ZENSHIN 2012/10/01(No2554 p08)

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週刊『前進』(2554号1面1)(2012/10/01 )

 外注化阻止、本格的段階へ

 領土・安保・戦争・改憲の極反動=野田・安倍・橋下に階級の怒りを

 10・7三里塚から11・4巨万決起へ

(写真 勝田車両センター門前でスト突入集会。仲間に熱く決起を呼びかけた。右奥は車両の検査修繕のための車庫【9月26日 茨城県ひたちなか市】)

 10・1JR外注化阻止の闘いは、動労千葉や動労水戸を先頭に、ついにJR東日本の青年労働者総体の反乱となった。この日本労働運動の地殻変動に胸おどらせて、ともに全力で闘おう。この階級的躍動をすべての職場と地域に持ち込み、怒りと団結を組織しよう。新自由主義と闘う階級的な労働組合の建設に一切をかけ、巨大な組織拡大大会として、職場から11・4全国労働者総決起集会に根こそぎ結集しよう。11・4は同時に、労働者国際連帯の力で「領土」をめぐる排外主義、戦争・改憲攻撃と闘い、反原発・反失業を闘う国際統一行動だ。10・1外注化阻止から11・4へと真一文字に突き進もう。

 10・1からストに突入

 労働者の団結に依拠し、団結を拡大して闘えば、絶望的で凶暴極まる新自由主義攻撃としての外注化は、絶対に止められる。動労千葉や動労水戸を先頭にすでに火を噴いている10・1外注化阻止決戦は、今やJR東日本の労働者全体の闘いに発展し、労働組合運動の歴史を塗り替えている。日本階級闘争・労働運動は今、新たな飛躍の瞬間にいる。
 動労千葉は9月23〜24日に定期大会の大成功をかちとり、この無謀な外注化強行を大逆転させる新たな具体的方針を確立した。大会直後から、徹底的な職場抵抗闘争に突入した。10月1日からは、検修・構内業務外注化を粉砕する強力なストライキに突入する。
 「全国の検修職場から『総反乱』と言っても過言ではない怒りの声が噴き上がっている。われわれの闘いがそれをつくったのだ。強硬姿勢の背後で、外注化政策はもはやボロボロになって崩れ落ちようとしている。われわれは負けていない。外注化は、労働者の雇用を破壊して未来を奪い、安全を根本から解体する攻撃だ。検修・構内外注化攻撃は明白な偽装請負だ。違法な強制出向は絶対に許さない。われわれは外注化攻撃を完全に粉砕するまで闘い続ける」「国鉄分割・民営化を絶対にあいまいにしない。国鉄分割・民営化攻撃によって労働運動が解体された結果、労働者に何が起きたのか。それ以降の労働運動の後退、嵐のように吹き荒れた民営化攻撃、非正規職に突き落とされた1500万人の怒り、打ち砕かれた権利、その全てをわれわれは忘れない。いよいよそれに決着をつけるときがきた」。大会宣言はこう言い切っている。
 この動労千葉の闘いにすべてのJR労働者、全国・全産業の労働者は続こう。管理職さえその矛盾とデタラメさに「反対」を口にせざるを得ないほど、外注化は破綻的だ。しかも偽装請負そのものだ。青年労働者の総反乱で闘いを貫けば、必ず粉砕できる。JR資本は今、闘う組合さえつぶせれば業務がどうなってもいいと言っている。これこそ分割・民営化の25年が総破産している証拠だ。
 「労働運動の再生は絶対可能だ。われわれはその思いのすべてを11・4労働者集会に結集させる。そのすべての決意を組織拡大闘争に注ぎ込む。大震災後の歴史的情勢と対決し、11月集会に1万人を結集させよう」。大会宣言でこう訴える動労千葉に続こう。ともに団結し、10・1外注化阻止・非正規職撤廃、解雇撤回・JR復帰の決戦と11・4の巨万の決起へ進撃しよう。

