言われ、日本政界にも人脈がある。
 序列3位の首相には、グエン・タン・ズン首相(62)が再任。序列4位の新国会議長にグエン・シン・フン第一副首相(65)が選出された。中国にも日本にも対応できる体制とされている。
 政治報告では行政手続きの改革、人材の育成、汚職・濫費の防止・取り締まり、給与改革などを上げている。
 入党条件の緩和も進められ、これまで認められていなかった「私営企業家の入党」が試験的に実施されることとなった。
 党大会で承認された経済政策は、第10期5カ年計画を継承した第11期5カ年計画である。「2020年までに近代化の方針に沿って、基本的に工業国になる」との目標を設定し、特に交通インフラ体系の建設を上げている。年間平均経済成長率7・0〜7・5%、農業の平均成長率を2・6〜3・0%、1人当たりGDP約2000jを目指すというものである。第10期5カ年計画での経済成長の目標が、平均7・5〜8・0%であったことを見ると、第10期計画より0・5%低くなっている。これは大恐慌対策とも言うべきもので、世界大恐慌下の帝国主義世界、特にベトナムの輸出相手国第一位のアメリカ経済や2位の日本経済の落ち込みを考慮したものである。
 経済では2月11日に通貨ドンが9・3%切り下げられ、その結果、世界的な食料を含む資源価格の上昇もあって、激しいインフレがベトナムを襲っている。6月の消費者物価指数は前年同期比20・82%増で20%を超えた。1〜6月平均が16・3%で、政府目標の15%を上回った。高インフレは海外投資に悪影響を及ぼし、株価も下落している。帝国主義の大恐慌対策である金融政策はインフレと経済悪化としてベトナムを襲っている。

 □南中国海の領有を巡る中国との対立の激化

 ベトナムにとって、現在最大の問題は、中国との南中国海の西沙諸島、南沙諸島をめぐる領有権問題である。
 中国との国境線は、陸上(1999年)のほか、2000年にトンキン湾の境界線を画定している。南中国海の国境線だけは確定出来ていない。
 西沙諸島、南沙諸島海域には石油や鉱物資源が多く存在することから、両国がその資源の領有権を主張しているからである。西沙諸島をめぐってはベトナムと中国が、南沙諸島をめぐっては、中国とベトナムのほか、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、台湾の6国・地域が数十年にわたって争っている。
 ASEANと中国は、領土紛争の解決のための方針を2002年に「南中国海行動宣言」として発表している。これをASEANとしてはできるだけ早く法的拘束力を持った「行動規範」にまで高めることを目指し、7月23日にインドネシアで開かれたARF(ASEAN地域フォーラム)で、この「行動規範」策定をめぐる論議がなされた。中国は領土問題は多国間ではなく2国間交渉で扱うとしており、ASEANとの「行動規範」策定問題には応じていない。
(写真 南中国海領有権をめぐり、「中国打倒」を掲げてデモするベトナムの労働者ら【8月14日 ハノイ】)

 □中国艦船によるベトナム探査船活動の連続的妨害

 5月26日、ベトナムの東沖120海里(約220`)の南中国海・西沙諸島海域で、石油・天然ガスの調査活動を行っていたベトナムの探査船のケーブルを、近寄ってきた中国の監視船3隻のうちの1隻が切断して探査を妨害するという事件が起きた。ベトナム外務省は5月29日、異例の記者会見を行い、「現場は完全にベトナムの排他的経済水域(EEZ)である」として中国に対し激しく抗議し、「ベトナム海軍は主権と領土を守るために必要なことは全て行う」と宣言した。
 これに対し中国側は2日後の5月31日、「ベトナムの違法作業船に対してとった法執行行為は完全に正しいものだ」と真っ向からケーブルの実力切断行動を正当化した。この海域ではこれまでもベトナム漁船が中国の監視船によって何度も拿捕されており、5月31日にはベトナム漁船が中国艦船3隻によって威嚇発砲を受けている。
 こうした中でさらに6月9日、ベトナムの大陸棚200海里の水域内でベトナム探査船が中国の監視船3隻によって同様の妨害を受けた。「主権侵害である」とベトナム外務省は中国を激しく非難した。中国艦船による徹底した探査行動への実力妨害が浮き彫りになった。
 この中国艦船による探査妨害に対してベトナムでは、反中国抗議デモが始まった。抗議行動はまず6月5日、首都ハノイにおける中国大使館前での抗議活動(50人)として始まり、その後6月12日にはハノイだけでなく、南部のホーチミン市(数百人以上)などへも広がり6月19日、6月26日、7月3日と日曜のたびに連続的に行われている。ホーチミン市では1000名を超えるデモが行われるようになった。さらに一部では中国製品の不買運動にまで発展してきている。
 スターリン主義のベトナムでは、国内のデモは異例で、デモ自体が治安当局によって容認されていることを示している。しかし警察は、大学当局を通じてデモに参加しないように警告したり、デモ参加者が集まる喫茶店などの閉店を命じている。
 そして7月10日にはベトナム政府は、一転してデモを禁止する措置に出、十数人を連行した。7月17日のデモでは50名を拘束した。背景に中国との会談で「友好と相互信頼を損なう言動を防ぐ」ことで一致した影響がある。
 しかしハノイの警察トップが8月初めになって「愛国的デモは抑圧しない」と明言したことから再び8月7日、8月14日のデモが以前のように行われ、「中国打倒、祖国防衛」などがコールされ、公式にデモが容認された形となった。

