ZENSHIN 2007/10/15(No2315 p06)

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週刊『前進』(2315号1面1)(2007/10/15 )

 11・4の力で福田打倒を

 沖縄―本土を貫く団結うち固め階級的労働運動の発展かちとれ

 対テロ新法を絶対阻止しよう

労農連帯の旗高く10・7三里塚に1460人が結集 集会に結集した労働者・農民・学生は「市東さんの農地を守り抜くぞ!」とこぶしを突き上げ、1カ月後に迫った11・4集会への決起を誓い合った(10月7日 成田市東峰)=記事4面

 帝国主義を倒す時が来た。帝国主義を倒さなければ生きられない時代が来た。これは青年労働者の心からの叫びであり、すべての労働者人民の切実な声になっている。9月29日の沖縄の12万人の決起は情勢をさらに革命的に塗り替えた。崩壊のふちに立たされながら延命を求めて必死にあがく日帝とその国家に対して、沖縄と本土の全労働者階級がひとつに団結して真っ向から戦(いくさ)を挑む時代がやってきたのだ。闘う3労組が呼びかける11・4労働者集会への1万人大結集を絶対に実現しよう。革命はこの1万人から始まる。一切を11・4の勝利にかけきって闘おう。

 革命的情勢が深まっている

 米帝のイラク侵略戦争における敗勢、サブプライムローン危機の爆発によって、アメリカ帝国主義を基軸とする戦後世界体制は音を立てて崩壊を始めている。世界経済は明白にドル暴落―世界恐慌に向かっている。
 これは、最末期の帝国主義の断末魔の悲鳴であり、世界革命の絶好のチャンスの到来だ。プロレタリア革命勝利に向かって階級的労働運動をいまこそ大前進させよう。その決定的飛躍点が、全日建運輸連帯労組関西生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3組合が呼びかける11・4集会への1万人結集だ。
 サブプライムローン問題に端を発する金融危機に対し、米FRB(米連邦準備理事会)は「生産と雇用の深刻かつ広範な弱体化」を招きかねないと4年ぶりにフェデラルファンド(FF)金利を下げたが、金融危機は深まるばかりだ。
 07年末までに高い金利への改定期を迎える変動金利ローンは、総額で820億jもある。この多くは債務不履行となる危険性が大きいと言われ、すでにこの間、住宅ローン延滞率が急激に上がっている。これから2年間で差し押さえられる住宅物件は200万件におよび、5千〜6千億j(57兆5000億円〜69兆円)が債務不履行になると予測されている。すでに膨大な労働者が住宅を奪われ、ローン地獄に突き落とされている。
 低所得層の労働者に住宅を売りつけ、無理やり拡大してきた住宅市場がサブプライムローンの破綻(はたん)とともに急激に縮小し、住宅価格が下落している。信用収縮が起き、短期市場へのFRBの巨額の融資にもかかわらず、銀行の資金繰りが苦しくなっている。アメリカの実体経済への影響も始まった。
 米金融危機は世界に波及している。フランスの金融最大手BNPパリバの危機、イギリスでの銀行取り付けに続き、世界の巨大16銀行の一つスイスの金融大手UBSが40億スイスフラン(約4000億円)の評価損を計上し、グループ全体も赤字に転落、破綻の危機に瀕(ひん)している。
 29年恐慌を上回る世界恐慌、金融恐慌は完全に不可避だ。これは帝国主義間の争闘戦を激化させ全世界を帝国主義戦争、世界戦争にたたきこむ。
 資本主義の歴史的生命力は、もはや尽きはてている。労働者階級にとっては待ち望んでいた決定的情勢の到来だ。労働者が社会の主人公となる新しい社会を建設し、ロシア革命の偉業を完遂するときがついに来たのだ。

 4大産別が階級的激突点だ

 安倍は労働者階級の怒りでぶっ飛ばされ、自滅し、敗走した。日帝ブルジョアジーの屋台骨が決定的にへし折れた。
 その上に立つ福田政権はきわめて脆弱(ぜいじゃく)だ。議会制的にはかろうじて成立しているが、階級的労働運動の力で打倒し決着をつけなければならない。
 福田は、打倒された小泉―安倍路線の継承をうたっている。首相就任後初の所信表明演説でも、民営化、歳入・歳出一体改革、公務員制度改革、「教育改革」、社会保障制度解体、道州制導入など4大産別労組の解体を基軸にすえている。4大産別攻防こそが最大の階級的激突点となり、ここでの勝負になる。
 福田は民主党・連合の取り込みに全力をあげている。体制内労働運動が帝国主義の最後の救済者として登場してくる革命前夜の情勢になっている。体制内労働運動を階級的労働運動の力で打ち破ることが、革命に勝利する決定的カギとなる。
 福田は、改憲を安倍のようにむきだしに叫びたてないが、戦争・改憲、民営化攻撃を安倍以上に貫こうとしている。イラク、アフガニスタン侵略戦争を遂行する米軍支援のための給油継続の新法をなんとしても通過させようとしている。絶対に許せない。対テロ新法案絶対阻止・給油継続を阻止しよう。
 一方、民主党・小沢は、「給油継続は違憲」としながらも、国連決議に基づく国際治安支援部隊(ISAF)への自衛隊派遣を主張している。これはアフガニスタン侵略戦争の地上戦闘に陸上自衛隊を派兵しようというとんでもないものだ。連合中央はこの小沢を支持し、改憲勢力に転落しているのだ。11・4集会は、こうした日帝の侵略戦争継続を粉砕し、福田政権を打倒する闘いだ。
 絶対に許せないのが、あたかも社会保険庁の労働者全員が年金保険料を横領しているかのようにまくしたてる厚生労働相・舛添だ。舛添こそ、6兆円もの年金保険金を利権目当てに流用=横領した自民党政治家・高級官僚の一味ではないか。お前こそ責任をとって刑務所に行け!
 連合や全労連の腐りきった組合幹部たちが、労働者の怒りを必死に抑えこんでいるから、こんなデタラメきわまりない攻撃がまかりとおっているのだ。今こそ動労千葉のように闘うときだ。

