ZENSHIN 2010/05/24(No2440 p06)

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第2440号の目次

土砂降りの雨の中、圧倒的な注目を集めて国際通りをデモ(5月15日 那覇市)

1面の画像
(1面)
5・15沖縄 米軍基地撤去・安保粉砕へ闘い爆発
青年労働者と学生を先頭に
沖縄・三里塚の高揚を6・13国鉄大集会へ
泉佐野市議選 国賀祥司さん7選の大勝利 (記事3面)
記事を読む  
三里塚 市東さん不当逮捕許すな
5・24-25闘争で奪還しよう(5月17日)
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
中野洋同志を心から追悼する
動労千葉の労働者と共に第2次国鉄決戦とプロレタリア革命の勝利へ闘うことを誓う
革命的共産主義者同盟議長 清水丈夫
記事を読む  
動労千葉の夏季物販を新しい全国運動の柱に
6・13大集会の組織化に全力を
記事を読む  
(3面)
5・15沖縄 沖縄と国鉄の闘い一つに
「辺野古案」に新たな怒り  “普天間は即時閉鎖だ” 1万7千人が包囲行動(5月16日)
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新たな闘いへ辺野古で集会  “安保粉砕し革命を”(5月17日) 記事を読む  
泉佐野 「財政健全化」攻撃と対決  “階級的労働運動路線の勝利” 記事を読む  
自治労中央委闘争(5・27〜28浜松市)へ
公務員360万人大量解雇の先兵 自治労中央本部を打倒せよ!(5月27、28日)
記事を読む  
(4面)
国鉄決戦の革命的貫徹と勝利をめざし6・13集会―全国大運動を巻き起こそう
国鉄決戦と沖縄決戦で日帝・鳩山政権打倒を
革命的共産主義者同盟議長 清水丈夫
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(5面)
団結街道閉鎖阻止へ
反対同盟 臨戦態勢突入を宣言(5月16日)
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(6面)
5・18日比谷 “裁判員制度にとどめ刺そう”
「大運動」が1800人の大集会  広がる“絶対つぶせる”の確信(5月18日)
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迎賓館・横田爆取差し戻し審
6・2判決公判に結集を  “勝利の決着をつけよう” 被告団からのアピール
記事を読む  
イラン政府による政治犯5人の処刑を弾劾する!(5月9日) 記事を読む  
日誌 2010年 5月12日〜18日
鳩山、「普天間」5月決着先送りへ/「国民投票法」が施行
記事を読む  

週刊『前進』(2440号1面1)(2010/05/24 )

 5・15沖縄 米軍基地撤去・安保粉砕へ闘い爆発

 青年労働者と学生を先頭に

 沖縄・三里塚の高揚を6・13国鉄大集会へ

 泉佐野市議選 国賀祥司さん7選の大勝利 (記事3面)

(写真 労組交流センターも合流し、1万7千人で普天間基地を包囲(【16日 宜野湾市】)

(写真 土砂降りの雨の中、圧倒的な注目を集めて国際通りをデモ【5月15日 那覇市】)

 5・15〜17の3日間の沖縄闘争が大爆発した。「今年の5・15闘争でついに国鉄と沖縄が結びついた。ここに70年安保・沖縄決戦を超える闘いの壮大な展望をつかんだ」。5月15日夕方、那覇市民会館中ホールに350人を結集して開催された「『復帰』38年5・15沖縄集会」の基調報告で、うるまユニオンの富田晋副委員長がこう宣言した。そして「9万人が決起した4・25県民大会。『革命の火薬庫』沖縄は導火線に火がついて、爆発寸前だ。だがこの炎に冷や水をかけている勢力がいる。これを私たちの力でぶっとばそう。沖縄を安保粉砕の決戦場として大爆発させる鍵は労働運動の復権と学生運動の発展だ。国鉄1047名闘争を軸に反合・運転保安闘争路線を各職場で実践しよう。5・15沖縄から6・13大集会へ全力で闘おう!」と呼びかけた。国鉄、沖縄、三里塚、法大の攻防を闘い抜き、6・13と全国大運動へ突き進もう。(3面に関連記事)
 5・15沖縄闘争は38年目を迎えた。4・25県民大会の9万人の怒りが民主党・連合政権に向かって解き放たれている。新たな安保・沖縄闘争が爆発を開始している。
 青年労働者・学生を軸に全国から結集した闘う部隊は、普天間基地包囲を始めとした今年の5・15闘争の先頭に立った。1047名解雇撤回と全国大運動のビラ・賛同署名をもって圧倒的に登場し、5・15〜17の3日間を猛然と奮闘した。
 15日昼の県庁前街宣では194筆の沖縄米軍基地に反対する百万人署名が、宜野湾海浜公園の平和行進・県民大会では6・13賛同署名58筆が集まった。2人の青年労働者が6・13チケットを購入し参加を約束した。
 そして県庁前ひろばで集会を開き、那覇国際通りを戦闘的にデモ。さらにその夜、「復帰」38年5・15沖縄集会を圧倒的戦闘的にかちとった。
 続いて16日、普天間包囲行動に参加した後、那覇市内で5・16全国青年労働者交流集会、全国学生集会を開催。17日は早朝から各地で宣伝活動を行い、辺野古現地集会で闘いを締めくくった。

 国際通りデモ

 15日午後4時すぎ、沖縄労組交流センターを始め約300人が沖縄県庁前で決起集会を開いた。織田陽介全学連委員長が「鳩山への怒りは渦巻いている。腹案の正体は辺野古だった。ふざけるな!」と断罪、「私たちのとるべき道は、安保そのものを粉砕することだ」と大演説した。
 激しい雨の中、午後5時前、県庁前のスクランブル交差点からデモが出発した。数十b進んだところで高校生3人がデモに合流し、バス停で並んでいるオバーたちが一斉に手を振る。圧倒的な注目と共感を集め、国際通りから与儀公園まで進んだ。

 「復帰」38年集会

 そしてメイン企画の「復帰」38年5・15沖縄集会。主催者あいさつに立った柿本博人沖縄労組交流センター代表(沖縄バヤリース労組)は、「72年5月15日、この那覇市民会館で本土復帰を祝う記念式典が開かれ、隣の与儀公園で土砂降りの雨の中、『沖縄処分抗議、佐藤内閣打倒5・15県民総決起大会』が開かれた。38年の時を経て基地撤去、沖縄奪還・安保粉砕を掲げた沖縄労働運動の大転換を実現していくスタートの集会をこの場で開いていることが誇らしい」と語った。
 集会は前述の基調報告を柱に、沖縄、国鉄、三里塚、法大を結ぶ総決起の場となった。1047名解雇撤回を貫く国労九州小倉地区闘争団の羽廣憲さん(国労5・27臨大闘争弾圧被告)、動労千葉・佐藤正和新小岩支部長、動労水戸・石井真一委員長が特別報告に立ち、羽廣さんは「われわれの時代が来た。一歩前に出ていって日本の労働運動を牽引(けんいん)する」と宣言した。
 動労西日本の山田和宏副委員長を先頭に教労、全逓、自治体、民間の青年労働者、さらに法大文化連盟、全学連が次々と発言し、職場闘争と一体で沖縄闘争を闘いぬく鮮明な決意を表明した。
 連帯のあいさつで、百万人署名運動の西川重則事務局長、同沖縄の会共同代表の崎浜秀俊さん、宮城盛光さんが口々に反戦を貫く沖縄を語り、基地撤去を訴えた。大挙結集した星野文昭さんを取り戻そう全国再審連絡会議が登壇。「基地撤去・安保粉砕を沖縄と本土の労働者人民が分断を打ち破って闘い、プロレタリア世界革命を!」と訴える星野文昭さんのメッセージを、星野暁子さんが読み上げた。
 最後に沖縄の民間パート労働者が、安保粉砕・基地撤去と1047名解雇撤回の新たな全国運動を訴え、6・13大集会への結集を呼びかけた。
 5・15闘争を打ち抜いた地平から、6・13大集会へ全力で突き進もう。
(写真 「復帰」38年5・15沖縄集会に350人が結集【5月15日 那覇市】)

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週刊『前進』(2440号1面2)(2010/05/24 )

 三里塚 市東さん不当逮捕許すな

 5・24-25闘争で奪還しよう

 看板設置の暴挙を弾劾

(写真 「団結街道に一指も触れさせない!」と労働者・農民・学生が雨をついて総決起【5月20日 天神峰】)

(写真 市東さんに手錠をかけ連行しようとする県警に萩原進さんが猛抗議。こんな看板を絶対に許さない!【5月17日】)

5・16現地闘争(5面に記事)の翌17日午後、三里塚反対同盟の市東孝雄さんが不当逮捕された。
 この日午後4時すぎ、成田空港会社は、団結街道の現地闘争本部の隣にある市東さんの畑の北側からその先のゴルフ場までの道路を、「5月20日から閉鎖する」とする看板を立てに来た。しかも、3枚の看板のうち1枚を市東さん宅の監視台の向かいに打ち込んでいくという暴挙に出た。
 そこに駆けつけた市東さんは烈火のごとく怒り、空港会社の作業員を猛然と追いつめ、持てる力の限りの怒りを爆発させ、「団結街道の閉鎖など自分がいる限り断じて許さないぞ」とばかり徹底的に弾劾し、看板設置の暴挙を粉砕した。
 市東さんの怒りの爆発に驚き、恐怖し、すくみ上がった国家権力は機動隊を急行させ、現場にいた市東さんと支援メンバーの全員を暴力的にはがいじめにして、市東さんだけを不当逮捕した。急を聞いて駆けつけた萩原進事務局次長、鈴木謙太郎さんを始め同盟・支援を見るや、市東さんはいったん押し込まれた警察車両から手錠をかけられたまま飛び出し、萩原さんと言葉を交わすことができた。「家の前に(看板を)立てたことを許さない。ありがとう。俺は行ってくるから」と市東さん。「市東さんを連れて行くなら、俺も連れて行け」と萩原さん。
 市東さんは「器物損壊」のデッチあげで成田署に連行された。また現闘の同志1人が公務執行妨害で不当逮捕された。
 成田署には、北原鉱治事務局長が先頭に立って駆けつけ、徹底的な弾劾闘争、市東さん奪還闘争をやりぬいた。不当な取り調べに対し完黙非転向で闘う市東さんは獄中から次のような熱烈な戦闘的メッセージを発した。
 「自分は元気です。頑張りますから、皆さんも頑張って下さい。これで俺たちは本気だということを空港会社に知らしめることができた」
 この決起に続こう!

 5・20に怒りの緊急闘争

 5月20日、反対同盟の呼びかけで団結街道閉鎖阻止緊急闘争が闘われた。雨が降りしきる中、反対同盟全戸と支援者が早朝5時から現闘本部隣の市東さんの畑に続々と駆けつけた。団結街道から北のゴルフ場までの道は労働者・農民・学生によって完全に制圧された。反対同盟の宣伝カーが「やるならやってみろ! 団結街道に一指でも触れたらただちに実力で粉砕する」とアピールを発し続けた。機動隊・私服刑事は距離をおいて様子をうかがうだけだ。3カ所の看板もすべて消えてしまった。市東さんの怒りの爆発が敵を追いつめているのだ。
 この日午後、反対同盟は、勾留決定のため押送される市東さんと現闘の同志の奪還・激励のために千葉地裁におもむいた。正午過ぎ、10日間の勾留が付けられたとの知らせが入った。怒りをたぎらせ、「即時釈放せよ!」とシュプレヒコールをたたきつけた。
 12時半、裁判所の駐車場から市東さんを乗せた車が出てきた。「がんばれ!」と正面に立ちはだかって手を振り、車のドアをたたいて激励。確かに市東さんだ。手を振っている! 一日も早く取り戻すぞ!
 市東さんの怒りがすべての人びとを激励し、猛然と決起を促している。5・24公聴会粉砕闘争から5・25午前の市東さんの農地裁判、同日午後の勾留理由開示公判へ総力で立ち上がろう!(6面に要項)

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週刊『前進』(2440号1面3)(2010/05/24 )

前進速報版から 前進速報版から

▼ソウルから市東さん逮捕に抗議のメッセージ届く▼沖縄と連帯し各地で街頭宣伝/米軍三沢基地前/富山▼新潟で基地撤去集会デモ

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週刊『前進』(2440号2面1)(2010/05/24 )

 中野洋同志を心から追悼する

 動労千葉の労働者と共に第2次国鉄決戦とプロレタリア革命の勝利へ闘うことを誓う

 革命的共産主義者同盟議長 清水丈夫

  (一)

 中野洋同志は偉大な労働者であり、労働運動の最高の指導者であり、不世出の大革命家だった。日本の労働者階級、そして世界の労働者階級にとって本当にかけがえのない存在であった。
 中野同志は何よりも労働者を愛し、動労千葉の労働者、仲間を愛し、動労千葉という労働組合を限りなく愛してきた。ここに中野同志のマルクス主義、労働運動、革命運動が本物で迫力あるものだった根拠があると思う。中野同志は団結した労働者の無限の力を心から確信していた。実際、中野同志とともに闘ってきた動労千葉(動労総連合)の労働者は、第2次国鉄分割・民営化攻撃と言うべき検修・構内部門全面外注化攻撃、国鉄1047名解雇撤回闘争陣形破壊の大攻撃に対して、中野同志を喪(うしな)った悲しみをのりこえて大ストライキ闘争をもって決起し、組織拡大の力でJR体制を打倒するために立ち上がっている。
 革共同はここに、動労千葉(動労総連合)労働者とともに、また全国の闘う仲間とともに、動労千葉のもとに結集し、動労千葉を守り抜き、強大化し、JR打倒、日帝打倒、世界革命まで闘いぬくことを宣言したい。このことを中野同志の霊の前に固く誓う。

  (二)

