2010年5月31日

国鉄全国大運動を担いぬき教育の民営化と徹底対決を 革共同教育労働者委員会

週刊『前進』06頁(2441号3面1)(2010/05/31)

労働運動の未来を切り開く6・13集会3千人結集へ
 国鉄全国大運動を担いぬき教育の民営化と徹底対決を
 職場闘争で日教組本部打倒へ
 革共同教育労働者委員会

 「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する新たな全国運動」が呼びかけられた。鳩山政権による1047名闘争解体攻撃は、労働運動の絶滅を狙った画歴史的な攻撃だ。日教組をめぐっても重大な決戦局面が到来している。革共同教育労働者委員会は全国運動の先頭に立ち、6・13大集会に職場・組合・地域の仲間を組織して駆けつける。

 1047名闘争の火消すな日教組解体攻撃粉砕しよう

 1047名闘争解体を狙う「政治解決」は、国鉄労働者のみならず、全労働者に対する攻撃だ。とりわけ教育労働者にとっては、文字どおり自らの問題である。
 政府・4党による政治解決は、国労と国労闘争団に「すべての訴訟を取り下げること」「不当労働行為や雇用の存在を二度と争わないこと」「雇用は保証できないこと」を丸飲みさせる、とんでもない代物だ。国家的不当労働行為によって労働者を解雇した政府からはただの一言の謝罪もなし。それどころか逆に、23年間「解雇撤回」を掲げ誇り高く闘いぬいてきた被解雇者を踏みにじる——こんなことがどうして許せるか!
 政治解決にあたって国交相・前原は「国鉄改革の完遂に全力を挙げる」という談話を発表した。分割・民営化当時の首相・中曽根康弘は「行政改革でお座敷をきれいにし、立派な憲法を安置する」と公言し、20万人の国鉄労働者の首を切り、200人を自殺に追い込んだ。そして「国鉄の次は教育だ」と日教組を攻撃した。「国鉄改革の完遂」とは、国鉄闘争解体と一体で日教組を力ずくでぶっつぶす宣言だ。だから中曽根は政治解決を「よく解決できたな。政権交代がよい形で現れた」と絶賛したのだ。
 “国鉄分割・民営化は全面的に正しかった”と認めさせ、“反対したことが間違っていた”とわびさせ、労組を民営化攻撃の先兵にする攻撃だ。
 日教組絶滅攻撃が激しく始まっている。最大の焦点が北教組だ。北海道教育委員会は4〜5月、川端文科相の指示のもと、「教職員の服務規律等の実態に関する調査」を実施した。組合員一人ひとりを呼び出して「組合活動にFAXや電話、印刷機を使ったことがあるか」「勤務時間内に組合活動を行ったことがあるか」「選挙活動に参加したことがあるか」など100以上の項目で「やったか、やらないか」「やった人間の名前を言え」と密告までそそのかしているのだ。国労闘争団員全員に署名入りの「承諾書」を書かせて屈服を迫るのとまったく同じだ。国労にせよ北教組にせよ、戦闘的息吹を残している組合はことごとくぶっつぶすというのだ。こんな暴挙がどうして許せるか!
 民主党は参院選マニフェストに「公務員庁」新設を盛り込もうとしている。最初から「国家公務員の人件費2割削減のため」と位置づけられた組織であり、「労働基本権の回復」の美名のもと、「解雇と賃下げ」を強行する側に労組を立たせるものだ。
 そして道州制攻撃である。総務相・原口は「来年の通常国会に道州制推進基本法案を提出する」と宣言した。鳩山が議長を務める地域主権戦略会議では、大阪府知事・橋下らがリードして道州制実現へ論議がどんどん進められている。道州制は公務員360万人をいったん解雇し「公の意識を持ち、半分の人員で倍の仕事をする」労働者だけを選別再雇用するという大攻撃だ。教育労働者にとっては、全員が非公務員にされた上で選別再雇用という首切り攻撃だ。
 この時、日教組委員長・中村は、自治労や都市交などとともに組織する公務公共サービス労働組合協議会の議長として、鳩山が掲げる「新しい公共」運動を推進している。公務員労働者を限りなくゼロにして、丸ごと民営化・外注化・非正規化する大攻撃を、率先して担っているのだ。
 さらに日教組本部は「政権交代の成果が現れ始めた」などと白を黒と言いくるめて鳩山・民主党政権を全力で支え、辺野古新基地建設を強行する沖縄闘争の圧殺者になり果てている。
 民営化攻撃の推進者、沖縄闘争圧殺者になり果てた日教組本部を徹底弾劾し、日教組絶滅攻撃に猛然と反撃しよう。