 大恐慌下に戦争の危機

 大恐慌―3・11情勢と新自由主義の絶望的凶暴化に真っ向から対決する外注化阻止決戦の白熱的高揚は、他方で帝国主義間・大国間争闘戦の激化のもとでの戦争・排外主義と改憲攻撃との闘いを決定的にしている。これに対し労働者国際連帯と国際統一行動を発展させること、沖縄―福島と結び、反原発・反失業と沖縄・安保・改憲阻止の闘いを貫くことが11・4の歴史的課題になった。
 全世界で反米デモが爆発し、イラク・中東からたたき出され追いつめられる米帝は、イランへの戦争攻撃を新たに激化させている。ペルシャ湾と近隣海域で、米軍を中心に30カ国以上が参加する過去最大規模の国際掃海訓練が、9月後半、12日間にわたり強行された。これに海上自衛隊の掃海母艦「うらが」も参加した。中東での絶望的危機の巻き返しをかけ、「アジア最重視」をうたい対中対峙・対決を貫くのが米帝の新軍事戦略だ。
 脱落日帝の野田政権は、この米帝戦略に沿いながら、排外主義と戦争・改憲の絶望的な攻撃として釣魚台(尖閣諸島)の「国有化」を宣言し、独島(竹島)の領有権主張に突き進んでいる。これに対する中国の反日デモは、帝国主義とその資本への根底的な怒りの決起であり、同時にそれは中国スターリン主義への怒りと反乱にも転化していくものだ。
 一方で9月22日には、陸上自衛隊と米海兵隊が米領グアムで「敵に占拠された島の奪還」を想定した、共同の上陸作戦訓練を強行した。このただ中で野田政権は、米軍新型輸送機MV22オスプレイの「安全宣言」を出し(9月19日)、岩国で試験飛行を強行し、沖縄配備に突き進んでいる。9・9県民大会を倍する怒りが沖縄・全国で巻き起こっている。
 野田政権は脱落日帝の危機を外注化・非正規職化、労組破壊などの攻撃と同時に、領土問題(新たな領土略奪)=国家主義・排外主義と日米安保強化、戦争・改憲の攻撃で絶望的に突破しようとしている。自民党総裁に極めつきの右翼政治家・安倍晋三が選出されたのも、完全にこの流れの中での事態だ。
 道州制・大民営化と労組破壊を狙う維新の会の極右・橋下も含め、領土と安保・戦争・改憲の攻撃に突き進む野田・安倍らを、労働者こそが労働組合の団結と決起で串刺し的に打倒しなければならない。9・16橋下打倒闘争の大成功に続き自治体労働者、教育労働者は先頭に立とう。
 新自由主義は、プロレタリア革命の主体である膨大な労働者を全世界に生み出した。この労働者階級と団結し、労働組合を再生させ、世界革命を実現するために闘うことこそ、「連帯し侵略を内乱へ」の闘いの今日的な継承・貫徹であり、戦略的な発展である。
 さらに福島の怒りと固く結び、被曝労働・内部被曝問題と必死に対決し、原発再稼働が核武装政策と深く一体であることを暴き、労働組合の決起の力で、議会や法律を超えた反原発の100万人決起の実現へ闘おう。10・13さようなら原発集会(日比谷野外音楽堂)へNAZEN運動を先頭に決起しよう。

 青年の決起と組織拡大

  11・4労働者集会に向け、外注化阻止決戦と職場支配権をめぐる動労千葉などの闘いから学び、階級的団結と職場闘争の実践的で路線的な核心をつかみ、すべての職場で青年労働者を先頭とする組織拡大に立とう。
 国鉄分割・民営化以降の25年、連合とJR総連カクマルの支配は何をもたらしたか。新自由主義はこうした階級の裏切り者ぬきには成り立たなかった。今や職場の合理化、解雇・失業、病気やストレスの問題は極限的だ。何よりも2500万人もの非正規労働者が生み出されている。「15年で50万人の自殺」は階級戦争による殺人であり、体制内労組幹部はその共犯者だ。ストライキは数十分の一に激減し、資本は一切を「労働組合を闘わせない」「ストライキは絶対やらせない」「団結させない」ことにかけてきたのだ。
 だが今や新自由主義はこのブルジョア社会自身を壊している。青年労働者が、いったん団結して闘い始めたら、「原発ゼロは雇用・経済から考えなおせ」「反日デモから在留邦人を防衛しろ」と叫ぶ連合幹部など、一瞬で階級の敵であり、裏切り者だとわかる。
 動労千葉の6・29判決は、国鉄改革法と分割・民営化の不当労働行為性を初めて認定した。これは2010年4・9政治和解の大反動を現場からひっくり返す画期的地平だ。これを絶好の武器に全労働組合にオルグに入り、外注化阻止・非正規職撤廃、解雇撤回・JR復帰と11・4へ、全産別・全職場の労働者の正規・非正規の分断をのりこえた闘いと組織化に突入しよう。労働者は革命的な歴史的存在だ。必ず立ち上がる。この確信に燃えて断固進もう。
 10・7三里塚全国闘争に労農同盟の旗を高く掲げ総結集しよう。そしてそこから11・4の巨万決起へ、全員が火の玉となって闘おう。

