2010年5月31日

”ギリシャは革命に接近” 第4波官民ゼネスト

週刊『前進』06頁(2441号5面3)(2010/05/31)

”ギリシャは革命に接近”
 第4波官民ゼネスト

 5月20日、ギリシャ労働者は4度目の官民ゼネストに立ちあがり、8万5千人が街頭デモと集会に決起した。今回のゼネストは世界を揺るがした5月5日のゼネストへの大反動をぶち破って、政府の緊縮策に対するギリシャ労働者の絶対反対の意志を決然と示した。ストに決起した労働者は「われわれの怒りはますます激しくなっている。ゼネストは始まりにすぎない。来週は電力スト、地方議会の緊縮法案に対する抵抗闘争を始める」「われわれは闘い続ける。絶対に譲歩しない」と誇り高く語っている。
 機動隊と大激突して銀行の焼き討ちや放送局を占拠した5・5ゼネストは、世界中の資本家階級を恐怖のどん底にたたき込んだ。EUとIMFは総額1100億ユーロ(約12兆円)の融資を決定し、ギリシャ政府にさらなる増税、年金と公務員給与の削減を指令した。
 パパンドレウ政権は、3人のマーフィン銀行の労働者が亡くなった責任をゼネストになすりつける卑劣なキャンペーンを繰り広げたが、マーフィン銀行の労働者は「すべての責任はストに決起しようとした労働者を銀行に幽閉していた銀行資本と政府にある」という声明を出し、今回のゼネストにも先頭で立ちあがった。政府の緊縮財政案の投票を棄権し与党PASOKから除名される国会議員も生まれている。
 ポルトガルからギリシャのゼネストに参加した革命的左派の仲間は次のように伝えている。「ゼネストの集会で、現政権を支持する指導者の発言に労働者から石、果物、卵などが投げつけられるので、ピケ隊が高い防壁をつくって発言者の姿を見ることもできない」「もう一つの特徴は、ギリシャ人がランク&ファイル組合と呼ぶ組合の組織化が急増していることである」「マルクス主義・レーニン主義、アナーキスト、ギリシャ共産党からのいくつもの分派など何十もの政治グループが活性化している」「大学はゼネストの呼びかけが行われると普通に封鎖されるので学生総会など開く必要もない」「授業は中止になり、大学の食堂では食事がタダ」「無料の公教育、とりわけ貧困層への無料公教育を堂々と行う学生たちをうち負かす方法を誰も知らない」「ギリシャは革命に接近している」。みなぎる革命的気分をこのように生き生きと報告している。
 まさに国家(資本主義)が滅びようとも絶対反対を貫くギリシャ労働者階級の闘いは、体制内指導部の制動をぶち破りながらプロレタリア革命の勝利へとつき進んでいる。今回のゼネストはストレートに世界中の株価を直撃し暴落させた。まさに死の苦しみにあえぐ資本主義を葬り去るのは労働者階級自身の闘いなのだ。
 これこそ赤字の責任を労働者になすりつけた国鉄分割・民営化に反対し1047名解雇撤回を貫く新たな全国運動への限りない連帯のメッセージである。日本の階級闘争も土台から大変動が始まっている。ギリシャ労働者と団結し、6・13集会の大成功を実現するために職場・街頭で全力決起しよう!