 中野同志の成し遂げてきた業績は到底語り尽くせないほど大きい。しかし、あえて一言で言えば、彼は階級的労働運動と革命的共産主義運動の歴史において、一つの革命を成し遂げたということである。
 「労働者階級自己解放闘争としての共産主義(運動)」「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」――これはマルクス主義を学んだ人なら誰でも知っていることであるが、実際にこれを実現することは、革命を本当にやり抜くことと等しいくらい大変なことである。中野同志はこれを現実に本当に実現していく闘いを、動労千葉でともに働く労働者とともに理論的、思想的、実践的に切り開いたのである。それは職場生産点で労働組合運動をとおして、資本・権力の労働者支配・分断支配と、絶対反対論と階級的団結論をもって闘い、労働者の自己解放の無限の力を引き出していくこと、そしてそれを労働者自身のマルクス主義の学習の活動と結合し、一体化していくこととして展開された。
 社民的ダラ幹やスターリニスト的ダラ幹の、労働組合と党や共産主義活動を分断し、労働組合は改良の枠内の闘いという形で、労働組合をいやしめていくやり方を打破して、同志中野はこのような闘いを動労千葉労働運動として現実化していった。労働組合自身がマルクス主義を学び、マルクス主義を現実的に武器としつつ、資本・権力と、階級的団結を武器に徹底的に闘い抜く時、その闘いはプロレタリア革命に至る労働者自己解放闘争全体へと発展する力を内在している。これは端的に言って、労働組合の革命論的意義として確認されていった。階級的労働運動論の確立と実践である。
 もちろん、中野同志は、資本家階級が国家権力を掌握し労働者階級を経済的、政治的、社会的に抑圧、支配している資本制社会を革命的に転覆するためには、労働者階級は自己自身の党として革命的共産主義の党を建設することが決定的に必要であることは、マルクス主義者として圧倒的に確認していた。問題は党が労働者階級自身の党として職場生産点に根を下ろし、労働組合運動の白熱的展開の中で、その先頭に立って闘い抜くことをとおして建設されなければならないということであった。つまり、階級的労働運動と革命的共産主義運動は労働者階級自己解放闘争の労働者自身による具体的展開として、限りなく有機的一体的に闘いとられなければならないということである。
 私は、中野同志が動労千葉と動労千葉派の具体的実践的苦闘の中で、闘う労働者とともに生み出し発展させた、この労働組合と党のあり方こそ、わが反帝国主義・反スターリン主義革命運動とその党(革共同、マル青労同、マル学同)が労働者階級の党として、真にプロレタリア革命を成就しうる党として自己形成していく上での決定的なカギをなす、現代の「何をなすべきか」であると確信している。06年の党の革命もまさに、これまでの党にあったゆがみを正し、これを全面的に貫徹する大変革だったのである。

  (三)

 中野同志の偉大な業績は、このような現代の「何をなすべきか」を単に組織論、革命論として明らかにしたことにとどまるものではない。中野同志はこれを現実の動労千葉や動労千葉型労働運動、11月派型労働運動として、決定的に資本・権力と闘いぬき対峙する一つの階級的勢力として形成する先頭に立ち、その闘いを勝利に導いてきたのである。
 そして、この点で決定的なブレークスルーは、1987年の国鉄分割・民営化攻撃と真っ向から対決し、松崎・動労カクマルの希代の裏切り、国労ダラ幹の裏切り的無為無策という大重圧、そして民間反革命の現代のファシスト・カクマルの度重なる襲撃をはねのけ、断固勝利的に貫徹し、動労千葉1200の階級的団結を堅持することに成功したことである。この力のもとで、1047名解雇撤回闘争の陣形も形成・堅持されてきたということである。
 ここで確認しておくべきことは、1987年に中曽根のもとで強行された国鉄分割・民営化攻撃は、日本での新自由主義攻撃の背骨をなすものとしてあるということである。そして、それは周知のように、けっして完了したり、終了したりしているものではないということである。大恐慌で破綻した新自由主義はボロボロになりながらも、結局、より悪質で、より凶暴な新自由主義攻撃を見境なく強行するしか延命の道はない。実際、動労千葉の闘いと1047名闘争によって、根幹のところで大きな打撃を受けたJRは、今や大恐慌下の不況重圧にあえぎつつ、ライフサイクル攻撃や検修全面外注化攻撃、そして1047名闘争破壊攻撃を内容とする第2次国鉄分割・民営化攻撃にのめり込んできている。そして、そのことの成否は、財政危機にあえぐ日帝ブルジョアジーの公務員360万人の「いったん解雇、選別採用」の大反革命の帰趨(きすう)を決めるものとなってきている。
 すなわち、中野同志が生涯をかけて守り育てた動労千葉と動労千葉派、11月派の階級的労働運動は、いま再び大恐慌下の日帝との階級決戦の中心軸になってきているのである。
 さらに言えば、大恐慌下の階級決戦を、第2次国鉄決戦勝利の闘いを基軸にして闘い、プロレタリア革命への道を開く突破口とするという路線を、中野同志は、動労千葉(動労総連合)の労働者とともに切り開いてきたのである。
 中野同志の切り開いた地平をがっちりと固め、今こそ第2次国鉄決戦を、1047名闘争陣形解体策動を徹底的に粉砕して、60年安保、70年安保を超える大闘争として全力で闘いとっていくことが、今日のわれわれの任務となっている。

  (四)

 動労千葉と動労千葉型労働運動のもつ階級性、革命性、吸引性、発展性は、真に階級的に自己解放闘争を開始した労働者階級の団結体のもつ特性としてあると言える。
 中野同志は、この点からして、全日建運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同との間で3労組共闘を形成し、かの11月集会をかちとるイニシアチブをとった。
 この11月集会が、年々発展する中で、日本階級闘争において果たしてきた役割の大きさは計り知れない。これは、実に日韓米の3国国際連帯にまで発展して、今日に至っている。これも今、一大開花期を迎えている。そして、この3労組は、今再び6・13の1047名闘争貫徹、第2次国鉄決戦貫徹のための「全国的大運動」の呼びかけ主体となっている。
 また、動労千葉と動労千葉型労働運動をテコとしての労働学校の開催、そして、それを契機としてのマル青労同、マル学同の再建に向かって、中野同志の懸命な努力には、実に頭が下がる思いである。
 今日の大恐慌下で真に階級的労働運動をプロレタリア革命へと発展させるためには、動労千葉も、革共同も、青年労働者の獲得に成功しなければ将来はない。2000万青年労働者と300万学生は今、資本主義の矛盾の集中的重圧のもとで怒りにあふれている。この力を解き放つ以外、革命の勝利はない。6000万プロレタリアートの決起もできない。
 ここから中野同志を先頭にして、マル青労同1000人、マル学同1000人の具体的目標が戦略的に設定された。さらに動労千葉青年部結成をも視野に入れて、青年学生を組織する闘いが開始された。今日、春闘に見るように、こうした青年労働者・学生のすさまじい力が、日本の階級闘争の大地でのびのびと力強く成長しつつあるのである。
 とにかく、同志中野の残した足跡の大きさ、その広さは、まことに驚くべきものである。まさに偉大な労働運動家、不世出の大革命家という以外にない。

  (五)

 この追悼文の最後に、今一度次のことを確認したい。
 大恐慌下の革命情勢を、日本の、世界の労働者階級、革共同は、絶対に見逃してはならない。中野同志が切り開いた階級的労働運動と革命的共産主義運動の、職場生産点を土台としての一体的形成を、今こそ爆発的に推進し、巨大な物質力へと発展させよう。
 第2次国鉄決戦という決定的な水路をゴリゴリと突き進み、大恐慌をプロレタリア革命に転化するために、あらゆる努力をしよう。そして、プロレタリアートの決定的勝利=革命の勝利のために、あらゆる努力、あらゆる創意を働かせよう。どんな階級的困難、階級的攻防の激化も恐れず、プロレタリア革命に向かってまっすぐに突き進もう。
 反帝・反スターリン主義世界革命の大旗を打ち振り、「革共同綱領草案」がはっきりとさし示す進路と目的をめざして、どこまでも驀進(ばくしん)しよう。
 中野同志は、動労千葉とともに、革共同をこの上なく愛していた。そして、その革共同が09年、「革共同綱領草案」を確立したことについて、中野同志は心から喜んでいた。
 全日本と全世界の労働者階級、動労千葉と動労千葉派、11月派の全労働者同志たち、そして、革共同、マル青労同、マル学同の全同志たちよ。
 今こそ偉大な中野同志の切り開いた道を圧倒的に推進し、勝利させ、プロレタリア世界革命を勝利させていこう。これこそが、同志中野への最高最大の追悼ではないだろうか。ともに闘わん。
 中野同志よ、これを見守ってくれ。

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週刊『前進』(2440号2面2)(2010/05/24 )

 動労千葉の夏季物販を新しい全国運動の柱に

 6・13大集会の組織化に全力を

 4月9日、政府と与党3党・公明党が国鉄1047名問題の「解決案」で合意した。前原国土交通相の「今後とも、国鉄改革の完遂に全力を挙げる」という談話の意味は、国鉄労働運動を根絶することだ。国鉄闘争の火を絶対に消してはならない。6・13大集会3000人結集を実現し、新たな全国運動の大前進をつくりだそう。その最大の武器は動労千葉の物販闘争だ。

 反合理化闘争復権させよう

 4者4団体は4月12日、「解決案」受け入れを決定した。この「解決案」は、民主党への白紙委任という形で推し進められた。その結果、当初は「三つの要求」として鳴り物入りで宣伝された「雇用・年金・解決金」は、ふたを開ければ「@すべての訴訟を取り下げる、A不当労働行為や雇用の存在を二度と争わない、B雇用は保障できない」という「和解3条件」に置き換えられてしまった。
 何よりも「動労千葉を除く」と明記してあり、1047名当該である動労千葉の9人を排除している。前原国土交通相の談話に示されているように、権力とJR資本は、1047名解雇撤回闘争に幕を引き、国労をJR総連・カクマルに代えて国鉄闘争根絶のために利用しきろうとしている。
 この攻撃に総力で反撃し、新自由主義と対決して、反合理化闘争を復権させることが求められている。その力は職場・生産点の労働者の中にある。反合・運転保安闘争と物販闘争の力で、合理化攻撃と闘えなかった戦後労働運動の壁を今こそ突破し、新しい労働運動の創成をやりとげよう。6・13大集会は、そのための決定的な跳躍点だ。

 検修外注化4月実施を阻止した

 動労千葉は5波にわたるストライキを闘い、検修・構内業務外注化の4月1日実施を阻止する歴史的大勝利をかちとった。反合・運転保安闘争路線で労働組合が闘えば、外注化は絶対に阻止できる。
 検修外注化計画は、JR東日本全体で5000人の検修職場の労働者のうち1500人の業務をまず外注化し、5年後には検修職場をすべて外注化するというものだ。そしてJR自体を数百の子会社・孫会社に分割し、JRの労働者の大多数を非正規職に置き換える大攻撃だ。
 こんなことが簡単にできるわけがない。千葉での外注先である「千葉鉄道サービス」は、検査・修繕のノウハウも体制もない単なる車両清掃会社だ。管理職も含め、業務を「丸投げ外注化」するしかない。それは「偽装請負」「強制出向」という違法行為のオンパレードになる。だから外注化は、労働組合が協力し、組合員に強制することによってしか成り立たない脆弱(ぜいじゃく)なものだ。
 しかも、先に国労本部やJR総連の協力で外注化された保線を始めとする保守3部門を見れば明らかなように、業務は完全に破綻している。これはJR自身が動労千葉との団交で認めていることだ。さらに車両故障による輸送障害が大手私鉄の平均の10倍以上に達しており、いつ第2の尼崎事故が起きてもおかしくない。運転台に「故障シール」が張られたままの列車や、車輪の「フランジ厚」が規定値を割り込んだままの列車が平気で本線を走っている状況だ。外注化は根本的に破綻しているのだ。
 同時に検修・構内業務外注化は、矛盾を平成採用の青年労働者にしわ寄せする。その中で動労千葉の6人の平成採用組合員が「外注化の問題はおれたち自身の問題なんだよ!」と声を発した時、東労組内部の青年労働者からも「ストを配置しろ!」という突き上げが噴出した。動労千葉の闘いが、ついに青年労働者の決起を引き出したのだ。これが最後的な決定打となって、4・1外注化実施は中止に追い込まれた。
 外注化は闘えば絶対に阻止できる。この動労千葉の勝利の地平と展望を全国の職場生産点に徹底的に持ち込むことが、何よりも求められている。動労千葉物販闘争こそ、その最大の水路だ。
 国鉄分割・民営化は、当時の首相である中曽根が言ったとおり、国鉄労働運動を根絶することにより総評労働運動を解体し、日本の労働運動それ自体を根絶する攻撃だった。したがって資本と労働者階級が力と力で激突する階級決戦であり、最初から力による決着以外ありえないのだ。

 職場の力関係が勝敗決める

 すべては職場生産点における力関係によって決する。職場の団結こそ労働者の力だ。そして解雇は団結の力で撤回させるものだ。船橋事故闘争も、裁判では負けたが、団結の力で職場復帰をかちとった。問題は、とことん職場生産点にこだわり、職場生産点から労働者の団結をつくり出していくことにある。
 4・1外注化実施阻止の勝利は、ストライキだけでなく、むしろこの10年間の職場生産点での反合・運転保安闘争路線に基づく地道な職場闘争の積み重ねの上にかちとられた。特筆すべきは、「業務外注化推進条項」を盛り込んだシニア協定との闘いだ。この勝利が実は生命線だった。
 当初JRは、シニア協定で、退職者を再雇用し、外注化の逐次実施をもくろんだ。だが、これに対して再就職をけって立ち上がったのは、定年を控えた現場組合員たちだった。「JRで働き続ける若い仲間のために」自分の定年後の再就職をけったのだ。外注化をめぐる死闘は、現場労働者の退職後の生活をかけた決起によって、その血路が切り開かれていった。
 動労千葉の組合員は、組合の危機を自らの決定的な決起によって切り開いてきた。動労千葉の組合員は、動労千葉を自分の組合だと感じ、指導者を自分たちの指導者だと思い、ものすごい力を発揮してきた。動労千葉の古参の組合員は言っている。「中野洋という指導者はおれたちがつくった。おれたちが育てたんだ」と。階級こそ最高の教師であり、階級から学ぶことに限りはない。反合・運転保安闘争路線とはこういう闘いだ。
 とことん職場生産点にこだわり、職場闘争をとおして職場支配権をもぎりとり、職場丸ごとの決起をつくりだす。団結の力で職場生産点から力関係を転覆していく。
 そのためにも、物販闘争をとおして動労千葉の勝利の教訓を持ち込むことが決定的だ。自分の職場で反合・運転保安闘争を実践する時、困難や壁をのりこえる最高の力は、動労千葉の闘いにじかに触れることだ。動労千葉と自分の職場の現実が同じであり、それが国鉄分割・民営化から始まったことを理解した時、動労千葉の闘いの中に自分の職場の現実を変える力があることを学べる。だから物販闘争は、反合・運転保安闘争の職場実践において絶対不可欠であり、組織化の最大の武器なのだ。