 

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週刊『前進』(2554号1面4)(2012/10/01 )

前進速報版から 前進速報版から

▼高山弁護士先頭に鳥取地裁前で「裁判員制度はいらない!」▼中国山西省・太原の富士康工場で数千人の暴動▼動労水戸9・26スト

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週刊『前進』(2554号2面1)(2012/10/01 )

 動労千葉定期大会 10・1外注化にスト配置

 闘いを継続し新たな飛躍へ

 動労千葉は9月23〜24日、第41回定期大会をDC会館で開いた。検修外注化との闘いが最大の山場に入る中、新たな闘いに一丸となって突入する決意を固めた歴史的大会となった。
 冒頭あいさつで田中康宏委員長はまず、昨年秋以降の京葉車両センター構内業務外注化を巡る攻防、さらに佐倉運輸区新設―組織破壊攻撃との闘い、鉄建公団訴訟6・29東京地裁判決の意義などを中心に1年間の激闘を勝利的に振り返った。そして、国鉄分割・民営化以来の重大局面を迎えた外注化阻止闘争、特に10月1日以降の闘いについて基本的方向性を提起した(要旨別掲)。
 三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長、動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士などの来賓あいさつに続き、総括を繁沢敬一副委員長が、内外情勢を川崎昌浩執行委員が、JRを巡る動きを大竹哲治副委員長が、方針を長田敏之書記長が提案した。
 さらに2日目の午前、前夜の各支部代表との突っ込んだ討論をふまえ、決戦段階での具体的闘争戦術を長田書記長があらためて提起した。@9月24日からの1週間は、出向説明会開催に徹底抗議の上、出席の業務指示が出された場合には指名ストに入る、A事前通知に対する苦情処理に当該組合員の全力結集で臨む、B仮に10月1日外注化が強行された場合はストライキを配置して闘うこと――などだ。
 長田書記長は、10月1日から始まる闘いの獲得目標について「構内計画、機動班、機能保全業務などさらなる外注化を阻止し、2〜3年のうちに外注化された業務をJR本体に戻す。千葉鉄道サービス(CTS)での偽装請負摘発・追及を徹底的に闘い、最大の反撃の武器である組織拡大闘争に全組合員が総決起しよう」と強調した。
(写真 運動方針を提起する長田敏之書記長【9月23日 DC会館】)

 職場を基軸に徹底的に抗戦

 討論では現場から決然たる決意が次々表明された。幕張支部の山田護支部長は「これからが本当の闘いだ。『2〜3年で外注業務をJRに戻す』と方針提起されたが、そんなに長くかかるとは思わない。徹底的に闘う」と確信を込めて述べた。車両技術分科会の代表は「これまで管理者の指示が間違っていても柔軟に対応してきたが、10月1日以降は契約以外のことは一切やらない。偽装請負摘発に全力を挙げる。乗務員に対しては『外注化の結果、対応できない』という心苦しい場面も出てくるかもしれないが絶対にあいまいにしない」と発言した。運転職場からも外注化阻止に立ち上がる決意が続いた。
 総括答弁で田中委員長は再度訴えた。「何よりもこの1週間、10・1外注化阻止へ全力で闘おう。さらに10・1ストから、われわれも初めて経験する闘いが始まる。構内入れ換え業務がどこかで止まり、本線も全部止まっちゃうような闘いになる。運転士の側からも『ふざけんな! こんな状況でハンドルが握れるか』と声を上げる。最終的には外注化を完全につぶす。外注化と偽装請負、出向・転籍、非正規職化の問題は労働者全体、労働運動全体の核心問題だ。否応なく真っ向勝負になる。本当に腹を据えて闘いぬく必要がある。外注会社の労働者も動労千葉に組織し、JR本体と外注会社の両方から闘う。10・1からの闘いは、そういうことも含めた新しい労働運動のあり方の提起でもある。動労千葉の新しい一歩がここから始まる」と力を込めて訴えた。
 代議員、傍聴者は大きな拍手で応えた。大会議案を満場一致で可決、スト権が確立され新たな闘争体制が力強く打ち立てられた。

