ZENSHIN 2009/07/20(No2400 p06)

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第2400号の目次

(写真 国労5・27臨大闘争裁判の結審公判に先立って被告団を先頭に国労共闘と動労千葉、支援の労働者がJR東日本本社への抗議行動に決起【7月17日 JR新宿駅南口】

1面の画像
(1面)
自民党支配の崩壊を革命へ  オバマ反革命を粉砕し8月広島-長崎を闘おう
革共同政治集会に大結集を
国鉄1047名闘争と国際連帯で11月労働者集会1万決起へ進もう
08年5・29法大弾圧 14学生への有罪判決弾劾 5面に記事
記事を読む  
5・27裁判 JR東本社などに抗議  最終意見陳述で1日行動(7月17日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
JR西日本社長起訴  尼崎事故を全面的に居直り労働者に責任転嫁するJR
分割・民営化体制打倒へ闘う時だ(7月8日)
記事を読む  
動労水戸に新たに加盟
JR資本と組織攻防戦 不当配転に怒り決起(投稿・D)(7月15日)
記事を読む  
”スト絶滅し会社守る”と叫ぶ  JP労組中央本部は総退陣だ 記事を読む  
青年労働者の大結集へ圧倒的な資金カンパを 記事を読む  
(3面)
侵略翼賛に大転落 日教組本部打倒を
道州制・民営化絶対反対貫き 8・6ヒロシマに決起しよう  革共同教育労働者委員会
記事を読む  
大阪・中之島 7・29青年労働者集会へ  “道州制絶対反対”で団結を 記事を読む  
日程 道州制絶対反対!!青年労働者集会 記事を読む  
権力の強制執行許すな  韓国・双龍自動車工場占拠スト 「決死抗戦」労組が声明 記事を読む  
(4面)
東京・杉並 田母神講演会ぶっ飛ばせ  青年を先頭に集会とデモ(杉並IM)(7月12日) 記事を読む  
“田母神は来るな”  ヒロシマの怒り解き放つ(7月11、12日) 記事を読む  
改憲は阻止できるぞ! 2009  8・15集会 実行委が呼びかけ 記事を読む  
“部落解放の砦へ”  全国連西郡支部が大会(7月12日) 記事を読む  
日誌 2009年 7月8日〜14日
防衛相が与那国島を初訪問/グアム移転で346億円を米に初提供
記事を読む  
(5面)
法大弾圧裁判
5・29判決 有罪判決に怒り  山本進君は1年2カ月 13人に懲役8カ月(7月14、16日)
記事を読む  
法大弾圧 洞口さん停学3カ月  法大当局は処分撤回せよ(7月14日) 記事を読む  
臓器移植法の改悪弾劾  「脳死は人の死」規定で命を奪う(7月13日) 記事を読む  
全国学友は8・6広島へ
オバマ・麻生打倒、帝国主義に断を  (マルクス主義学生同盟・中核派)
記事を読む  
日程 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
入管法改悪を弾劾する  「在留カード」施行絶対阻止へ(7月8日) 記事を読む  
”労働者を弾圧するな”  イラン大使館に抗議行動(KS)(7月10日) 記事を読む  
星野さんとともに
労働者の団結を原動力に新たな出発をかちとった
沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会事務局員 和田邦子(7月4日)
記事を読む  
マルクス主義青年同盟加盟の決意
マルクス主義者となり革命勝利の日まで闘う  民間労働者 千野 登
記事を読む  

週刊『前進』(2400号1面1)(2009/07/20 )

 自民党支配の崩壊を革命へ

 オバマ反革命を粉砕し8月広島-長崎を闘おう

 革共同政治集会に大結集を

 国鉄1047名闘争と国際連帯で11月労働者集会1万決起へ進もう

 08年5・29法大弾圧 14学生への有罪判決弾劾 5面に記事

(写真 国労5・27臨大闘争裁判の結審公判に先立って被告団を先頭に国労共闘と動労千葉、支援の労働者がJR東日本本社への抗議行動に決起【7月17日 JR新宿駅南口】

 すべての労働者のみなさん! 青年・学生のみなさん! 壮大な歴史の激動的瞬間が訪れています。労働者階級自らが歴史をつくる情勢の到来です。世界大恐慌の深まりは、資本家の時代の終わりを告げています。今こそ〈奴ら>をぶっ飛ばすチャンスです。都議選−衆院解散・総選挙情勢として起きていることは、戦後の自民党政治支配の崩壊です。歓迎すべき革命情勢です。今こそ4大産別決戦の前進で、この情勢をプロレタリア日本革命に転化するために闘う時です。革共同政治集会の大成功から8月広島−長崎闘争へ、そして11月労働者集会1万人結集へ、勇躍進撃しましょう。

 時代は革命を求めている

 世界大恐慌をプロレタリア世界革命へ、自民党支配の崩壊を日本革命へと転化する道筋は、何よりも〈戦争・改憲と民営化・労組破壊>〈道州制・民営化・労組破壊>の攻撃と全面対決し、国鉄1047名解雇撤回闘争を基軸とした4大産別決戦を、職場生産点から大爆発させることです。また、これと一体の闘いとして法大解放闘争を発展させることです。さらには動労千葉を軸とした国際連帯闘争を圧倒的に前進させることです。
 4大産別を始めとした職場生産点からの怒りと闘いをひとつに結集し、国鉄1047名闘争と国際連帯の発展を最先頭にして、11月労働者集会の1万人大結集をなんとしても実現しましょう。そこに向けて革共同政治集会に総結集し、例年にも増して決定的な意義を持ってきた8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争と8・15闘争を大成功させましょう。
 1929年−30年代を超える世界大恐慌は、まやかしの景気「底打ち」宣言を吹き飛ばし、これからいよいよ本格化します。シティバンクやAIGなど巨大金融機関の総破綻と「国有化」、それに続くGMの破綻は、大恐慌の本格化の決定的事態です。この間、帝国主義が行ったことは大資本を救済する天文学的規模の財政出動であり、国家挙げての粉飾決算であり、保護主義政策の満展開です。そして何よりも大失業攻撃であり、労組指導部を取り込んですべての矛盾と犠牲を労働者に転嫁することでした。さらに帝国主義は、体制内労働運動の総屈服をテコに、大恐慌から侵略戦争−世界戦争へと突き進んでいます。
 実際、先のG8サミットは、大恐慌の「出口戦略」など描くこともできず、一方でG8体制の限界と終焉(しゅうえん)を露呈させました。他方では米帝オバマを先頭に「核のない世界」を叫びながら、帝国主義間・大国間の争闘戦の激化と戦争・核戦争への衝動を噴出させました。まさに大恐慌の行き着く先は、労働者階級の決起で帝国主義が打倒されない限り、排外主義と戦争なのです。
 オバマ演説や国連新制裁決議など、この間の米日帝の動きは、すべて北朝鮮の体制転覆と侵略戦争に向かっています。それは中国や北朝鮮国境地帯をも一挙に激動にたたき込む大問題です。新疆ウイグル自治区での労働者人民の決起と、それへの血の大弾圧は、中国スターリン主義の体制的危機の爆発であり、今や中国も大激動に突入しつつあります。
 こうした中で、全世界の労働者階級は怒り、立ち上がっています。米UAW(全米自動車労組)中央の屈服に対し、労働者は「譲歩派を倒せ! 倒した時、初めて本当に変えることができる」と、新たな闘いを開始しています。韓国の双龍(サンヨン)自動車の労働者は工場を実力占拠し、資本と激突しています。国際階級闘争は、大恐慌下で全世界的なゼネストへと必ず発展します。日米韓を先頭に、労働者の国際的団結で、世界革命勝利の時代を今こそ切り開きましょう。

 道州制攻撃粉砕の決戦へ

 自民党は7・12投開票の東京都議会議員選挙で、歴史的大敗北を喫しました。麻生は断崖(だんがい)絶壁に追い詰められ、7・21衆院解散−8・30投票の総選挙スケジュールを絶望的に打ち出しました。小泉以降の安倍・福田・麻生の相次ぐ破綻と政権崩壊は、自民党支配とブルジョア議会制的支配の崩壊です。
 日帝・麻生は、大恐慌に直撃されて体制的危機を爆発させ、「骨太方針09」は「2011年度までに国・地方の基礎的財政収支を黒字化する」との目標を捨てました。社会保障制度解体への労働者の総反乱を恐れているのです。だが赤字放漫財政は、日帝の体制的大破綻に直結しています。
 こうした中で日本経団連会長・御手洗は、世界大恐慌の進展におびえながら、「不退転の決意で経済社会の構造改革を推進しなければならない」と叫び、道州制推進の「国民運動」、すなわち「国のかたちを変える」改憲攻撃そのものに踏み込んでいます。道州制・民営化で公務員労働者360万人をいったん全員解雇し、労働組合を解体し、戦争国家体制をつくろうとしているのです。4大産別決戦の爆発で道州制・民営化攻撃を粉砕する闘いがいよいよ決定的になってきました。
 都議選での大敗北が突き出した自民党支配の崩壊は、労働者階級にとってまさにプロレタリア革命の勝利が現実化するという決定的情勢の到来です。自民党支配の崩壊は、暴力行為等処罰法による国労5・27臨大闘争弾圧や法大弾圧などの理不尽な治安弾圧自体が、いったん決定的な危機に突入することです。「国策捜査」なども強行してきた最高検を始め、国家官僚機構は今や戦々恐々です。既成の敵権力の崩壊と破綻と分裂は、革命情勢の重大な要素です。ついに到来した大恐慌と自民党政治支配の崩壊を、日本革命勝利に転化するために、労働者階級が団結して総決起する時は今です。
 だからこそ4大産別が、いよいよ革命か反革命かを決する最大の決戦場となります。労働者階級は、帝国主義の最大の危機の情勢をとらえ、体制内のブルジョア政党=民主党への幻想など吹き飛ばして、今こそ道州制・民営化粉砕の大決戦に打って出ましょう。

 労働者の団結と決起こそ

 大敗した自民党は醜悪な分裂と抗争に突入しています。体制的危機にのたうつ日帝ブルジョアジーの中から右翼的ファシスト的な勢力が台頭し、資本主義・帝国主義を救済するために改憲を叫び、暴力的で強権的な執行権力の確立を求めて、反革命的突出を始めています。侵略戦争を美化し、改憲・核武装を絶叫する田母神反革命がその象徴です。しかしこのようなファシスト的極右勢力も、橋下・中田(横浜市長)・東国原など道州制推進の首長連合的策動も、労働者の階級的団結と決起の前には無力です。
 田母神反革命勢力が企画した7・13杉並講演会は、階級的労働運動の力強い集会、デモ、街宣に包囲・痛撃され、彼らは警察権力に守られてただうち震えているばかりでした。労働者階級が団結し決起すれば、恐れるものなど何もありません。内乱的激突の時代は大歓迎、望むところです。
 ついに到来した革命情勢に勝利できるか否かは、青年を先頭とした労働者階級の歴史選択と決起によって決せられます。国鉄1047名闘争で屈服・転向を深める4者4団体派、日本共産党スターリン主義、連合中央などの体制内勢力を打倒しのりこえて、革命勝利を切り開きましょう。何よりも国鉄1047名闘争を基軸とする4大産別決戦を革命戦略として明確にし、破竹の前進をかちとりましょう。
 国労5・27臨大闘争弾圧裁判の最終意見陳述−7・17国鉄闘争(一日行動)をかちとった力で、全国の闘う労働者は、直ちに11月労働者集会1万人大結集に向けた職場生産点からの闘いに突入しましょう。1047名解雇撤回闘争と法大闘争、そして国際連帯の歴史的前進の力で、絶対に勝利しましょう。
 そして、米帝オバマ賛美運動で反戦反核闘争と労働運動を解体する日共スターリン主義や連合中央の策動を粉砕し、8・6広島−8・9長崎闘争に全国から総決起しましょう。さらに11月労働者集会の直接的なスタートとなる8・15闘争を大成功させよう。
 そのためにも、革命党建設の新段階を開く革共同政治集会に大結集しよう。機関紙拡大と夏期一時金カンパ闘争を百パーセントやり抜こう。闘う青年労働者と学生は、マル青労同、マル学同に結集し、ともに闘うことを熱烈に訴えます。
(写真 田母神ぶっ飛ばせ 労働者集会後の怒りのデモ。沿道から学生・市民が合流【7月12日 東京・杉並】=記事4面)

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週刊『前進』(2400号1面2)(2009/07/20 )

 5・27裁判 JR東本社などに抗議

 最終意見陳述で1日行動

 国労5・27臨大闘争弾圧被告団は7月17日、東京地裁で最終意見陳述を勝利的に闘いぬいた。
 公判に先立ち、被告団を先頭とする国労共闘と動労千葉・動労総連合、労組交流センターなどの闘う労働者は、JR東日本本社(新宿)と鉄道運輸機構(横浜)に対する抗議行動を貫徹した。
 JR東日本本社抗議行動には100人が参加した。富田益行被告団長が「尼崎事故でのJR西日本社長・山崎の在宅起訴という事故責任開き直りは絶対に許せない。しかも山崎は経営陣に留まっている。尼崎事故、安全破壊の一切の根源は国鉄分割・民営化にある」と弾劾した。
 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「不当労働行為の限りを尽くし、信濃川水泥棒を居直るJR東日本の清野智社長ら経営陣を一人残らず監獄にぶち込め!」と弾劾した。
 横浜の鉄道運輸機構の弾劾行動には40人が参加した。国労小倉地区闘争団であり被告団の羽廣憲さんが、「今日の最終弁論で、国鉄決戦にわれわれが責任をとる立場をはっきりさせる」と決意を述べた。
 午後の公判後、文京区民センターで「国鉄闘争勝利総決起集会」が開かれ、被告団と動労千葉は国鉄闘争に責任をとりきる主流派として躍り出ることを断固、宣言した。
 5・27弾圧を粉砕してこそ、1047名解雇撤回闘争の勝利はかちとられる。この日の一日行動は、その圧倒的な展望を切り開くものとなった。
 (詳報次号)

