2008年9月 8日

〈焦点〉 インフレに賃上げゼネストを 今秋も値上げのラッシュ

週刊『前進』06頁(2358号3面5)(2008/09/08)

〈焦点〉 インフレに賃上げゼネストを
 今秋も値上げのラッシュ

 物価上昇が止まらない。総務省が8月29日に発表した7月の全国の消費者物価指数は102・4となった。これは05年を100として、値動きの激しい生鮮食品を除いた総合指数だ。前年同月比では2・4%と、10カ月連続の物価上昇で、上昇率は6月の1・9%からさらに急拡大した。
 この上昇率は、消費税率引き上げでかさ上げされた97年〜98年を除けば、92年6月の2・5%以来、約16年ぶりの高さとなる。しかし実際のインフレは、こんな数字で表されるよりずっと深刻だ。
 何よりも生活関連物資の大幅な値上げが止まらない。7月は、ガソリンが前年同月比28・7%上昇したほか、灯油が53・2%、電気代が5・4%、都市ガス代が5・9%それぞれ上昇した。
 また穀物高を反映してスパゲティが32・0%上昇したほか、食パンや即席めんも20%程度の値上がり。主原料の大豆の高騰で、食用油も20・9%上昇した。航空燃料価格の高騰を背景に、外国パック旅行も上昇幅を拡大した。
 さらに9月以降も値上げラッシュだ。味の素は調味料など31品目を11月1日出荷分から5〜10%程度値上げする。日本水産は家庭用魚肉ハム・ソーセージや練り製品41品目を9月1日から平均20%値上げした。ミツカンも食酢製品37品目を8〜10%値上げし、「デフレの象徴」牛丼も松屋フーズが並盛りで350円から30円値上げする。いずれも原料や燃料の高騰が理由だ。10月には輸入小麦の政府売り渡し価格も10%上がる。
 さらに日産自動車も、商用車の販売価格を10月1日から値上げすると発表した。すでにトヨタ自動車がハイブリッド車プリウスや商用車計10車種を9月から値上げしている。白物家電でも、三菱電機や東芝、日立が、秋発売の冷蔵庫の新機種で市場想定価格を1万〜3万円(3・5〜10・7%)引き上げた。エアコンも三菱電機と日立が引き上げる方針だ。
 日本経済は、日銀が中長期的にみて物価安定の水準として掲げる上限の2%を超える物価上昇の過程に、今や突入している。すでに世界金融大恐慌が本格化し、世界的なインフレが爆発し、実体経済の景気後退と不況化も現実のものとなってきている。1929年の大恐慌をも超える最末期帝国主義の危機が爆発しているのだ。
 こうした中で、”最弱の環”である日本帝国主義は、まさに出口のない体制的危機に突入している。福田政権は、小泉改革=新自由主義攻撃の大破産に痛撃され、労働者や農民、漁民の「生きさせろ!」の怒りの反乱に直面して、1年前の安倍に続きまたもや政権を投げ出し、打倒された。
 世界的なインフレの爆発のもとで、日本でも燃料や食料など生活必需品の高騰は、今秋から09年に向けさらに進む。またこれと一体となってリストラ、首切り、賃下げの攻撃も新たに激化していく。
 本質的に革命の要求である一律大幅賃上げや「生きさせろ!」ゼネストなどを真っ向から掲げて、11月労働者集会の1万人大結集へ今こそ全力で闘う時である。