 大会当日から次々指名スト

 大会終了後、直ちに闘いが始まった。
 24日からの出向説明会で当局は、CTSの制服とヘルメット、2双の軍手だけを渡し「10月1日から下請け会社に行って下さい」と言うだけ。あまりにデタラメだ。追及に対して現場の管理者すら「私たちだって何もわからないし何も聞かされていない。本音を言えばこんなことは間違っていると思います」と言うしかない状況だ。動労千葉組合員は徹底抗議の上、次々と出向説明会拒否の指名ストを貫徹した。
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 当局はガタガタだ! 外注化を必ず止め労働運動復権へ

 田中康宏委員長のあいさつ

 千葉支社は91人に強制出向の事前通知を出しましたが、あと1週間なのに現場では何も準備が進んでいない。われわれの闘いが、ここまで当局を追い詰めてきたんです。
 動労千葉はこの1年、全力で闘いぬいてきました。京葉車両センターでの構内業務外注化と闘い、基地統廃合−組織破壊攻撃も粉砕した。もうひとつの大きな前進は1047名闘争です。鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決では、国鉄分割・民営化で起きたことが国家的不当労働行為だったこと、採用基準そのものが違法であったことを認めさせた。われわれが25年間、立ち向かってきた国鉄改革法の壁を打ち破る一歩手前まで来た。
 動労千葉はなぜ、外注化との闘いにこれほどこだわってきたのか。国鉄分割・民営化をきっかけに1500万人もの労働者が非正規職に突き落とされました。労働者派遣法がつくられ、労働分野の規制が緩和されたから自動的に労働者が突き落とされたわけではない。現場での外注化・民営化攻撃に労働組合がすべて屈服し容認してきたからです。この攻撃をどこかで止めなければ闘う労働組合の復権なんて空論です。われわれは外注化阻止闘争を開始する時、自らの職場でこの流れを止めることを固く決意しました。
 12年間の闘いに追い詰められたJR東日本と東労組カクマルが、しびれを切らせて10・1外注化強行に出てきました。しかし私は負けている気がしません。当局はガタガタです。東日本全体の検修職場から総反乱が始まっている。千葉では現場の助役まで反乱を始めている。この外注化が偽装請負、不法行為であり、行き着く先は安全崩壊であることを管理者も納得せざるをえないところまで暴いてきたからです。
 この攻撃は10・1外注化では終わりません。数年のうちに全検修業務が外注化され、選択肢がない形で転籍を迫られる。徹底的に闘い続ける決意を、本大会で固めなければいけない。偽装請負追及の職場抵抗闘争に全力で立ち上がろう。
 もう一点、訴えたい。外注化を止めるために新しい闘いに入ります。下請け会社の労働者を動労千葉に組織します。私は「できる」という確信を持っています。労働者にとって今、最大の問題は非正規職化です。本体と下請け、正規と非正規の労働者が本当にひとつになった闘いは日本にはない。これがなければ労働者の権利は守れません。
 動労千葉は何度も「もう終わりだ」と言われてきました。ジェット燃料貨車輸送阻止闘争、動労本部からの分離独立闘争、そして国鉄分割・民営化反対闘争の時もそうでした。動労千葉は、繰り返しこういう状況を闘いぬき、団結をさらに強めてきました。これらの闘いを通して私は、労働組合というのは本当にすばらしいものだということを組合員のみなさんから教えてもらいました。
 労働組合は単なる闘いの手段じゃない。労働者が弱いから団結しているだけでもない。労働組合として団結することで、労働者一人ひとりが人間として誇りをもって生きることができる。そこには社会を変える力さえある。労働者にとって労働組合とは単に手段や方法じゃなく、生きていくすべそのものです。
 団結さえ崩さなければ新自由主義とも闘える。こんなもの矛盾だらけなんだから必ず粉砕できる。このことを動労千葉は外注化阻止闘争で示してきました。怒りの声は社会に満ちています。闘う労働組合を復権させたら必ず社会は動きます。
 壁は厚く困難ですが、全組合員の力で本格的な組織拡大を実現しよう。これが実現できたら僕らは胸を張って「この道を進もう!」と訴えることができる。そのことを通して、この時代に立ち向かうことのできる闘う労働組合に新たに生まれ変わりたい。私自身、そう決意しています。

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週刊『前進』(2554号2面2)(2012/10/01 )

 国鉄1047名解雇撤回! 三つの裁判闘争に勝利を

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【要項】 鉄道運輸機構訴訟控訴審判決
10月11日(木)午後4時
東京高裁101号法廷

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週刊『前進』(2554号4面1)(2012/10/01 )