 1万結集で革命の展望開け

 4大産別を始めとして激突的な職場闘争が開始され、職場の仲間に巨大なインパクトを与え始めている。この中に、11月1万人結集の現実性が鮮明に示されている。
 全逓労働者は、10・1民営化絶対阻止を掲げて超勤拒否の闘いに続々と決起した。郵政職場はいま、極限的な要員削減で、連日4〜5時間もの殺人的超過勤務が強制されている。しかし、この現実に怒りをたぎらせつつも、「仲間や配達先に迷惑がかかる」と超勤して仕事をこなしてきた現実があった。闘う全逓労働者は、”こんなものは資本の奴隷になってるだけだ。労働者の誇りでも何でもない!”と言いきり、これまでの自分自身との決別をもかけて、すさまじい重圧を突き破って超勤拒否の闘いに決起した。資本・当局と労働者は絶対に相入れないことを徹底的にはっきりさせ、奴隷の鎖をみずからぶった切る闘いが始まったのだ。すさまじい合理化攻撃の中、すべての産別で問われている闘いがここにある!
 闘う教育労働者は、「不起立闘争は、教育労働者として、人間として職場にあり続けるための闘いであり、本物の団結を生み出す闘いだ。不起立拡大で団結しよう」(9・29集会発言)と宣言し、新たな闘いに入っている。10月5日の「君が代」解雇をさせないワンデーアクションは、日本とアメリカを貫く国際連帯闘争として画期的成功をかちとった。
 国鉄戦線でも、解雇撤回の原則を投げ捨てて1047名闘争の絞殺に走る4者・4団体路線を打破し、11・4集会への国鉄労働者・闘争団員の大結集で展望を決定的にこじ開ける闘いに入った。自治体でも体制内労働運動指導部と激しくぶつかりながら〈民営化・労組破壊〉に対する反撃が始まった。
 9・29ワーカーズアクションでは、仕事を求めて上京した青年が街頭宣伝に出会い、ビラを受け取って「ここにおれのことが書いてある!」と感動して、即座にデモに合流し11月集会への参加を決めた。われわれが開始した闘いは、相手の人生観を劇的に変え、労働者としての誇りと怒りを呼び覚まし、展望を示す力をもっている。これこそが11・4集会のもっている巨大な可能性なのだ。
 職場にも街頭にも、資本・当局・体制内労働運動指導部に対する怒りが激しく渦巻いている。あらゆる産別で、激突的な闘いが始まっている。しかし、それがまだ11・4集会へと組織化されきっていない。一切合切を11・4集会へと集約し、ここで日本革命の展望を決定的にこじ開ける目的意識性、革命家の執念が決定的に重要だ。
 われわれが先頭に立ち、もっともっと激しく怒りを爆発させよう。腐敗し、破産しきった体制内労働運動指導部に代わって、どんどん闘う方針を打ち出そう。単なる「反対派」「批判者」にとどまることは、もはや許されない。われわれが自らの職場で階級の指導部としてぶっ立った時、一気に情勢は激変し、職場に渦巻く怒りは、資本・当局、連合・全労連幹部などに対して嵐のように解き放たれていく。
 11月集会まで残り20日間だ。一切の退路を絶ち、1万人結集をなんとしても実現するために、ともに人生をかけて勝負しよう。

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週刊『前進』(2315号1面2)(2007/10/15 )

 10・5ワンデーアクション

 アメリカで連帯行動

 “「君が代」解雇するな”

 3つの教組が賛同の決議

 10月5日、都庁前での「君が代」解雇させないワンデーアクションと同日、サンフランシスコでも連帯闘争が行われた。この日は「世界教師デー」だ。不起立闘争が教育労働者の国際連帯の焦点になったのだ。
 アメリカの闘う労働者は「日本の仲間と連帯する」「軍事化阻止! 根津さん、河原井さんに手を出すな!」などのプラカードを掲げ、日本領事館にピケットを張り、抗議申し入れを行った。
 サンフランシスコ市立大学の教職員組合であるAFT2121(アメリカ教員連盟第2121支部、1100人)は執行委員会決議をあげて10・5領事館申し入れに代表団を派遣した。また、日本に調査団を派遣することなども決定した。
 オークランド教育協会(OEA)も決議をあげ10・5行動に参加した。OEAは米軍の新兵募集に学校が協力することを義務づけるNCLB法(「落ちこぼれゼロ」法)に組織をあげて反対している組合だ。
 ロサンゼルス統一教組(UTLA、4万3千人)も10・5行動への賛同を決議した。UTLAもNCLB廃止闘争を推進している。全米で2番目に大きな地域教組であるUTLAがNCLBと闘っていることは、NCLBを容認している教組全国指導部を激しく揺さぶっている。このUTLAが「日の丸・君が代」不起立を闘う日本の教育労働者とともに闘うことを決定したことは、とてつもない意義を持っている。
 地域の150の労組、総組合員数10万人が参加する地区労、サンフランシスコ労組評議会も賛同し、ウォルター・ジョンソン前議長らが10・5行動に参加した。さらに、”再びの日帝のアジア侵略戦争は許さない”とコリアン・アメリカン平和連合と南京大虐殺補償連合が賛同・参加した。
写真 日本領事館にピケットを張るアメリカの闘う労働者【10月5日 サンフランシスコ】)