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週刊『前進』(2400号1面3)(2009/07/20 )

前進速報版から 前進速報版から

▼7・17JR東日本本社などに抗議▼“部落解放の砦へ”全国連西郡支部が大会▼杉並で田母神講演と「つくる会」教科書粉砕行動

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週刊『前進』(2400号2面1)(2009/07/20 )

 JR西日本社長起訴

 尼崎事故を全面的に居直り労働者に責任転嫁するJR

 分割・民営化体制打倒へ闘う時だ

 7月8日、神戸地検はJR尼崎事故に関しJR西日本の山崎正夫社長を業務上過失致死傷罪で在宅起訴し、山崎は社長を辞任した。JR西日本は、山崎体制のもとで遺族との補償交渉を終わらせ、事故を労務支配の手段として使い切り、徹底的な合理化・外注化を強行しようとたくらんでいた。その思惑は完全に破産した。にもかかわらずJR西日本は、新たな体制のもとで大合理化を進めようと狙っている。だが、動労千葉派の闘いがこれに敢然と立ちはだかっている。JR体制下で最も犠牲が集中する青年労働者の怒りと結合し、矛盾を深めるJR体制を打倒しよう。
 (写真 尼崎事故4周年弾劾の現地デモ。650人が決起した【4月25日】)

 献花・立哨・唱和のさらなる強制叫ぶ

 05年4月25日に運転士・乗客107人を殺したJR尼崎事故の元凶は国鉄分割・民営化だ。JR西日本は、分割・民営化体制下で、「安全よりも営利優先」を露骨に貫いてきた。もうけを生まない安全部門は徹底的に削減し、「阪急・阪神などの私鉄に負けるな」「稼げ」を社是に、1秒の遅れも許さない強権的労務支配を行ってきた。事故やトラブルの責任は個人にあるとして懲罰的な「日勤教育」を繰り返した。その帰結が尼崎事故だったのだ。
 労組の団結を徹底して解体し、こうした体制をつくってきたのは、井手正敬を始めとした歴代のJR西日本幹部だ。だが今回、歴代幹部は山崎を除き不起訴となった。
 国鉄分割・民営化を強行し、規制緩和で安全無視のJRを生み出した政府もまた、尼崎事故を引き起こした張本人だ。国家権力に尼崎事故を裁く資格などまったくない。
 山崎1人の起訴と辞任で、尼崎事故問題を終わらせようというもくろみは断じて通用しない。
 JR西日本は96年12月、東西線の開通に伴い、事故現場の線路を半径600bから304bに付け替えた。この時の鉄道本部長が山崎だ。この急カーブには、ATS(自動列車停止装置)も設置されていなかった。
 山崎は検察の事情聴取に対し、「運転士が制限速度をはるかに超えてカーブに進入すると思わず、事故は予測できなかった」と主張し、起訴後も「どちらが正しいか裁判で決着をつける」とうそぶいている。事故の全責任を高見運転士に押しつけ、「日勤教育」による恫喝が運転士に無理な回復運転を強いたことも「関係ない」と居直っているのだ。ふざけるな!
 起訴後、山崎は社長を辞任したが、取締役には留まり、「社員の意識改革」を担当、今後も「現場を訪れて安全への取り組みを浸透」させるという。辞任を表明した記者会見で山崎は、「安全優先の企業風土づくりが道半ばであることは残念」と言い放った。「安全優先の企業風土づくり」と称して山崎らは、事故の責任をとことん現場労働者に押しつけ、犠牲者に対する献花・立哨・反省文の唱和に労働者を駆り立ててきた。山崎は、事故を逆手に取って労働者をがんじがらめにする攻撃を、これからも継続すると叫んでいる。
 後任の社長には、山崎の腹心の佐々木隆之が就任した。佐々木は、記者会見で「起訴に影響されずに、前向きに企業活動を推し進める」と豪語した。これは尼崎事故を全面的に居直り、さらなる合理化・外注化・非正規化を強行する宣言だ。大恐慌下で収益が1割近くも落ち込む中で、JR西日本は「安全よりも営利優先」を貫く新たな攻撃に出ようとしている。
 それによる矛盾は青年労働者に集中する。だが、絶対反対派を制圧できないまま、こうした攻撃に突き進むJRの施策は、JR体制の矛盾を深め、青年を始めとする労働者の反乱を引き起こさずにはおかない。
 折しも、国鉄分割・民営化以来の民営化攻撃に対する労働者の根底的な怒りが噴出する中で、麻生は衆院解散−総選挙へと追い込まれた。統治能力を失った支配階級は、かつてない大分裂を遂げている。労働者の怒りを「民主党政権樹立」に収束させようとする体制内指導部をぶち破り、職場から階級的労働運動の火柱を打ち立てるならば、JR体制を打倒することはできる。その絶好機が到来したのだ。

 動労千葉と被告団がJR追いつめた

 JR西日本も検察も国土交通省も、尼崎事故の責任を運転士だけに押しつけ、国鉄分割・民営化が元凶であることを全力で塗り隠そうとした。体制内労組指導部もそこに反動的に密集し、JR資本救済に躍起となった。JR連合・西労組やJR総連・西労、革同支配下の国労西日本本部は労使安全会議に参加し、会社防衛と事故隠しにひた走った。国労西日本本部の革同は、「日勤教育は必要」と叫びたて、資本の手先としての正体をあらわにした。尼崎事故の責任は、こうした体制内労働運動指導部にもある。
 他方、動労千葉・動労総連合と国労5・27臨大闘争弾圧被告団を先頭とする国労共闘は、事故直後から現地と自らの職場で会社を徹底弾劾する闘いを貫いてきた。動労千葉は反合理化・運転保安闘争の蓄積の上に、05年6月、処分覚悟で安全運転闘争を打ち抜いた。
 5・27被告団は、革同支配下の国労西日本本部の裏切りに抗して、事故弾劾の独自の闘いを重ねてきた。それは、「会社存亡の危機」を振りかざし、全社員に「謝罪せよ」と迫るJR資本と真正面から激突する熾烈(しれつ)な闘いだ。
 今年の4月25日、動労千葉と被告団は、「追悼一色」を打ち破り、尼崎現地に労働者の怒りと闘いの火柱を燃え立たせた。同時にこの闘いは、鉄建公団訴訟控訴審の3・25反動判決を弾劾し、1047名解雇撤回の原則を貫く新たな国鉄決戦を宣言するものとなった。全国から結集した650人の労働者とともに、第2次国鉄決戦の扉が大きく開かれたのだ。
 被告団を先頭とする関西の国労共闘は、「魔の急カーブ」の問題を徹底的に暴き、日勤教育や車両の軽量化、危険個所の放置などの問題と併せ、尼崎事故の原因を徹底糾明してJR資本を弾劾してきた。尼崎事故はJRが言う「予見不可能な事故」では断じてない。
 事故で虐殺された107人の遺族、負傷者の怒りもまた、絶対に収まるものではない。遺族の多くが今もJR西日本との和解を拒否している。遺族らは「山崎だけでなく井手ら歴代社長も同罪だ」とさらに怒りを強めている。

 JRの事故発生率は大手私鉄の11倍

 JR西日本だけでなくJR全社において事故が頻発している。07年の国土交通省の統計によれば、JRの事故発生率は私鉄の10〜11倍だ。列車走行100万`あたりの輸送障害事故の発生率は、大手私鉄15社平均の0・15件に対し、JR東日本は1・70件、JR西日本は1・54件となっている。
 国鉄分割・民営化以降、規制緩和により車両やレールの検査周期は延伸され、保守部門の外注化がとことんまで強行された。技術継承は断絶され、安全は構造的に崩壊しているのだ。
 JR東日本の「ライフサイクル深度化」の攻撃はその典型だ。JR東日本は、専門技術と経験を要する駅の輸送係の育成を怠ってきた。その結果、輸送係が要員不足になると、40歳以下の運転士をたらい回ししてのりきろうとした。しかし、短期の机上研修だけで、実地訓練もなしに配置したため、事故が多発している。青年運転士の怒りは沸騰し、動労千葉へ次々と加入している。
 最も犠牲が集中しているのが青年労働者だ。リストカットや職場での自殺(抗議だ!)が相次いでいる。正社員、契約社員、派遣の格差と差別も極限まできている。
 JR東日本は、90年以来続けてきた信濃川不正取水事件を、社長らの俸給カットで済ませ、全社員に「謝罪」を強いている。動労千葉の09春闘ストに対し、「会社が社会的批判を浴びている時だからやめよ」と圧力をかけた。西日本でも東日本でもJRは、国労バッジ着用を口実に重処分を強行している。こうしたJR体制への労働者の怒りは煮えたぎりつつある。
 動労千葉と5・27被告団は、JR資本と非妥協的に闘っている。被告団は7・17最終意見陳述公判を勝利的に闘いぬき、JR東日本本社と鉄道運輸機構への弾劾闘争を貫徹した。JR資本を追いつめるこうした闘いの中にこそ、1047名解雇撤回闘争の展望もある。ともに闘い勝利しよう。

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週刊『前進』(2400号2面2)(2009/07/20 )

 動労水戸に新たに加盟

 JR資本と組織攻防戦 不当配転に怒り決起

 7月15日、動労水戸に新たに1人の組合員が加入した。これは今も獄中にいる法大をはじめ8人の学生の不屈の闘いと固く団結して切り開かれた決定的な勝利である。
 年齢は40歳代なかば、国鉄採用で、多くの動労水戸組合員と同じように国鉄分割・民営化攻撃の荒波をおし渡ってきた筋金入りの労働者だ。しかし会社は、こうした経験も知識も深い労働者をいとも簡単に、まったく経験のない業務に担務替えした。そのあげくにこの7月、これまでの経験とはまったく関係のない遠隔地へ配転を命じたのだ。いったい労働者を何だと思っているのか!
 誇り高き労働者を、まるで将棋の駒のようにはじき飛ばすJR会社の攻撃に対して、労働者の根底的な怒りが爆発した。それが動労水戸への加入を選択するという形で結実したのである。
 また今回の決起は、運転士登用差別事件での中労委命令(13人の動労水戸組合員に対する20年以上にわたる組合差別の不当労働行為を認め、運転士への登用をJR東日本に命令した)の履行をめぐって、最高裁で敗訴してもなお不当労働行為を認めないJR資本との激烈な組織攻防戦の渦中でかちとられた勝利だ。
 この夏、動労水戸は、勝利への確信も新たに組織拡大への最大の闘いに突入する。
 (投稿・D)
(写真 新宿のJR東日本本社を弾劾【6月】)

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週刊『前進』(2400号2面3)(2009/07/20 )

 ”スト絶滅し会社守る”と叫ぶ

 JP労組中央本部は総退陣だ

 JP労組中央は、春闘から6月定期大会をとおして「スト絶滅」宣言を出し、「企業の成長」「生産性向上」を組合の第一義方針とし、組合方針として「他社との競争に勝ち抜く」立場を公然と打ち出した。「労働組合」の名のもとに、労働組合の運動と組織全体を資本の労務担当部に変質させる方針だ。
 また大会で中央本部は、連合会長・高木とともに「組合員の総力で、一切の活動を政治決戦へ」と呼号し、「民主党政権の誕生」に当面の組織活動のすべてを投入する方針を打ち出した。
 彼らがめざしているのは、「新政権」と結託した新たな帝国主義的労働運動の担い手になることだ。このかんのJPEX計画に関連して、輸送部門で働く非正規職の青年労働者が大量解雇された問題で、組合中央が会社と結託していた事実に彼らの反動的意図はむき出しになっている。
 民主党本体も、総選挙を目前に、早くも”大資本を守る政党”としての立場を表明、日本経団連との具体的な政策協議も始めている。経団連の政策要求は、@社会保障制度改革(社会保障予算削減および医療民営化など)、A消費税率を現行の5%から「18%程度」まで上げる、B道州制基本法の制定、C労働力の流動化(派遣労働などをさらに促進)、D9条改憲への合意形成などだ。
 会長・御手洗の6日の記者会見では、「究極の構造改革」と位置づける「道州制の基本法制定」を民主党の政権公約にせよと強調した。大恐慌下で、金融資本と独占体の支配を守ることを政策の柱に据え、労働者階級への徹底的な犠牲転嫁、労働組合の解体を確約せよとの要求だ。そして一方で、帝国主義国家としての軍事外交政策と改憲だ。〈内への階級戦争と外への侵略戦争〉の2本柱の確約を迫ったのである。経団連はそのために、民主党への政治献金の大増額も決めた。
 民主党は、これらの日帝ブルジョアジーの露骨な要求をどれ一つ否定せず、基本的に「時期の問題」として扱っている。
 しかし決定的な問題は、自民党支配の崩壊が、日帝の戦後的階級支配の全面的な崩壊であることだ。本質は労働者人民の反乱なのだ。新政権は「連立」による紆余(うよ)曲折という次元を超えて根底から揺さぶられる。そして大恐慌と保護主義化、その世界戦争への転化という世界的激動の中で、階級情勢そのものが文字どおりの革命的情勢のただ中に突入していくのである。
 民主党の本質は”資本を守る政党”である。しかし戦後的な階級支配が崩壊して権力を引き継ぐ「新政権」は、軍事外交政策や経済政策に止まらず、治安政策やイデオロギー政策、何よりも階級支配の根幹にかかわる労働者支配政策において、自民党を超えるものなど何一つないのだ。新政権は〈民営化と労組破壊、改憲と侵略戦争〉の道を転げ落ちる以外にいかなる選択の余地もないが、それ自体が階級支配の全面的な瓦解をもたらさずにはおかない。つまり、わが4大産別決戦―階級的労働運動の全面的な爆発を実現しうる決定的情勢の到来なのである。
 JP労組中央は「権力政党」たる民主党の権力基盤となることで、労働貴族の地位にしがみつこうとしている。しかし圧倒的な現場組合員の怒りがそれを許さないだろう。腐った中央本部を打倒し、労働組合を現場の手に取り戻す闘いは、もはや死活問題なのだ。
 日逓中野の青年労働者の大量解雇を見よ! 年収が本務者の3分の1以下という残酷な労働条件を強いられ、”首切り自由化”要員とされた非正規職が職場の半数を超える事態を容認してきたのはJP労組中央ではないか! 中央本部と本部派執行部を倒せ! 労働組合を現場労働者の手に取り戻し、真に闘う労働者階級の党を建設しよう!