 物販は攻めの解雇撤回闘争

 国土交通省は、国労闘争団910人全員の署名入り承諾書の提出を要求している。「不当労働行為や雇用の存在を二度と争わない」と誓い、国鉄分割・民営化の正当化を認めるとは、今、全労働者に襲いかかっているあらゆる民営化−合理化−外注化−非正規化の攻撃を認めることだ。「国鉄闘争の火を消してはならない」という訴えは、どんな労働者もけっして否定しきれない。この大義を掲げて、思想も闘い方もまったく違う膨大な労働者階級の中に深々と分け入っていく。4・1外注化実施阻止の勝利の地平から、「民営化−外注化は絶対阻止できる。国鉄労働者は絶対に立ち上がる」という勝利の展望を語り尽くす。そのオルグの最大の水路が物販闘争だ。
 「新しい全国運動」の成功は、反合・運転保安闘争と物販闘争を全国の職場生産点で全力で実践する中にある。そのためにも動労千葉を支援する会を全国に結成し、組織化の柱に物販闘争をどっしりと据えきろう。
 日本の労働者は、20年以上にわたり1047名の物販闘争を支え続けた。24年も闘い続けた1047名もすごいが、20年以上も物販闘争を支えてきた労働者もすごい。そうした労働者が日本には100万人もいるのだ。今、この労働者とつながらなくていったい誰とつながるのか。今この労働者を獲得しなくて、いつ何をするというのか。日本の労働者階級を信じ切れるかどうかに勝負はかかっている。
 物販は1回や2回のオルグで白黒がつく闘いではない。10年通い続けて初めて注文が取れたという例は山のようにある。物販闘争の強みは、その正義性、大衆性にあるだけでなく、その継続性にある。反合・運転保安闘争が「攻めの反合理化闘争」なら、物販闘争は「攻めの解雇撤回闘争」なのだ。
 反合・運転保安闘争と物販闘争を車の両輪に、合理化攻撃と闘えなかった戦後労働運動の限界を突破し、新しい労働運動を創造する。ここに「新しい全国運動」の路線的核心がある。
 物販闘争を「新しい全国運動」の組織化の柱に据えきり、6・13大集会3000人結集を絶対に実現しよう。
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◇販売品目◇   (円) 

 

 

 

 

1 天津甘栗       500
2 焼カシューナッツ   650
3 特選甘納豆      500
4 もずくスープ     550
5 オレゴンプルーン   900
6 ポケットチーズ    900
7 ビーフジャーキー   600
8 さつま芋甘納糖    450
9 スティッチバスタオル 1500
10 黒ウーロン茶     1200
11 北海道レアチーズケーキ 950
12 薩摩のいも焼酎    2900
13 山梨ワイン      2900
14 フルーツゼリー    1500
15 ロシアンケーキ    1000
16 くずきり3種     1300
17 野菜・果汁ジュース  1300
18 どんこ        1000
19 即席みそ汁      1300
20 野菜たまごスープ   1300
21 コンソメスープセット 1250
22 あさりの佃煮     1300
23 さんま丼       600
24 小魚の佃煮      1100
25 わかめちゃん     700
26 ブレンドコーヒー   750
27 静岡茶        650
28 寒干し味噌ラーメン  1300
29 もりおか冷麺     1100
30 北信濃手折りそば   1700
31 島原てのべそうめん  1300
32 稲庭うどん      2000
33 博多冷し中華     1200
34 梅にんにく      1300
35 日高昆布       1000
36 ひじき(房総産)   650
37 根昆布しょうゆ    600
38 天然だしパック    1300
39 ナガイの焼のり(5帖) 1700
40 紀州南高梅      1600
41 ビーフカレー     3000

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週刊『前進』(2440号3面1)(2010/05/24 )

 5・15沖縄 沖縄と国鉄の闘い一つに

 「辺野古案」に新たな怒り

 “普天間は即時閉鎖だ” 1万7千人が包囲行動

(写真 青年・学生とともに百万人署名運動、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議なども5・15闘争に総決起。普天間を包囲した【5月16日 宜野湾市】)

 沖縄全島9万人が決起した4・25県民大会――この闘いで2010年の安保・沖縄闘争は完全に新たな地平に入った。
鳩山は「米軍が果たす抑止力は重要」と沖縄に基地と日米安保を容認しろと迫り、再び辺野古沖埋め立て案を持ち出した。ふざけるな! すでに沖縄の労働者人民は闘って勝つ以外に進むべき道がないことを自覚して闘いを開始した。それが4・25島ぐるみ決起だ。
あれから20日後の5月16日、土砂降りの雨をついて1万7000人が米軍普天間飛行場の周囲13`を包囲し「普天間基地を返せ!」と怒りを一つに叫んだ。この県民の大行動を生中継したラジオ沖縄からは、「私たちがいやなものをどこに移せとは言えない。基地は閉鎖してほしい」「子どもたちの未来に基地はいらない」という沖縄県民の思いが発信された。
この激しく燃える沖縄の魂に揺さぶられ、全国から駆けつけた青年労働者・学生は、沖縄労組交流センターと合流し350人の部隊で普天間包囲行動に参加した。あちこちで地元沖縄国際大の学生や住民との感動的な交流が生まれた。「団結して闘えば基地は撤去できる!」「めっちゃ楽しい!」――ずぶぬれで寒さに震えながらも、参加者の解放感あふれる笑顔が広がった。

 青年集会 職場報告を軸に討論 “本当の主流派に飛躍を”

 沖縄青年会館で16日、「大恐慌情勢下の新自由主義と対決する労働運動を」と題しオキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会inOKINAWAが開かれた。昨年までと趣を変え、職場報告と討論を中心に、職場生産点から階級的労働運動の路線と実践を打ち立てる集会となった。
 まず全逓の青年労働者が、少数から始まった郵政民営化反対の闘いが、管理職や本部派役員との激突をとおして仲間を増やし、JPEX子会社化と強制出向粉砕の闘いとして爆発したことを報告。「10万人正規職化」についても「攻撃だと言うだけでなく『郵政職場で働く非正規の仲間を全員正社員にしろ』と当局の分断を打ち破る闘いをていねいに議論していく必要がある」と語った。
 非正規を組織する労組の青年は、調整休や能力給導入、雇用期間短縮、直接雇用から派遣会社への転籍との闘いを報告。厳しい討論の末にスト方針が否決されたこと、スト反対の仲間も含めて全員ビラまきを提起し全員をオルグしたことなどを報告し、組織拡大で会社と闘う決意を語った。
 公共交通の労働者は、当局と組合が結託して下請け会社をつくって外注化を進める現実を怒りを込めて弾劾、組合はどっちの味方なのかと役員選挙に立候補したことを報告。まだまだ現場の怒りが組織できていないことが悩みだと語った。
 大阪の自治体労働者は、非正規職導入絶対反対を貫き、今まで反発していた労働者が「原則を貫くのは君だけだ」と支持に回ったと発言。要員削減と非正規の増加の中で労働者の怒りが仲間に向かう現実に対し「社会をひっくり返す革命の立場で闘おう」と訴えた。
 討論では、交運労働者が数年来の賃下げや非正規化の攻撃にあきらめムードも漂う中、職場の全員を組合に組織する方針を提起、「組合は解散しろ」と言っていた労働者がオルグを始めるなど、「現場の労働者はバラバラでは駄目な時代だと感じ始めている」と手応えを語った。
 さらに「日勤と夜勤を同じ賃金にする合理化は許せない」「戦後労働運動の限界を超える労働運動をつくろう」「管理職に謝らせた」など活発な報告・発言が続いた。
 動労千葉の佐藤正和さんは「日本の労働運動の未来をかけて中野洋になろう。労働運動を天職に」と語った。動労水戸の石井真一委員長は、労働者を動労千葉と合流させないために協会派や日本共産党が全力を注いできた歴史を語り、いまこそこれを打ち破ろうと述べた。最後に医療労働者が「職場に本当の主流派としての団結をつくろう」とまとめ6・13集会への組織化を訴えた。
(写真 職場報告と討論を中心に、職場から路線と実践方針を打ち立てた全国青年労働者交流集会【5月16日 那覇市】)

 学生集会 米軍基地撤去・日帝打倒へ 決戦突入を熱く宣言

  5月16日、普天間包囲行動を終えた全学連は、那覇市内で5・16全国学生集会inOKINAWAをかちとった。
 織田陽介委員長が「帝国主義を打倒する学生運動の壮大な復権に向かって」と題して基調報告を行った。全国の学生、とりわけ初参加者に向かって織田委員長は「沖縄人民の積もりに積もった怒りは、なぜ今まで抑えつけられてきたのか?」と問い、「もはや帝国主義戦争と労働者人民は和解できなくなった。ここに時代認識の核心がある」「沖縄闘争が日米安保の命運を握る歴史的過程に突入した。学生運動の爆発で応えよう。本土の学生・労働者がともに立ち米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒まで突き進もう」「今次の沖縄闘争の意味は、学生の団結した行動が無限の可能性を持っているとはっきりさせることだ」と訴えた。そして、国鉄闘争6・13大集会から8・6ヒロシマ大行動へ、法大処分撤回闘争と全国自治寮決戦をとおして「仲間を大事にする組織として登場した時、巨大なインパクトが生まれる。70年闘争の地平を体現して獄中35年、闘う星野文昭さんを奪還する現実性もここにある」「没落する体制内党派を打倒し、真の労働者党を建設しよう」と呼びかけた。
 法大文化連盟の斎藤郁真委員長が戦争と大恐慌の歴史をとらえ、「新自由主義に抗し、世界の学生が『教育の民営化反対!』の同じスローガンで闘っている。われわれの運動がどれほど世界的であり、全体的なものか。学生運動と沖縄闘争は一つのものになろうとしている。基地撤去、処分撤回で闘おう!」とアピールした。
 広島大学の鈴木研也君が8・6ヒロシマへの結集を訴え、法政大学の倉岡雅美さんが「法大1千筆―全国1万筆の署名の力で絶対に処分を撤回させよう!」とアピール。6月ブラジル訪問に向けて松室しをりさん(全学連国際部)は「全学連・文化連盟の闘いの内容で世界の仲間も獲得する」と決意を語った。
 京都大学熊野寮、東北大学日就寮、富山大学新樹寮が次々と全国学寮決戦アピール。法大に続く闘いの火柱が自治寮から噴き上がり始めた。
 1年生を先頭とする初参加者全員が前に並んで集会は最高潮を迎えた。
 「沖縄で闘えば変えられると思った。熱い仲間がここにいる!」「労働者・学生は団結できるのかと思っていたが、沖縄に来て集会に出て、なんだ、団結してるじゃないかと!」「あふれるパトスを抑えつけるやからを粉砕しよう!」
 沖縄闘争で組織を拡大し、全学連と法大闘争は新たな進撃を始めた。
(写真 「熱い仲間がここにいる!」 1年生を始め初参加者と学生全員が強い団結を固めぬいた【5月16日 那覇市】)

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週刊『前進』(2440号3面2)(2010/05/24 )

 新たな闘いへ辺野古で集会

 “安保粉砕し革命を”

  沖縄闘争最終日の17日、早朝から辺野古現地での全戸ビラ入れ、キャンプ瑞慶覧(ずけらん)の二つのゲート前で基地労働者へのビラまきに決起した。また、那覇の県庁前では、自治体労働者に6・13大集会を訴えビラをまき、賛同署名を訴えた。
 全学連は沖縄大学に登場し、法大処分撤回の署名とビラまきを行った。多くの学生と討論の輪ができ24筆の署名が集まった。
 昼前には全体が名護市辺野古に結集し、キャンプ・シュワブをにらむ浜で辺野古現地集会をかちとった。北部合同労組うるまユニオンの富田晋さんが3日間の行動のまとめを提起した。
 「この浜に立つと辺野古新基地絶対阻止の闘いがよみがえる。労働者の闘いでしか新基地建設は止められない。5・15闘争を全国の労働者・学生とともに闘い、新たな安保沖縄闘争が始まった。全勢力が安保を前提とし、1047名闘争を投げ捨てようとする中、私たちが国鉄闘争で労働運動をよみがえらせ、安保を粉砕し、社会を変える、つまり労働者の力で革命をやろうと鮮明に打ち出した。本日ここから6・13大集会の爆発へ進撃しよう。5月23日に鳩山が再び沖縄に来る。鳩山を打倒し革命をやってやろうじゃないか!」
 猛烈な雨が降り注ぐ中、新たな沖縄闘争が力強くスタートした。
(写真 新基地建設を実力で阻んできた辺野古の浜に立ち、新たな安保・沖縄決戦への総決起を誓った【5月17日 名護市】)

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週刊『前進』(2440号3面3)(2010/05/24 )

 泉佐野 「財政健全化」攻撃と対決

 “階級的労働運動路線の勝利”