 11・4労働者集会で大合流

 UTLA内の募兵活動反対組織、CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)からは代表世話人のイノウエ氏と副代表のソティア氏が11・4労働者集会に参加する。11月3日には教育労働者交流集会が予定されている。
 多くの教え子が戦場に送られている中で、アメリカの教育労働者は必死に闘っている。その最先端でCAMSが自分の職場から募兵官と対決している。生徒、保護者、地域の労働組合、帰還兵とともに50以上の高校に組織を作り、高校に募兵官が立ち入れない力関係を築いてきた。
 募兵の行き詰まりは米軍弱体化=イラクでの敗北の決定的要因だ。CAMSは、米帝の戦略的弱点を突いているのだ。
 このCAMSだからこそ、日本の不起立闘争の不屈性に感動し、勝利の展望を一瞬にして見いだしたのだ。11・4集会をともに大成功させよう。

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週刊『前進』(2315号2面1)(2007/10/15 )

 11・4集会1万人結集へ4大産別の労働者は先頭に立とう

 11月教育労働者の大結集こそ来春不起立闘争の勝利を開く

 革共同教育労働者委員会

 12万決起実現した沖縄の教組と共に

 教育労働者のみなさん。あと3週間、すべての活動を11・4全国労働者総決起集会に教育労働者を組織することにかけきって、全力疾走しよう。
 11・4労働者集会に1万人結集を実現するための最大のテーマは、教育労働者1000人の大隊列を登場させることである。その実現に、すべての教育労働者の未来と全労働者階級の未来がかかっている。
 「日の丸・君が代」不起立を闘いぬく東京の教育労働者、根津公子さんへの解雇攻撃が切迫している。11・4を「君が代」不起立解雇を許さない1万人の労働者集会としてかちとろう。そして来年3月、空前の不起立闘争をたたきつけよう。
 11・4集会には、アメリカで反募兵官運動を組織する教育労働者が参加することになった。反募兵官運動と「日の丸・君が代」闘争――職場で戦争協力拒否闘争を組織して、教組本部と政権中枢を揺るがしている日米の教育労働者が合流するのだ。こんなすばらしい集会だからこそ、一人でも多くの教育労働者に参加して欲しい。それが、教育労働者の無限のエネルギーを生み出すことは間違いない。
 9・29沖縄県民大会の12万人決起をつくり出したのは、何よりも沖高教組・沖教組の闘いだった。教育労働者の持つ巨大な力に目覚めよう。教育労働者の渾身(こんしん)の訴えと闘いは、東京で100万の労働者の反乱をつくり出す力を持っている。
 1万人集会の実現で、日教組本部の「文科省とのパートナー」路線を吹き飛ばす教育労働者の総反撃を始めよう。

 文科省は歴史偽造の張本人

 9・29沖縄県民大会が空前の12万人決起として爆発した。この闘いは、検定意見の撤回ということでは絶対にとどまらない、革命以外に出口のない闘いの始まりだ。
 そして同日行われたワーカーズアクション
池袋は「資本家の時代は終わった。労働者に権力をよこせ」と宣言した。
 9・29をもって階級情勢は完全に一変した。貧困・格差への怒りと改憲・戦争への労働者の怒りが、根底的な社会変革を求めて動き始めている。全国平均の2倍の失業率の沖縄労働者の怒りは、青年の「生きさせろ」の叫びと一つのものだ。安倍を打倒した力と沖縄の怒りが結びつけば、日帝を打倒できる。
 沖縄戦の真実を抹殺する日帝・文科省をどうして許せるか! 住民を壕(ごう)から追い出し、スパイとして虐殺し、肉親同士の殺し合いまで強いたのが皇軍だ。日帝はこの歴史を抹殺し、海自の軍艦まで投入して辺野古に新基地を建設し、沖縄を永久に軍事監獄にしようとしている。これは「沖縄を再び戦場にする」という宣言だ。
 「新しい歴史教科書をつくる会」勢力は、「自虐史観3点セット」と称して、南京大虐殺、軍隊慰安婦とともに、沖縄戦「集団自決」の教科書記述を変えさせることに全力をあげてきた。05年には大江健三郎氏と岩波書店を被告とする出版禁止・慰謝料請求訴訟を提訴し、「集団自決」を殉国美談にしたてあげようとしてきた。
 そして文科省は「つくる会」教科書執筆者と同じ研究グループの研究者を日本史担当の調査官に任命し、今年3月の高校歴史教科書の検定で「軍の強制」を削除させた。
 「教科書検定制度に政治介入はあってはならない」(渡海文科相)などという言い逃れをどうして許せるか! 「つくる会」勢力と結託した政府・文科省こそ、歴史偽造の張本人だ。
 沖縄の検定撤回・軍強制記述復活の闘いは、90年代後半以来の教科書攻撃への痛烈な反撃であり、改悪教育基本法体制と戦争教育を打ち破る闘いの始まりだ。
 9・29県民大会をつくり上げた沖縄の労働者たちが11・4集会にやってくる。沖縄と本土の労働者の団結で、連合本部・全労連本部の労働者支配を突き破る闘う労働組合運動をつくり出そう。

