2009年5月11日

尼崎事故4周年 JRに怒り新た650人がデモ

週刊『前進』06頁(2390号1面2)(2009/05/11)

尼崎事故4周年
 “反合運転保安・1047名解雇撤回”
 JRに怒り新た650人がデモ

 4月25日、JR尼崎事故の事故現場に、「尼崎事故弾劾! JR西日本の責任を追及するぞ!」というシュプレヒコールが響き渡った。
 動労千葉が呼びかけ、実行委員会が主催した「尼崎事故4周年弾劾!反合理化・運転保安確立!1047名解雇撤回!全国総決起集会」には、関西を始め全国から650人が結集した。
 JR西日本はこの日を頂点に、全社員に献花や立哨を強制し、資本への忠誠運動を組織した。一方、JR資本と一体となった体制内労組指導部は、事故責任を現場労働者に押しつけるJR資本を擁護し、責任追及の闘いを圧殺しようとした。しかし、この闘争圧殺体制を打ち破り、JR資本と真っ向から闘う部隊が登場したことの意義は絶大だ。4者4団体が一層の屈服を深める中で、1047名闘争勝利の道はJR資本との非和解的対決にあることを、この日の闘いは鮮明に示した。
 闘いの先頭には動労千葉・動労総連合と国労5・27臨大闘争弾圧被告団・闘う国労闘争団員が立った。こちらの側からJRとの非和解的激突をたぐり寄せ、JR体制を内部から食い破る荒々しい決起がたたきつけられたのだ。国鉄決戦を基軸とする4大産別決戦は力強く開始されている。
 赤旗を林立させ、尼崎駅北口広場で集会が始まった。事故現場に向かう犠牲者の遺族も、期待を込めたまなざしで集会に注目し、歩みを止めた。
 集会の冒頭、動労千葉の田中康宏委員長があいさつに立ち、「尼崎事故の原因は民営化・規制緩和・弱肉強食の新自由主義の攻撃にある」と訴え、「安全は労働者が闘って資本に強制する以外にない。事故の半分の責任は闘いを忘れた労働組合にある。腐った労働組合の幹部に、現場から労働者の力を示す闘いを開始する」と力強く宣言した。(発言要旨2面)
 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の武谷新吾執行委員が連帯あいさつをし、国労5・27臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さんが基調報告を行った。富田さんは4者4団体路線を弾劾し、1047名闘争の勝利はJR資本との闘いにあると提起、反合理化・運転保安闘争路線でJRと徹底対決すると断言し、国鉄決戦を軸に戦争や道州制・民営化と闘おうと訴えた。(発言要旨2面)

 1047名の解雇撤回へ!

 さらに、小倉地区闘争団の羽廣憲さんが、「4者4団体と対決し、何年かかっても解雇撤回まで闘う」と不屈の決意を表明し、秋田闘争団の小玉忠憲さんは「4者4団体幹部は闘いを首を切った自民党にお願いする運動にねじ曲げている。しかし今、資本家どもを倒せという声が巻き起こっている。これと結合すれば必ず勝利する」と声を強めた。動労千葉争議団の中村仁さんは「分割・民営化は断じて認められない。1047名闘争を資本を倒す闘いにしたい」と訴えた。
 5・27臨大闘争弾圧被告の原田隆司さんが「検察は私に懲役1年を求刑した。だがわれわれは1047名闘争を牽引(けんいん)し、JR資本と妥協せず闘う」と決意を述べ、同裁判弁護団長の葉山岳夫弁護士は検察の論告を徹底弾劾した。この日の闘いは、被告の有罪−解雇を狙う権力・資本の攻撃と立ち向かう不抜の隊列を形成した。
 JR体制打倒の火の手は全国で上がっている。動労水戸の高野安雄副委員長は運転士登用差別を居直るJR東日本を弾劾、動労西日本広島支部の大江照己委員長は「安全闘争を全力で闘う」と述べ、8・6ヒロシマへの結集を呼びかけた。
 尼崎事故弾劾の闘いは、道州制導入・民営化や派遣解雇との闘いとも一体だ。ス労自主、自治体労働者、教育労働者、全逓労働者、全国社会保険協会連合会労組、関西合同労組大阪東部支部技能育成センター分会、同かねひろ運輸分会、部落解放同盟全国連西郡支部、八尾北医療センター労組の発言が続いた。京大の学生は、前日の法大解放闘争の勝利を高らかに報告した。
 5・27臨大闘争弾圧被告の橘日出夫さんが「第2次国鉄決戦の勝利で労働運動の主流派に躍り出よう。6・14渋谷大デモに結集しよう」と集会をまとめ、全参加者が事故現場までのデモに出た。