 11・4総決起から11・11へ

 職場から立ち上がり福島とつながる100万人デモを

 みなさん! 野田政権の再スタートを前後して、原発をさらに再稼働させ、新規建設も核燃サイクルもすべて進める、一言で言って、フクシマの事態をなかったことにするような政策が一気に進められています。絶対に阻止しなければなりません。100万人規模の怒りのデモが必要だ! アジサイ革命に立ち上がった一人ひとりが、職場でもアジサイ革命を開始し、労働者が職場から立ち上がろう。11・4全国労働者総決起集会に集まり、闘う労働組合をつくり出そう。100万人のデモで野田を倒し、すべての原発をなくそう!
(写真 「米倉出てこい! 経団連解体!」――原子力産業の元締め・経団連に向けて怒りのつぶてが投げつけられた【9月25日 千代田区大手町】)

 さらなる原発再稼働へと踏み切る野田政権倒せ

 9月19日、民主党代表選を前に新宿駅西口の立会演説会に立った野田首相は、労働者民衆の弾劾の嵐にあった。「帰れ!」「人殺し!」「脱原発を後退させるな」「財界の顔ばかりうかがってるな!」――再スタート前から怒りに包まれている野田政権をもっともっと追いつめ、倒そう!
 野田政権は同じ19日、「2030年代の稼働原発ゼロ」を盛り込んだ「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定を見送った。15日には青森県知事との会談において、枝野経産大臣が「核燃料サイクルは引き続き進める」と宣言、建設中の大間原発、東京電力東通原発、島根原発3号機についても「経産省として設置、着工を許可した原発について変更することはない」と表明した。これは「電力はそもそも足りている」という議論を百歩譲って行ったとしても、「電力供給のための一時的な再稼働」という次元ではないことは明らかです。さらに原子力規制委員会の人事については、国会の同意がないまま首相が任命を強行、田中俊一ら原発推進派で固めて再稼働政策を進める体制をつくった。
 福島第一原発事故。そして今も被曝を強制され続けている福島を始め全国の子どもたちや労働者の現状。収束作業員が命を奪われている許し難い現実。これらすべてをなかったことにし、3・11以前のように原子力政策を平然と戻し、原子力産業(マフィアだ!)を救済するということだ!
 こんなことは絶対に許せない。何が「脱原発依存社会」だ。野田首相がペテン的な公約すら完全に投げ捨ててきたことに対して、今すぐ100万人規模のデモで永田町・霞が関を埋め尽くし、野田政権を倒すような闘いが必要です。
 あらためて訴えたい。私たちが行うべきことは、国会内の茶番につきあうことではなく、茶番の国会そのもの、3・11に行き着いた政・官・財・司法・マスコミ・大学・労働組合幹部らの癒着と腐敗の社会構造のすべてに責任を取らせ、覆していくことです。

 職場でアジサイ革命を!闘う労働組合つくろう

 日本の国家が福島でやってきたことは何でしょうか。SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報を隠して、福島の子どもたちや労働者民衆を平然と被曝させ、ついに甲状腺がんが発見されても、因果関係を認めず、避難させず、今も被曝を強制し続けている。この国家的殺人をやっている最大の犯罪人が、福島県放射線リスク管理アドバイザーである山下俊一・福島県立医大副学長です。
 彼は「100_シーベルト以下の健康リスクは 明らかには証明されていない。……日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ」(毎日新聞8・26付)とまで言い放った。
 子どもの命も守れないで何が国家だ。そんな国家は崩壊して構わない。何よりもまず子どもたちを避難させろ! 私たちは、命という本当に譲れないものを守る要求から出発し、命を脅かすあらゆるものと闘います。
 そして何より、こうした闘いの軸は私たち労働者民衆の直接行動にあるということです。昨年4月に万単位のデモが開始され、5・5稼働原発ゼロをかちとっていったあの感動を思い出してください。そして大飯原発3、4号機を再稼働させることをもって回答してきたことに対するアジサイ革命。首相官邸前のあの連帯感と解放感。誰がここまで原発をなくすリアリズムを生み出せると予想していたでしょうか。まだまだこれからです。茶番の国会のような3・11以前のあり方ではなく、私たちの行動にこそ、原発をなくすリアリズムがあるのです。
 100万人が集まれば何ができるでしょうか。6月以来わが物顔でデモを弾圧し監視する国家権力を追いやり、全車線を埋め尽くし、あの連帯感と解放感をもう一度奪い返せる。首相官邸や国会の中、経産省を始めとした省庁、さらに裁判所、犯罪人の一人ひとりを引きずり出して牢屋(ろうや)にぶち込むような闘いができる。