  5月16日投開票の泉佐野市議選で、国賀祥司候補(関西新空港絶対反対泉州住民の会事務局長、関西合同労組特別執行委員)が1192票を獲得して20位で7選を果たした。これは首切りと団結破壊の民営化・道州制攻撃と対決し、階級的労働運動路線を貫いてもぎり取った画期的勝利だ。1192票は階級的団結で泉佐野を変え、全国に波及する偉大な階級決起だ。
 国賀陣営は、公務員バッシングの嵐の中で真っ向から「市職員削減絶対反対」を訴えて闘った。国賀候補以外の全候補が、資本家の先兵として「財政再建」「公務員削減」を叫ぶ中、国賀陣営は「空港の借金の責任は労働者にも住民にも一切ない」「首切りと民営化と増税の夕張化計画=『財政健全化計画』絶対反対」を訴え、保育所や市立病院前を始め市内全域で大宣伝し、署名運動に取り組んだ。「赤字で国(市・会社)がつぶれたらどうするんだ」という恫喝に対して、「国(市・会社)なんかつぶれていいんだ。労働者の団結こそ社会を動かす力だ」と革命を対置して獲得する闘いだった。
 こんな選挙戦は初めてだ。われわれは階級的労働運動路線を貫き、自治体職場に「絶対反対派」をつくりだすことを目的として闘い抜いた。
 今回の選挙戦の大勝利の核心は、市職労(自治労連)前委員長の日本共産党現職をたたき落として国賀候補の当選をかちとったことだ。労働組合を巡る日共との党派闘争に競り勝ったのだ。日共候補は、自らの出身母体である市の職員に大量首切りと民営化攻撃がかけられているのに完全逃亡し、「住民主人公」「地域住民の繁栄なくして自治体労働者の幸福はない」(4月23日付市職労機関紙)とし、最終盤では「健全化計画」に一切触れず、「どぶ板」宣伝に明け暮れ、自治体労働者から見放された。
 市職員と住民に536億円もの借金を押しつける「健全化計画」の主軸は、公立保育所すべての民営化と市立病院の独立行政法人化だ。
 保育所前では保育士や保護者の大多数が署名に応じ、病院前では多くの看護師や出入りの医療労働者、患者、見舞客が「空港の借金のために市立病院を切り捨てるなどもってのほか。公立病院を金もうけの医療に変える民営化反対」と口々に語り署名に応じた。
 われわれは、職員や住民の中に「健全化計画」=民営化への圧倒的怒りが存在していることに確信を深め、告示日直前に保育労働者交流会と医療労働者交流会を行った。
 討論を進める中ではっきりしたことは、3月末の保育所1園民営化と1園の廃園によって三十数人のパート保育士が雇い止め解雇されていたことだ。市当局は、当初「5園は残す」としていたが、今や7園全部の民営化と幼保一元化を進めている。自治労連執行部はパート労働者の大量首切りを容認した。保育労働者の多くが「健全化」反対署名に応じたのは、首切り容認の自治労連執行部のもとでは生きていけない、闘って撤回させたいという強い思いからだ。
 病院では、動労千葉の業務外注化阻止の闘いや、八尾北医療センター労組の民営化阻止闘争を伝える関西合同労組のビラを見た若い看護師が「今の組合に入っている意味がない」と自治労連を弾劾した。交流会をとおして、今こそわれわれが自治労連執行部を打倒して主流派にならなければならないことを確信した。
 青年労働者が多く住む新興住宅地を中心に、市内全域のスーパー・団地などで、候補者を先頭に、関西合同労組、労組交流センターも街宣やスポット演説、ねり歩きに決起した。最後の最後まで「財政健全化計画を労働者住民の団結で阻止しよう」「民間も公務員も労働者は一つだ。沖縄やギリシャのように労働者の団結で社会を変えよう」と訴え、勝利をもぎりとった。
 資本主義の終わりの時代の選挙闘争は、新自由主義の手先として登場する全勢力との大党派闘争、権力闘争の場だ。「財政健全化」絶対反対は、階級的団結で資本主義を打倒し、プロレタリア革命へ突き進むスローガンだ。それを貫いてわれわれは勝った! 全国の同志たち、泉佐野に続け!
(写真 選挙戦最終日、国賀候補を先頭に「首切りと民営化反対、泉佐野から社会を変えよう」と訴え、住宅街をねり歩いた【5月15日 泉佐野市】)

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週刊『前進』(2440号3面4)(2010/05/24 )

 自治労中央委闘争(5・27〜28浜松市)へ

 公務員360万人大量解雇の先兵 自治労中央本部を打倒せよ!

 5月27〜28日に静岡・浜松市で自治労第140回中央委員会が開かれる。闘う自治体労働者の最大の任務は、中央委員会に結集する自治労組合員に4・9「解決案」の真実を暴露し、「国鉄分割・民営化反対 1047名解雇撤回 国鉄闘争の火を消すな 6・13大集会」への結集を訴え組織化することだ。国鉄闘争勝利の新たな大運動で労働運動をよみがえらせ、プロレタリア革命への大道を切り開こう。

 解決案賛美する都労連コメント

 1047名解雇撤回闘争に関する政府・4党による4・9「解決案」の内容は“国鉄分割・民営化は正しかった”“雇用・年金はゼロ、涙金の解決金のみ”というものだ。国鉄闘争と日本労働運動全体を解体し終わらせることが狙いだ。動労千葉と同争議団9人と闘う国労闘争団員は「解決案」を拒否し、闘争継続を宣言した。
 だが4・26国労臨大は「解決案」を承認、4者4団体も受け入れた。続いて都労連執行部が「JR採用問題解決に向けた都労連コメント」を発表し、4者4団体の「解決案」受け入れを「日本の労働運動の未来を指し示すもの」と賛美した。大恐慌下で吹き荒れる大失業攻撃に対し、社保労組や国労本部のように自ら解雇撤回を投げ捨てて公務員360万人首切り=道州制攻撃の先頭に立つと宣言したに等しい。
 自治労本部は1047名闘争にまったく言及していない。民主党・連合政権支持の立場から「解決案」に暗黙の承認を与えているのだ。国鉄闘争陣形の軸をなしてきた自治労・日教組組合員への裏切り・敵対だ。中央委員会で動労千葉派の鮮明な隊列を登場させ、自治労本部を断罪し、組合員に国鉄闘争の大運動への参加を呼びかけよう。

 新しい公共と地域主権に反撃

 闘う自治体労働者のもう一つの任務は、中央委員会議案や県本部政策担当者会議議案を徹底的に暴露・弾劾し、自治労本部打倒を訴えることだ。
 自治労本部は民主党・連合政権を支えるために自ら政策・法案を作り提案する立場に転換し、自治体労働運動を産業報国運動に変質させようとしている。今回、国家財政破綻を自らの存亡にかかわる問題とし、その突破をかけて「地域主権改革」推進と「持続可能な日本社会のグランドデザイン」構想を打ち出した。そのもとで「公共サービス基本条例制定」「公契約条例制定」「指定管理者制度の抜本的見直し」に取り組む方針を掲げた。自治体の事務・事業=「公共サービス」にNPO(非営利活動団体)や民間事業者(=資本)を全面的に引き入れる「新しい公共」の推進を提案している。
 鳩山民主党政権は「地域主権」と「新しい公共」で労働者人民を国家統治に参加させ、階級意識を解体し、大恐慌下の日帝の財政危機、体制危機を突破しようとしている。自治労本部は自治体労働者にこの先兵になれと号令しているのだ。
 これらは「市場原理万能の新自由主義的な改革とは一線を画す」ものと称されているが、公務員首切り・民営化・外注化・非正規職化を一層推進する新自由主義攻撃である。またギリシャの労働者反乱のような事態を予防反革命的に阻止する意図がこめられている。
 国鉄―4大産別労働運動をめぐる攻防が一切を決する。今こそ国鉄闘争勝利の全国大運動、安保・沖縄決戦の大爆発で鳩山民主党・連合政権もろとも自治労本部を打倒しよう。反合理化・運転保安闘争路線で職場闘争を推進し、組織を拡大し、闘う労働組合を再生させ、職場支配権―労働組合権力を奪取しよう。6・13大集会3000人結集を実現しよう。

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週刊『前進』(2440号4面1)(2010/05/24 )

 国鉄決戦の革命的貫徹と勝利をめざし6・13集会―全国大運動を巻き起こそう

 国鉄決戦と沖縄決戦で日帝・鳩山政権打倒を

 革命的共産主義者同盟議長 清水丈夫

 T動労千葉の春闘ストライキは第2次国鉄決戦の戦端を開いた

 国鉄決戦を軸に4大産別と全産別の労働者が総決起

 大恐慌をプロレタリア世界革命に転化しよう。この偉大なスローガンを高く掲げて前進しよう。
 2010年1〜4月の第2次国鉄決戦は動労千葉(動労総連合)の4波のストライキ闘争の革命的貫徹を基軸に、4大産別・全産別労働者の総決起として画期的地平を切り開いた。
 今回の動労千葉(動労総連合)のストライキは、「1047名解雇撤回・原職復帰」「検修全面外注化阻止・運転保安確立」「国際連帯の強化」のスローガンを高々と掲げて、断固貫徹された。このスローガンの一つひとつに、大恐慌下の資本・権力の労働者階級への攻撃を根底から打ち破る決定的意義・内容がある。
 動労千葉の今次大ストライキは、まず、第一に「1047名解雇撤回・原職復帰」のスローガンを掲げて闘われた。これは「1047名解雇撤回闘争」が、今日の大恐慌と大失業の情勢の中で、これに対する労働者階級の闘いと結合し革命的な一大階級闘争へと発展することに恐怖した、日帝ブルジョアジー・JR資本、日帝・鳩山政権、国労ダラ幹など「4者4団体」の体制内勢力の、「最終解決案」をもってする1047名解雇撤回闘争=国鉄分割・民営化反対闘争の幕引き策動と真っ向から対決するものとして闘われた。動労千葉の4波の革命的ストライキは根底において、この悪質きわまる大反動をぶち破った。
 ここで確認すべきことは、資本の解雇攻撃に絶対反対を貫くことに労働組合の原則があることを、あらためて決定的に明確にしたことである。さらに、今日大恐慌の重圧下で財政危機の地獄にのたうつ日帝ブルジョアジーが、87年の国鉄分割・民営化において「国鉄解体」「いったん解雇・選別採用」――JR会社設立という方式で、「国家的不当労働行為」を平然と行い、20万人もの労働者をたたき出し、解雇していったやり方を、4大産別を始めとして全産業的にも強行しようとしていることである。民営化・道州制といったことが改革の名で絶対化され、360万公務員を「いったん全員解雇」して、選別採用して、半分以上は解雇するといったことが、自民党系のみならず民主党においても公々然と言われている。こんなやり方は絶対に許さない。絶対に粉砕しなければならない。このことを全労働者の声とすべく、動労千葉は今次ストライキを全力で闘い抜いたのである。
 第二に、「検修全面外注化阻止・運転保安確立」のために真っ向から大ストライキが組織され貫徹されたことの意義はきわめて大きい。この攻撃は恐るべきものである。検修・構内部門は鉄道事業の根幹をなす部門である。この部門を全面的に外注化するというのだ。これは7分割された国鉄を、さらに何十、何百もの子会社に分割し、民営化を推進し、民間委託とし、アウトソーシングの体制を満展開しようとするものである。鉄道事業の根幹の一つをなす検修・構内部門を全面的に外注化することは、鉄道の安全確保・運転保安について重大な危険をもたらすことは必至なのである。これは利潤の極大化のためには一切を犠牲にしてはばからないという新自由主義的な国鉄分割・民営化路線の本質からくる必然的攻撃であるが、明らかにこれ自体、反社会的犯罪行為であると言わなければならない。
 しかし、今回の攻撃の真の目的は、はっきり言って、動労千葉を組合として全面的に抹殺・解体しようというところにある。動労千葉がその階級的労働運動路線を堅持して屹立(きつりつ)している限り、新自由主義的民営化の根本的目的である労働組合の解体は絶対できないとみたJR資本と権力は、まさに動労千葉抹殺のための大攻撃に打って出たのである。もちろん、この攻撃を貫徹することで他の労働組合も解体・再編する狙いを込めているが、しかしそのためにも動労千葉解体が必要だと考えたのである。JR資本・権力は動労千葉に対して、まさに階級決戦を挑んだのである。しかし、敵側のこの狙いは動労千葉と動労千葉派、11月派の闘いの底力を見据え損ねたものでしかなかった。
 動労千葉は、この検修・構内部門の全面外注化の攻撃が打ち出されるや直ちに、一つの階級的決戦が到来したことを明確にして、組合的団結を打ち固め、87年国鉄分割・民営化反対闘争以来の総決起闘争に突入した。
 動労千葉は歴史的に打ち固めてきた階級的団結とその「時代認識と路線」に基づき、この攻撃が動労千葉解体攻撃であることを真っ向から暴露し、「絶対反対」「階級的団結」の闘いに立ち上がった。とりわけ、その反合・運転保安闘争路線をもって、検修・構内部門全面的外注化の反階級性、反人民性を暴露しきっていった。そして今春闘において、87年国鉄分割・民営化反対スト以来の決意を込めて、4波のすさまじい戦闘的ストライキに決起したのだ。そして、動労千葉と動労千葉派、11月派の全国の労働者が一つの火の玉となって、決定的な階級的怒りをJR資本・権力にたたきつけ、逆にこの闘いの中で青年労働者を組合に迎え、組織強化をかちとっていった。そして、この革命的決起は敵に痛打を与え、10年4月1日からの「外注化」という方針を阻止したのである!
 この「組合的団結」を決定的に重心に据え、運転保安上の問題を、資本の合理化・リストラ攻撃のもつ、資本の本性からくる問題性として暴露し闘うという、動労千葉の切り開いた「反合・運転保安闘争」の地平は、大恐慌下の資本攻勢と闘う全産業の労働者階級の反合・反リストラ闘争の武器となること。このことが、この1〜4月の闘いをとおして圧倒的に普遍的に確認されていったことは、日本の階級的労働運動の切り開いた地平として最大級の重さをもって確認されなければならない。
 この点からしても、各国での階級的労働運動を白熱的に発展させることを土台に、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」転化することを確認した09年11月集会の決議を、直ちに実行したものとして、「国際連帯の強化」という目標を闘い抜いたものと言える。そして、この1〜4月の闘いをとおして、第1の国鉄分割・民営化との闘い、第2の国鉄分割・民営化との闘い、大失業と戦争とに対する全闘争が、一つの階級的労働運動の白熱的爆発としてついに一体となった。国鉄決戦に勝利し、それをプロレタリア世界革命へと発展させるべき闘いが現実に本当に第一歩を踏み出したのである。
 国鉄決戦を中軸に全労働者階級が総決起していく――このことのもつ巨大な引力というものが生き生きと明らかになった。沖縄決戦、三里塚決戦、法大・全学連決戦、すべての闘いがプロレタリア世界革命への巨大な流れに合流して一体化し、ともに闘う情勢がつ
いに切り開かれたのである。