 不起立闘争で改悪教基法を打ち破れ

 不起立闘争こそ、改悪教基法体制を打ち破り、職場から改憲を阻む闘いだ。職場で仲間を組織し、団結をつくり出し、その力で来年3月、空前の「日の丸・君が代」不起立を巻き起こそう。
 戒告から減給、停職と加重されてきた都教委の不起立処分は、来春、根津公子さんへの解雇攻撃に行き着こうとしている。たった40秒間、6回通算しても4分間座っただけで解雇! こんな暴挙をどうして許せるか。
 教基法改悪を受け、学校教育法の教育目標に「国を愛する態度」が盛り込まれた。来年2月に告示される学習指導要領では、あらゆる教科で「伝統・文化」教育を強調し、特別活動の「国旗・国歌」条項をさらに改悪することが狙われている。09年実施予定の免許更新制は、愛国心教育を踏み絵とする首切り制度を狙ったものだ。
 しかし全都・全国で教育労働者が陸続と不起立闘争に立ち上がった時、こんなものは完全に紙切れになるのだ。
 弾圧・処分を辞さず、戦争につながる教育の権力支配と闘ってきたのが日教組運動の歴史だ。賃金闘争を基軸とし、教育闘争を教育実践に歪曲してきた民同路線のもとでも、連合下のパートナー路線のもとでも、教育労働者の自己解放をかけた闘争力を繰り返し示してきたのが「日の丸・君が代」闘争である。
 そして安倍政権をぶっ飛ばしたのは、全国の日教組組合員が日教組本部の制動を突き破って教基法改悪阻止に総決起し、階級全体の怒りと結合したからだ。その闘いをつくり出したのも、04年以来の不起立闘争だった。
 不起立闘争は、職場における戦争協力拒否闘争だ。処分を辞さずに闘う団結を取り戻す闘いであり、クビをかけて団結を守りぬいてきた動労千葉の労働運動を教育労働者がつくり出していく闘いだ。理不尽な命令に堂々と不服従を宣言し、管理統制に対して団結と抵抗を呼びかけ、職場支配権を奪い返そう。都高教本部を始めとする教組執行部の「職務命令が出たら引く」という方針は、文科省への屈服を現場労働者に強制するものだ。不起立闘争は、腐った教組執行部を打ち倒す闘いなのだ。
 「日の丸・君が代」闘争は、裁判依存主義で決着がつくことなど絶対にありえない、日帝と非和解の闘いである。「日の丸・君が代」闘争の勝利の道はただひとつ、教育労働者が団結を拡大し、さらに全国各地に闘いを広げて全労働者の闘いに押し上げ、来春卒業式で空前の不起立闘争を巻き起こすことである。教育労働者が依拠すべきは、労働者の団結の力以外にないのである。
 根津さん、河原井さんが「クビを覚悟で不起立を貫く」と宣言して教育労働者の総決起を呼びかけている。この闘いこそ、04年以来の不起立闘争がつくり出した最高の地平だ。脅しても屈服しない労働者の闘いが、03年「10・23都教委通達」による処分恫喝を完全に無力にしたのだ。
 「10・23通達」と「つくる会」教科書で改悪教基法を先取りしてきた石原を、来春の大量不起立決起で打ち倒そう!
 根津さん、河原井さんに続く陸続たる不起立決起で、日教組解体と戦争教育を打ち砕こう。11・4集会への教育労働者1000人結集の力で、08年3月の東京・全国の不起立闘争へ突き進もう。

 戦争協力拒否闘争が国境越えて合流

 不起立闘争は、今や海を渡り、「教え子を戦場に送らない」日米教育労働者の共闘をつくりだしている。
 10月5日は、「根津さん、河原井さんを解雇させない」日米共同行動の日となった。都庁は終日、400人を超える労働者・市民・学生の怒りの声で包囲された。
 アメリカではアメリカ教員連盟第2121支部やオークランド教員協会(OEA)が日本領事館抗議行動に立ち上がり、日本の都教委抗議行動に熱烈なメッセージを寄せた。「日本の反戦教師に対する弾圧と解雇を許すな」のアピールへの賛同は、4万3千人のロサンゼルス統一教組(UTLA)、7万人のサンフランシスコ労働者評議会へと広がっている。
 アメリカの高校では、軍の募兵官が高校に入り込み、マイノリティの貧困家庭の高校生を奨学金をえさに軍に勧誘している。「落ちこぼれゼロ法」が格差教育を進め、学校への補助金をテコに生徒の個人情報を軍に提供させている。これに対して、ロサンゼルスの50の高校で募兵活動反対運動を展開しているのが「校内の軍国主義に反対する連合」(CAMS)だ。この運動はUTLAに支援され、次第に全米に広がっている。
 11・4集会に、CAMS世話人のA・イノウエさん、G・ソティアさんが参加する。今年7月に神奈川の「日の丸・君が代」被処分者が訪米し、全米教育協会(NEA)大会会場で「根津さんを解雇するな」の署名を集めていた時、ただちに共感して集めてくれたのがイノウエさんだった。「君が代」不起立の意義は、イラク戦争と闘うアメリカの教育労働者に瞬時に伝わったのだ。
 日米の教育労働者は、帝国主義の延命のための格差教育=戦争教育という共通の課題に直面している。国際連帯の力で戦争教育を打ち破り、戦争をやめさせよう。
 11・4日比谷は、日米の教育労働者の「教え子を戦場に送らない」闘いが合流する歴史的な舞台となった。日教組本部の「お付き合い」国際交流とはまったく異なる、動労千葉とともに闘う教育労働者だけが実現できた画期的な国際連帯集会である。
 11・4労働者集会を新たな不起立闘争の発展の出発点としよう。ランク・アンド・ファイルの国際連帯を糧に、森越執行部を打倒し、闘う日教組の再生へ突き進もう。