 原発をなくすリアリズムはどこから生まれるか

 いかに100万人規模のデモをつくり出すのか。このことを今、真剣に議論することが必要です。鍵は私たちの職場にある。どんな職場にも、あの憎たらしい管理者がいて、私たちは安い賃金でモノのように扱われながらも働いています。この職場にもアジサイ革命が必要です。労働組合をつくる。職場から立ち上がり、100万人デモをやりましょう。
 政府の「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定見送りは、国家戦略会議への米倉弘昌経団連会長のボイコットを始め、財界の意思そのものです。そしてもうひとつ、古賀伸明連合会長が「30年代原発ゼロは乱暴だ」などと労働組合の名をもって口を出した。こうした構造を覆せるのは労働者だけです。
 「労働組合の闘いが見えない時代」などということは事実に反しています。動労千葉や動労水戸などの労働組合は、JRの検査修繕・構内運転部門の他会社への丸投げ外注化に対しストライキを配置して闘っています。
 「若者の2人に1人は非正規雇用」という現実は、ただ資本が暴利をむさぼるためだけに、安全コストを切り捨て、偽装請負を始め違法行為のオンパレードで進められてきました。「原子力ムラ」に巣くう腐った労働組合の幹部どもが、これに全面協力して、ともに暴利をむさぼってきたのです。絶対に許せない。
 この外注化阻止の闘いの中でJRの青年労働者たちが闘う労働組合に結集し、他労組からスト破り拒否の闘いを巻き起こすなど、怒りの反乱を開始しています。
 社会を実際に動かしているのは労働者です。だから労働者が立ち上がれば社会を変えることができるのです。原発労働者に被曝を強制し、その命を奪っておいて「原子力はクリーンで安価なエネルギー」などと言ううそだらけの社会は、労働者が立ち上がれば成り立たないのです。
 問題は、職場にもアジサイ革命は起きるということです。本当に我慢は限界に来ている。そして首相官邸前に集まる私たち一人ひとりが労働者です。職場から声を上げよう。11・4労働者集会を成功させ、その地平から100万人デモの実現へ進撃しよう。

 福島と共に闘い生きられる社会を求めて闘おう

 最後に訴えたいことは、福島と向き合い、福島とともに闘い、生きられる社会を求めて闘おうということです。
 福島では生きることが脅かされています。人間は一人では生きられず、仲間や家族、もしくは故郷や自然とともに生きています。これが今、福島で引き裂かれている。労働とは、ひとと自分の命を紡ぎあう素晴らしい行為のはずです。ところが原発で働く労働者は被曝労働という自己犠牲を強いられる。核(原発)と人類は相いれない。
 この福島から、命を守りあうためにつながろう、団結しようと診療所建設が呼びかけられています。新自由主義という政策によって団結を奪われてきた私たちが、福島とともに、職場に、社会全体に団結を取り戻し、福島とともに生きられる社会をつくり出そう。
 さようなら原発1000万人アクションが呼びかける10・13集会に集まろう。10月19日には青森核燃サイクルの地元でも集会が行われます。ぜひ全国から結集を! 職場から闘い、11・4労働者集会に集まろう! 福島とつながる11・11の100万人デモですべての原発いますぐなくそう!
 〔織田陽介〕

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週刊『前進』(2554号6面2)(2012/10/01 )

 国際労働運動 11月号

 11・4集会への訴え

 世界大恐慌の激化と新自由主義の絶望的凶暴化のもと、脱落日帝の新たな領土略奪、戦争・排外主義攻撃として独島(竹島)と釣魚台(尖閣諸島)問題が噴き出している。中国では反日デモ、韓国でも抗議行動、日本では右翼・マスコミの排外主義・国家主義の煽動が巻き起こっている。これに対する労働者階級の立場は日中韓の労働者の国際連帯で排外主義を打ち破ることにある。その土台は、03年から始まった動労千葉と韓国・民主労総との10年にわたる日韓連帯で粘り強く形成されてきた。
 第1章は、民主労総の8・29ゼネスト。韓国資本の生き残りをかけた民主労組に対する暴力的破壊攻撃と非正規職化攻撃に対し金属労組ゼネストを経て8・29ゼネストが労働者の生存をかけた決起として闘い取られた。
 第2章は、民主労総を柱とする韓国労働運動の歴史と総括。民主労総創立以来の闘いの総括と労働者の「政治勢力化」の課題に踏み込んだ提起がされている。
 第3章は、「領土」問題への労働者階級の階級的立場を丁寧に提起している。日帝の領土略奪を弾劾すると同時に、労働者階級の敵は資本であり、「国家」であること。労働者の国際連帯で排外主義と戦争を打ち破ろうと訴えている。11・4労働者国際連帯集会への熱烈なアピールである。

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週刊『前進』(2554号7面3)(2012/10/01 )

 農地死守! 第3誘導路粉砕!