 □中国軍の海洋戦力としての飛躍

 ベトナムが危機感を隠さない中国の軍事展開は、中国海軍の戦略と関係している。中国海軍の国防ラインは、第一列島線(九州―沖縄・南西諸島―台湾―フィリピン)内の近海制海権の確保と米艦隊・潜水艦の侵入阻止=内海化であり、第二列島線(伊豆諸島―小笠原―グアム・サイパン―パプアニューギニア)での外洋防衛ラインにおける本土防衛として形成されている。これは南中国海の中国領海化を意味する。
 これに向けた中国の海軍力強化の動きは急である。7月19日、中国海軍で最大規模の軍艦「井崗山」(排水量1万9000トン)が、上海で進水した。また8月10日には、中国大連港(遼寧省)で改装中だった旧ソ連製空母「ワリャーク」が、改装されて試験航行のために出航した。中国はこのワリャークのほか、国産空母2隻を建造中で、空母と潜水艦や駆逐艦で空母群を組み、統一的な海洋戦略のもとで行動する〔点検修理などもあり、3空母を確保し、常時1空母艦隊が就航〕。
 米軍空母艦隊への抑止力として最重要視されているものが、射程1500`以上、命中精度が高く、米空母や在日米軍基地を直撃できる空母キラー=DF21D(対艦弾道ミサイル・ASBM)の配備による「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」戦略である。これは台湾有事などで米空母艦隊を第一列島線内に入れない戦略である。米帝は、この配備を最も警戒している。

 □ベトナムの対応

 国家的危機と受け止めたベトナムは、全力で対抗策を追求しつつ、政治的解決を模索している。ベトナム海軍は、6月13日、同国中部クアンナム省沖合数十`の海域4カ所で夜間の航行を禁止し、実弾演習を行って中国を牽制した。また7月15日には、米越両海軍が、ベトナム中部ダナン沖合で合同軍事演習を行っている。
 他方こうした軍事的な強硬方針を採るだけでなく、一方で中国へ特使を派遣し、平和的に解決するために策動している。海軍1万3千人、艦艇125隻のベトナムにとって、それが現実的な対応だからである。
 6月25日、ベトナムは政府特使としてホー・スアン・ソン外務次官を中国に派遣し、中国外務省の戴秉国国務委員(外交担当・副首相級)と会談、「問題の平和的解決」とともに「両国民の友好と相互信頼を損なう言動を防ぐ」ことでも一致した。
 また7月29〜8月1日にはハノイで中国側と領有権問題を協議し、「平和的な方法で解決する」事で再度一致している。ベトナムは中国との関係について「ベトナムの立場は一貫している、国際法に従った平和的な対話を通じて解決を図りたい」と強調している。
 こうした動きに対して米帝は、朝鮮侵略戦争遂行の立場から、ベトナムやフィリピンなどの立場を支援し、実際にも6月にはフィリピン海軍と7月にはベトナム海軍との合同軍事訓練を行った。
 また6月21日の日米安保協議委員会(2プラス2)で両国は「中国に国際的な行動規範の順守を促す」ことを求め、「航行の自由」「海上交通の確保、海洋安全保障の維持」で東中国海、南中国海での中国の行動を強く牽制している。さらに米上院では、6月27日、一連の南中国海での中国艦船の動きに対し、全会一致で中国の実力行使を非難し同海域での自由航行を確保するための米軍の作戦継続などを盛り込んだ決議を可決した。
 南中国海での領有権問題は、こうして米帝の介入によって米中軍事的対立のひとつの重大な火点となり、北朝鮮侵略戦争の遂行をめぐる軍事対決の南の戦線になりつつある。その先端にベトナムと中国の領有権問題が大きく浮上している。
 米軍沖縄基地はこうした米中対決、北朝鮮侵略戦争の最前線に位置しており、米軍基地全面撤去・沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いは、米日帝の北朝鮮侵略戦争、スターリン主義中国を巻き込んだ世界戦争を阻止する世界的な意義をもつ闘いとなっている。
  (武長幾夫)
(写真 南部沖合に展開する米空母ジョージ・ワシントンなど【8月13日】)

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月刊『国際労働運動』(422号A-1)(2011/10/01)

編集後記

■編集後記

 8月15日、「原発とめよう 世の中かえよう 8・15労働者・市民のつどい」が東京・中野区のなかのゼロ小ホールで行われた。
 来日し8・6広島、8・9長崎、8・11沖縄を訪問したシンディ・シーハンさんが、以下のように述べた。
 「政治家や戦争でもうかるやつらに戦争をやめる動機はない。直接戦争で苦しまないからだ」「原発は戦争と同じくらい不必要」「私は『反戦』と『反核』の母だ。アメリカでは『平和の母』と言われるが『革命の母』として歴史に残りたい。私たちの時代の悪の制度は制度内改革では直らない。唯一打倒できるのは私たちの連帯、団結の力だ」と言明した。  「政治家や戦争でもうかるやつらに戦争をやめる動機はない。直接戦争で苦しまないからだ」「原発は戦争と同じくらい不必要」「私は『反戦』と『反核』の母だ。アメリカでは『平和の母』と言われるが『革命の母』として歴史に残りたい。私たちの時代の悪の制度は制度内改革では直らない。唯一打倒できるのは私たちの連帯、団結の力だ」と言明した。
 米帝のイラク侵略戦争は、米帝を打倒する「革命の母」を生み出した。熱い国際連帯を感じさせられた。

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