 1047名闘争の解体策す「最終解決案」許さず闘おう

 4月9日に日帝・鳩山政権・国交省は、「1047名問題最終解決案」なるものに合意した。4月26日には国労が、そのダラ幹指導部のもと、これに合意した。
 歴史的な大裏切りの国労中央・4者4団体
 まず第一に、これは国労中央・4者4団体側の断じて許すことのできない歴史的裏切りである。第2インターナショナルの歴史的裏切りに匹敵するとんでもない裏切りである。
 「解決案」なるものは――、
 @和解金として、1人平均1563万3750円。
 A団体加算金として、58億円。
 BJR各社に、200人くらいの採用を要請する。
 ――といった内容である。910世帯で1人平均2200万円とされている。
 しかし、つぶさにその内容をみれば、徹底的に、87年国鉄分割・民営化攻撃、大規模な国家的不当労働行為、大量解雇攻撃への全面的屈服そのものである。
 @の和解金の核心は、09年3月の東京高裁判決による解決金「550万円」という金額を基礎にしているものでしかない。
 Aについても、「団体加算金」なるものの大半は、「国鉄分割・民営化時に離職者に支払った支援金をもとに算出した救援金」の1人1224万円を中心にしたものである。これをいろいろと口実をもうけて、「4者4団体に支払う」としているものである。
 Bについては、あくまでも要請であって、JR各社は基本的に拒否しているもの。
 要するに、87年の国鉄分割・民営化を正当とし、JRに法的責任なしとして、「1047名解雇撤回・原職復帰」闘争を根本的に否定することが、すみずみまで徹底的にしみわたっている「解決案」なのである。
 つまり、87年国鉄分割・民営化によって、20万人の労働者がたたき出されたり、解雇され、清算事業団にたたき込まれ、非人道的な扱いをうけ、200人が自殺に追い込まれたことについて、基本的にすべて正当である、国家的不当労働行為などないことを認めるということである。〔一切の訴訟を取り下げることで、09年3月の東京高裁のペテン的な「一部不当労働行為あり」などという言辞も、判例としては確定しないのである。〕
 先に言及したように、いま日帝ブルジョアジーが、87年国鉄分割・民営化の方式、すなわち「いったん解雇・選別採用」の方式でもって、360万公務員労働者の組合的団結を破壊し、半分以上の仲間を解雇するという攻撃に出ようとしている時、この「87年国鉄分割・民営化に問題なし」ということを国労が認めることの裏切り性は計り知れない。
 また、大恐慌下で、資本が労働者を好き勝手に解雇し、大失業があふれ返っている時に、労働組合が、「一人の解雇も認めない」という原則を自ら投げ捨てること、これもとてつもない裏切りである。金銭のためではない、国鉄労働者の誇りのために闘うのだと叫んで闘ってきたことを、かくも無残に捨て去るのか。
 さらに、決定的には、国労ダラ幹たちが、この裏切り行為に喜々としている姿を見る時、次のことをたたきつけてやらなければならない。国鉄分割・民営化はまだ終わっていない、87年国鉄分割・民営化の矛盾はいま爆発し、民営化JRが延命するには、さらに徹底的な民営化・分社化・アウトソーシングを行うしかないと言って、鉄道事業そのものを否定するような検修・構内部門の全面外注化に突進していること、また、「ライフサイクル」と称して、平成採の運転士からハンドルと人生計画を奪い去ろうとしている未曽有の大攻撃が進行していることを!! これらについて、彼らは同時に、決定的に、全面的な裏切りを行っているのである。
 日帝ブルジョアジー、JR資本、日帝・鳩山政権などの狙いを徹底的に弾劾し、粉砕しなければならない。
 階級的労働運動の前進への恐怖と反動
 彼らの狙いは、端的に言えば、大恐慌下に財政危機の極致に至り、その一切を公務員360万労働者の責任に転嫁し、首切り・リストラ、すなわち「いったん解雇・選別採用」の大攻撃を仕掛けるために、国鉄における1047名闘争の継続・激化、第2次国鉄分割・民営化攻撃への階級的闘いが、動労千葉と動労千葉派労働運動を先頭に爆発していくことを、何としても阻止しようということである。また、大失業時代に、1047名闘争が原則的な解雇撤回・原職復帰闘争として、四半世紀になんなんとする長さで闘われ、拡大・強化されることを、何としても阻止しようとする攻撃である。
 総じて言えば、大恐慌下で階級的労働運動の火が燃えさかり、それがついに革命的内乱となり、「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」の大運動へと発展することを、何としても阻止したいのである。
 さらに突っ込んで言えば、鳩山政権は、連合ダラ幹勢力とその支配下の労働運動に半ば足をかけ、それを取り込む形でボナパルティズム的に成立している。日帝ブルジョアジーにとって、新自由主義の矛盾の爆発−大恐慌爆発−労働者階級の怒りの爆発−伝統的自民党支配の崩壊という現実が、本質的にプロレタリア革命とその政府の成立の条件を成熟させているという情勢の中で、民主党と連合の連合政権としての民主党政権は、それをとおしてブルジョア独裁を貫くさしあたっての方策としてある。連合ダラ幹勢力は、大恐慌下の情勢、革命的情勢の成熟という中で、労働者階級の下からの階級的決起が彼らの労働貴族的・ダラ幹的特権と経済的利益を脅かすことに恐怖して、闘いを議会政治上の腐敗した駆け引きの問題へとペテン的にそらすことに全力を挙げ、資本家階級への忠勤に励んでいるのである。
 ここで重要なことは、動労千葉を先頭とする階級的労働運動が、国鉄戦線を突破口に、労働戦線で大々的に登場し発展することが、彼らの基盤を根底から転覆するということを、帝国主義的労働運動のダラ幹たちは死よりも恐れているということ。また、一定労働運動に通じていることを武器にして、階級的労働運動、革命的共産主義運動的勢力を、権力と一体化し、資本と一体化して、徹底的に襲撃することにおいて、きわめて強力な動機と衝動、またノウハウを持っているということだ。
 まさに、今次の「1047名問題解決案」の攻撃は、09年11月集会が国鉄決戦、階級的労働運動と世界革命といったレベルで強固な大結集をかちとったこと、そして、今年の1〜4月、動労千葉を先頭に、1047名闘争と検修外注化阻止闘争が第2次国鉄決戦として大々的に推進され、物質化しつつあること――これに自らの存立の危機を感じた大反革命である。
 こうして、鳩山民主党・連合政権と4政党、国労ダラ幹など4者4団体との反革命的結託が一挙に進んだのだ。
 階級的団結・絶対反対の路線で勝利できる
 以上のように見てくるならば、この「解決案」の急速な展開がきわめて大掛かりな反革命であることがはっきりする。
 しかし、同時によくよく見れば、大恐慌下の攻防で、動労千葉と動労千葉派、11月集会派が、階級的労働運動を展開し「大恐慌を世界革命へ」の大旗を掲げて前進しているのである。この勢力こそが、階級闘争の主導権を握っているのは明白である。
 動労千葉が、中野顧問の指導のもとで切り開いてきた闘いのもつ階級性と革命性が、今や一つの力となって日本の階級情勢を揺るがし始めたのだ。革命派が一定の根拠地を持ってきているということである。これへの恐怖に満ちた反動が今次の「解決案」なのだ。
 しかし、自らの革命がつくり出した反動や反革命は、労働者階級とその前衛が、「階級的団結」「絶対反対」の階級的労働運動路線を営々と進める時、必ずひっくり返すことができる。
 この意味で、6・13の総決起行動の意義、「1047名解雇撤回」をあくまで堅持し、検修外注化阻止の決戦に立ち上がる国鉄労働者の闘いを断固支持する「全国大運動」の意義は計り知れない。
 11月陣形の中核をなす3労組の呼びかけに、あらゆる勢力、あらゆる有志が総結集することは、11月陣形の新しい発展としての意義をもっている。
 革共同は、マル青労同、マル学同の同志たちとともに、この闘いの先頭に立って、闘う労働者と一体となり、党派の生命をかけ、革命の成否をかけて決起しよう。
 6・13の「全国大運動」の圧倒的大爆発をかちとり、「解決案」的反革命策動を粉砕し、第2次国鉄決戦の革命的爆発に向かって驀進(ばくしん)しよう。

 U今日の世界情勢を揺り動かす大恐慌の爆発と革命情勢の成熟

 大恐慌を反帝・反スターリン主義世界革命へ転化しよう

 世界金融大恐慌の爆発と革命的情勢の急速な成熟が、今日の世界情勢を揺り動かしている。今次世界金融大恐慌は、ついに発生した世界史的事態である。大恐慌はさらに進行し、激化していく。未曽有の大崩壊に向かって突進している。
 資本主義は終わりだ!! 断固そう断定しなければならない。死の苦悶(くもん)にあえぐ資本主義の凶暴化への労働者階級の怒りと決起は、もはや誰も抑えることはできない。革命的情勢が完全に到来している。
 今こそ反帝・反スターリン主義世界革命をめざして、階級的労働運動と革命的共産主義運動の一体的な飛躍的前進を実現していかなければならない。マルクス主義を学び、マルクス主義で武装し、資本主義への怒りを爆発させ、大恐慌が生み出す大失業と戦争というとてつもない攻撃に対して、階級的労働運動の爆発的展開をたたきつけよう。革共同は、マル青労同、マル学同とともに、その革命綱領を真っ向から掲げ、労働者階級の怒りの先頭で徹底的に闘い抜こう。
 労働者階級は、資本主義を打倒する革命的主体的能力を内在している。労働者階級の総決起を実現し、今こそ資本家階級の打倒、プロレタリア独裁の樹立、資本家的生産手段の社会的所有への転化、生産と社会の主人公への労働者階級の革命的飛躍をかちとっていこう。