 いざ10・7三里塚へ

 

10・7三里塚全国総決起集会が目前に迫った。三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけに応え、全力で立ち上がろう。
 上の地図を見てほしい。集会場は成田空港の敷地をど真ん中で食い破り、暫定滑走路の南に立ちふさがっている東峰の萩原進さん(反対同盟事務局次長)の畑だ。デモの予定コース(破線矢印)はここを出発し、東峰部落に入り、天神峰の市東孝雄さんの畑と自宅の前を通り、第3誘導路の工事現場を突っ切り、農地裁判で最大の焦点である市東さんの南台の畑を到着地としている。
 第3誘導路は来年3月供用開始へ向け工事が急ピッチで進められ、そのおぞましい姿を現しつつある。まさに市東さんをこの地から追い出すためだけに造られた巨大構造物である。複雑な高低差を持つ地形の上に大規模な造成工事を行い、無理やり暫定滑走路とエプロン(駐機場)を連結する誘導路を構築し、市東さんの家と畑を空港の中にすっかり囲い込んでいる。しかも成田空港会社(NAA)が公表した図によれば、滑走路双方向に向け「枝分かれ」している。
 ここにジェット機をひっきりなしに行き来させ、その騒音・振動・排気などで圧力をかけようというのだ。たった一軒の農家を立ち退かせる目的のためだけに、ここまでとんでもない規模のしかけを講じる――まさにどんな民間の地上げ屋もまねできない、国策による究極の「地上げ」プロジェクトだ!
 市東さんはこの攻撃のただ中で、闘志を燃やし日々農業に励んでいる。祖父の代から受け継いだ農地を守りぬく決意は微動だにしない(前号の反対同盟アピール参照)。まさにその大地に根を張ったたたずまいが国家権力、NAAを圧倒し、闘う労働者、農民、学生、人民を限りなく勇気づけ激励している。
 三里塚闘争は日本階級闘争における労農連帯のとりでである。動労千葉を先頭とするJR外注化阻止決戦、福島の労働者・農民と連帯する反原発の闘い、オスプレイ配備強行を許さない沖縄反基地闘争と一体で、三里塚「農地死守」の闘いに勝利しよう。「市東さんの農地を守れ!」の声を全国に拡大し、毎回の裁判闘争に全力で傍聴・支援に駆けつけよう。第3誘導路を粉砕しよう。農地強奪攻撃に、実力闘争をたたきつけ現地攻防に勝ちぬこう。
 10・7総決起を!

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 15日千葉デモ

 10月15日(月)、千葉地裁民事第3部で農地裁判が予定されていたが、テレビ会議方式での証人尋問強行の訴訟指揮に対し、弁護団が多見谷寿郎裁判長ら3人の裁判官の忌避を申し立てたため、現在裁判手続きはいったんすべて止まっている。
 この10月15日には反対同盟の呼びかけで、強権的訴訟指揮を弾劾する千葉市内デモが行われる。

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週刊『前進』(2554号8面2)(2012/10/01 )

 “生きさせろ”の怒りで在留カード制度粉砕へ

 在日・滞日外国人労働者との団結を

 7月9日に改悪入管法に基づく新たな外国人管理制度=「在留カード」が実施された。これは同時に外国人登録法を廃止し、外国人の在留管理を法務省・入管当局によって一元管理しようとするものであり、世界大恐慌と3・11情勢に追い詰められた日帝・野田政権による戦後入管体制の抜本的改編として打ち出されたものだった。
 しかし、敵の凶悪な意図にもかかわらず、在留カードのスタートは、在日・滞日外国人労働者と日本人労働者による怒りの法務省デモによって迎えられた。さらに在留カード手続きがコンピューターのシステムダウンで大混乱に陥るなど、在留カードの破綻性と入管体制の脆弱(ぜいじゃく)性があらわになった。

