2009年7月13日

〈焦点〉 G8ラクイラ・サミット

週刊『前進』06頁(2399号5面2)(2009/07/13)

〈焦点〉 大恐慌下で戦争が前面に
 G8ラクイラ・サミット

 7月8〜10日にイタリアで行われたラクイラ・サミット(G8)は、米欧日帝国主義が世界大恐慌の底知れぬ深刻化に痛撃され、またイラク・アフガニスタンへの侵略戦争が泥沼的敗勢を深め、さらに北朝鮮やイランへの侵略戦争重圧を激化させているただ中で開催された。しかも拡大会合に出席予定だった中国の胡錦濤国家主席が新疆(しんきょう)ウイグル自治区で爆発した暴動のため急きょ帰国する中での開催だった。
 まず政治問題に関する首脳宣言では北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射を「最も強い表現で非難」し、国連安全保障理事会の制裁決議を各国が完全履行するよう求めた。中でも日帝・麻生は、北朝鮮の核実験について「国際社会の声を無視するもので、断固とした立場で臨むべきだ」と主張した。そして各国首脳もこの麻生の北朝鮮侵略戦争への策動を支持した。
 核軍縮・核不拡散に関する首脳声明では、米帝オバマがペテン的に掲げる「核兵器のない世界」に向けた状況をつくることを各国が約束した。またオバマは会議の席上、来年3月に米国で核安保サミットを開催すると表明した。
 だがオバマが「核兵器のない世界」などと銘打ってやろうとしていることは、一方で「核不拡散」の名による北朝鮮やイラン、さらには日帝や韓国の核武装を阻止することであり、他方では「テロリストの核攻撃」「核の闇市場」の撲滅などを叫んで、イラク・アフガニスタンに続く侵略戦争を拡大・激化することである。そして米帝の最大の狙いは、地球を何回も破壊できる圧倒的な核の独占であり、その核をもって米帝の世界支配を貫徹することだ。実際、米帝はサミット直前の6月29日、核兵器用の大陸間弾道弾(ICBM)ミニットマン3の発射実験を強行した。カリフォルニア州の空軍基地から約8700㌔離れたマーシャル諸島の環礁に、ICBMを撃ち込んだのだ。
 かつて相互に「軍縮」を叫びながら米英や日独伊の帝国主義は、争闘戦を激化させつつ第2次世界大戦に突き進んでいった。そして今日の大恐慌下で、また「核軍縮」や「核拡散阻止」を叫びながら侵略戦争・世界戦争への攻撃を激化させているのが、米帝を先頭とする最末期帝国主義だ。
 世界経済については、「安定化の兆しはある」としながらも、世界的な雇用悪化を受けて、「状況は依然として不確実」とする首脳宣言を発表した。さらに「保護主義防止の誓約を再確認」と言いながら、実際には各国とも競い合って保護主義強化の方向に突き進んでいる現実が露呈した。
 いまひとつG8サミットは、地球温暖化対策と称して、「温室効果ガスを先進国全体で2050年までに80%以上削減する」と首脳宣言に盛り込んだ。しかしこの一見かなり思いきった目標の本質は、今後、帝国主義国と中国などの大国が、一斉に原発建設に突き進むということである。まさにこれ自身が、取り返しがつかない地球環境破壊となるのだ。
 最末期の帝国主義を打倒しプロレタリア革命に勝利する以外に、労働者階級の未来はない。労働者階級の国際連帯を発展させ、8月から11月へ全力で闘いぬこう。