 反合・運転保安闘争路線貫く教育労働運動つくり出そう

 革共同教育労働者委員会は、「国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する新たな全国運動」の先頭に立って闘う。

 民営化・外注化絶対反対で闘う

 全国運動は第一に、国鉄分割・民営化反対闘争を貫き、規制緩和・民営化・外注化をうち破っていく闘いである。
 国鉄分割・民営化は日本における新自由主義攻撃の始まりであり、恐るべき貧困と格差を生み出した元凶だ。以降、労働法制改悪が相次ぎ、外注化が全産業を席巻し、正規労働者を派遣労働者や請負労働者に置き換えてきた。今や労働者の3分の1が非正規職労働者、青年層では半数を超え、「ワーキングプア」が膨大に生み出されている。
 学校でも4分の1から3分の1が非正規だ。その大半が年収200万円に満たない「官製ワーキングプア」、しかも不安定な雇用が何年も続く。正規労働者には際限のない労働強化・多忙化が襲いかかっている。
 学校における民営化・外注化は給食、警備、事務、補習・英語の授業にも及んでいる。4月17日の毎日新聞は「せんせいは偽装請負でおやすみです」の見出しで、千葉県柏市の小中学校で英語を教えていた外国人指導助手(ALT)について厚労省千葉労働局が「偽装請負」と認定し、新ALTの授業がストップしたと報じた。全国で偽装請負がまかり通っている。
 こういう現場の中で、青年労働者を始め労働者の「自死」や過労死、勤務中の死亡が後を絶たない。条件付採用の新採は年度末までに300人以上が退職に追い込まれている。病気休職は毎年、過去最多を更新し続け、08年度の精神性疾患の病休は5400人、10年前の4倍だ。多忙化ゆえ、児童・生徒の事故も10年間で倍増した。
 全産別で広がってきた民営化・外注化攻撃は、労組が屈服と変質を深め、資本の手先となることによってもたらされてきた。労組幹部は「反対してもどうせ強行される。せめて外注化後の労働条件の交渉を」とあらかじめ闘うことを放棄してきた。しかも違法な転籍強要や大幅賃下げに対し、労組が協約・協定で合意を与え、資本のやりたい放題を担ってきた。
 動労千葉は解雇撤回闘争と職場におけるJR資本との闘いを結合して、民営化・外注化をうち破る道筋を示している。動労千葉に学び、民営化・外注化阻止の闘いを職場からつくり出そう。

 ダラ幹打倒して闘う組合つくる

 全国運動は第二に、反合・運転保安闘争路線で既成の労組幹部と徹底対決し、現場労働者の力で闘う労働組合をつくり出していく闘いだ。
 国鉄分割・民営化攻撃は労働組合の果てしない変質と屈服の始まりでもあった。国労解体攻撃の激しさに震え上がった日教組本部は89年総評解散・連合結成とともに連合に加盟し、95年にはストライキも職場闘争も一切放棄して文科省とのパートナー路線に大転落した。さらに2000年から東京を皮切りに全国で導入された業績評価制度に対してなんら闘わず屈服し、日教組運動の最大の成果である勤評闘争の地平を売り渡した。
 今や各教組幹部は、主幹教諭や総括教諭、主任教諭などの新職と職階制賃金の導入も認め、自ら新職に応募して、青年の賃下げを推進する側に回っている。全国で唯一、08年に査定給導入に反対してストを闘ったのが北教組だ。組合幹部の屈服が現場を競争にあおり立て、極限的な多忙化を強いてきたのだ。
 しかし裏切りを続ける組合幹部を突き破って、現場からの怒りの決起が始まっている。その一つが業績評価制度に対する全国的な闘いの広がりだ。大阪では毎年千人近い教育労働者がボーナスカットされてもなお自己申告票提出を拒否している。東京では「C」評価された労働者が裁判で「人事考課制度を廃止せよ」と訴え、一審で勝訴して、業績評価制度のでたらめさを暴き出した。
 こうした闘いを、「一人の提出拒否」から「職場丸ごとの抵抗」に押し広げよう。職場闘争をとおして現場から団結をつくり出すことこそ、当局の手先と化した教組執行部を打倒していく力だ。
 そのための指針が動労千葉の反合・運転保安闘争路線だ。動労千葉の田中康宏委員長は『俺たちは鉄路に生きる3』(労働者学習センター発行)の「動労千葉の反合・運転保安闘争路線」において、「反合・運転保安闘争と日常的な職場闘争の関係」として「職場闘争とは一つに、一般的な抵抗闘争ではく、職場支配権をめぐる資本との激しい党派闘争」「二つめに、ダラ幹(堕落した労組幹部)による支配から職場を奪い返す闘い」「三つめに、敵の弱点を徹底的に攻め、味方の団結をいかに拡大していくのかということを目的意識的に追求する闘い」「四つめに、職場闘争とは活動家を育てる闘い」と提起している。
 反合・運転保安闘争路線に学び、職場から教育労働者の自己解放闘争をつくり出そう。