 大恐慌は全世界で国家財政の破綻の連鎖を招いている

 帝国主義の基本矛盾の爆発として、大恐慌はついに爆発し、進行し、発展し、深化している。07年8月に勃発(ぼっぱつ)した世界金融大恐慌は、08年9月のリーマンショックを契機として、本格的大恐慌として発展し、資本主義体制をいったん、どん底にまでたたき込んだ。
 1974〜75年恐慌で明白に突き出された過剰資本・過剰生産力の問題が、新自由主義のもとでの金融自由化と金融バブルの繰り返し、その世界化(グローバリズム)の中で、一定隠蔽(いんぺい)されてきた。しかし、リーマンショックによる大恐慌の本格化によって、ついに公然と暴露された。米帝を基軸とした金融システムは、その心臓部から凍りつき、崩壊した。
 その結果、生産水準はいったん2分の1、3分の1のレベルに低下した。この際、大独占企業は、29年大恐慌の時もそうだったが、それ以上の激しさで、独占的行為として、大幅な生産調整を行い、製品価格の下落を阻止した。一切の矛盾は労働者階級に転嫁され、大失業が一挙に発生した。労働者階級を街頭に放り出すことで、人件費を大幅にカットし、利潤の減少を阻止したのである。米帝で言えば、実にこの数年間で1700万人の労働者が失業者として放り出された。全世界では、公式統計だけでも5000万人以上が失業者となった。
 29年大恐慌の教訓と称して、FRB議長バーナンキのもとで、米帝は文字どおり、財政投入を天文学的レベルで行った。凍りついて身動きできず、本来破産し、崩壊しさる巨大金融機関に、ありとあらゆる方法で資金が注入され、金融支援が行われた。このようなことは、新自由主義−金融自由化−グローバリズムという連関のもとで、世界の主要国のすべて、いや全世界のすべての国でほとんど一挙に、同時に行われた。
 この間、米帝経済を始めとして、また中国などBRICsなどにおける経済の回復が進んでいることが大々的に報道されている。大恐慌は基本的にのりこえられたなどとのたまっているエコノミストも多い。マスコミも基本的にそうである。しかし、この”回復”なるものは、08年の後半から09年の前半(とくに1〜3月)にかけて落ち込んだどん底との比較で言っているにすぎない。国家財政を傾けて、大規模な財政支援が、金融システムや独占企業に集中的に投入されたからにほかならない。経済活動の形をとってはいるが、国家財政の野放図な投入が、巨大金融機関や大独占企業に無償で供与されたことに等しい。中国などのBRICsの回復なるものが大々的に報じられ、それが米欧日などの経済的回復のバネになっているように言われている。だが、その中国などの回復は、基本的には財政投入によるものであることが忘れられている。
 このように、29年恐慌の教訓という形で、今次世界金融大恐慌の勃発直後に大規模な財政投入が行われたが、それで仮に一時的に巨大金融機関や金融システムが動き出しても、また大独占企業の生産がかつての7〜8割のレベルに戻っても、膨大な過剰資本・過剰生産力の恐慌的大整理は中途半端なものにしかならない。
 したがって、大量に生み出された失業者は、一向に減少しない。ここから、米帝を始め主要な帝国主義の場合、大失業が長期化する中で、家計が抱え込んだ借金の返済はなかなか進まない。国家は、大金融機関や大独占への支援のように、湯水のように資金を注入してくれるわけではない。このため個人消費は低迷基調を脱しえない。結局、大恐慌は大失業のもと、大不況期の長期化として進行している。
 このため、すでに国家財政は、米帝をはじめ、日本・EUなどすべての国々で、恐るべき赤字になっているのに、09年ばかりか、10年も、11年も、……延々と巨額の財政投入を続けることなしには、経済は回らない。財政赤字の拡大はどんどん進むのである。だが、天文学的レベルの財政赤字をいつまでも続けることはできない。
 財政赤字の巨大化、膨大な累積債務の蓄積は、結局、国債の大量発行として行われる。しかし、あまりの国債発行は、いつかは国債の暴落を引き起こす。そして、それは国債の利回りの高騰となる。長期金利の高騰は、経済を再び不況にたたき込む。国家財政的には、国債費が雪だるま的にかさんでいき、国家財政の破綻へと行き着く。
 この点で、最も危機的なのは、実は米帝である。米帝は、膨大な量の国債を発行し続けているが、その半分近くを中国や日本などの外国政府などに購入してもらっている。これで国債をさばき、財政赤字を何とか続けてこられた。しかし、あまりの大量の国債発行は、米国経済への信用がいま一つ低下したら、不可能となる。いま現実には、米帝のみならず全世界の主要国、いやすべての国々で、財政危機は激化し、爆発点に向かっている。
 要するに、29年型、いやそれよりも巨大なスケールの世界金融大恐慌が発生したことに財政投入をもって対応したことは、実は大恐慌の矛盾の決定的圧力が国家財政に転嫁され、国家財政を全世界で一斉に大破綻の危機にたたき込むものとなったのである。大恐慌は基本的にクリアされたなどという状況ではまったくない。
 財政再建の嵐は、いまや経済問題のみならず、諸国家の政治的危機を巻き起こしている。財政再建とは、緊縮財政をとるということであり、それは階級的実体としては、公務員労働者を始めとする労働者階級への大量の人員整理、賃金カット、社会保障と福祉の削減、大増税ということを意味するからだ。そして、これは資本家階級と資本家政府への労働者階級の怒りを爆発させ、階級闘争はいよいよ激化していく。
 しかも、今の情勢で緊縮財政を強行すれば、経済は再び危機に陥り、大恐慌は二番底に向かって突き進むことになる。これはまた財政出動を要請し、財政赤字は拡大の一途をたどるしかない。この恐るべき悪循環がいま世界で進行しつつあるのである。
 ヨーロッパを襲った大恐慌の嵐は、EUの矛盾を爆発させ、ギリシャの財政崩壊がEUそのものの危機を引き起こすに至っている。5月2日、EUとIMFはついにギリシャ財政危機対応として、3年間に1100億ユーロの支援を行うと確認した。しかしはっきり言って、これで問題が解決することはない。この支援はギリシャに3年間で財政赤字を対GDP比13・6%から3%以下にすること、そのために100万人いる公務員の3年間の昇給凍結、ボーナス廃止、年金受給年齢の引き上げ、さらに付加価値税(消費税)を再々引き上げで23%とするなどの超緊縮政策をとることを求めている。
 しかし、これでギリシャ経済が立ち直ることなど不可能である。一つにはギリシャの労働者階級は5月4、5日にもゼネストを決行し、こうした攻撃に対して全力で闘っている。しかも、この財政政策を強行すれば、ギリシャは10年間はGDP成長がマイナスになるとされている。税収は全然増えない。これではギリシャの財政再建など進むわけがない。
 しかも、ギリシャ以外にもユーロ圏ではすでにポルトガル、スペインの財政破綻、国債急落の危機が進んでいる。さらにイタリアもそれに続く状況。これらの国々にギリシャ的情勢が波及したら、EUはどうするのか。もはや1000億ユーロなどというレベルではすまない。もはやこのままではユーロ圏は崩壊するしかない。ドイツ、フランスなども財政危機から何ら解放されていない。しかも今日、ギリシャ支援問題でもドイツとフランスは国家的利害が対立している。
 ギリシャ危機が南欧危機として爆発したらEUはもはや対応能力はない。ドイツ、フランスなどの対立の激化も不可避である。EUやユーロ圏の分裂・崩壊の危機が一挙に切迫していることを見据えなければならない。
 イギリスもすでに国家戦略的破綻に陥っている。新自由主義のもとでの金融的バブルの中で金融資本主義を国策とすることに純化したイギリスは、いまや国家的な戦略が崩壊している。このため政治危機は5月の総選挙をとおして爆発的に激化していく。イギリスもまたギリシャ・ポルトガル的レベルの財政赤字の地獄にはまり込んでいる。
 日本はこの意味でも最弱の環である。国家の累積債務は対GDP比で実に189%である。国債依存度は国家予算の収入の半分以上に達している。これは、日銀がゼロ金利をとめどなく続ける中で、膨大な資金を手にした銀行が、国債を大量に購入することで自動的に莫大(ばくだい)な利益をむさぼっていることで支えられている。こんなことがいつまでも続くことはありえない。大恐慌は政治的危機を爆発させ、日帝政治委員会は混乱の極みに至っている。日帝の財政危機はこれによってさらに加速される。

 リーマンショックを超える中国バブルの崩壊の大衝撃

 大恐慌は各国−世界の国家財政の危機、破綻の連鎖の展開という段階に入っている。言うまでもなく、これは大恐慌がのりこえられた情勢などというものではない。むしろ、大恐慌の一層の深刻な爆発段階を迎えているにすぎない。
 先に、ギリシャ財政の崩壊はEUの崩壊に至るまで結局は収拾できない、そうした過程が始まっていると言ったが、この大爆発はイギリスの危機を巻き込んで、欧州発の大恐慌の再爆発の危機を切迫させている。
 しかし、もっと恐るべきことは、中国の経済的バブルの崩壊である。上海万博で浮かれているのは表面だけで、2010年についに中国バブルの崩壊が発生することは間違いない。ここで、中国は実は純然たる資本主義国家などではないという問題(残存スターリン主義ということ)を、反帝国主義・反スターリン主義戦略の立場からしっかりと押さえておくことが重要である。問題を端的に提起するならば、中国スターリン主義のもとで中国はバブルを中止しきれないということ。それでもスターリニスト権力が危機意識から一定の意義をもつ経済引き締めにかかれば、中国の膨れきったバブルは大崩壊する危険に満ちている。しかも、米帝も、日帝も、ほとんどすべての国がこのことを認識していながら、中国を中心とするBRICsのこの間のバブル的経済浮揚に先を争ってのっかろうとしているのだ。
 ここで、米帝のこの間の大恐慌の問題について、29年大恐慌の時のようにはならない、なぜなら資本主義は金融・財政政策など29年当時の教訓で武装しているからとか、BRICsの経済的台頭が結局防波堤になるからなどとブルジョアジーは言っている。しかし、この二つとも、今の米帝が、純然たる資本主義国家ではない中国とその経済に、あらゆる意味で依存することでようやく今日成立しえているという事実、基軸国米帝の財政危機を支える国債の大量発行が中国の米国債大量購入によって成り立っているという事実、さらに言えば、財政危機のりきりの決定打としての貿易戦略――輸出の5年間倍増計画――の大前提に中国などへの輸出戦略があるという事実、これらを見る時、今日の米帝が29年大恐慌のころの帝国主義的力量に比べていかに没落し、惨たんたる状況にあるかは明白であろう。
 中国バブルの崩壊が引き起こす衝撃の大きさを考えてみよ。米帝の今日の天文学的財政赤字を支える、その国際金融的システムがもろくも崩れ去るということ。また、中国バブルの崩壊の衝撃は信用不安を爆発させ、米帝をリーマンショックなどの比ではない大ショックが襲うであろう。

 ドル暴落は世界経済の分裂・ブロック化から世界戦争へ

 大恐慌が財政危機として爆発しつつあるが、この中でリーマンを超える大ショックが世界−米帝を襲う時、米帝は第二の巨大な恐慌対策を強いられ、財政はほとんど収拾つかないほど膨張をとげるしかない。米国債の信用は低下し、結局は暴落するに至る。これはもはや一定の歴史的射程の中で不可避となっている。
 ドル暴落のもたらすものは、端的に言って、世界経済の分裂であり、大恐慌の最大の爆発である。つまり、30年代へのラセン的回帰である。帝国主義国、大国諸国は相互に激しくつぶしあう。帝国主義間・大国諸国間の利害の政治・経済対立は激化し、世界経済のブロック化は必至となる。
 帝国主義間争闘戦の激化、貿易戦争、為替戦争、資源戦争、勢力圏の形成の激闘である。そして、争闘戦の究極の言葉は戦争であり、帝国主義の侵略戦争、帝間・大国間の世界大戦への突入である。ドル暴落というのは、71年以降の「ドル本位」的擬制によって保たれてきた基軸通貨体制、すなわち世界経済のアクロバット的な“統一”さえもついに崩壊するということである。これはまさに資本主義の終わりを示す決定的メルクマールなのだ。
 これは階級闘争論的に見れば、労働者階級の怒りが極点に達し、戦争かプロレタリア革命かの人類史をかけた階級決戦への突入を意味する。

 V大恐慌情勢下での国鉄決戦と沖縄決戦の決定的な歴史的意義

 新自由主義と対決する階級的労働運動の革命的前進を

 このような大恐慌情勢の展開の中で、資本主義の危機は絶望的に深まり、体制をかけたものとして資本家階級の攻撃は展開され、労働者階級への階級攻勢は熾烈(しれつ)をきわめてくる。これに対して労働者階級が闘い抜くためには、資本主義の延命と利潤の追求のため労働者階級から仕事を奪い、生活を奪い、社会保障をはぎ取り、果ては戦争に駆り立て、労働者同士を殺し合わせるという攻撃を断固拒否し、「絶対反対論」を堅持し、「階級的団結」、組合的団結を打ち固めて、真っ向から資本主義そのものを打倒する闘いを強力に展開しなければならない。大恐慌にプロレタリア世界革命を断固対置し、企業防衛、祖国防衛の名のもとでの資本家階級の攻撃と徹底的に闘い抜くことである。
 具体的に言えば、資本主義の延命のための攻撃が、すでに新自由主義の破綻として大恐慌が爆発し、今日の危機をつくり出しているにもかかわらず、再びより凶暴な形で新自由主義攻撃の強行として展開されてきていることをがっちりとつかみとり、これを根底的に打ち破って、プロレタリア革命への道を闘いとることである。
 今日、大恐慌後の新自由主義の一つの攻撃方向は、国家財政の破綻的危機を逆手にとって大失業状態を強制しつつ、民営化、アウトソーシングの攻撃を軸に解雇・リストラ、非正規労働者化、低賃金、長時間強労働、社会保障解体と貧困化、そしてこれら一切の核心に労働組合破壊の攻撃を据えて、労働者階級の団結をバラバラに砕き、資本による専制的職場支配、労働者支配の強化を狙ってきているということである。
 すでに開始されている国鉄決戦−第2次国鉄決戦は、日本帝国主義の財政危機をテコとし口実とする民営化・道州制攻撃、日本の民営化攻撃の中心基軸をなす第1次、第2次の国鉄分割・民営化の攻撃を、まさに串刺しにする形で闘われている。そして労働者階級はこの決戦を中央に据えて決定的に階級的団結を強め、徹底的にどこまでも闘い抜くことで民営化粉砕・JR打倒の闘いを、同時に日帝ブルジョアジー、日帝・鳩山政権の民営化と道州制攻撃をもって財政危機の打破と労働者階級の団結を破壊しつくそうとする攻撃を粉砕していくのだということ、国鉄決戦の爆発−4大産別決戦の爆発−全労働者階級の革命的決起によって、日帝の延命策を階級的根幹のところで打ち破っていき、日帝を追い込み、革命的に打倒する情勢へと突き進んでいくということである。
 もちろん、この闘いを基軸として、動労千葉型の階級的労働運動、その精髄をなす反合・運転保安闘争の路線を自治体で、教労で、全逓で、全国鉄戦線で、各自の産業的特質の中で圧倒的に具体化して、職場生産点で階級的労働運動を白熱的に展開していくことが日本の階級闘争の革命的発展を一挙に引き寄せるものとなっていく。
 また、今次第2次国鉄決戦は、JRにおける「ライフサイクル」攻撃と重ねて遂行される検修・構内部門の全面外注化攻撃との闘いとして、JRにおける青年労働者への全面的な攻撃との闘いとしてあること、そしてそれに対するJRの青年労働者の決起が始まっていることの意義はとてつもなく大きい。
 この闘いが、今日大恐慌下の大失業攻撃に苦しむ2000万青年労働者と300万学生が階級の戦闘主力として登場する決定的な水路になっていることもきわめて重要である。したがって、いまマル青労同とマル学同の革命的役割は決定的だ。青年労働者・学生の革命的決起なしにプロレタリア革命などけっしてできない。マル青労同1000人、マル学同1000人の闘いこそ革命の中心をなしている。
 しかもこうした諸点は日本的であると同時に、ほとんど同じ問題が全世界で同時に階級的課題となっているものである。
 総じて言えば、現在の大恐慌下、われわれは、故中野洋同志を先頭にして歴史的にかちとられてきた動労千葉と動労千葉型労働運動の路線、すなわち階級的労働運動路線を徹底的にどこまでも白熱的に発展させきっていくこと、その先頭に立って革命的共産主義運動の党が労働者階級と一体となって闘い抜くこと、これが大恐慌をプロレタリア世界革命に転化していく唯一の決定的な道であることを確認することである。革共同の綱領の実現はこの闘いの勝利をとおしてかちとれるのだ。革共同(マル青労同、マル学同)の成否をかけて、ここで決起しよう。
 また、階級闘争の一切の問題は、労働者階級の革命的団結が革命に向かってどれだけ強化され、階級的力関係を変えていっているかによって決まる。ここで労働者階級が資本家階級を打ち破ることで、すべての諸戦線の闘いは、労働者階級と連帯し帝国主義を打倒する闘いにおいて決定的役割を演じうる。その意味で、われわれの全戦線の総力をここに結集し、ここで勝利することにかけていこう。