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週刊『前進』(2315号2面2)(2007/10/15 )

 「君が代」解雇を許さない

 都庁前一日行動 “不起立を貫く”と宣言

 10月5日、「都教委に『君が代』解雇をさせない! 都庁前One dayアクション」が早朝から夕方までの終日行動として闘われた。河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会の呼びかけで取り組まれた行動に、この春の不起立で停職6カ月処分を受けた根津公子さんが最先頭で決起し、教育労働者を始め延べ400人の人びとが参加した。
 朝8時、新宿の都庁第一庁舎前でビラまきと宣伝活動が開始された。根津さんがマイクを握り、力強く訴えた。「今本当に決戦の時が来た。闘わなければ教育が都教委の色に染められてしまう。『君が代』処分をストップさせましょう」。都庁へ通勤する労働者に必死の訴えが響き、次々とビラが手渡された。また、東京の教育労働者が来春の卒業式で「君が代」不起立闘争を貫くことを表明する「不起立宣言」を読みあげた。
 9時から第一庁舎前の歩道を参加者で埋めて、リレートークが始まった。教育労働者を先頭に、根津さんに連帯して闘う労組・労働者、また根津さんのかつての教え子や保護者など多彩な人びとが全国から駆けつけ、次々と発言した。またミュージシャンたちが歌と演奏で連帯と抗議のアピールを行い、雰囲気を盛り上げた。同時に、都教委に対する要請行動が行われた。
 組合旗を掲げて参加した動労千葉から田中康宏委員長が発言に立った。「沖縄では沖縄戦の史実を教科書から抹殺する攻撃に怒り、12万人が決起した。教育労働者がその先頭で闘っている。教え子を戦場に送らないという日教組の原点を外した時に、組合は上から腐ってしまう。だが現場に行くほど労働者は健全だ。根津さんの闘いは国際的に共感を呼んでいる。アメリカでは軍の募兵官が高校に入り込むことに対する抗議の闘いが爆発している。まさに『教え子を戦場に送るな』の闘いだ。動労千葉が呼びかける11・4労働者集会に世界の闘う労働者が集まってくる。ともに参加し、反撃の火の手を上げよう!」
 動労千葉を支援する会の山本弘行さんは、全米の教育労働者に「根津さんの解雇を許すな」の声が広がり、サンフランシスコの日本領事館への抗議行動が闘われていることを報告した。
 7月に渡米しNEA(全米教育協会)の大会で根津さん支援を訴えてきた神奈川の教育労働者、根津さんの門前座り込みに参加している東京の教育労働者らが、来春の卒業式で根津さんとともに「君が代」不起立を拡大し、解雇攻撃と闘うことを決意表明した。
 この春の不起立で停職3カ月の処分を受けた河原井純子さんは、終日行動の締めくくりとして「おかしいと思ったことにノーを言うのが私の素朴な教育実践。必ず解雇を阻止しましょう」と発言。集会決議文として「船出」と題した自作の詩を読み上げた。
 夕やみが迫る中、最後に都庁に向けて「河原井さん、根津さんの解雇を許さないぞ」とシュプレヒコールをあげて、新宿の高層ビル群を揺るがした。
(写真 一日行動の参加者は都教委のある都庁舎に向かって「根津さんを解雇させないぞ」とシュプレヒコールをあげた【10月5日】)

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週刊『前進』(2315号2面3)(2007/10/15 )