 JPEX問題で職場の声 ”つぶれる会社に出向か!”

 JPEX出向計画に不信を表明している東京A局の多くの現場組合員の声を紹介します。
     ◇
 「出向条件で、会社のただ一つの”売り”は、現在の賃金を2年間保証することだけ。JPEXは、原給保証がなければ食っていけない会社だ。2年後はどうなる? 2年で出向から戻れるなんてウソでしょう。民間では出向は首切りの片道キップと言われている」
 「JPEXでは、本務者と非正規職の比率が2対8になる。8割が年間賃金250万円以下だ。JPEXは『社会悪』の会社になってしまう」
 「病気休暇もない。労働条件は最悪。会社は『他社と競争だから宅配便なみの労働条件でガマンしろ』と言う。配達先で会う宅配便労働者はセブンイレブン(朝7時〜夜11時)労働で、3度のメシも車の中。彼らの平均勤続年数は7年。会社は退職金を払ったことがないと言われている。ほとんどが10代から20代の若手で、しょっちゅう入れ替わる」
 「10代、20代の若さでも働き続けられない職場だ。JPEXのねらいは『2年間』の出向中に、とんでもない労働条件ですりつぶして退職させることではないか」
 「配達も集荷も、通常郵便・書留と小包を一緒だから採算がとれた。小包がない郵便現場で何が起こるか明らかだ」
 「JPEXは開業前から大口の荷主が逃げている。業界ではJPEXは失敗だと言われている。つぶれる会社に俺たちを行かせるつもりか?」
 「こんなJPEX計画に組合執行部は賛成したのか? やつらは俺たちの払った組合費で食っているんだぞ。勝手に決められてたまるか」

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週刊『前進』(2400号2面4)(2009/07/20 )

 青年労働者の大結集へ圧倒的な資金カンパを

 労働者のみなさん!
 『前進』読者のみなさん! みなさんから寄せられる資金カンパが、確実に青年労働者・学生を革命的共産主義運動―革共同に獲得する具体的な原動力になる情勢が訪れています。
 6・14〜15中央政治闘争に大勝利した地平は、動労千葉の青年部建設をめざす闘いをはじめとする4大産別の職場生産点での「組織、組織、組織」の闘いを大きく前進させています。また、法政大学での暴処法弾圧をはね飛ばす法大生を先頭とする学生たちの不屈の闘いは、70年安保・沖縄闘争をはるかに超える学生運動の爆発がついに始まったことを確信させてくれました。
 資本主義の最期の日々を迎えた世界経済の破綻は、まさしく史上類例のない世界大恐慌への突入です。帝国主義ブルジョアジーは、この時代の階級的意味をまともに見すえることさえできず、「景気の底入れ」を弱々しく呟(つぶや)くことでみずからを慰めているありさまです。
 私たちは労働者階級の名において宣言しよう! 米GMの破綻は300年にわたって労働者階級を搾取し、抑圧してきた資本主義の歴史的敗北を象徴する事態です。ソ連崩壊によるスターリン主義の歴史的敗北に続き、とうとう資本主義体制はここに終焉(しゅうえん)を迎えつつあるのです。労働者階級がいかに闘い、いかに生きていくのかが鋭く問われる時代が到来したのです。
 世界大恐慌情勢は、同時に保護主義と排外主義が吹き荒れる戦争情勢であり、したがって革命情勢です。世界中いたるところで革命と反革命の激突が始まっています。
 闘いの成否を決める核心問題は、青年労働者・学生を誰が獲得するのかです。崩壊の坂道を転げ落ちる資本主義体制を護持することで戦争への道に引きずり込まれるのか、それとも閉塞(へいそく)を突破するかのような言辞を弄しながら、結局は侵略戦争に突入することを狙っている右翼ファシストの跳梁を許すのか。
 それとも労働者階級の国際連帯=団結を基盤とした闘いを貫徹することで、労働者階級が主人公となる新しい社会への根本的変革=プロレタリア革命の勝利の道をつかむのか。
 まさに歴史の分水嶺が今訪れているのです。革共同が本物の労働者党=革命党として前進していくことが、この情勢に対する最大の階級的回答です。
 わが革共同への夏期一時金の圧倒的カンパを訴えます。

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週刊『前進』(2400号3面1)(2009/07/20 )

 侵略翼賛に大転落 日教組本部打倒を

 道州制・民営化絶対反対貫き 8・6ヒロシマに決起しよう

 革共同教育労働者委員会

 7月6日から行われた日教組全国大会は、日教組本部が30万組合員を侵略翼賛運動に引きずり込もうという歴史を画する転向大会となった。そして今年の8・6ヒロシマ反戦反核闘争は、反戦反核闘争つぶし、日教組・自治労絶滅攻撃との大激突の中で闘われる。現場で激突が始まっている道州制攻撃と闘いぬいて8・6に結集し、11月労働者集会に突き進もう。
 (写真 ロサンゼルス統一教組のアーリーン・イノウエさんや全国の「君が代」不起立被処分者が先頭に立った08年の8・6ヒロシマ大行動のデモ)

 8・6―11月労働者集会1万人結集へ突き進もう

 世界大恐慌が果てしなく進行し、全世界で大失業攻撃が吹き荒れ、保護主義が新たな世界戦争の危機を引き寄せている。
 政権崩壊の危機に直面する麻生政権は、衆院解散―総選挙を決定し、政治支配体制は大流動・再編過程に突入した。
 こうした中で教育労働運動は今、道州制・民営化阻止の4大産別決戦の最先端の闘いとなっている。日本経団連・御手洗が道州制実現の「国民運動」を提唱したことは、すべての労働者、とりわけ教育労働者に対する決定的な攻撃だ。
 1980年代の国鉄分割・民営化攻撃では、マスコミ総動員で「ヤミ手当・カラ出張」「国鉄労働者は国鉄赤字を生み出した国賊」と大宣伝された。支配階級は今、それと同様に「公務員イコール国賊」と大宣伝して、日教組と自治労を完全解体しようとしている。
 道州制導入による公務員360万人首切りの最大のターゲットは、教育労働者だ。関西経済同友会の提言では、公立学校は一律に公設民営化、教育労働者全員を非公務員化すると宣言している。教育労働者こそ、道州制阻止の最先頭で闘おう。
 戦争か革命か――時代の行方を決するのは、労働組合をめぐる攻防だ。連合や日本共産党は「労使共同宣言」「北朝鮮制裁決議」などをとおして労働者階級を資本主義救済運動、侵略翼賛運動に引きずりこもうとしている。「絶対反対」を貫いて闘い、体制内労組幹部と激突して階級的団結を拡大していくことだけが、恐慌と戦争の時代に通用する闘いだ。
 今年の8・6ヒロシマは大決戦だ。既成原水禁運動指導部はヒロシマを「オバマ賛美」で染め上げようとしている。他方、田母神ら極右ファシストが広島に乗り込み、日教組つぶしの最先兵となろうとしている。
 「オバマも麻生も倒せ! 北朝鮮侵略戦争阻止!」を掲げ、動労千葉派が主流派として登場し、ヒロシマ圧殺攻撃をぶっ飛ばそう。4大産別決戦と、動労千葉・米ILWU(国際港湾倉庫労働組合)・韓国民主労総ソウル本部を中心とする国際連帯の力で、核と戦争を阻む新たな反戦反核闘争をつくり出そう。
 職場の怒りを結集し、8・6に教育労働者の大隊列を登場させ、11月労働者集会1万人結集への進撃を開始しよう。

 青年の怒りと結びついて教育の民営化と対決を

 国鉄1047名闘争=第2次国鉄決戦を先頭にした4大産別決戦と、新自由主義大学を打ち破る法大決戦が、日本階級闘争の最先端で大きな勝利を切り開いている。この勝利の上に今、道州制・民営化攻撃との決戦が大攻防になっている。
 戦争・改憲、民営化・労組破壊攻撃が教育現場を襲っている。教育の民営化、非正規化攻撃は、すでに激しく進行している。正規教員の非常勤・常勤講師への置き換えが進み、教員志望者の多くが「○○指導員・支援員」といった名称で非正規雇用やボランティアとされている。
 採用試験に合格したとしても、校内60日・校外30日間の研修を受けながら「仕事は一人前にこなせ」という過酷な試練が待ち受けている。連日深夜までの残業、休日出勤も当たり前だ。07年度の新規採用者のうち全国301人、東京では54人が退職・免職となっており、管理職のパワハラで自殺に追い込まれる青年があとを絶たない。
 教員免許更新制により、本採用されても10年の有期雇用だ。10年ごとの更新講習で修了認定が得られなければ教員免許状は失効し、自動的に失職する。誰も首切り責任を取らない、教育労働者版の「国鉄改革法23条」というべき仕組みだ。
 免許が更新されたら10年間は身分が保障されるわけでもない。「指導改善研修―分限免職」制度で、いつ「指導力不足」の烙印(らくいん)を押されて首を切られるかわからない。国家公務員では、人事評価が「D」とされた職員を「勤務実績不良」で分限免職するシステムが動き出している。「評価制度―査定昇給」で職場の団結と協働を解体し、主幹教諭や指導教諭など「新職=新級」設置で上命下達体制をつくり出し、クビの恐怖で教育労働者を服従させようというのだ。
 支配階級が欲しているのは、競争と選別の教育によって「ワーキングプアも失業も受け入れる」従順な労働力を養成することだ。そして、改悪教基法を受けて新指導要領総則に盛り込まれた「国を愛し、国際平和に貢献する日本人」を育成することだ。文科省は、教科書会社に改悪教基法の教育目標に対応した愛国教材を盛り込ませ、「つくる会」歴史教科書・公民教科書だけでなく、全教科で愛国心教育を強制しようとしている。すでに今年4月の北朝鮮「ミサイル」発射をめぐって有事体制が発動され、教育労働者は「非常参集・避難誘導」に動員された。
 労働者階級を食わせていけない、戦争なしに生き延びられない帝国主義を打倒するために労働者階級の最先頭で闘うことこそ、教育労働者の自己解放の道だ。今こそ、労働組合が社会を根本的に変革する主体として登場すべき時なのだ。

 「教え子を戦場に送る」道に転落した日教組本部

 日教組本部は、7月6〜8日の第97回定期全国大会をもって、改悪教基法―教育3法をそっくり受け入れ、日教組運動を「教え子を戦場に送る」侵略翼賛運動に引きずり込もうとしている。
 大会スローガンのトップに掲げられた「参加・提言・改革を実効あるものに」とは、日教組運動を、国家・資本の要求を代弁する政策提言運動に変質させることだ。
 本部は世界大恐慌を直視せず、問題を「子どもの貧困」に切り縮めている。教育労働者の大量首切りとの闘いを一切放棄し、連合の「日本版グリーンニューディール」の一環としての教育投資要求と「子ども救援カンパ」にのめり込んでいる。「日の丸・君が代」強制を始め、「愛国心教育」との闘いをまったく放棄し、連合・原水禁の「オバマ礼賛」=「北朝鮮制裁」運動に組合員を駆り出そうとしている。
 これらはみな、道州制・教育の民営化攻撃に沈黙し、その先取りを自ら推進するものだ。教育現場に激増する非正規労働者の「待遇改善」は求めても、正規化は絶対に求めない。免許更新制には「現場が混乱しないように取り組む」と言い、職場の怒りを圧殺して制度を定着させることに腐心し、「新職への新級創設」を掲げ、差別賃金を自ら要求している。
 国鉄分割・民営化攻撃は、労働組合に「首切り3本柱(退職制度改悪と一時帰休、出向)」を認めさせることから始まった。そして「一人の首切りも許さない」という労働組合の原則を放棄した労働組合は、首切りの先兵に成り果てた。日教組第97回大会運動方針はまさに、道州制・日教組解体攻撃に震えがった本部の、支配階級に対する転向誓約書なのだ。

 不起立を軸に職場に団結を

 日教組本部が「参加・提言・改革」をまたぞろ掲げているのは、民主党への政権交代によりそれが「実効ある」ものとなるという幻想を振りまくためだけではない。
 「君が代」不起立闘争が原動力となって、教基法改悪阻止闘争が大きく高揚し、沖縄の教科書闘争や北教組の査定給反対ストなど、日教組傘下で文科省との「パートナー路線」をぶっ飛ばす闘いが始まったからだ。
 08年春の日教組全国教研で全体会場の契約が取り消されたことや、同年9月の元国土交通相・中山成彬の「日教組解体」発言は、こうした動きに驚愕(きょうがく)した支配階級の日教組本部への恫喝だった。
 この恫喝に完全に屈服し、「日の丸・君が代」不起立闘争への弾圧に自ら乗り出したのが日教組本部だ。今年2月の全国教研では、昨年に続いて東京の「日の丸・君が代」レポートを排除したばかりか、会場前に機動隊を導入し、不起立で闘う組合員を排除した。日教組本部は、一切闘わないだけでなく、今や闘う組合員を国家権力に売り渡す存在に成り果てた。
 だが、機動隊の壁と対峙して日教組本部を弾劾しぬいた青年労働者の姿は、本部を打倒し、30万組合員の怒りを解き放つ、新たな階級の指導部の登場を告げ知らせた。
 東京の教育労働者は03年「10・23都教委通達」以来6年にわたって、累計423人の処分をのりこえて不起立闘争を不屈に継続している。今春も、累積加重による懲戒免職も、08年7月に策定された「分限対応指針」による分限免職も阻み、団結の力で首切り攻撃を打ち破る闘いとして発展している。闘いは海を越え、アメリカの校内募兵反対闘争と結び付き、教育の民営化・学校の軍事化と闘う国際連帯をつくり出している。