 4〜5月の圧倒的地平からさらに沖縄決戦の大爆発へ

 大恐慌は大失業と侵略戦争を生み出す
 国際争闘戦の激化の究極の言葉は、経済のブロック化と帝国主義戦争である。大恐慌は大失業を生み出すと同時に、まったく同じ理由から貿易戦争、為替戦争、資源戦争、勢力圏争奪戦を生み出す。そして、その究極の姿は軍事力行使、つまり侵略戦争である。
 ここで新自由主義は、二つの契機をもっていることをしっかりと確認したい。一つは、民営化と労組破壊の徹底的遂行である。いま一つは、新保守主義、反共主義、ネオコンの契機であって、資本家的利害、帝国主義的利害のために、戦争をする自由を強力に主張する契機である。
 新自由主義の3人の初期的担い手はすべて、徹底的に戦争においても自由主義者である。サッチャーは、名うての反共主義者であったが、登場した直後に行ったのはフォークランド侵略戦争だった。レーガンも、登場直後に中米において侵略戦争をした。また、レーガンは、ソ連を軍事力で圧倒するとして、恐るべき大軍拡をした。また、ブッシュ父子は、イラクへの二つの大侵略戦争を行った。
 ここではっきりさせるべきことは、帝国主義は、国内で労働者を分断し、相互に競争させ、強搾取を実現するが、それは国際レベルでも、他国の労働者と対立させ、競争させる。それが労働者支配のテコとされる。そしてこの攻撃の極致は戦争である。ここでは、労働者同士を国際的にお互いに殺し合わせるのである。この点を革共同(マル青労同、マル学同)は決定的に明確にすべきだと考える。
 レーニンは、戦争は労働者同士、人民同士を支配階級の利害を守るため、権益を拡大するために殺し合わせるのだと、したがって、ロシアの労働者とドイツの労働者は戦場で、お互いに撃ち合うのではなく、交歓を組織することだと言った。
 いま、大恐慌がついにドル暴落さえ引き寄せ、帝国主義世界が底から割れようとしている時、資本家階級は平然と侵略戦争に突入する。すでにイラクで、アフガニスタンで、それは始まっている。これはイランや北朝鮮などに向かってどんどん拡大していく。この意味で、今日の大恐慌下の階級闘争は、一つの決定的契機として反戦闘争の契機をもつ。階級的労働運動自体、その必然的契機として、この契機を決定的にもっている。11月集会のスローガンに、新自由主義の攻撃として「戦争・改憲、民営化・労組破壊」が掲げられていることをがっちりと確認することが重要である。
 動労千葉が、中野同志を先頭に、60年代から70年代のベトナム反戦、安保・沖縄闘争において、青年労働者とともに断固立ち上がったことが、動労千葉の階級的労働運動の創成にとって大きな意義をもっていたことをはっきりさせよう。
 今日、日帝ブルジョアジーの政治支配を揺るがす問題になっている沖縄の新基地建設問題は、なぜここまで大問題化するのか。それは、沖縄の労働者人民の圧倒的な基地反対の声にもかかわらず、一方では、あくまで米帝が対中国、対アジア・太平洋、さらには世界戦略にかけて、沖縄という地政学的位置に海兵隊の出撃基地を確保することに非妥協的態度を示しているからである。他方では、日帝・鳩山政権が、沖縄の人びとの心をよく理解しているなどと言いながら、結局のところ、日米安保条約の堅持、それを軸にした安保防衛政策をけっして手放そうとしないところにある。ちなみに、まさにこのようなペテン的やり方で帝国主義の戦争を労働者人民にのみ込ませるというのが、鳩山政権の階級的本質である。連合は、その際の先兵となるのである。いずれにせよ、アメリカ帝国主義も、日本帝国主義も、侵略戦争とその基地を必要としているのである。
 米帝は、先のQDR(4年ごとの国防政策見直し)で「中国の軍事力強化はアジア・太平洋の米軍の前面展開力に対する拒否力を形成しつつある」と言って、対中国をも軸に、アジアでの軍事力維持と強化を狙い、沖縄新基地を要求しているのだ。また鳩山政権は、「5月末までに結論を出す」と言っているが、沖縄に新基地を造ることを、結局その土台に据えてきている。
 日本の労働者階級は、この意味で、帝国主義の戦争政策に反対し、沖縄新基地に反対する沖縄100万のプロレタリアートと連帯して、今こそ圧倒的に決起しなければならない。
 ここで沖縄の労働者人民とともに、全日本の労働者階級として決定的に押さえるべきことは、沖縄基地問題の根底には、戦後の日米安保同盟があるということ、そして、この帝国主義的強盗同盟としての日米安保同盟を、断固粉砕する立場に立ちきらなければならないということである。
 要するに、安保のために、日帝は沖縄基地、基地沖縄の現実を、沖縄の労働者人民に強要しているのである。したがって、帝国主義戦争と帝国主義的強盗同盟のための日米安保粉砕を真っ向から掲げて闘い抜かなければならない。
 安保粉砕!! さらには、安保粉砕・日帝打倒!!である。そして、新基地建設阻止、全基地撤去の革命的大闘争にいまこそ総決起していくことである。これはかつての70年安保・沖縄決戦における、沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の革共同の戦略の今日的貫徹の一つのあり方である。
 反戦闘争、反基地闘争の決定的主力がプロレタリアートであり、いま日本のプロレタリアートは、第2次国鉄決戦に階級闘争の革命的変革をかけて決起している。ここでわれわれは、大恐慌を世界革命へ転化する大闘争の中心軸たる国鉄決戦を基軸に、国鉄決戦と沖縄決戦を結合して、大きく闘い抜いていくことである。
 沖縄決戦は、すでに沖縄100万の決起として、圧倒的地平を切り開いている。これは、5月(5・15)〜6月(6・23)〜7月をとおして、さらに爆発する。11月に向かってさらに爆発していく。
 革共同は、日本の労働者階級の先頭に立って、この国鉄決戦を爆発させ、沖縄決戦を真に爆発させていこう。国鉄決戦を軸に、沖縄決戦と国鉄決戦を結合して、沖縄決戦を爆発させていく。大恐慌下の革命的情勢の急速な成熟の中で、未曽有の革命的プロレタリア反乱に発展する全条件がいま存在しているのである。
 今年は60年安保50周年であるが、60年安保闘争は、反帝・反スターリン主義の運動が学生戦線から始まって、スターリン主義をのりこえたところに、真の革命的爆発の理由がある。しかし、同時に、この60年安保は、日本労働者階級が日米安保条約とその改定に反対して、幾百万の大政治デモに立ち上がる根底的力量を秘めていることを証明した。
 このことは、70年安保・沖縄決戦においては、反帝・反スターリン主義の革命的左翼とそのもとに結集した青年労働者と学生の力が、いかに強力な爆発的発展力をもつかを示した。そして、いま、新自由主義による87年の国鉄分割・民営化と唯一対決し、その団結を守り抜き勝利した動労千葉を先頭に、動労千葉型の階級的労働運動が4大産別で、6大産別で、学生戦線で、諸戦線で圧倒的な結集力をもって爆発を開始している中で、今次の国鉄決戦と沖縄決戦は闘われる。
 この二つの闘いが圧倒的に一体化して、日帝・鳩山政権打倒の闘いが爆発していく時、60年安保、70年安保・沖縄をはるかに超える圧倒的な大闘争を実現することはまったく可能である。
 中野同志の敷いた階級的労働運動路線をどこまでも圧倒的に発展させるなら、その闘いは必ずプロレタリア大革命の道へと直結していく。革共同の綱領は、その中で試され、実現されていく。
 いまこそ、5〜6月沖縄決戦を爆発させ、6・13の1047名闘争と検修外注化阻止の第2の国鉄分割・民営化粉砕の決戦に勝利するための全国大運動の大爆発を実現しよう。これこそ、60年安保50周年を記念する、今日的に最もふさわしい階級的大闘争である。
 国鉄決戦をとおしてプロレタリア世界革命へ。
 大恐慌をプロレタリア世界革命へ。
 国鉄決戦と沖縄決戦の革命的爆発で日帝・鳩山政権を打倒し、プロレタリア革命への内乱的死闘に勝ち抜こう。
 三里塚は日本革命−世界革命の根拠地だ
 三里塚決戦は、沖縄決戦と双璧(そうへき)をなす大闘争である。三里塚決戦が歴史的に切り開いた地平は巨大である。日本革命−世界革命の一大根拠地である。国鉄決戦と結合し、沖縄決戦と結合し、三里塚決戦を圧倒的に闘い抜こう。
 革共同は労働者階級の党である。不屈の革命党である。いかなる階級情勢の激動的発展も断固歓迎し、革命勝利のために徹底的に闘うものである。

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週刊『前進』(2440号5面1)(2010/05/24 )

 団結街道閉鎖阻止へ

 反対同盟 臨戦態勢突入を宣言

  5月16日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で「団結街道閉鎖阻止! 第3誘導路計画粉砕!」を掲げた現地闘争が闘いとられた。会場は空港敷地を突き破って存在する東峰の萩原進さんの畑だ。司会は事務局の鈴木謙太郎さん。萩原進事務局次長が基調報告に立った。「2〜3月を攻勢的に闘いぬいたことで、敵のあせりに満ちた攻撃を引きずり出した。本集会をもって臨戦態勢に入ることを宣言する!」
 この待ち望んだ決起の号令に、結集した385人の労農学人民が拍手と歓声で応えた。「基地撤去を求める沖縄に応え、本土人民の決起の旗振り役を決意したのが今日の闘いだ。労農同盟を強め、原則を貫く動労千葉とともに闘う。5・24成田文化会館での第3誘導路公聴会を包囲し粉砕しよう。自らが行動隊長となって廃道化実力阻止に立ち上がろう。反対同盟はその先頭に立つ」
 萩原さんの意気高い訴えと行動提起に熱烈な拍手が鳴りやまない。
 市東孝雄さんは、「第3誘導路で囲って騒音で私を屈服させ追い出してやろうというのが狙いです。だけど人間はやられればやられるほど、“なにくそ!”という気持ちになる。だからそんな攻撃に負けない。やれるものならやってみろ」と決意を述べて、参加者の胸を打った。
動労千葉の田中康宏委員長は「三里塚、国鉄、沖縄が同時に決戦を迎えた。 1047名闘争はまさに正念場だ。『和解』の本当の姿が明らかになってきた。あの中曽根が一枚かんでいた。こんな形で闘いを終わらすことはできない。新たな国鉄闘争の始まりとなる6・13に大結集を!」と全力で訴えた。
 昨年10月のこの同じ会場での全国集会の時は、供用開始間もない東側誘導路をひっきりなしに走行するジェット機が間近に見られたが、今は1機も通らない。東峰の森をつぶして造られたこの東側誘導路は、暫定滑走路が着陸専用にされたことで今ほとんど使われていないのだ。何百億円も投じて強行されたこんなデタラメを、またしても第3誘導路という形で繰り返そうとしている! 
 さらに葉山岳夫弁護士始め顧問弁護団、関実、群馬・市東さんの農地を守る会などの発言を受け、怒りをみなぎらせてデモに出発した。市東さんが終始先頭に立ち、東峰部落を通り、天神峰の団結街道を北上、現闘本部横の市東さんの畑までデモを貫徹した。
 市東さんの家の敷地に建てられたばかりの団結やぐらが、この日お披露目となった。赤い反対同盟旗と「団結街道閉鎖阻止!」の黄色い看板が青空に映える。上にのぼると、団結街道と空港内の湾曲した誘導路が一望できる。反対同盟の心意気を示す新たな闘いの拠点がそびえ立った。
(写真 5・16三里塚に労農学385人 =5月16日 萩原進事務局次長の畑で)

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週刊『前進』(2440号6面1)(2010/05/24 )

 5・18日比谷 “裁判員制度にとどめ刺そう”

 「大運動」が1800人の大集会

 広がる“絶対つぶせる”の確信

(写真 この1年、裁判員制度廃止へ奮闘してきた全国各地の団体が舞台に勢ぞろいしリレーアピールを行った【5月18日 日比谷公会堂】)

 5月18日夕、東京・日比谷公会堂で「裁判員制度にとどめを! 全国集会」が1800人の参加で開かれた。主催はこの間、全国で廃止運動を闘ってきた「裁判員制度はいらない!大運動」。破綻の危機を深める裁判員制度にとどめを刺すため、さらに奮闘することを誓い合った。

 斎藤九大名誉教授が講演

 ”現代の赤紙”にとどめを刺そうと、会場には労働者人民が続々と詰めかけた。この日は国民投票法の施行日でもあり、「憲法改悪を絶対に許さない!」との決意を込めて集会は開かれた。
 開会あいさつを大運動呼びかけ人の今井亮一さん(交通ジャーナリスト)が行った。今井さんは、「この1年、運動は全国で闘われ、”制度はいらない、廃止せよ”の声は高まるばかりだ。10カ月余で裁判員裁判1662件中、まだ1218件が残っており、それに今年の起訴件数が加わっていく。裁判所職員から”たまらない つくった人がやってみろ”と悲鳴が上がる有様だ。世論調査で『義務でも行くつもりはない』と答えた人が25%もいる。制度廃止を私たちの力でかちとろう」と呼びかけた。
 続いて、メイン企画として、九州大学名誉教授(憲法学)の斎藤文男さんが「この国をどう変える〜『市民参加』の裏にあるものは〜」と題して40分間の講演を行った。
 斎藤さんは、裁判員制度は憲法のどこにも定められていない義務を国民に課し、国家による合法殺人に国民を動員するものであると批判、また「裁判所の一部民営化であり、裁判員は日雇いの民兵だ」と弾劾した。そして制度の狙いを、「市民が治安維持の片棒を担ぐものであり、”下からの治安国家づくり”だ。これをとおして福祉国家から治安国家への転換を狙っている」と断罪した。だからこそ「裁判員制度は運用上の手直しでよくなるとかいうものではなく、絶対にやめさせなければならない」ときっぱりと述べ、「憲法の”思想・良心の自由”という権利を行使して、制度を立ち枯れさせよう」と締めくくった。
 問題点と政府の狙いを分かりやすく述べた斎藤さんの講演は、参加者に圧倒的な確信と闘いのエネルギーをつくり出した。参加者は長く大きな拍手でこたえた。
 続いて弁護士の遠藤きみさんが特別アピールを行った。5年前まで裁判官だった遠藤さんは、制度が裁判所職員に大変な負担を強いるものであり、どこの裁判所でも処理し切れず混乱していることを暴いた。