 都庁前での教育労働者の発言

●根津公子さん 東京で「君が代」解雇を許せば全国に広がる。私はこのことに恐れを抱きます。歴史の事実を教えずに、とにかく「立ちなさい、歌いなさい」とたたき込むやり方。都教委は「全員が立って歌えば厳粛な儀式になる。これは無形の教育だ」と言っている。しっかり洗脳するということです。こんなことに加担はできません。
 私は子どもたちにも「起立できない」と話してきました。来春の卒業式でも起立はしません。
 このままでは免職という危険性が強い。「解雇するな」「こんな処分はおかしい」という声を都教委に伝え、「10・23通達」を破棄するよう働きかけてください。
●河原井純子さん 根津さんの「君が代」解雇を絶対に阻止しなければならない、その思い一つで停職3カ月処分の間、全国を行脚してきました。沖縄の県民大会には元気づけられました。
 私は「嫌な時はノーと言ってその場を立ち去っていいんだよ」と生徒に言ってきた。私にとっては03年「10・23通達」は心からノーでした。私はけっしてあきらめません。人と人がつながったら、必ず阻止することができると思っています。
●東京の教育労働者Yさん(小学校) 今日は「来春、根津さんとともに不起立を拡大しよう」というアピールを持って参加しました。「日の丸・君が代」のもとに人びとが戦場に送り出された事実は、私たち教育労働者にとって忘れてはいけないこと。「教え子を戦場に送らない」という教育労働者の原点を守り、一人でも多くの教育労働者に不起立を訴えます。アメリカの教育労働者が11・4集会に来ます。誇りを持って不起立闘争を闘いましょう。「根津さんを解雇したらとんでもないことになる」ことを都教委に見せつけよう。
●東京の教育労働者Kさん(中学校) 私はこの春、不起立で処分を受けました。「君が代」不起立でけっして解雇処分を出させない、という決意です。根津さんは、時代の先端に押し出された時に、その責任を取ろうとした人だ。生徒に心を寄せて良心を貫く人なら、いかなる教員でも、新任の教員でも、不起立はできます。多くの学校教職員に訴えて、来年の春に臨んでいきたい。
●神奈川の教育労働者Sさん(中学校) やりきれない仕事ばかりを強制され自尊心を傷つけられ、それに抵抗できない組合執行部って何なんだ。不起立への処分に抵抗しないでどうする。沖縄の11万人県民大会が事態を動かしている。解雇阻止へ闘いましょう。

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週刊『前進』(2315号3面1)(2007/10/15 )

 11・4集会1万人結集へ4大産別の労働者は先頭に立とう

 10・22全逓解散=JP労組結成許すな

 組織統合は産業報国会だ

 生産性運動に殺されてたまるか!

 10・22全逓解散、全郵政との組織統合に対し、われわれ全逓労働者は民営化絶対反対を貫いて闘うことを宣言する。
 10・1郵政民営化に対してたたきつけた超勤拒否を始めとした怒りの闘いは、必ず労働者全体の怒りと結合していく。青年労働者が「資本家の時代は終わった。労働者に権力をよこせ!」と職場から決起を始め、階級情勢を激しく突き動かしている。勝利の道筋は、国鉄分割・民営化攻撃との動労千葉の20年の闘いの中にある。資本と労働者は非和解だとはっきりさせ、職場闘争を貫くことが労働者の団結をつくり出すのだ。全逓労働者は今それを実感している。組織統合攻撃と対決し11・4総決起へ突き進もう。
(写真 超勤拒否を闘った全国の全逓労働者が三里塚全国集会で登壇し決意表明【10月7日 成田市】)

 資本に尽くすJP労組綱領

 10月22日、JPU中央は臨時全国大会を開催してJPUを解散し、全郵政と統合した新組合=日本郵政グループ労働組合(JP労組)を立ち上げようとしている。臨大議案書で出された運動方針案によれば、この新組合こそついに登場した「産業報国会」そのものだ。
 新組合の理念は「友愛・創造・貢献」だ。その意味するものは、労働者は団結して闘うな、会社・資本のために尽くせということだ。さらに組合綱領では「左右の全体主義を排除する」として、階級的なものの根絶・一掃を宣言している。これはまさに労働組合としての自己解体宣言だ。また「産業民主主義の原則に立って生産性運動を推進」を掲げ、階級意識を投げ捨てて国家や資本のために徹底的に尽くすことを宣言している。そして企業の発展とそこでのJP労組の役割を「創成期(07年〜09年)、変革期(10年〜14年)、成長期(15年〜)」として描き出し、徹底的な合理化方針を打ち出している。
 支配階級は労働者人民を食わせられないほど危機に陥っている。1000兆円もの借金地獄と労働者階級の反乱に恐れおののいているのが資本家どもの姿だ。
 この資本家どもが6月に出した「骨太方針Z」では「5年間で生産性1・5倍、3人の仕事を2人でやる」「生産阻害要因の排除」などと言っている。これは労働組合を絶滅し、「生産性向上」をトコトン推し進める宣言だ。JP労組はこの「骨太方針Z」を貫徹するための組織なのだ。
 10・1民営化以降、郵政職場では民営化の破綻(はたん)した現実が明らかとなり、業務は完全にパンク状態だ。現場には連日4〜5時間の超過勤務が強制され、それでも物ダメ状態があらゆる局で生まれている。この破綻した民営化を全面的に支えるためにこそJP労組が登場しようとしている。そのすべての矛盾は現場に押しつけられるのだ。ふざけるな! 「生産性向上」の名のもとで殺されてたまるか!

 怒りと誇りを取り戻そう!