 第2・第3の動労千葉を教労戦線につくり出そう

 「日の丸・君が代」不起立闘争は今、何よりも青年教育労働者の怒りと結合し、日教組本部打倒の力となって成長しつつある。青年労働者は今、闘わない組合幹部に不信を募らせる一方、処分を辞さずに正義を貫く不起立闘争に、真の団結と、あるべき労働組合の姿を見出している。
 恐慌と戦争の時代を迎え、「日の丸・君が代」闘争が真価を発揮するのはこれからだ。不起立闘争を軸に職場の団結と闘いをつくり出し、組合権力の奪取へ前進しよう。教労戦線に「第2・第3の動労千葉」をつくり出し、道州制・教育の民営化攻撃を迎え撃とう。
 すべての闘う教育労働者、とりわけ青年労働者のみなさん!
 不起立を闘う現場組合員が呼びかける8・5教育労働者交流集会に結集し、恐慌と戦争の時代に立ち向かう階級的労働運動をともにつくり出そう。連合・原水禁の侵略翼賛運動と決別して、「8・6ヒロシマ大行動」に全国から総力で結集しよう。
 そしてその力で、11月労働者集会を大恐慌を革命に転化する歴史的な大闘争としてかちとろう。

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週刊『前進』(2400号3面2)(2009/07/20 )

 大阪・中之島 7・29青年労働者集会へ

 “道州制絶対反対”で団結を

 7月29日、大阪で「道州制絶対反対!! 青年労働者集会」が開催されます。同集会実行委員会が発した呼びかけ文を紹介します。断固、結集しよう。(編集局)
●資本主義の終わりがやってきた!
 大恐慌への突入により、労働者への膨大な首切りと賃下げ攻撃がかけられています。GMなど、この社会の基幹をなしてきた企業が次々とつぶれ、資本主義始まって以来の大崩壊が始まったのです。
 怒りの声は満ち、だれもが心の底で「生きさせろ!」「ゼネストが必要だ」と叫んでいます。「もう資本主義では労働者は生きていけない」=革命の時代が始まったのです。
●道州制絶対反対の大反乱を始めよう!
 そして今、橋下が「関西州」=「道州制」を叫んでいます。行き詰まった資本家が最後に見いだした延命策こそ「道州制」です。
 財界首脳が「道州制」で狙っていることは、第一に公務員360万人を一旦全員解雇することです。「新たな道州政府には、国家に忠実な公僕、半分の人員で倍の仕事を引き受ける者だけを採用する」と公言しています。そしてその過程で国家のあり方をひっくり返し、医療・福祉・教育などすべてを民営化して、資本の金もうけの道具にしていこうとしています。
 この攻撃の最大の核心は、「血の入れかえ」を行い、自治体労働者の労働組合を徹底的に破壊することです。今以上の大失業・低賃金にたたき込み、「生きさせろ」と言う労働者の反乱をたたきつぶし、資本主義が生き残ろうということです。
 こんな道州制は、資本主義もろとも私たちの手でぶっつぶそう!
●勝てる方針は国鉄決戦の中に示されている
 これは、国の総力をあげて20万人のクビを切り、労働組合をたたきつぶそうとした国鉄分割・民営化の全社会化です。重要なのは、国鉄分割・民営化攻撃に労働者は勝っているということです。労組執行部が次々裏切る中、国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は唯一、ストライキで闘い抜き、それに続いて1047名が不屈の解雇撤回闘争を現在に至るまで続けています。労働組合破壊の攻撃は、現場から闘いが起きた瞬間にふきとばせるのです。
●道州制を推進する連合・全労連本部打倒!
 許しがたいことに、連合・全労連指導部は今まさに道州制の推進者として登場しています。
 自治労本部は、全国1000の公立病院の民営化絶対反対の闘いを敵視し、統廃合・民営化を組合から提案する『公立病院改革取組み指針』を出して現場の闘いをたたきつぶそうとしています。
 さらに5月19日に出された『地方公務員の標準的給与のあり方について』なる文書では、賃金を現在より約2割カットした「最低限の給料表」を自ら提案しようとしています。これが労働組合のすることか! 全労連も同じです。「住民に迷惑がおよぶ」「当局との交渉テーブルが壊れる」として職場の実力闘争やストライキを圧殺し、「ボス交」や選挙にねじまげようとするのです。
●自治体労働者の決起は開始された!
 この自治労本部に自分が取って代わる!そういう決意で豊中市職女性部が「3・6道州制粉砕集会」を打ち抜き、東京では自治体の青年労働者を先頭に「5・9全都労働者総決起集会」が勝ちとられています。自治体労働者の決起は始まった!
●労働組合を甦らせよう! 現場労働者の手で連合・全労連本部を打倒しよう!
 これをつぶそうとうごめいているのが自治労本部です。こんなものはもはや労働組合でもなんでもない!
 腐り果てた資本主義にとって代わるのは団結した労働者の力です。しかし、その最大の団結破壊者こそ連合・全労連指導部、そして自治労本部です。
 腐った労働組合幹部を打倒し、自分たちがとって代わろう! 現場労働者の手でストライキをやろう! 青年労働者がその先頭に立とう。

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週刊『前進』(2400号3面3)(2009/07/20 )

 日程 道州制絶対反対!!青年労働者集会

 すべての労働者はひとつに団結して闘おう!!
 道州制絶対反対!!青年労働者集会
 ★ストライキで闘おう!
 ★民営化・賃金2割カットを推進する自治労本部打倒!
 ★道州制の手先、橋下打倒!
 ★非正規職撤廃! 国鉄1047名解雇撤回!
 7月29日(水)午後6時30分〜
 大阪・中之島中央公会堂大会議室(地下鉄・京阪淀屋橋駅下車すぐ)
 主催 7・29青年労働者集会実行委員会

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週刊『前進』(2400号3面4)(2009/07/20 )

 権力の強制執行許すな

 韓国・双龍自動車工場占拠スト 「決死抗戦」労組が声明

 整理解雇撤回求めスト続行

 韓国・民主労総の金属労組双龍(サンヨン)自動車支部が整理解雇撤回を求めて工場占拠ストライキを続ける平沢(ピョンテク)工場に対する強制執行攻撃が切迫している。裁判所の命令では、いつでも強制退去を執行できる手続きが完了している。サンヨン自動車支部執行部15人には逮捕令状が出ている。
 サンヨン自動車側の告訴・告発によって金属労組役員24人と民主労総地域専従を含んだ政治社会団体活動家38人など総数62人に対する司法処理が進んでいる。保守言論も「外部勢力」介入に責任を転嫁して卑劣なキャンペーンを展開している。
 7月11日には警察が平沢工場の四つの門を確保。正門前に労組が設置していたコンテナを会社側が用意したフォークリフトで撤去した際、組合員2人が検挙された。警察部隊200人が工場内に侵入した。労組員1000人は6月27日以来、工場内の塗装工場を砦として立てこもっている。
 5月22日以来の工場占拠ストは7月10日、50日を迎えた。労組が占拠している塗装工場には大量の引火物質があり、これが爆発したら、半径1〜2`メートルが火の海になると予想されている。
 サンヨン自動車支部は11日、緊急声明を発し、「引くところも、押し出されるところもない労働者たちにとって塗装工場は最後の砦であり、決死抗戦の戦場、墓場だ」との壮絶な決意を明らかにした。そして「15万金属労組の力が必要だ。公権力投入時のゼネスト実践闘争を宣言する必要がある」と金属労組15万人の組合員に呼びかけた。
 「公権力投入を直ちに撤収し、公的資金投入で自動車を生かせ!」で始まる緊急声明は、次のように言う。「”一緒に生きよう”という労働組合の主張に対し、”お前らだけ死になさい”という公権力投入で合意した資本と政府の今日の決定は結局、”第2の龍山(ヨンサン)惨劇をつくる”ということならば、そのようにしろ! しかし、それに伴うすべての責任は使用者側と政府にある」「占拠ストライキ51日目、塗装工場を占拠するほかはなかった理由はこれ以上引くところがなかったためだ」「公権力によって私たちの戦いが終わることは絶対にない。サンヨン自動車支部は私たちと子どもと家族の人生を守るための正当な戦いが公権力によって踏みにじられるとしても、最後の一人が残る瞬間まで決死抗戦で対抗することを明確にする」
(写真 平沢工場の四つの門を警察が封鎖し、強制執行が緊迫している! 後方は労組が籠城している塗装工場)

 新自由主義と闘う最前線

 金属労組はサンヨン自動車闘争勝利のために15〜16日全組織拡大幹部ストライキと上京闘争を展開する方針を決めた。15日にはソウルと首都圏・忠清(チュンチョン)圏が、16日には湖南(ホナム)と嶺南(ヨンナム)地域金属労働者らがサンヨン自動車闘争に立つ。
 サンヨン闘争は、新自由主義と闘う全世界の労働者の闘いそのものだ。彼らの砦=塗装工場は世界につながっている。イミョンバク政権と資本はサンヨン闘争をつぶし、金属労組をつぶし、民主労総を解体しようと狙っている。サンヨンで勝つことは、労働者階級の歴史的勝利に直結しているのだ。サンヨン闘争に階級的連帯を!

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週刊『前進』(2400号4面1)(2009/07/20 )

 東京・杉並 田母神講演会ぶっ飛ばせ

 青年を先頭に集会とデモ

 田母神講演会粉砕・「つくる会」教科書採択反対労働者集会が7月12日、杉並・産業商工会館で開かれた。160人が集まった。
 この日は都議選の投票日だ。参加者は集会後、阿佐ケ谷駅までの戦闘的デモを闘い、選挙情勢を吹っ飛ばす解放的な闘いを終日貫徹した。
 司会は、東京西部ユニオン青年部が務めた。
(写真 杉並区議の北島邦彦さんが、山田宏杉並区長の「杉並丸ごと民営化」と闘ってきた立場から基調報告。新たな戦闘宣言を発した【7月12日 杉並】)

 道州制と対決

 まず、北島邦彦杉並区議が基調を提起。北島さんは、大恐慌が戦争に進む中、労働組合・労働者階級がいかに生きぬくかが問われているとし、労働者階級の国際的団結、階級的団結こそが保護主義・排外主義攻撃をうち破り、社会の根本的変革=革命の勝利の道を開くと提起した。そして「日帝の危機のもとでうち出された道州制推進『国民運動』や、大阪府知事・橋下や横浜市長・中田らの首長連合に杉並区長・山田が名乗りをあげて道州制攻撃の突撃隊となっている」と山田区長を徹底弾劾し、「山田の杉並丸ごと民営化絶対反対」を掲げて闘ってきた立場から戦闘宣言を発した。
 「日本は侵略国家ではない」と公言し、「つくる会」同様の歴史観で北朝鮮侵略戦争を挑発して回っている田母神俊雄・前航空幕僚長と真っ向から対決する元自衛官の労働者、「つくる会」教科書採択に反対する・杉並親の会の仲間が、決意を熱く語り、教育現場で闘う仲間の報告が続いた。解雇撤回闘争を闘う日逓・中野の青年は「職場で非和解的に闘う中に仲間を組織する展望がある」と報告した。
 東京西部ユニオンからは、十数人の分会結成が報告された。「『一匹狼』として資本と闘ってきたが『団結した狼』になった。労働者が階級的に団結する中に一切の展望がある」という感動的な報告だった。
 集会後、150人のデモが杉並区役所前から阿佐ケ谷駅に向けて出発。「田母神粉砕」「『つくる会』教科書粉砕」「道州制・民営化絶対反対」のコールは圧倒的注目を浴び、沿道から学生や市民が合流した。
(写真 田母神講演会粉砕・「つくる会」教科書採択阻止を掲げ杉並区役所前から阿佐ケ谷駅へデモ)

 阿佐ケ谷街宣

 デモ終了後、50人で阿佐ケ谷駅南口と北口で大街宣へ。
 妨害に現れた警視庁公安刑事に対し、北島議員を先頭に激しく弾劾と抗議をたたきつけ、駅前は騒然となった。「公安デカは街宣への弾圧をするな!」とシュプレヒコールをたたきつけ、公安デカの妨害を粉砕して街宣を貫徹した。
 圧倒的勝利感で闘い抜き、翌日の「田母神講演会」粉砕行動への総決起を誓い合った。 
 (杉並IM)