 各界から多彩な怒りの発言

 さまざまな分野で活躍する人びとが裁判員制度への思いを語った。漫画家の蛭子能収(えびす・よしかず)さんは「とにかく反対。いきなり裁判の仕事をやれと言われても無理。職業選択の自由があるはず」ときっぱり。福島貴和さん(善光寺玄証院住職)は「人間は人間を裁けない。それが宗教の大原則です。宗教者は正義を振り回してはいけない」。映画監督の崔洋一さんは「感情や世論に流されず真実に向き合える保証がない限り、この制度はリンチであり、虚構の正義の積み重ねにしかならない。一市民として最後まで反対したい」と語った。
 福岡の大分哲照さん(浄土真宗本願寺派福岡時対協会長)は、「福岡では裁判員になった女性が審理で解剖写真を見せられてPTSD(心的外傷後ストレス障害)になり、10分間以上は車の運転が続けられなくなって退職を余儀なくされた。生活権さえ奪う裁判員制度に最後まで反対します」と決意を述べた。
 4氏のアピールは、それぞれの生活と活動の場からの、怒りと危機感のこもった発言だった。
 岐阜の白木章さんのビデオアピールが上映された。白木さんは裁判員に選ばれ昨年12月の裁判終了後の記者会見で「まるで徴兵制のよう。こんな制度は一刻も早くなくならねば」と述べた果樹園の経営者だ。ビデオでも、制度に反対する思いを語った。
 続いて昨年と今年の裁判員候補者ら8人が登壇した。組合員4人と家族1人に通知が届いた動労千葉も登壇、「裁判員制度は団結破壊。労働組合こそ反対運動の先頭に」とアピールした。
 圧巻だったのは、全国で闘う人々のリレーアピール。横断幕とのぼりを掲げ舞台を埋めて勢ぞろいした。ス労自主、法大文化連盟を始め、北海道から九州まで20以上の団体が闘争報告と闘いの決意を表明した。
 最後に、呼びかけ人の高山俊吉弁護士が次のようにまとめた。
 「国民の8割が反対している。だから、この闘いはまったく、茨の道ではない。最高裁の竹崎博允(ひろのぶ)長官が先日の記者会見で、判決が起訴数の4分の1にとどまっていることにふれ、『関係者が過度に慎重になっているのではないか』と述べた。つまり『適当にやれ』ということだ。”この国を大事”と思う心を植え付けるのが裁判員制度であり、改憲攻撃そのものだ。戦争と改憲の攻撃が強まっている今だからこそ、絶対反対は時代の先端を行く闘いだ。みんな頑張ろう。私たちは強い。制度に幕を引く最後の闘いを」
 参加者は高山さんの発言を圧倒的な拍手で確認し、一層の闘いを展開することを誓った。
 集会の大成功を引き継ぎ、国鉄闘争、安保・沖縄闘争と一体の闘いとして、裁判員制度廃止へ闘いを強めよう。
(写真 「私たちは強い。みんな頑張ろう」と高山俊吉弁護士がまとめの発言)

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週刊『前進』(2440号6面2)(2010/05/24 )

 迎賓館・横田爆取差し戻し審

 6・2判決公判に結集を

 “勝利の決着をつけよう” 被告団からのアピール

 6月2日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し審が、ついに判決公判を迎える。デッチあげ起訴以来23年間に及ぶ闘いに勝利の決着をつけるときだ。
 判決は無罪以外にない。被告団と弁護団は、3月23、24日の最終弁論において、本件が治安弾圧としてのデッチあげであり、「被告人」とされたわれわれ3人(須賀武敏、十亀弘史、板垣宏)が無実であることを完璧(かんぺき)に明らかにした。検察側「証拠」はどれ一つとして証拠になっていない。3月24日、われわれの最終意見陳述の最中から、法廷は、すでに無罪判決が出されたかのような勝利の確信と解放感に満たされた。6月2日は、その確信が事実に変わる日だ。東京地裁429号法廷で勝利をともに迎えよう!
 迎賓館・横田の両戦闘(1986年)を口実に、われわれ3人が東京拘置所で逮捕され、福嶋昌男同志が全国指名手配を受けたのは87年秋である。80年代半ば、国鉄・三里塚決戦を最大の激突点として、革共同と労働者階級は権力との死闘と党派闘争を不屈に闘っていた。革命の前進に対する最も卑劣な反革命、それが本件のデッチあげ弾圧である。
 反革命には革命のさらなる前進でこたえるほかにない。われわれはそのような公判闘争を闘い抜いた。完黙・非転向の原則を貫き、法廷を徹底非妥協の階級闘争の現場に変えた。根本的には、闘いの中で団結が強化され革命が前進すればそれが勝利なのだ、という姿勢を崩さなかった。
 だからこそ、法廷内の「証拠」調べをめぐる具体的な攻防においても攻勢を貫き、検察官「立証」の一つひとつを完膚なきまでに粉砕して、2004年の無罪判決をかちとることができたのだ。われわれはまず、基底的な階級闘争の原則を堅持することにおいて勝利した。その勝利の上に公判においても、事実を武器として検察側「証拠」を完全に無化し、無罪を闘い取ったのだ。
 治安弾圧としてのデッチあげは、権力が被告人の無実を熟知しながら、総力を挙げて意識的、計画的、組織的に準備し実践する反革命である。権力の一角には当然裁判所も含まれる。一審無罪判決を破棄し、地裁に差し戻した東京高裁の中川武隆裁判長らも、本件における証拠の不在に気付かなかったはずはない。その上で、中川らは事実を無視して支配階級の弾圧意思を最優先させた。しかし、その中川らさえ、自ら「有罪」を宣告することはできず地裁に差し戻すしかなかったのだ。無実という厳然たる事実を消し去ることはできない。
 一昨年6月から始まった差し戻し審における検察官の主張と「立証」は、それ自体の虚構性を一層明白にしただけであった。それに対して、被告団と弁護団は新証拠を提出して追撃し、われわれの無実をさらに鮮明に立証した。覆しようのない確かさをもって本件がデッチあげであることを証明し切ったのだ。
 判決公判を迎えるわれわれの闘いは、同じ年月を闘い抜いている国鉄1047名解雇撤回闘争の新たな大運動と結びついている。革命を実現しようとする労働者の闘いは、敵のどんな攻撃にも屈することなく、また、決着を曖昧(あいまい)にすることはない。
 帝国主義の命脈は尽きている。世界革命の現実的な展望が眼前に大きく開けている。情勢は、われわれがデッチあげ逮捕された23年前から激変している。われわれもまた、われわれ自身の闘いで革命情勢の一端を切り開いた。獄中・法廷を貫いての完黙・非転向の実践は、階級的労働運動における絶対反対・団結強化の実践と結び付き、息を合わせて、不断に革命を前進させてきたのだ。
 われわれの無罪戦取の闘いは、国鉄決戦を軸とする階級的労働運動と一体だ。法大弾圧を粉砕する闘いをともに推し進めている。沖縄・三里塚と連帯する闘いであり、なにより、星野文昭同志を奪還する闘いである。
 福嶋公判においては今、全力を挙げて上告趣意書の補充書を作成している。そして、われわれ3人への無罪判決は、そのまま福嶋同志の無実を鮮やかに指し示す。6月2日は真に決定的だ。だから、もう一度心から呼びかける。東京地裁で勝利をともにしよう! 
 (迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告団)

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週刊『前進』(2440号6面3)(2010/05/24 )

 イラン政府による政治犯5人の処刑を弾劾する!

 5月9日、イラン政府は人権活動家の教師キャマンガルさんを始めとするクルド人4人とイラン人のメヘディ・エスラミアンさんの計5人を、卑劣にも家族や弁護士に事前に知らせず秘密裏に突然処刑した。この暴挙を怒りを込めて弾劾する。

 5分で死刑判決

 全世界の労働組合や人権擁護団体が、キャマンガルさんたちへの不当な死刑判決を弾劾し、釈放を要求するキャンペーンを行っていたにもかかわらず、今回処刑が強行された。日本でも一昨年から動労千葉や「牛久入管収容所問題を考える会」などの呼びかけで、「キャマンガルさんら政治犯を処刑するな」と在日イラン人とともにイラン大使館抗議行動に取り組んできた。
 アメリカ帝国主義のイラン侵略戦争策動の強まりを背景にして、イラン政府はトルコ・イスラム政権に接近している。今回の処刑もトルコを訪問したイラン外相が帰国した直後のことだった。
 ファルザード・キャマンガルさん(35歳)は、クルド地域の町、カムヤランの出身で、08年2月に「国家の安全を危険にさらした」「神に対して敵対した」「クルド労働者党(PKK)の構成員だ」として死刑判決を受けていた。彼は、クルド教職員組合の組合員であり、環境保護協会の会員であったが、PKKの党員ではなかった。にもかかわらず、簡易裁判所は、判決までわずか5分の審理で死刑判決を下した。彼の弁護士は18カ月前に再審を要求、裁判所側はあたかも再審がありうるかのような回答をしていた。
 彼は、数カ月にわたって性的拷問も含む激しい肉体的・精神的拷問を受け、3年間を牢獄で過ごした。弁護士の接見時に、彼は激しく衰弱し、熱湯で手を焼かれた姿で現れた。また、腎臓病で血尿が出ていたにもかかわらず、病院での治療も拒否された。
 一緒に逮捕されたアリ・ヘイダリアンさんは、クルド地域のサナンジャイ市で生まれた。09年2月1日に刑務所から出した手紙では、彼は監獄で2カ月間以上にわたって最も残酷な肉体的・精神的拷問を受けたと書いている。彼もクルド労働者党に所属したとされ、わずか10分間の審理で死刑判決を受けた。
 同じくファルハド・バキリさんも、PKKのメンバーとして訴追され、最高指導者に慈悲を乞う手紙を書くように要求されたが、「そんな手紙を書くよりは処刑されたほうがましだ」と妻と友人に語っていた。
 シリン・アラムウリさんはクルド地方のディム・ゲシュラフで生まれた。08年4月に逮捕され、25日間厳しい拷問を受けた後、テヘランのエビン監獄に移管された。彼女もPKKのメンバーだとして訴追され、09年1月に死刑判決。彼女は逮捕された時にはペルシャ語を話せなかったが、裁判はペルシャ語で行われたため、防御権を行使できなかった。

 ストや抗議デモ

 このニュースを聞いて、イランと世界の各国で激しい弾劾の闘いが起きている。クルド人の住む地域では、ストライキや抗議デモが準備されている。テヘランのいくつかの大学では抗議の座り込みが行われ、パリやロンドンのイラン大使館への抗議行動が闘われた。
 今日、イラン政府は、アメリカ帝国主義による激しい侵略戦争重圧政策によって追い詰められている。それに加え、経済危機を乗り切るために推進している新自由主義政策に対する労働者階級の激しい反撃や、民族的権利を要求する国内のクルド人への弾圧に対する怒りの爆発に追い詰められている。
 こうした危機的情勢下でイラン政府は、労働運動やクルド人の民族的権利を要求する闘いを弾圧することで、総崩壊的危機にある国内支配体制を暴力的に立て直し、戦争体制を構築しようとしている。
 だが、イラン人民とクルド人民はけっしてこのような策動を許さないであろう。彼らはイランの反動的政権を打倒し、同時に米帝のイラン侵略戦争を粉砕する闘いに必ずや決起し、帝国主義打倒、世界革命実現にむけた世界の労働者人民の歴史的闘いに合流してくるであろう。

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週刊『前進』(2440号6面4)(2010/05/24 )

日誌'10 2010年 5月12日〜18日

 鳩山、「普天間」5月決着先送りへ/「国民投票法」が施行

●高速道路上で米軍訓練 沖縄県宜野座村のキャンプ・ハンセン内で米軍のヘリコプターが兵士5人をつり下げて上空を旋回する訓練を行っているのが確認された。訓練は沖縄自動車道の近くで行われており、兵士をつり下げたままヘリが同自動車道の上空付近を通過していた。(12日)
●クラスター弾訓練 沖縄県の米空軍嘉手納基地に飛来している米海兵隊岩国基地(山口県)所属のFA18戦闘攻撃機が、殺傷能力が高く世界的に禁止が進むクラスター(集束)爆弾1発を装着して離陸するのが確認された。同機体が帰還した際には、爆弾は装着されておらず、沖縄近海の射爆場で投下した可能性が高い。(12日)
●政党紙配布、二審有罪 05年9月の総選挙の投開票日の前日に東京都内の警視庁職員官舎の集合ポストに共産党機関紙「しんぶん赤旗」の号外を配ったとして、国家公務員法違反(政治的行為の制限)の罪に問われた厚生労働省元課長補佐の控訴審で、東京高裁は、求刑どおり罰金10万円とした一審・東京地裁判決を支持し、被告の控訴を棄却する判決を言い渡した。被告側は上告した。(13日)
●5月末決着先送りに言及 鳩山首相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について「5月末(決着)の期限を私はつくったから、国民との約束の中でできる限りのことはする」と述べる一方、「すべてが果たされるかどうかということだから、6月以降も詰める必要があれば、当然努力はする」と語り、「5月末決着」の先送りの可能性に初めて言及した。(13日)
●内閣支持率21% 朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)によると、鳩山内閣の支持率は21%で、前回調査(4月17、18日)の25%からさらに下落した。不支持率は64%(前回61%)だった。米軍普天間飛行場の移設問題について「約束違反」との意見は61%に達した。(15、16日)
●「北朝鮮の魚雷と判断」 韓国のユミョンファン外交通商相は、慶州での日韓外相会談で、3月末に起きた韓国哨戒艦の沈没について「北朝鮮による魚雷攻撃」との考えを岡田外相に伝えた。韓国政府が「北朝鮮の犯行」との判断を関係国に示した事実が明らかになるのは初めて。岡田は「韓国を支持し、必要な協力を惜しまない」と表明した。(16日)
●国民投票法が施行 憲法改正手続きを定めた国民投票法が施行された。改憲原案を審議する憲法審査会は、議事手続きを定める審査会規程が参院で整備されておらず休眠状態。衆院は麻生政権で規程を強行採決したが、委員の選定は進んでいない。現状では、改憲原案が提出されても審議はできない。(18日)
●米大統領「韓国支持」 韓国大統領府によれば、米国のオバマ大統領は、イミョンバク韓国大統領と電話で会談し、韓国哨戒艦沈没事件について「米国は韓国政府の対応と国際調査団の調査活動を全面的に信頼し、支持する」と語った。(18日)

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