 しかしこの産業報国会運動は、超勤拒否闘争を始めとする現場からの闘いで必ず打ち砕くことができる。そもそも職場を回しているのはわれわれ労働者だ。労働者と資本家は非和解的に対立している。労働者の誇りを取り戻して立ち上がった時、こんな支配は一瞬にして吹き飛ばせる。
 国鉄分割・民営化によるJR資本とJR総連との結託体制は、動労千葉の存在と闘いによって破綻しているではないか。全逓労働者が動労千葉のように闘えば必ず勝てる。資本と組合指導部が結託した攻撃に対して、動労千葉の『俺たちは鉄路に生きる3』から徹底的に学び、職場から反撃しよう。正規・非正規の壁をぶち破って闘おう。
 何よりも11・4労働者集会1万人結集の先頭に全逓労働者が立とう。労働者が権力を奪い取る力がここにある。それこそが郵政民営化と組織統合攻撃を打ち砕く力だ。

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週刊『前進』(2315号4面1)(2007/10/15 )

 10・7三里塚 労農連帯の絆固め「農地死守」誓う

 北延伸・農地強奪に反撃

 動労千葉が11・4呼びかけ

 三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する10・7全国総決起集会は、秋晴れの空のもと、1460人の結集で闘いとられた。安倍政権を退陣に追い込んだ労働者と農民の怒りの結集軸がここにあることを、参加したすべての人が実感した。そして1カ月後に迫った11・4労働者集会1万人結集に向けて、労働者が自らの職場から反乱を開始することを宣言する総決起の場となった。
(写真 農地死守! むしろ旗を掲げ、三里塚反対同盟を先頭にデモに出発)

 初参加の青年が集会に感動

  反対同盟は、東峰の森伐採など暫定滑走路の北延伸攻撃に日々立ち向かい、連続する裁判闘争を闘いながら、10・7の大結集をめざして全国各地を東奔西走してきた。「市東さんの農地を絶対に奪われてはならない」という呼びかけに心動かされ、全国から労農学が大挙結集した。
 とりわけ多くの青年労働者・学生が初めて三里塚の大地を踏み、自分が生まれるずっと前から闘いぬいてきた反対同盟の農民魂に触れ、衝撃と感動を得た。
 正午から空港に隣接する東峰の萩原進さんの畑で集会が始まった。司会は事務局の伊藤信晴さんと、婦人行動隊の宮本麻子さん。
 本部役員の鈴木幸司さんが開会宣言に立ち、農地強奪をたくらむ国家権力を打倒する闘いに決起することを訴えた。
 事務局長の北原鉱治さんが主催者あいさつを行い、42年の闘いの歴史を踏まえて、「日本はかつての戦争と同じ方を向いている。成田の米軍使用を許さない。自分の未来を三里塚にかけて闘った星野文昭さんが今も獄中におり、徳島刑務所で面会してきた。三里塚の勝利に若者の未来がかかっている。今日を新たな出発点に立ちあがろう」と呼びかけた。
 萩原進事務局次長が基調報告を行った。
 「参院選における自民党の惨敗は、自由化と構造改革、改憲と戦争、貧困と農業破壊に対する人民の総反撃だった。都市における労働者の反乱とともに、地方における農民の怒りが爆発した」と時代の動きをとらえた。そして「戦後の農地解放は全国の農民が血を流して闘いかちとったものだ。その中で農地法もできた。そうして築いてきた農民の権利一切を奪おうとする攻撃がかけられている。労働者の権利もすべて奪われようとしている。このままでは生きられない。労働者と農民とが手を組んで反撃するしかない。そして世界の農民とも連帯する時だ」と呼びかけた。そして「政府は農業分野を明け渡してでも工業製品を輸出し、アジアの市場を制圧し新たな大東亜共栄圏を打ち立てようとしているが、結局は軍事力を強化し改憲へと進むしかない。イラク・アフガンへの侵略に反対し、三里塚を反戦の闘いとして押し上げよう。市東さんの農地を守るために、次の3・30全国集会に今日を倍する人数を集めよう」と熱烈に訴えた。
反対同盟農民が演壇に勢ぞろい、「労農連帯で団結頑張ろう」
天神峰現闘本部の前で怒りのシュプレヒコールをあげる労働者

 現場労働者が総決起を訴え

 三里塚反対同盟と「車の両輪」として闘ってきた動労千葉の田中康宏委員長が、特別報告を行った。
 「定期大会を開催し、平成採の仲間が東労組から動労千葉に結集した。国鉄分割・民営化と最終的決着をつけるため、闘う労働組合が最前線に登場し情勢の主導権を握る時だ。腐りきったこの社会を変えるのは、労働者と農民の団結した力だ」と強く訴えた。さらに怒りの表情をあらわに「国家、大企業、独占資本が生き残るために、農民と労働者が殺されようとしている。こんなことがまかり通っていいのか! バラバラに存在している怒りをひとつにつなげよう。労働者が社会の主人公として登場しよう。11・4に1万人が集まったら社会が変わる。ここに団結すれば勝利できるという場として、11・4大結集を呼びかけてください」と訴えた。
 ここで千葉県の農民がマイクを握り、下がり続ける米価など農民が置かれている厳しい現状をリアルに解説し、市東さんの農地を守る闘いに日本農民全体が合流する展望と、その先頭に自ら立つ決意を表明した。
 続いて鈴木謙太郎さんが「全国の農民・労働者に訴える」と題した特別アピールを読み上げた。農業破壊攻撃に対決し、労働者と農民の固い団結の中軸に三里塚闘争が位置していることが、あらためて鮮明になった。
 農地取り上げの攻撃と日々闘いぬいている市東孝雄さんが登壇すると、会場はひときわ大きな拍手に包まれた(発言要旨別掲)。暴力と脅しとカネで屈服を迫る政府・空港会社への怒りを込めて「私の畑の大根は1億8千万円以上の価値がある」と言い切り、全参加者の胸を打った。
 反対同盟顧問弁護団が壇上に並び、葉山岳夫弁護士が、空港会社による市東さんへの「耕作権解除」の画策や「不法耕作」との提訴が、あらゆる意味で違法であることを徹底的に暴いた。
 続いて現場で闘う労働者が登壇した。郵政民営化と闘う8人の全逓労働者が並び、体制内労働運動指導部の制動をぶっ飛ばして超勤拒否闘争で10・1民営化を迎えうった闘いを報告した。さらに教育労働者が「君が代」不起立を貫く決意を鮮明に表した。現場労働者からの11・4日比谷総決起の訴えは、労働者・農民が固く手を結び前進することに勝利の核心があることを示した。
 沖縄民権の会代表の座覇光子さんは、沖縄県民大会12万人の結集に示された怒りを本土の労働者が共有し、階級全体にかけられた攻撃として闘うことを訴えた。
 無期攻撃と闘う星野文昭同志のつれあいの星野暁子さんは「文昭は三里塚、沖縄とともに闘う道を選んでいる。闘って弾圧を打ち破る日本階級闘争の歴史をつくろう」と呼びかけ、再審・奪還を訴えた。沖縄反戦地主の知花昌一さん、北富士忍草母の会・天野美恵さんのメッセージを、萩原富夫さんが読み上げた。
 「市東さんの農地取り上げに反対する会」の人びとが市東さんとともに登壇し、不法で理不尽な農地取り上げを許さない決意と訴えを行った。

