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●学生運動のページ 特集〈法政大の闘い〉2006年

週刊『前進』(2279号5面3)(2007/01/22 )

 法政大 改憲阻止・学生ゼネストへ

 不当処分完全撤回を

 07年を平林総長打倒の年に

 07年、法政大学は1月9日に開講した。闘う法大生は06年の完全勝利の地平を実感しつつ、さらに処分撤回・平林打倒に向け、闘いをぐいぐい前進させている。

 停学処分完全解除かちとる

 一番大きいのは、学友1名の停学処分が1月14日をもって満期(6カ月)を迎え、処分の完全解除をかちとったことだ。法大当局は、停学処分に屈服しない彼にさらなる処分を下そうと策動していた。そのために「事情聴取」も行っていた。しかし、こうした策動をすべて打ち破っての「停学解除」だ。処分の完全撤回に向かって、大きな前進だ。
 15日昼休み、学友が元気にキャンパスに登場した。正門に構えていたガードマンは、彼の入構を妨害しようとしたが、自分がやろうとしたことの間違いを悟り、すぐに身を引いた。学友は直ちにマイクをとり、「いまだなんの反省もない安東学生部長や学生部職員、法学部の教授たちやガードマンの顔を見るのもいやですが、そんなのに負けて大学をやめることなどできません。2007年、平林総長を打倒して、自由で活気のある法政大学を取り戻すまで闘っていきます。全員の処分撤回と復学をかちとります」と決意も鮮明に訴えた。
 この時キャンパスで当局が流した、被処分者を名指ししての「退去勧告放送」でも、彼の名前を言うことはできなかった。法大当局の完全な敗北宣言だ。
 同じ日の午後には法学部教授会が行われた。前回の教授会では「(法学部2名の追加処分について)次回何らかの提案がある」と言っていたが、今回は処分問題について議題にすらできなかった。法大当局が停学解除を完全に追認したのだ。理不尽な弾圧に、団結して一歩も引かずに闘うことで、停学解除を認めさせたのだ。ムリにムリを重ねてきた法大当局は、完全に分裂し、二重権力状態に入った。
 06年の闘いが、独裁権力を狙う平林総長を完全に追いつめてきた。06年、平林総長は法大学生運動圧殺のために3・14弾圧を強行し、のべ40人をデッチあげ逮捕した。さらに総長選挙を廃止して独裁体制をしこうとしていた。ところが学生の一歩も引かない闘いと団結、そして教員の怒りと闘いによってそのことごとくが破産した。
 もはや、平林や一部理事が何を言おうが、法大キャンパスではまったく通用しない。平林総長はもとより安東学生部長や学生部職員はまったくキャンパスに出てこない。立て看板を撤去する力もない。被処分者の排除・監視、学生へのデッチあげ弾圧のために導入されたガードマンの志気も下がるばかりだ。デッチあげの張本人・通称「ルンゲ」=大久保廣宣も、たまにキャンパスに現れては学生の追及にあい、走って逃げ去っていく。キャンパスはテスト期間に入っているが、法大生はそんなものに制圧されはしない。キャンパス支配権は学生が握っている。
 しかし、だからといって法大生と教職員は、安倍−御手洗の先兵となってビラ・立て看板規制、そしてクラス討論まで弾圧するという学生運動圧殺に踏み込んだ平林総長を絶対に許しはしない。07年、全学ストライキをぶち抜き、最終責任者である平林総長はもちろん、安東学生部長などの学生部の職員、東京警備保障のガードマン、デッチあげの転び屋「ルンゲ」=大久保廣宣など、階級的犯罪に手を染めたすべての関係者に責任をとらせ、打倒する。
(写真 「平林総長打倒」を訴える法大生のビラ)

 法大で革命が進行している

 すべての皆さん! とりわけ学生の皆さん! 今、法大で進んでいることが革命だ。自分の大学キャンパスで当局の攻撃を真っ向から見すえて一歩も引かず、団結を打ち固めて闘ったとき、当局の攻撃など危機と矛盾に満ち満ちたものであり、膨大な学生の決起に転じることが必ずできる。
 動労千葉が職場からやってきたのがそういう闘いだ。かたや日本経団連会長の御手洗はなんと言っているか。「このまま行ったら日本の資本主義は10年しかもたない」と言っているのだ。未来は学生・青年のものだ。07年、「参院選の焦点は改憲」と言い切る安倍に対して、改憲阻止全国学生ゼネストを掲げて突き進もう! 法大生はその先頭に立つ。
 (法大生 A)