 “「つくる会」許さぬ” 荻窪で大街宣 意気消沈の反動派圧倒

 「核武装を公然と叫んで北朝鮮侵略戦争をあおるファシスト田母神が杉並公会堂で講演会を開くことなど絶対に許せない!」
 前日の集会・デモの高揚を引き継いで7月13日、講演会場直近の荻窪駅北口で、午後3時から7時までの4時間、のべ50人の仲間が田母神講演会を直撃する大街宣に決起し、田母神講演会粉砕・「つくる会」教科書の採択阻止を訴えた。
 ファシストどもの跳梁(ちょうりょう)とデマ宣伝をぶっ飛ばし、改憲・戦争を絶対に阻止するぞ、という労働者の怒りと決意が駅頭一体を覆いつくした。
 都政を革新する会の北島区議がマイクを握り、「田母神は、今日の杉並での講演に続いて、8・6ヒロシマで講演しようとしている。反戦・反核闘争の解体をもくろむ攻撃を労働者の団結で止めよう」と訴えた。
 東京西部ユニオン青年部を始め、駆けつけた労働者も次々と訴えた。前日に開かれた部落解放同盟全国連合会西郡支部大会に参加した全国連杉並支部、午前中に国会で臓器移植法改悪案の強行採決弾劾行動を闘いぬいた関東障害者解放委員会、沖縄民権の会なども合流した。
 田母神講演を弾劾するビラ1千枚、7・18反戦反核東京集会のビラ500枚をまき、「つくる会」教科書採択阻止署名は150筆に達した。
 会場に向かう「つくる会」区議は、街宣隊の間を意気消沈して歩き、マイクの前を避けてこそこそと消え去った。
 また、「つくる会」テレビ局であるチャンネル桜がビデオで撮影に来たが、街宣隊に「街宣の妨害は許さない!」と一喝された。この男は「田母神閣下」という言辞を吐いた。
 「つくる会」は、自衛隊を辞めさせられた田母神を持ち上げ、北朝鮮への侵略戦争挑発をくり返している。ビラを破り捨てていく人もいたが、ほんの一握りだ。田母神講演会の会場である杉並公会堂前は、機動隊の装甲車を始め、約10台の警察車両で守られていた。「つくる会」と田母神は、労働者の怒りで追いつめられ、警察に守られないと講演会すらできない状態だ。
 労働者の怒りはこんなもんじゃない。この怒りを組織し、「つくる会」教科書採択阻止、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキを闘おう!
  (東京西部IN)
(写真 会場直近の駅頭を制圧し、4時間、のべ50人参加の大街宣で反動派を圧倒【7月13日 荻窪駅北口】)

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週刊『前進』(2400号4面2)(2009/07/20 )

 “田母神は来るな”

 ヒロシマの怒り解き放つ

 広島の闘う仲間は、東京・杉並での田母神講演会粉砕の闘いと固く連帯して7月11日、12日の両日、「田母神来広弾劾」の街頭行動に立ち上がった。
 11日には、選挙運動と称して北朝鮮への侵略戦争を扇動する「幸福実現党」のデマ・キャンペン−ンを粉砕し圧倒的な街宣を貫徹。
 12日には被爆64周年8・6ヒロシマ大行動実行委員会のメンバー15人が結集し、街を席巻する大街頭宣伝を行った。中には、直前に平和公園で知り合い、参加した被爆2世の労働者もいた。
 実行委員会に結集する労働者と学生は「ファシスト田母神は来るな!」「核武装発言を許さない」「北朝鮮への空自機での攻撃を扇動する田母神は戦争放火者だ」とアピール、休日の繁華街に響き渡った。すべての体制内勢力が沈黙を決め込む中、沈黙を切り裂く登場がヒロシマの怒りを解き放った。
 「『田母神は来るな』という声がどこからも聞こえてこなかったので、待ってました!という感じだ」「秋葉市長の『講演日を変更してもらおう』というのは違う」「8・6に核武装論の元軍人が原爆ドーム前に来るのは絶対許せない」「ビラを仲間に配るのでたくさんもらいたい」という声が次々と寄せられた。広島の労働者・市民が腹の底からこの暴挙に怒っていることが実感できた。この怒りを被爆64周年8・6ヒロシマ大行動に組織して大結集を実現しようと、8・6大行動を呼びかけるカラービラを配布し、賛同署名も集めた。
 8・6ヒロシマに手をかけた田母神を餌食と化し、8・6ヒロシマ大行動に全国の怒れる青年労働者・学生を圧倒的に組織しよう!
 (広島T)
(写真 広島の労働者・市民が腹の底から怒っていることを実感!【7月12日 広島市】)

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週刊『前進』(2400号4面3)(2009/07/20 )

 改憲は阻止できるぞ! 2009

 8・15集会 実行委が呼びかけ

 「8・15労働者・市民のつどい」の呼びかけが同実行委員会から発せられた。日帝の敗戦から64年となる今年の8・15闘争は、歴史の巨大な分岐点の中で改憲攻撃と真っ向から対決するきわめて重要な闘いになる。広島―長崎反戦反核闘争から8・15へ! 早朝からの靖国参拝阻止闘争と一体のものとして、大成功をかちとろう。(編集局)
 戦後64回目の8月15日、私たち8・15全国統一実行委員会は「改憲は阻止できるぞ!2009」―国益と排外に憲法は屈するのか―と題した集会をおこないます。多くのみなさんの賛同と参加をお願いします。
 戦後50年の1995年以来、毎年8月15日に「国益と排外に憲法は屈するのか」と問い、憲法改悪、閣僚の靖国参拝に反対する立場から集会を開催してきましたが、今年2009年の8・15は決定的な歴史の分岐点となろうとしています。何よりも昨年9月「リーマン・ショック」をもって世界大恐慌に明確に突入し、大恐慌下の大失業が労働者をおそうと同時に、戦争と改憲の情勢が加速度的に動き始めています。
 今春のソマリア派兵と海賊新法制定は「改憲への道」ではなく、これこそ改憲攻撃そのものです。また北朝鮮への排外主義のせん動に屈服し「オバマ幻想」をあおって反戦・反核闘争を自己解体する既成の反核運動をみすかして、8・6ヒロシマのその日に「核武装による平和構築」を主張する田母神講演が強行されようとしています。まさに反戦・反核の闘いをたたきつぶそうとする改憲攻撃です。80%をこえる反対の声を踏みにじって5月に強行実施された裁判員制度や、日本経団連と橋下大阪府知事らの「道州制国民運動」も、この8月に反動的に強化されようとしています。私たちは改憲発議−国民投票のときにはじめて改憲阻止を闘うのではなく、今現に進行しているこれらの激しい改憲攻撃と真っ向から激突してこれを阻止していくことを呼びかけます。
 何よりも重要なことは、こうした攻撃の激化は彼らの強さのあらわれではないということです。7・12東京都議選での自民党のあの惨敗を見てください。労働者の首を切り、社会保障をずたずたにし、戦争と改憲の道にひきずり込もうとする彼らは労働者民衆の怒りによって打倒されました。しかしこの怒りの当面の「受け皿」となった民主党は、自民党と本質的には変わらない戦争と改憲を推進する政党です。私たちは、いま「政権交代」になんら幻想をもつことなく、自らの力と運動に確信を持って本気で怒りを解き放って闘えば必ず勝利できるということをはっきりさせましょう。本集会での改憲阻止の最前線からの発言、国際連帯の闘いなどのすべての発言を全体の勝利の地平として確認し、いまこそ「攻めの改憲決戦」に立ち上がりましょう。集会への賛同と参加をお願いします。
(写真は昨年の8・15集会)
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 「改憲は阻止できるぞ!2009」8・15労働者市民のつどい
 ―国益と排外に憲法は屈するのか―
 8月15日(土) 正午開場 午後1時開始
 なかのZERO小ホール(JR・地下鉄「中野」下車、南口徒歩6分)
▼「改憲阻止の最前線から」 坂野陽平さん(全学連委員長代行)/富田益行さん(国労5・27臨大闘争弾圧被告団長)/裁判員候補者(裁判員制度はいらない!大運動)▼基調講演 「はじまった改憲阻止決戦」 鈴木達夫弁護士▼コント 松元ヒロさん▼「大恐慌下、ストで闘う韓国労働運動の現場から」民主労総ソウル地域本部/「改憲と国鉄1047名闘争」田中康宏さん(動労千葉委員長)/サンフランシスコゼネスト75周年・訪米団報告/「改憲は国会で始まっている」西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)/沖縄・富田晋さん/教育労働者/自治体労働者
 主催 戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会

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週刊『前進』(2400号4面4)(2009/07/20 )

 “部落解放の砦へ”

 全国連西郡支部が大会

 部落解放同盟全国連西郡支部の第4回定期大会が7月12日、桂人権コミュニティセンターで180人の結集でかちとられた。八尾北医療センター民営化絶対反対決戦への突入と、住宅闘争と狭山闘争を両輪に、全国の部落解放の砦(とりで)=拠点への飛躍を誓い合う熱気あふれる大会になった。
 まず辻西幸子書記長が、「3年間の闘いの中で培ってきた労働者の団結の力で道州制を打ち破ろう」と力強い主催者あいさつ。全国連杉並・品川両支部のきょうだいが登壇し、ともに新しい解放運動をつくりだしていく決意を語った。
 関西労組交流センターを代表して国労5・27臨大闘争弾圧被告団長の富田益行さんが発言。青年自治体労働者は7・29青年集会をアピールした。法政大弾圧と闘う全学連が勝利への決意を述べ、泉州住民の会から国賀祥司泉佐野市議が7・19関西新空港反対闘争への決起を呼びかけた。
 岡邨洋副支部長が基調報告に立ち、「恐慌と戦争、革命情勢だ。資本主義の最後のあがきが道州制だ。情勢の主導権は私たちにある」と時代認識をはっきりさせた。そして「2・26住宅明け渡し強制執行阻止闘争は道州制絶対反対の火ぶたを切った。八尾北労組がストで決起し、支部は一体になって闘った。住宅闘争が6千万労働者の課題になり、道州制=民営化絶対反対の階級的団結が狭山闘争の復権、石川さんとの団結の地平をも切り開いた。八尾北民営化絶対反対! 4大産別の労働者とつながろう。地区協(解同本部派)と全国連本部を打倒し、支部の総力で次代を担う青年部を建設しよう。11月労働者集会1万人結集を今度こそ実現しよう」と訴え、鳴りやまぬ拍手で確認された。
 基調報告を受けて、応能応益家賃制度と闘う供託者、強制執行と闘った森本政二さん、青年部が決意表明。青年部は、全国連本部の手先=ニセ青年部が権力の弾圧を恐れて2・26闘争から逃亡し「ストライキは差別だ」「労働者は差別する」と敵対していることを弾劾し、「現場の公務員労働者に『八尾北労組のように闘おう』と訴えよう。道州制粉砕と青年部獲得を合言葉に闘う」とはつらつと発言した。
 八尾北命と健康を守る会・高橋進会長と八尾北医療センター労組・藤木好枝委員長が八尾北民営化絶対反対を訴えた。藤木さんは「来年3月31日の八尾北の土地・建物売り飛ばし攻撃絶対反対の1年決戦に突入する。道州制絶対反対の地域の拠点へ労組は飛躍する」と戦闘宣言を発した。
 長崎幸治支部長の「若い世代にバトンタッチしたい」というメッセージとともに、岡邨洋さんの新支部長就任が圧倒的拍手で確認された。最後に末光道正事務局長が「真一文字に突撃し資本主義にとどめを刺そう」と閉会あいさつ。大会後、地域を練り歩き、11月への進撃を力強く開始した。
(写真 180人が結集し熱気あふれる大会となった全国連西郡支部第4回定期大会【7月12日 八尾市】)

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週刊『前進』(2400号4面5)(2009/07/20 )

日誌'09 2009年 7月8日〜14日

 防衛相が与那国島を初訪問/グアム移転で346億円を米に初提供

●防衛相が与那国島を初訪問 浜田防衛相が日本最西端の沖縄・与那国島を歴代の防衛庁長官・防衛大臣として初めて訪問し、与那国島などの先島諸島に陸上自衛隊の部隊を配置することを検討する考えを表明した。与那国島は沖縄本島の西約500`に位置する「国境の島」で台湾まで約110`。領有権をめぐり中国と対立する釣魚台(尖閣諸島)にも近接。(8日)
●G8首脳声明 主要国首脳会議(G8サミット)が「核兵器のない世界に向けた状況をつくることを約束する」とした首脳声明をまとめた。オバマ米大統領は、核安全保障サミットを来年3月に米国で開催すると発表した。このほか、温室効果ガスを「先進国」全体で2050年までに80%以上削減することを盛り込んだ地球温暖化対策に関する首脳宣言も採択した。(8日)
●在沖海兵隊グアム移転で346億円を米側に初提供 日本政府は、在沖縄米海兵隊のグアム移転経費の日本側負担分として、初めて09年度に3億3600万j(約346億円)を米側に提供することを決め、米政府と書簡を交換した。グアム移転協定は、在沖米海兵隊のうち定員8000人とその家族9000人を14年までにグアムに移転するとした協定。日本政府が移転費用の59・3%に当たる60億9000万jを無償や融資、出資などで提供する。(11日)
●都議選で民主圧勝、第1党に 東京都議会議員選挙(定数127)が投開票され、民主党が改選前の34議席から54議席に躍進し、自民党に代わって初の都議会第1党になった。議席を減らした自民は、公明党と合わせた勝敗ラインの過半数64議席を維持できなかった。(12日)
●臓器移植法改悪 「脳死は人の死」を前提に、本人の意思が不明な場合でも家族の承諾で0歳からの臓器提供を可能にする改悪臓器移植法(A案)が参院本会議で可決、成立した。施行は公布から1年後。現行法は臓器移植の場合に限って脳死を人の死と認めており、死の定義を大きく変える。97年の同法制定後、改定は初めて。(13日)
●総選挙8月30日 麻生首相は自民、公明両党幹部と会談し、7月21日にも衆院を解散し、8月18日公示、30日投開票の日程で総選挙を断行する意向を表明、与党側が受け入れた。(13日)
●内閣不信任決議案、衆院が否決 野党4党が提出した麻生内閣不信任決議案が衆院本会議で賛成139票、反対333票で否決された。参院本会議では4党などが提出した麻生首相問責決議案が野党の賛成多数で可決された。(14日)
●核密約否定「再調査の可能性ない」
 河村官房長官は記者会見で、自民党の河野太郎衆院外務委員長が「日米間で核搭載艦船の寄港を認める密約はない」とする政府答弁の修正を求めたことに関し、「歴代首相、外相は密約は存在しないと明確に否定している。政府方針に変わりはない」と述べた。政府による再調査の可能性も「密約がない以上、実施するつもりはない」と否定した。(14日)