 市東さんの耕作地までデモ

 婦人行動隊の鈴木加代子さんが、自分のブログを紹介しながらカンパアピールを行った。それに続いて住民団体、共闘団体の決意表明が行われた。
 関西新空港に反対する住民団体から永井満さん、山本善偉さん、国賀祥司さんが登壇し、代表して永井さんが「9月28日に市東さんを招いて集会を開いた。三里塚は日本農民全体に力あるメッセージを発している」と連帯を表明した。
 さらに部落解放同盟全国連、都政を革新する会の北島邦彦杉並区議、婦人民主クラブ全国協、闘う「障害者」が次々と農地取り上げ攻撃と闘う発言を行った。
 全学連の織田陽介委員長は、「安倍を打倒したのは三里塚の力だ。自民党支配はもう終わっている。アメリカの教育労働者の闘い、GMの労働者のストライキ、韓国の労働者の闘い、すべてが11・4に向かっている。隣の仲間に俺と一緒に革命をやろうと、むき出しで呼びかけよう。11・4日比谷を動労千葉派、三里塚派が権力党派として躍り出る日にしよう」と訴え、全参加者を奮い立たせた。
 太郎良陽一さんが集会宣言を読み上げ、野平聰一さんのガンバロー三唱で、デモに出発した。
 伐採された東峰の森、延々と続く威圧的に高いフェンス、不自然に曲げられた道路――。デモコースは荒涼とした風景が続く。巨大なジェット機が轟音(ごうおん)を立てて走行し離着陸している。
 だがまさにそこに農民の農地と生活が存在し、空港の建設強行を阻み続けている。デモは東峰部落を通り、市東さん宅前から団結街道を北上して、天神峰現闘本部前を通り、市東さんの耕作地の前まで進んだ。
 豊かな作物が実る畑が目の前に広がった。
 「農地取り上げを許さない!」というシュプレヒコールが北総大地に響きわたった。

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週刊『前進』(2315号4面2)(2007/10/15 )

 敷地内・市東さんの発言

 買収に負けず大根つくる

 いま米の値段がかつての半分になった。オーストラリアとのFTAを進めればさらにその半額の米が入ってくる。農家は食べていくことができません。ほかの穀物、野菜もそうです。政府自民党は農家をつぶし、食えなくなった農家から農地を取り上げる仕組みをつくろうと農地法を改悪しようとしています。
 私の農地問題は、「農地はそれを耕す農民のもの」という基本理念を、空港会社が破ったことから起きたものです。これを成田市農業委員会や、千葉県も許可した。明らかな違法であり、憲法にも違反しています。
 違法なことを今度は農地法を改悪して、大手を振ってできるようにする。それを来年から始めようとしています。私の農地問題は、農業つぶしに苦しむ全国の農家にとっての問題です。
 かつて私のおやじは土地収用法と闘いました。労働者・学生の支援を受けて、これを打ち破って土地収用法を失効させました。その後の買収攻撃にも負けなかった。それを今度は、農地法で農地を取るという、そして法まで変えるという、こんなめちゃくちゃなことはがまんできません。私は闘います。もちろん買収にも負けません。私の畑の大根は、1億8千万円以上の価値がある! 
 沖縄ですごい闘いが起きました。三里塚は「戦争反対、軍事空港阻止」で沖縄とつながっている。戦争動員の国民保護訓練と習志野のミサイル配備も絶対反対です。
 先の参議院選挙で自民党はぼろ負けしました。農民と地方の反乱です。労働者は低賃金で働かされ、若者には職がない、職に就いても食っていけない。農民も労働者も、もうがまんできない。東京、全国でさまざまなデモが起きています。動労千葉との労農連帯を強化し、みなさんとともに最後までがんばります。
 10月30日に、私の農地をめぐって、千葉県知事に対する行政訴訟が始まります。多くの皆さんの傍聴をお願いします。

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