 

週刊『前進』(2264号1面3)(2006/10/02)

 法政大 第2ラウンド突入

 学生100人が安東学生部長追及

 9月20日、後期開講日を迎えた法大キャンパスで、退学処分・停学処分を受けた学生を先頭にして、学生100人が安東学生部長を取り囲み、徹底追及する闘いに決起した。不当処分撤回までやむことのない法大決戦“第2ラウンド”がうなりをあげて始まった。
 この日は、被処分者を先頭とする法大生、全都・全国から集まった学生、法大弾圧救援会、OB会が情宣活動を行った。昼休みには、被処分者の学生が断固キャンパス中央に登場した。
 「1年間の停学、しかもキャンパスに入ったら退学。こんなふざけた処分がありますか! 自分はこんな処分には従わない。キャンパスで闘い続けます」という被処分者のアピールが、すごい迫力でキャンパスに響き渡る。授業を終えた学生が集まりあちこちで討論の輪が広がる。
 たまりかねて安東学生部長が、学生部職員やガードマンを引き連れて妨害に出てきた。しかし安東は、たちまち集まってきた法大生100人ほどに取り囲まれ、その場は安東徹底追及の場に転化した。
(写真 被処分者を先頭に安東学生部長を追及する法大生。制服を着ているのは法大当局が雇ったガードマン【9月20日 法政大学市ヶ谷キャンパス】)

 追及に防戦一方の安東学生部長

 被処分者の学生が、「処分の理由は大学の業務妨害だというが、私たちは業務妨害などしていない。どんな妨害をしたのか言って見ろ!」とマイクを突きつける。安東は「とにかく出ていきなさい」としか言えない。ガードマンの陰に隠れて、防戦一方だ。「安東、答えろ!」「何か言え!」とヤジが飛ぶ。その場は安東を裁く“人民裁判”さながらの状況になる。安東は、追及に青ざめ、携帯電話で話すふりをして逃亡!
 法大生は、次に藤村副学生部長にマイクを向けた。「仮処分裁判では『3月14日に逮捕されたことは退学処分の理由ではない』と言っているが、話が変わっているじゃないか!」と追及すると、藤村は「裁判の場で明らかにする」とだけ言って逃げた。「学生の前で言えないのか!」と追及されても何も言えない。法大当局はグラグラだ。正門前にたむろする公安刑事どもも一指も触れられない。逃亡する学生部に対して、被処分者が「退学処分撤回まで闘う」と宣言すると、学生から大きな拍手がおこった。
 完全に圧倒され、追いつめられた法大当局は、即日「このような行為が繰り返される場合には、法的手段に訴える」などという不当な「告示」を出してきた。またもや警察に売り渡すというのか! 法大当局は、もはや警察暴力以外に頼るものがないのだ。
 学生が団結して闘えば勝てる! 法大開講日の闘いはこのことを示した。被処分者の学生は、不退転で退学処分・停学処分撤回まで闘う決意を、自らの行動で示した。法大当局のさらなる弾圧策動を粉砕し、処分撤回をかちとろう!

週刊『前進』(2263号5面1)(2006/09/25)

 安倍打倒・改憲阻止の先頭に立つ

 マル学同法大支部の戦闘宣言

 10・20法大1万人決起から無期限ストライキ突入へ


 マル学同中核派・法大支部は、10・20法大1万人集会と退学処分・停学処分を撤回するまで無期限ストライキに突入することを宣言する。法大キャンパスを、安倍改憲政権打倒の最先端の砦(とりで)へと転化させる。改憲阻止決戦に敵対する平林独裁体制を3万法大生の闘いで蹴散らし、退学処分・停学処分を実力で撤回させるのだ。法大キャンパスから安倍打倒・改憲阻止の火柱をあげ、日本階級闘争を圧倒的に揺り動かす決意だ。全国の労働者、学生のみなさん! 11・5労働者集会の1万人決起−学生1千人決起をかちとり、全国学生300万改憲阻止ゼネストに突き進もう!