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週刊『前進』(2400号5面1)(2009/07/20 )

法大弾圧裁判 法大弾圧裁判

 5・29判決 有罪判決に怒り

 山本進君は1年2カ月 13人に懲役8カ月

 7月14日と16日、法大5・29建造物侵入裁判の第1グループ(7人)と第2グループ(7人)の判決があった。いずれも検察の求刑どおり、建造物侵入に対して懲役8月、公務執行妨害が付いている山本進君に対しては同1年2月の不当判決だ(いずれも執行猶予3年)。徹底弾劾する。
 第1グループの稗田雅洋裁判長(東京地裁刑事第15部)が早口で読み上げた判決文には「管理者増田総長」の意志に反して「大学構内で、平穏な教育・研究環境を害する行為を行った」から有罪であると書かれているにすぎない。
 5・29集会を主催した文化連盟の学生の決起にも一言も触れていない。しかも「学問の自由のために平穏な環境は必要であり、ビラまきや立て看板を制限できる」というのだ。徹底した弾圧と人権侵害のうえに成り立つ「学問の自由」や「平穏」など偽物だ。結局、大学を私物化し、学生を金もうけの道具とするためなら何をしてもいいという新自由主義大学の側に立っているのだ。
 特に山本君への公務執行妨害デッチあげはその典型である。証拠とされたビデオ映像には彼が公安刑事の小松を投げた映像は映ってない。にもかかわらず、稗田は「映っていなくても不自然ではない」と言い放った。公安刑事に手を出したら証拠も関係なく有罪だというのだ。ふざけるな! 
被告席から次々と怒りの声が上がった。
 第2グループの後藤眞理子裁判長(東京地裁刑事第16部)は、さらに露骨な反動判決を読み上げた。「5・29デモは、研究環境への悪影響を与えた」「『恩田君への処分反対』『洞爺湖サミット粉砕』などは、学生が大学で訴える限度を超えた主張」「ジャージ部隊の実力行使も一定程度の必要性がある」「公安刑事の取り調べ内容も違法とは言えない」
 金子悠太君が立ち上がり、「こんな判決認めない。お前らのやっていることこそ歴史的犯罪だ」と怒りの大演説。逃げるように判決を読み上げた後藤に被告席の学生全員が詰め寄り、傍聴席と一体となって弾劾した。
 5・29決起は時代を切り開く闘いだった。34人の逮捕と14人の起訴をものともせず、被告団と弁護団が固く団結して勝利した。その力は、サミット闘争や文化連盟の学生に引き継がれ、今年の4・24闘争と6・15闘争の労学共闘という巨大な地平を一挙にたぐり寄せた。今回の反動判決は、国家権力の敗北宣言にほかならない。
 総括集会では「なんの正当性も言えないボロボロの判決。キャンパスで決起をつくりだそう」と決意を新たに団結した。

 5・28裁判 “とことん闘う”

 新井・中島君が最終意見
 7月15日、新井拓君と中島宏明君の法大5・28暴行デッチあげ裁判が行われた。この裁判は、新井君の4・27暴行デッチあげ裁判も併合されている。07年4・27弾圧以来、2年余にわたって闘いぬかれた裁判の最終弁論となった。
 冒頭、弁護団が大部の最終弁論を2時間半にわたって読み上げた。
 06年3・14弾圧以来の法大闘争を総括し、「言論・表現規制と弾圧に手を染め、学生自治を破壊して、『民主法政』とまで言われた大学の環境を破壊したのは、法大当局の方だ」と批判した。
 そして「これに反対の声をあげ、すべての法大生の怒りを引き出し闘ってきたからこそ、新井君と中島君は暴行事件をデッチあげられた」と弾圧の本質を明らかにした。
 「新井君が安東元学生部長の首をしめた」などのデッチあげの各点について詳細に反証した。無実の学生に対するデッチあげであることが誰の目にも明らかとなった。
 最後に、新井君と中島君が最終意見陳述に立った。暴処法弾圧で東京拘置所から出廷した新井君は、検察官の論告を痛烈に批判した。「論告は、私たちが『大学の自治を危険にさらした』などと言う。しかし、学生が戦争や戦争協力を生み出していった資本の支配と団結をもって対決することをとおしてのみ、学問や言論の自由が問題となりえた」「本当の敵に怒り、ともに闘う仲間を得た私が、裁判所に反省するわけがない。とことん闘い抜く」
 中島君は、5・29裁判の有罪判決と法大当局による新たな不当処分攻撃に触れながら、裁判所の姿勢を徹底的に批判した。「人間としての当たり前の声を弾圧しておいて、いかなる平穏があるのか。新井君も私も無実だ。そして獄中の8人を必ず奪還する」
 次回9月14日は判決公判だ。反動判決を許さず、団結して闘おう。

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週刊『前進』(2400号5面2)(2009/07/20 )

 法大弾圧 洞口さん停学3カ月

 法大当局は処分撤回せよ

 法政大学当局は7月14日、文化連盟の洞口朋子さん(経済学部1年)に対し、停学3カ月(7月15日〜10月14日)処分を出した。
 処分理由は「一連の学内諸規定違反行為を繰り返す集団に加わり……本学の学生・教員が勉学・教育に望ましい環境を享受する権利を侵害した」ことが許されざる行為だとしている。拡声器で大学批判をしたから処分だというのだ。そして文化連盟だから停学3カ月だというのだ。
 キャンパスで演説したから処分!? 文化連盟だから罪! 「1人の仲間も見捨てない」「大学の主人公は学生だ」と演説することがどうして「教育環境の侵害」なのか!――こんなふざけた話はない。
 法大当局に自由や真理を語る資格は一切ない。洞口さんへの停学処分を粉砕しよう。

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週刊『前進』(2400号5面3)(2009/07/20 )

 臓器移植法の改悪弾劾

 「脳死は人の死」規定で命を奪う

 参院で7月13日、A案といわれる臓器移植法改悪案が可決、成立した。徹底的に弾劾する。「脳死は一律に人の死」と勝手に決めつけているが、要は生きて動いている心臓などを取り出して売ろうとしているのだ。人体の商品化だ。労働者階級を徹底的に資本の価値増殖の手段=奴隷として扱い、臓器売買や薬品開発などのビジネスチャンスを見いだす。最末期資本主義の非人間的延命策であり、労働者階級への究極の分断・抑圧政策だ。
 「自分の家族の命を守るためなら他人の死を願い臓器を奪え!」とあおっている。食うか食われるかの生存競争だ。自衛の名による侵略戦争の論理と同じだ。臓器移植法は、労働者階級を戦争に駆り立てる攻撃だ。
 「脳死」は「人の死」ではありえない。「脳死判定」もねつ造された方便である。何人もが闘病から回復した事実がある。低体温下で脳圧を下げるなどの療法で救命されたケースもある。他方「移植でしか助からない」も方便だ。他人の臓器との混在で「絶対に助かる」保証などない。
 現行法も含め臓器移植法は「脳死」を前提にしている。粉砕の対象だ。新自由主義下で開始された脳死臨調や97年の法制定は、12年経てもその趣旨である「患者殺害の同意」や「愛のドナーカード」は労働者からそっぽを向かれている。力ずくで「脳死判定」を81件強行したが、大破綻に厚労省はあえいできた。
 しかし大恐慌突入で一気に〈戦争・改憲、民営化・労組破壊>の攻撃が強まり、日帝は「子どもの移植に反対するのは非国民」とばかりに与野党挙国一致で総屈服を迫った。誰ひとりとして臓器移植法そのものに反対する議員は現れなかったばかりか、民主党は国会解散=廃案前にわざわざ採決に応じた。結果、自民党のほとんどと民主党の半数議員を結集させA案成立で押し切ったのだ。
 第一に、A案は労働者階級から命を簡単に奪うものだ。怒りなしには語れない。
 事故、過労、労災、病気、障害、自殺未遂などを日帝はどれだけ労働者階級に強制してきたのか。その上で「頭部が損傷し他の臓器が傷つけられていなければ」絶好の移植対象として扱おうとしているのだ。病院で家族に「法的脳死判定」の承諾が迫られ、患者本人の「拒否」を証明しなければ応諾させられる。
 しかも実際は「本人拒否」があっても医療費負担の重圧や利益誘導の圧力で、家族は偽証や詐称に追い込まれることもありうる。児童・高齢者・障害者虐待の場合の脳損傷も臓器提供の「美名」のもとに隠されるのだ。
 6歳未満小児では脳死判定基準自体が禁止されているが、その解除も検討される。さらに親族への優先的臓器提供も始まる。まさに臓器あさりへの解禁が始まるのだ。
 第二に、しかしこうしたA案で移植を増やそうとしても、それは、大量の労働者と家族の協力なしには不可能だ。最大の反撃は〈戦争・改憲、民営化・労組破壊>絶対反対で闘う労働運動を登場させることだ。資本主義は終わっているのだ。資本家に忠誠を誓う死生観を現場から打ち破ろう。動労千葉のような階級的団結で「命を奪うな!」と臓器移植法絶対反対で闘おう。
 第三に、日共・社民の臓器移植法容認の裏切りを弾劾する。日本共産党は労働者階級の分断に手を貸す小児の臓器移植に一貫して賛成してきた。「移植を待つ子どもを障害者として救おう」と移植推進団体の紹介議員を務め、参院ではE案=「脳死」前提の対案提出に参加した。社民党も「脳死」からの移植を護持し「自案こそ移植促進への近道」と訴え、衆参で対案を提出した。
 大恐慌下で改憲攻撃への屈服が始まっている。「子どもの命の救済」の名で殺人をあおり、労働者を戦争に動員する「脳死」・臓器移植絶対反対で闘おう!
(写真 関東障解委と東部ユニオンがビラまき【7月13日 参院前】)

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週刊『前進』(2400号5面4)(2009/07/20 )

 全国学友は8・6広島へ

 オバマ・麻生打倒、帝国主義に断を

 (マルクス主義学生同盟・中核派)

 東京都議選における自民党の惨敗で階級情勢は一変した。麻生政権は倒壊寸前だ。新自由主義に対する労働者階級の積年の怒りは、自民党ばかりか体制内諸勢力も打倒し、プロレタリア革命にまで突き進む。この怒りと結合し、8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争の歴史的爆発をかちとろう。
(写真 福田首相【当時】の式典参加を弾劾し、平和公園に向かって進むデモ隊【08年8月6日 広島】)

 自民党支配は終わった労働者に権力よこせ!

 〈戦争・改憲、民営化・労組破壊>攻撃に対する労働者階級の怒りの炎が、戦後長きにわたる自民党支配を焼き尽くそうとしている。自民党による労働者支配は完全に終わった。民主党が政権を握っても、資本主義の崩壊は絶対に阻止できない。
 未曽有の大恐慌で支配階級が四分五裂する中、われわれこそが権力を取りに行こう。 ブルジョア議会制度の枠組みで労働者階級の怒りを押しとどめることはもはや不可能だ。労働者階級と資本家階級の激突と力関係によって歴史は決する。
 支配階級は〈戦争・改憲、民営化・労組破壊>――道州制攻撃に体制延命の最後の望みをかけている。〈国鉄・全逓・教労・自治体>の4大産別と大学における闘いに革命の帰趨(きすう)はかかった。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争は、4大産別における労働運動の復権をかけた大闘争だ。

 G8サミットで侵略戦争を宣言

 7月8日から3日間、イタリア・ラクイラで開催されたG8サミットは、北朝鮮やイランへの侵略戦争突入をG8の名で宣言した。各国首脳は「経済危機克服」や「保護主義防止」(しかし、これも「努力」や「確認」といったレベル)をうたいながら、北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射に対しては「最も強い表現で非難」する宣言を採択した。サミットに集まった帝国主義頭目どもこそ、労働者をモノ扱いし、世界中で戦争を行い、学生を金もうけの道具にしてきた張本人だ。こんな戦争会議は絶対に許さない!
 G8サミットは、オバマのプラハ演説を「承認」し、北朝鮮やイランへの侵略戦争に向けて行動を開始した。オバマは来年3月の「核安保サミット」開催を打ち出した。国際帝国主義はこのサミットを「北朝鮮・イランの核を許すな」の大合唱の場としようとしているのだ。
 こうした情勢下で最弱の環である日本帝国主義が絶体絶命の危機に追い込まれている。動労千葉を先頭とする11月労働者集会潮流が存在し、法大闘争の労学共闘としての発展が麻生を追いつめている。国会解散で北朝鮮侵略戦争のための貨物検査特別措置法も吹き飛んだ。
 一切の動きがヒロシマ・ナガサキをめぐる党派闘争として激しく進んでいる。前航空幕僚長の田母神は「平和のために核武装を」と叫んで広島に乗り込み、ファシスト集団である幸福実現党は「北朝鮮のミサイルから国民の安全を守る」として排外主義をあおりたてている。
 日米両政府は、日本に対する「核の傘」を含めた、新「日米安保共同宣言」を協議する方針を固めた。日本を拠点とした北朝鮮への核攻撃が狙われているのだ。「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな」という帝国主義に対する労働者階級の怒りを、北朝鮮侵略戦争のためのスローガンへと180度ねじ曲げることで、ヒロシマ・ナガサキの闘いをつぶそうとしている。こんな転倒がどうして許せるか!
 この転倒こそ、まさに資本主義の本質ではないか。自らは核兵器で満身武装して北朝鮮やイランの「核の脅威」を叫びたてる。「平和」を語って戦争を始め、労働者を殺す。真理を探究する大学で真実を見聞きし、訴えることを禁圧する。「自由と進歩」を語って学生から自由を奪い尽くす。こんな転倒によってしか成り立たない資本主義社会に未来などない!
 未来はどこにあるのか。労働者・学生の闘いの中にこそある。核を廃絶し戦争を止める力は労働者階級にある。労働者の団結した力が新たな時代を切り開き、歴史をつくるのだ。