 戦争と改憲の道打ち破る闘いを

 全国運動は第三に、戦争と改憲への道をうち破っていく闘いである。
 国鉄分割・民営化は、総評と社会党を解体し、自衛隊海外派兵と9条改憲を狙ったものだ。しかし動労千葉の闘いと国鉄1047名闘争が23年間続いてきたことが、敵の最大の狙いである国鉄労働運動つぶしを破産させ、改憲を阻んできた。
 動労千葉は03年イラク戦争開戦に対して72時間ストライキを打ち抜き、韓国・民主労総や米ILWU(国際港湾倉庫労働組合)との国際連帯をつくり出してきた。また「日の丸・君が代」不起立闘争には国境を越えて大きな共感が寄せられ、アメリカの教育労働者の募兵反対運動と結びつき、教育の民営化・学校の軍事化と対決する国際的団結をつくり出した。
 動労千葉の反戦ストも教育労働者の不起立闘争も、戦後の総評の「護憲・平和運動」の限界を突き破る、職場生産点で実際に戦争をとめる闘いだ。だからこそ大恐慌下での大失業と戦争を打ち破る労働者の国際的団結を生み出してきたのだ。
 労組が変質し解体された時に戦争が始まることは歴史の教訓だ。戦争と改憲、民営化、労組破壊の攻撃は、新自由主義による一つの攻撃である。全国運動で闘う労組をよみがえらせ、戦争と改憲への道をうち破ろう。
 すべての教育労働者は職場・組合で全国運動の担い手を組織して、6・13大集会に結集しよう!

 職場にあふれる怒りと結び青年とともに6・13集会へ

 革共同教育労働者委員会はこの間、全国で「日の丸・君が代」不起立闘争を拡大して現場組合員の団結を組織し、処分・解雇を辞さず闘う主体をつくり出してきた。この地平に立って今、日常的な職場闘争をとおして職場の団結をつくり出す闘いに踏み出している。反合・運転保安闘争路線を物質化し、労働者の団結をつくり出す闘いだ。
 勝利の展望は示されている。動労千葉はJR東日本による検修業務の全面外注化攻撃に対して、「外注化絶対反対」を掲げて4波のストライキを闘いぬいた。青年組合員がその先頭に立ち、さらに各地で御用組合・JR総連傘下の青年労働者から「ストライキを配置して闘え」という声が噴出して、4月1日の外注化実施を完全に阻んだ。「反合・運転保安闘争路線で団結して闘えば勝てる」ことを示したのだ。この闘いを学びつくし、教育の民営化と対決する教育労働運動を今こそつくり出そう。
 分割・民営化以来の攻撃は青年労働者を直撃している。「過労死、自死」か「官製ワーキングプア」か——闘わなければ生きぬくこともできない現実に直面している青年教育労働者の未来は、国鉄闘争全国運動の発展の中にある。
 職場にあふれる青年の怒りと結びつき、正規・非正規の分断を突き破って、6・13大集会に職場から青年教育労働者を組織し組織し組織しよう。教育の民営化に立ち向かう団結を職場からつくり出し、日教組本部を打倒しよう!