 低賃金・使い捨て

 新たに設けられた「中長期在留者」という枠組みこそが敵の狙いを示している。
 一昨年、経団連会長・米倉弘昌は「日本に忠誠を誓う外国からの移住者をどんどん奨励すべきだ」と外国人労働力移入自由化を含むTPP(環太平洋経済連携協定)への参加を政府に促した。3・11大震災と原発事故を経て、資本家階級のこの欲求はさらに激化している。それが6千万労働者の総非正規職化の攻撃と労働法制を解体した「復興特区」に導入する労働力確保のための技能実習制度の推進・強化なのだ。
 そしてこの研修・技能実習生を今回新たに設けた「中長期在留者」の枠組みの中核として在留カード制度で管理・掌握し、コントロール可能な低賃金労働力として確保しようとしているのだ。

 不当解雇と摘発

 在留カード導入によって、多くの非正規滞在外国人労働者が突然、不当解雇される事態に直面している。さらに新たな働き口を見つけることもできず、ホームレスとなった青年労働者もいる。
 また、「資格外労働」の摘発も激化している。「留学」などの在留資格があっても資格外活動許可がないまま働いたり、資格外活動の許可はあるが、許可されている時間以上の勤務をしていた場合など、摘発・弾圧は広範囲に及んでいる。
 この摘発によって入管収容所の被収容者が増加している。茨城県牛久市にある東日本入国管理センターでは3・11以後、減っていた被収容者が増加した上、仮放免許可が激減し、収容期間が長期化した。この中で400人近い被収容者のうち、約90人が8月20日から官給食を拒否するハンストをもって長期収容に対する抗議行動に立ち上がった。
 この決起を受け、牛久入管で面会行動を続けている牛久入管収容所問題を考える会は、「命の糧である食を断つという行動が『やむにやまれぬ心の叫びである』と認識し、彼らの要求に誠実に耳を傾け、事態の解決に努力されることを強く要求します」と緊急申し入れを行った。

 10・9までに返納

 法務省は、この在留カード交付の対象外とされた在留資格を持たない非正規滞在の外国人に対し、10月9日までに外国人登録証を入管窓口まで返納せよと迫っている。難民申請者を含む仮放免者たちも例外ではない。
 彼らは祖国で民主化闘争に立ち上がり、政治的運動を担い、あるいは宗教的理由などによる迫害を逃れてきた人びとである。生きるために国境を越えて働きに出た人びとであり、今は家族とともに日本で生活基盤を築いている人びとだ。
 出身地もアジア各地を始め、遠くアフリカや南アメリカと多様であるが、80年代以降の新自由主義グローバリゼーションの結果、旧来の生活を奪われ、移民として国境を越えざるを得なかった人びとであり、強制送還は、生きることを奪われることとイコールだ。
 まさに労働者階級の「生きさせろ!」の叫びがここにある。
 戦後入管体制は一貫して在日朝鮮人・中国人の粘り強い闘いによって破綻を強制され続けてきた。今回の在留カードとの闘いも、福島の怒りと結合した巨万の反原発決起、動労千葉、動労水戸を先頭に闘いぬかれているJR職場での10・1外注化阻止決戦と結合し、民族・国籍・国境を越えた労働者の闘いとして、11・4労働者集会の大高揚の一翼を担う在日・滞日外国人労働者の決起を呼び起こすものになる。

 排外主義許さず

 現在、日帝・野田は安倍や橋下を含めて、領土・安保・戦争・改憲の極反動攻撃にのめり込んでいる。だが一見凶暴に見えるこの攻撃も、実は敵の弱点である。3・11福島第一原発事故を経て帝国主義国家の腐敗とうそを見抜いて巨万の人民が続々と立ち上がっている。世界大恐慌と3・11、情勢のヘゲモニーを握っているのは、世界の富を独占している1%のブルジョアジーに立ち向かう、団結した99%のプロレタリアート、すなわちわれわれなのだ。
 1047名解雇撤回、外注化阻止・非正規職撤廃、反原発・反失業の組織拡大大会、国際統一行動としてかちとられる11・4労働者集会に民族・国籍・国境を越えて団結する労働者部隊を在日・滞日外国人労働者とともに登場させよう!
 (室田順子)

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週刊『前進』(2554号8面6)(2012/10/01 )

【要項】迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判

 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判
 差し戻し控訴審第5回公判
 10月22日(月)午後1時30分(429号法廷)
 ◎午後1時 東京高裁傍聴券配布所集合

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