 オバマ賛美で侵略戦争を容認する日本共産党

 ラクイラ・サミットに対する労働者階級の回答は、動労千葉を軸とした国際的な労働者の団結だ。昨年の11月労働者集会に日米韓3カ国の労働者が結集したのに続き、今年5月に発表された2009国際反戦共同声明は「戦争と民営化、労組破壊と闘う全世界の労働者階級の団結した世界規模での行動のみが、この軍国主義化と労働者階級に対する攻撃の激化を食い止める力を有しています」と高らかに宣言した。これこそがプロレタリア世界革命の現実性だ。かつて帝国主義戦争に直面して排外主義へと転落した第2インターナショナルの敗北を、われわれは完全にのりこえたのだ。
 とりわけ、動労千葉に学んで新自由主義と真っ向から対決してきた法大の闘いが全世界の労働者を獲得し、国際連帯闘争を圧倒的に前進させている。大恐慌と戦争の時代を迎え撃つ労働者の国際的団結が、ついに歴史の表舞台に登場したのだ。

 ルーズベルトに屈した米共産党

 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争で激烈な党派闘争に勝ちぬこう。世界戦争へ突き進む帝国主義に対し、全党派がどういう態度をとるのかという歴史選択を迫られている。最悪の裏切り者として登場してきた日本共産党を絶対に打倒しよう。
 日共・志位委員長は、プラハ演説を「人類にとっても、私たち被爆国の国民にとっても、歴史的な意義を持つ」と絶賛する書簡をオバマに送り、「朝鮮半島非核化を実現するには、核保有国が核廃絶の流れを前進させるのが最も強力な手段」とまで言い切っている。労働者の闘いも被爆者の怒りも完全に踏みにじるこうした立ち居振る舞いをどうして許せるか!
 アメリカの労働者階級の闘いを圧殺し、イラクやアフガン人民の頭上に爆弾を落としているオバマに「懇願」することなど一つもない! オバマと労働者階級とは一ミリも相いれない。
 国際帝国主義の頭目・オバマを「平和の使徒」としてまつりあげ、北朝鮮侵略戦争に「左」からお墨付きを与えているのが日共だ。階級対立の非和解性を必死で覆い隠して労働者を永遠に賃金奴隷の鎖に縛りつけようとする日共に対し、労働者は都議選で断を下した。
 かつて1929年の大恐慌から第2次世界大戦へ突き進む過程で、ルーズベルトも「軍縮」を叫び、ヒトラーはそれに喝采(かっさい)を送った。これとまったく同じ構図の茶番を演じているG8首脳どもに対し、日共もまたかつての米共産党にならって喝采を送っているのだ。 だがしかし、当時と現在とでは決定的に違う点がある。11月労働者集会派が国境を越えて存在し、団結していることだ。今こそ日共を歴史のくずかごにたたきこみ、労働運動の階級的潮流の歴史的台頭をかちとろう。

 全国学生は広島・長崎―全学連大会へ結集を

 勝負を決するのは、職場・キャンパスでの力関係だ。職場やキャンパスを支配階級が制圧することなしに起きた戦争はただの一つもない。労働者を戦争の先兵にしなければ資本主義は戦争ができないのだ。
 労働者・学生の闘いが、教え子を、仲間を戦場へ送り出すのか否かを決める。闘いの主戦場は国家権力の中枢にある4大産別であり、法大・全国大学のキャンパスだ。ここで団結が奪われた先にあるのが戦争なのだ。だからこそ「1人の仲間も見捨てない」団結を生みだし、新自由主義を迎え撃って大学を団結の砦(とりで)にしてきた法大の闘いの中に戦争を止める展望がある。
 法大当局は7月14日、文化連盟の洞口朋子さん(経済学部1年)に対して停学3カ月間の不当処分を下した。こんな処分は断じて認められない! これは文化連盟に所属していること自体を理由とした処分であると同時に、マイクでの演説を「教育に望ましい環境を享受する権利を侵害した」などと言いなす許しがたいものだ。
 教育を金もうけの道具にし、闘う学生を次々と処分・逮捕しておいて「教育を受ける権利の侵害」とは何ごとか! 法大当局が言いたいのは、6月15日のキャンパスで示されたように「学生の目も耳も口もふさぐのが教育だ」ということではないか。これこそがまさしく戦争大学、帝国主義大学の本性だ!
 労働者の怒りに恐怖しているのは麻生だけではない。ほかならぬ法大の増田総長だ。今こそ大学を学生の手に奪い返そう!
 今年の第70回全学連大会は戦争と恐慌の時代のただ中で行われる。全国学生は8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争で団結をうち固め、全学連大会の大結集を実現しよう。
 何よりも法大暴処法弾圧をうち破る巨大な全国声明の大運動をまきおこし、接見禁止攻撃を打ち破り、獄中で闘う8人の仲間をなんとしても取り戻そう。この闘いと一体で、教育の民営化と対決し、学生の手に教育を取り戻すために、全国の大学で大反撃を開始しよう。
 そして結論は、11月労働者集会への1万人結集だ。11月集会は全世界の労働者の結集軸だ。全国のキャンパスから11月に向けた巨大なうねりをつくりだし、学生・労働者の手で新たな歴史を切り開こう。
 われわれは歴史の分岐点に立っている。恐慌と戦争の時代=プロレタリア革命が日程に上る胸躍る時代が始まったのだ。この社会で起きるすべてのことが学生に生き方を問うている。一人ひとりの生き方そのものが社会を変え、歴史を動かす。
 この激動期に、未来をつくる存在である学生が「全世界の労働者・民衆の団結で核をなくせ! 戦争・改憲を止めよう」のスローガンを掲げてヒロシマ・ナガサキに登場することが一つの歴史的事態であり、巨大な情勢をつくる。
 全国からすべての学友は8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争に総結集しよう!

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週刊『前進』(2400号5面5)(2009/07/20 )

 日程 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争

全世界の労働者・民衆の団結で、核をなくせ! 戦争・改憲をとめよう!
被曝64周年8・6ヒロシマ大行動
8月6日(木)午後0時30分 3時デモ出発
広島県立総合体育館小アリーナ
〔発言〕
下田礼子(反戦被爆者の会)/高山俊吉(憲法と人権の日弁連をめざす会)/デュアン・デルポソ(国際港湾倉庫労組)/「日の丸・君が代」不起立を闘おう教育労働者/田中康宏(国鉄千葉動力者労働組合)/道州制・民営化と闘う自治体労働者/沖縄からのアピール/法政大「暴処法」弾圧と闘う学生/

〈関連行事〉
 ◎産別交流会・学生集会
   5日(水)午後/東区民文化センター
 ◎青年労働者交流集会
   5日(水)午後6時/東区民文化センター
 ◎祈念式典弾劾―麻生来広弾劾デモ
   6日(木)午前7時
  主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会

労働者の国際連帯で核を廃絶しよう!
長崎反戦反核集会
 8月8日(土)午後6時 長崎県勤労福祉会館
 主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会

長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会
 8月9日(日)午前7時30分
 爆心地公園の原爆朝鮮人犠牲者追悼碑
  主催 長崎朝鮮人の人権を守る会

平和式典会場、爆心地に向けたデモ
 8月9日(日)午前10時 城栄公園(路面電車・大橋下車)
 主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会

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週刊『前進』(2400号6面1)(2009/07/20 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 東北石けん佐藤工場に対する戦闘宣言 東北石けん労働組合

 俺たちの首を切った佐藤吉範、畑文雄! 俺たちは日々前進している!
 ついに、東北石けん佐藤工場・佐藤吉範社長につづき、俺たちの首を切った張本人、新工場・畑惣商店代表取締役、畑文雄の首をガッチリつかんでやった。
 労働委員会に畑文雄を引きずり出した。労働委員会の場で、お前の犯した犯罪の数々を余すところなく暴き出し、徹底的に首をひねり上げてやる! 逃げてーだろうが、お前にはもはや挽回(ばんかい)の余地はない! お前にもう明日はない! 共産主義革命の前に恐れおののけ!
 ひとつだけお前が楽になる方法がある。教えてやる。それはわが労組に心を込めて謝罪し、解雇を撤回することだ。
 工場で働く皆さん!
 私たちは、この世界の全労働者の敵である資本家を倒すため、革命的に団結した労働者です。資本と労働者は非和解です。それぞれの労働者がそれぞれの職場で闘わなければ未来はない!
 今生きている社会が当たり前の平和な社会だというなら、それはブルジョア的イデオロギーです。そもそも、われわれは生まれたときからずっとブルジョア的イデオロギーで育てられてきたのです。
 しかし! 労働者階級であるわれわれがこの歴史に登場した以上、資本家階級を、資本家である会社のボスを倒し、この歴史を終わらせなければなりません。
 資本家はわれわれ労働者を徹底的に搾取して生きています。だからやつらには金がある。
 徹底的に搾取される俺たちは、働いているのは労働者だけなのに生活さえ困難でなりません。働く労働者が生活できない。働かない資本家ががっぽり金を握っている。結局、俺たちが働かなければ、資本家は生きていけないんです。こんなおかしい社会は、早く終わらせなければダメです。このことを是非わかって欲しい!
 私たちは労働者階級なんです。会社に頭を下げている以上は、一生奴隷として何の未来もなく、会社に屈服して生きていくしかありません。家族や大切な人も、きっと一生浮かばれないでしょう。資本家を打ち倒すための労働者としての誇りを持たない限り、一生後ろめたい人生を送ることになるでしょう。こんな屈辱的な状態は、絶対に終わらせなければダメなんです。
 皆さん! 会社とは絶対非和解で闘わなければならないことを労働者一人ひとりが理解し、団結してともに資本家なんか倒して私たち労働者が主人公である社会をともにつくり上げていきたいと思います。
 最後に、この地球上の何十億の労働者階級を代表して、佐藤吉範、畑文雄にひとこと言いたい。
 ブルジョアジー諸君!
 我々は、君たちを世界中で革命戦争の場にたたき込んで一掃するために、ここに公然と宣戦布告するものである。覚悟しておけ!

 8・6田母神講演を民衆の力でとめよう M・T

 『前進』を読んでいます。闘う労働者を守る、新聞を貫く熱い気持ちが伝わる内容です。杉並の労働者たちが、つくる会の教科書と、田母神の講演会に反対する集会を開いたという記事。大変にうれしかったです。
 団結。いい言葉です。
 つくる会の教科書、分裂した2社が、同じようなものを出版。東京都と杉並区が積極的に採用。資料、同封しましたので参考に書いてください。
 田母神は、8・6ヒロシマに広島市長の抗議を無視して講演会を強行する、とのこと。
 8・6ヒロシマ大行動への呼びかけ文の中に「絶対に許すことはできません」と書いてありましたが、あたり前です。
 田母神は文章を書く才能などないはずなのですが、なぜか、本を出版。誰かが名前を使って書いているのでしょう。戦争でひともうけしたい大手企業が多いということなのでしょうか?
 労働者と学生のデモ、民衆の力でとめなくてはいけません。
 私は、8・6ヒロシマ大行動、参加できませんが、賛同とカンパで去年同様、協力いたします。
 どうしようもない大組合。労働者を守る、真の組合活動を支援するいい記事を書き続けてください。期待しています。

 星野闘争を階級闘争の大地にぶっ立てる 東京・三多摩 中原一朗

 今回の「星野文昭さんを救おう!全国再審連絡会議」の総会は、今までの星野闘争であいまいにさせられていたものを一掃する画期的な集会だった。「あいまいにさせられていたもの」とは、星野闘争を階級的に闘うということだった。
 今日の星野闘争を規定しているのは、一つには、昨年7月の最高裁による再審棄却決定である。「服の色が違っていた(K証言が誤っていた)ことは認める。しかし星野は実行犯だ」というのが決定の内容であり、星野同志を絶対に出さないという国家意思そのものだ。革命運動を闘う者への階級攻撃であり、私たちの側から言えば、星野闘争を階級闘争の一環として闘わなければ星野さんを奪還することはできないということだ。
 もう一つは、法大闘争を先頭とした学生・青年労働者の闘いだ。星野同志自身が「励まされ、獲得された」と言っている。「星野さんのように闘おう」という青年の闘いが、逆に星野闘争にあったあいまいなものを吹っ飛ばし、星野闘争を階級闘争の大地にぶっ立てることになった。
 塩川一派や知花昌一氏の言動は、星野闘争を限りなく侮辱するものだ。昨年の全国総会のパンフを配布しなかった塩川一派もふざけているが、知花氏の言う「仮釈放路線」も許せない。「仮釈放」とは、権力に一筆書いて出してもらおうというものだ。71年沖縄闘争とは、星野さんの34年間の闘いとは、そういうものだったのか。知花氏は沖縄闘争を裏切っているのだ。第一、道州制に賛成して、公務員労働者の首切りに同意している一方で星野闘争を闘えるはずがない。(在本土沖縄出身の派遣労働者がどれほど首を切られたのかわかっているのだろうか)
 目の前にいる労働者の革命性を信ずることのできない人間が、星野同志の闘いに向き合うことなんて、とうていできない話なのだ。私自身、目の前の労働者にもっと革命と星野奪還を訴えていこうと思う。

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週刊『前進』(2400号6面2)(2009/07/20 )