 特攻隊賛美の教育改革

 極右国家主義者の安倍が登場したことで、改憲阻止決戦の圧倒的大爆発は不可避だ。3・14法大弾圧をくぐり抜け、6・15法大1千人決起をかちとったマル学同法大支部と3万法大生にとっては、安倍などまったく恐るるに足りない。安倍のような極悪国家主義者を階級闘争の中心に引きずり出し、6000万労働者階級と300万学生の闘いによって根底的に打倒する歴史的チャンスが到来したのだ。
 安倍は、集団的自衛権の憲法解釈を変えて、改憲を待たずに侵略戦争に突入することを宣言している。そのために首相官邸に国家安全保障会議を設置し、防衛省格上げ法や自衛隊海外派兵「恒久化」法の成立を狙っている。安倍は、「拉致問題」で排外主義キャンペーンを行い、経済制裁−侵略戦争に突入しようとしているのだ。だが、日本帝国主義の強盗戦争など、4大産別を先頭とした6000万労働者階級と300万学生は絶対に許さない。朝鮮・中国−アジア人民は絶対に許さないのだ。
 安倍は、憲法改悪と教育基本法改悪を政権公約として掲げている。すべてが、崩壊寸前の日本帝国主義が延命するためだ。安倍の言う教育改革や教育基本法改悪は、われわれ学生に国のために死ねという攻撃だ。安倍は、特攻隊での死を賛美している。だが、15年戦争は、三井や三菱などの巨大財閥の強盗的利益のための侵略戦争だった。労働者や学生は、特攻隊で戦争に駆り立てられ、消耗品のように犬死にさせられたのだ。
 安倍は再び、トヨタやキヤノンなどの大企業の強盗的利益のために青年労働者や学生を使い捨て、あげくに侵略戦争に駆り出そうとしている。ふざけるんじゃない!
 国のために命をささげるのが素晴らしいだと! 冗談ではない。労働者を搾取してぼろもうけしている大企業のための国家など滅びてしまえ。医療・年金、介護を切り捨て、増税する国家など倒して当然だ。戦争反対の立て看板の撤去に抗議したら逮捕する国家など打倒せよ。これが労働者と学生の声なのだ。
 何が教育改革だ。結局、ブルジョアジーの金もうけのために一部のエリートを育成し、圧倒的多数の実直な使い捨ての労働力を確保して、あげくには侵略戦争に動員することが狙いじゃないか。何が、「大学を9月入学にして、その前に奉仕活動を義務化する」だ。冗談ではない。お前の本音は、徴兵制だろう。真っ向から言って見よ! こんな教育改革など、学生にはまったく通用しない。300万学生の根底的な怒りに火をつけるだけなのだ!

 学徒出陣の道拒否する

 今、3万法大生と全教職員は、再び戦争協力−学徒出陣の歴史を繰り返すのか否かが問われている。
 日帝が15年戦争に突撃を開始する中で、法大では1930年に哲学科の三木清教授が治安維持法違反で逮捕され、法大から追放された。1937年には陸軍大将・荒木貞夫が修身の講義を開始した。1939年からは軍事教練が必修科目となり、中国侵略のための人材育成を行う大陸部が設置され、右翼の大川周明が学部長になった。1943年には超軍国主義・国本社の竹内賀久治が総長に就任し、学徒出陣が強行された。こんな歴史を断じて繰り返してはならない。侵略戦争に突き進む日本帝国主義を打倒しよう。
 法大・平林独裁体制は、完全に同じ歴史を繰り返そうとしている。「開かれた法政21」などと称して、警察権力とブルジョアジーに開いた法大へと転換している。警察権力と結託して、29人の学生を不当逮捕した3・14法大弾圧を見よ。
 平林独裁体制は、侵略戦争推進勢力へと転落した。日本商工会議所などのブルジョア経済団体と結託し、「就職支援」と称して、資本の役に立つ学生を育成するのが大学の役割だと言っている。退職した教職員の年金を切り捨て、大学業務の外注化を進め、職員を非正規雇用化して劣悪な労働にたたき込み、値上げした学費を使って巨大ビルをガンガン建設して、一部の理事だけが甘い汁を吸っているのだ。教職員や学生から、「今の理事会は金もうけしか考えていない」と怒りの声が上がっている。
 そして、法大当局は、サークルの自主文化創造運動を否定し、サークルに対しては「ボランティア」「社会貢献」「地域町おこし」をやれなどと言っている。これは、法大の売名行為に役立つサークルになれと言うことであり、行き着く先は学徒出陣だ。
 さらに、法大当局は自主法政祭の24時間開催や飲酒を否定し、体育系サークルが体育館を使用して活動することまで否定しようとしている。
 こんなことまでやらざるを得ない法大当局は、完全に破産している。こんなことをやればやるほど、法大生の怒りを爆発させるだけだ。法大当局の最大の弱点は、学生の主体性をまったく無視していることだ。学生の人生などまったく考えていない。学生が大学で青春を謳歌(おうか)し、仲間と笑い、悩み、学生が団結する存在であることなど思いもよらない。学生を学費を払ってくれる「カネづる」であり、資本に売り込む「商品」であり、弾圧すれば沈黙する存在としてしか見ていないのだ。