 入管法改悪を弾劾する

 「在留カード」施行絶対阻止へ

 7月8日、入管法改悪案を始め関連法案が参議院本会議で可決・成立した。死に体の麻生政権のもと、なぜ自公民一致で可決なのか。これを突破口に戦争・改憲と民営化・労組破壊、道州制へと道をつけようとする日帝ブルジョアジーの意志がそこに貫かれているからだ。しかし、外登法廃止こそ戦後入管体制の破綻の結果そのものだ。その破綻を見据えようともしないで何が「外国人管理を入管法に一元化する」だ。やれるものならやってみろ! 世界は革命情勢だ。改悪入管法を徹底弾劾するとともに、怒れる在日・滞日外国人労働者222万人とともに闘い、3年以内に施行するという「新たな在留管理制度」=「在留カード」導入を阻止することを宣言する。

 自公民一致で可決

 倒壊寸前の麻生政権は、今国会で入管法だけでなく、海賊対処法や臓器移植法改悪など、労働者人民の生命を切り捨て、戦争へと踏み込む悪法を成立させた。このことを徹底的に弾劾する。
 8日の参院本会議で可決・成立したのは入管法(出入国管理及び難民認定法)、入管特例法(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法)と住民基本台帳法の各改悪案だ。法務委員会と総務委員会(住基法)で審議されたが、参院では6月25日に趣旨説明があり、審議3日目の7月7日には各委員会で採決され、本会議に回されたのだ。
 森英介法務相が「戦後入管体制が発足して以来、最大の制度改正」(7月7日参院法務委)とぶちあげ、住基台帳システムの整備だけで200億円をかける大事業でありながら、驚くべきスピード審議で採決に至ったのだ。形式的な参考人意見聴取は行われたものの、当事者である外国人から意見を聴く場はなく、国会での審議内容を当事者に知らせることもなかった。
 今次入管法改悪は、世界大恐慌に対応し在日・滞日外国人に対する管理を入管法に一元化し、日本人労働者階級との差別・分断、治安管理の徹底・強化を狙うものだ。
 第一に、特別永住者を除く「中長期在留者」に対して、偽造防止用のICチップが埋め込まれた顔写真付きの「在留カード」を交付する。氏名や国籍、住所などに加えて在留資格と有効期間、就労できるかどうかも明記され、「不法就労者を一目で見分けられる」ようになっている。
 現在143万人といわれる「中長期在留者」とは、特別永住者を除く永住者、研修生・実習生、技術者や留学生など、日帝の労働力政策の環として在留している人びとだ。「在留カード」受領・常時携帯・提示の義務が課され、違反者には刑事罰が科せられる。
 住居地以外の事細かな「身分事項」は、地方入管局に届け出る。登録事項に変更があった場合には14日以内に届け出なければならない。地方入管局は全国8局、支局・出張所を含めても76カ所にすぎない。従来の全国各地の自治体窓口での手続きと比べても大きな負担が強いられる。例えば、改悪法のもとでは外国籍の高校生(特別永住者以外の中長期在留者)は、16歳の誕生日に学校を休んで地方入管局に行って「在留カード」を受領し、14日以内に市町村窓口に行き、カードに住居地を記載してもらった上でそのカードを常時携帯しなければならない。しかも「在留カード」は警察にもリンクされる。
 第二に、在日朝鮮人・中国人など特別永住者には、入管特例法に基づく「特別永住者証明書」が交付される。今回、常時携帯義務については削除されたが、受領義務・提示義務は維持され、違反者には「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」が科せられる。
 「特別永住者証明書」も顔写真、生年月日、居住地、職業などの記載が義務化され、これらに変更があれば14日以内に届け出の義務があり、違反したら刑事罰(20万円)となる。日本人が転居の登録を怠った場合、行政罰として過料5万円だ。
 第三に、短期滞在者や非正規滞在者、難民申請者には「在留カード」は発行されない。日帝は現在、13万人を超える非正規滞在者に対しては徹底的に国外追放すると宣言しているのだ。

 入管体制強化の動き

 入管法改悪動向と一体のものとして入管体制をめぐる動きは激しい。
 第一は、改悪入管法成立後、日帝・法務省が7月に発表した「在留特別許可に係るガイドラインの見直し」だ。
 このガイドラインには「積極要素」として「日本人の子または特別永住者の子」「日本人または特別永住者と婚姻が法的に成立」などが列挙され、「当該外国人が、不法滞在者であることを申告するため、自ら地方入国管理官暑に出頭したこと」との項目もある。
 これは入管法上、一切の外国人的権利から排除されている非正規滞在者に対して日帝への屈服を強要するものであり、「自ら申告すれば特別在留の対象者」だとするアメをちらつかせて、追放政策を強化しようとするもくろみなのだ。もともと在留特別許可制度は「法務大臣の自由裁量権」で決定される。そこには「外国人は煮て食おうと焼いて食おうと自由」という入管体制の本質が貫かれている。
 第二に、国際的な人材獲得競争に勝ち抜くためとして、日本経団連の提言を受け入れ、「高度外国人材受け入れ」を推進することを明確化したことである。
 麻生は「高度人材の受け入れについては、グローバルな競争に後れを取らないよう、推進組織を設置し、外国高度人材の受け入れを国家戦略と位置付け、取り組んでほしい」と檄(げき)を飛ばした。外国人労働者のうち資本にとって都合のいい「人材」だけを選別雇用して、日帝の延命のためにこき使うというのだ。留学生30万人計画も同時に発動した。
 第三に、激しい排外主義の扇動が推し進められていることである。特に、北朝鮮の人工衛星発射以来、反北朝鮮バッシングが激しく展開されている。その動きとあいまって、「在日特権を許さない会」などというファシスト運動が、各地でうごめいている。
 こうした入管体制の強化の動き、排外主義扇動の動きを粉砕できるのは労働者階級の団結した闘いのみである。動労千葉労働運動を自ら実践し、排外主義との闘いの先頭に立とう!

 道州制粉砕−11月へ

 橋下大阪府知事や東国原宮崎県知事を先兵として、道州制・民営化攻撃が本格的に開始されている。地方自治制度の解体をとおして戦後的な労働者支配のあり方を一掃し、新たな仕組みに改編していく道州制攻撃を粉砕しよう。
 道州制は「国のかたちを変える」改憲・戦争攻撃そのものだ。日帝は道州制攻撃の一環として入管体制を「国家戦略上不可欠の課題」とすえきり、外国人治安管理を入管法に一元化しようとしている。
 外国人住民票の「記載、削除、修正」について市町村が法務大臣に通知することを法で定め、住民基本台帳制度を在留管理制度の一環とするというのだ。これは自治事務を国の「在留管理」事務に従属させることであり、粉砕あるのみだ。
 労働者には国境はない。出入国を管理する入管法こそ、全世界の労働者が団結することを恐れた国家権力と資本による分断政策の極みだ。現在13万人に上ると見られている非正規滞在者には徹底した排除、追放政策で臨もうとしているが、彼らを「見えない存在」に押し込むことは、イコール入管体制では管理できなくなるということだ。日帝が「内乱勢力」「革命勢力」と恐れる彼らと革命的に結合し、団結し、新たな在留制度=「在留カード」のスタートを阻止することはまったく可能だ。在日・滞日労働者人民と団結し、11月労働者集会に1万人結集をかちとり、民族・国籍・国境を越えた労働者の団結の力を解き放とう。

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週刊『前進』(2400号6面3)(2009/07/20 )

 ”労働者を弾圧するな”

 イラン大使館に抗議行動

 7月10日午後、動労千葉と外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会の呼びかけでイラン大使館抗議行動に立ち上がった。
 イランでは大統領選直後から数百万の民衆が「不正選挙」を糾弾して決起しているが、治安部隊の暴力的弾圧の中で多くの人が虐殺され、投獄されている。イラン労働者民衆の決起に連帯して取り組まれたイラン大使館抗議行動に在日イラン人などを含む30人の労働者・学生が参加した。
 動労千葉の川崎昌浩さんがあいさつした後、直ちに怒りのシュプレヒコール。婦人民主クラブ全国協議会の代表が抗議声明を読み上げた。「イラン政府によるイラン人民、労働者階級人民に対する弾圧に強く抗議します。イラン政府は直ちにイラン労働者人民への弾圧をやめよ! 逮捕されている労働者人民を直ちに解放せよ!」
 全学連の石田真弓書記次長がマイクを握って怒りのシュプレヒコール。在日イラン人たちは激しい怒りをペルシャ語のシュプレヒコールでたたきつけた。弾圧に出てきた警察にも屈することなく、国際連帯の闘いをさらに強めることを誓い合った。
 (KS)

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週刊『前進』(2400号6面4)(2009/07/20 )

 星野さんとともに

 労働者の団結を原動力に新たな出発をかちとった

 沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会事務局員 和田邦子

 7月4日、「沖縄万人(うまんちゅ)の力で星野さんを取り戻す会」の第15回総会が開かれました。この総会は、電通労働者の真喜志康彦さんを会長に選出し、新たな出発をかちとる歴史的な総会として成功しました。沖縄でも、階級的労働運動を軸にして、全国の運動とともに再審実現に向かって闘う体制が確立されました。
 会場となった読谷村文化センターには、年休を取って駆けつけた労働者ら30人が集まりました。このこと自体が沖縄における星野闘争の前進を示しています。
 全国総会でも上映された星野暁子さんのビデオメッセージの後、議事の進行をめぐって論議が始まりました。会長である知花昌一氏が「まず、沖縄独自のことを論議する。その後、全国総会の報告を受ける」と提案したのに対して、「今度の全国総会は、本当に星野文昭さんを取り戻すための方針を確立する歴史的な総会としてかちとられた。その議案と決定を基に沖縄の運動方針を論議すべきだ」「知花昌一さんは全国総会を途中退席した。まったく無責任だ。今日の司会も交代するべきだ」など会場から異議が続出しました。
 議事進行をどうするかという形をとっていますが、実質は「全国総会の内容に賛成か反対か」という論議が続き、最終的には「知花さんの言う進行方法が常道であっても、これだけの人が反対しているのだから、それでやるべきだ」という意見に集約されました。
 知花昌一氏、平良修氏、そして私がそれぞれ感想も含めて全国総会の報告を行い、続けて全国事務局から全国総会で採択された運動方針と七つの決議が報告され、「これを基に沖縄での闘いを進めてほしい」と提起されました。
 人事では、総会の論議を先頭で闘い抜いた真喜志さんが「会長に立候補する」と挙手。新会長・事務局人事・会計報告・議案が圧倒的な拍手で承認されました。
 真喜志さんの闘いの中に労働者が自己解放的に立ち上がった時、どんな力を発揮するか、勝利までやまない決意と迫力を感じました。労働者の団結こそ総会成功の最大の原動力です。
 星野文昭さんは、全国総会へのメッセージで、「再審・釈放をかちとる力と内容を、一切のごまかしを持ち込まずすべてと格闘しつつ、厳しい自己変革・飛躍によって獲得した」と語っています。知花氏は「党派は前面に出るな」と言いますが、これは、星野さんが獄中で苦闘して自己変革した豊かな人間性を理解せず、全世界を獲得せんと闘っている革命家であることをおとしめ、星野闘争の広大な可能性を閉ざすことになると思います。
 「沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会」は新たな出発をかちとりました。これからが本当に問われる、と身の引き締まる思いです。
(写真 「星野の運動をそれぞれが得意の領域で担ってほしい」と訴える星野暁子さんのビデオレターが上映された【7月4日 沖縄・読谷村】)

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週刊『前進』(2400号6面5)(2009/07/20 )

 マルクス主義青年同盟加盟の決意

 マルクス主義者となり革命勝利の日まで闘う

 民間労働者 千野 登

 私はA労働組合の組合員です。会社から受けた不当労働行為と真正面からぶつかり闘いぬいています。
 この闘いをとおして、老若男女問わず多くの労働者、学生の素晴らしい仲間と出会うことができました。そして、労働者としての誇りをもって闘うことの大切さを知りました。
 生きづらい時代です。なぜなら、社会の主人公であるわれわれ労働者の社会であるはずが、悪党資本家の社会でまかり通っているからです。矛盾だらけの情報が毎日、テレビや新聞、雑誌などで猛威をふるっています。ほっておくわけにはいきません。
 今の世の中が、資本主義社会という矛盾だらけの社会であることがハッキリしています。であれば、社会の主人公である労働者の手で正常な社会にする必要があります。そもそも、社会には主人公も脇役もないのです。資本家も労働者もない、生きるために働く人、つまり、真の意味で人間だけでよいのです。
 こうした社会にするためには、一人ではいけません。労働者が団結し、ともに学び、ともに闘わなければ社会の敵を倒すことはできません。労働者に国境はありません。そうです、「万国のプロレタリアート、団結せよ!」ということです。
 この言葉を世に発し、『共産党宣言』を残した人物、カール・マルクス。動労千葉の常任顧問である中野洋氏は「マルクスだけが、労働者の存在を認めてくれた。マルクスだけが、この世の中を動かしているのは労働者だと言った。マルクスだけが、世の中を変革する力を持っているのは労働者階級だけだと言った。そうである以上、労働者はすべからくマルクス主義者になるべきだ」と言いました。
 異議なし!!
 労働者は「自分の理論」、すなわち、マルクス主義を持つことにより、革命的な階級となれるのです。
 このことをもって私は、マルクス主義青年労働者同盟に加盟を決意しました。そして、近い将来、この世の中のすべての人類がマルクス主義者となり、戦争のない、真に平和な社会がやってくることを信じてやみません。
 これまでの社会の歴史は階級闘争の歴史であり、この歴史にピリオドを打つために、私たち労働者階級が歴史的に登場したのだから、世界プロレタリア革命勝利のその日まで、私は革命家として闘いぬいていきます。

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