 学生の怒りに火をつけた!

 だが、そのような法大当局のあり方が学生の怒りに火をつけた。警察権力と法大当局は、3・14法大弾圧で、闘う法大生をたたき出そうとしたが大破産し、逆に6・15法大1000人決起へと転化した。
 6・15に行われた「学生証チェック」は、法大生であるか否かを確認するのではなく、法大当局に従うかどうかを確認するものであった。それは、学生を人間扱いしないということであり、法大生の怒りが爆発した。
 法大生の闘いは、もはやいかなる脅しや暴力をもっても押しとどめることはできない。学生は、不当な弾圧に怒り、闘う主体なのだ。法大生は、3・14弾圧や退学処分・停学処分に激しく怒り、わがこととして考え、「明日はわが身」と考えている。5人がキャンパスからたたき出されたら、すべての学生の権利が奪われ、学生団体や自主法政祭がつぶされ、法大から学生自治が完全に一掃されると感じている。法大生は大学や教授に幻想を持たなくなった。自分たちの力で法大を変えなければならないと自覚し始め、今秋の闘いに立ち上がり始めている。
 教職員の中からも、弾圧のための動員を拒否する教員が次々と生み出されている。総長選挙の廃止攻撃に対しても、教職員から怒りの声が上がっている。
 今や法大当局は、警察権力やガードマンなどの外部権力を導入し、暴力的に弾圧する以外、術(すべ)を失ってしまったのだ。だが弾圧を行っても闘う法大生は絶対に屈服しない。むしろ法大生や教職員の怒りの闘いを促進させるだけなのだ。
 まさに、平林独裁体制は、裸の王様であり、学内支持基盤などまったくなく、警察権力やブルジョアジーに依拠しなければ一日たりとも存在できないきわめて脆弱(ぜいじゃく)な存在だ。当局の凶暴な攻撃は、敵の恐怖と脆弱性の裏返しであり、学生が団結して闘えば平林独裁体制など一発で打倒できるのだ。すでに理事の柳沼は、「学生管理の問題は長期化を覚悟しなければならない」などと、3・14弾圧の狙いが大破産し、法大生の怒りの決起が爆発を開始したことに打ち震えているのだ。
 まさに、腐敗し権力と結託するしか延命できない法大当局に、法大を運営する資格など1ミリもない。学生がストライキを闘って法大の主人公となり、法大を労働者階級と学生の手に取り戻す時が来たのだ。

 5学生の処分は無効だ

  3万法大生の闘いに追い詰められた法大当局は、退学処分を受けた3人の法大生の仮処分裁判において、「3月14日に逮捕されたことが退学処分の理由ではない。何度も大学の業務を妨害したからだ」などと言い出している。ふざけるんじゃない! 「3月14日に逮捕されたから処分を下す」と言っていたのは法大当局ではないか。
 だが重要なことは、労働者や法大生の闘いに追い詰められて法大当局が、3・14で逮捕されたから退学処分だと主張できなくなったことだ。しかも大学の業務を妨害したという具体的事実をまったく述べることができないのだ。法大当局は完全にグラグラになっている。これは3人の退学処分、2人の停学処分は、百パーセント無効であることを法大当局が認めたに等しい。
 平林よ! 3万法大生を甘く見るな! 警察と一体となった逮捕、処分など、法大生は誰も認めていない。いつまでもカネと暴力にまみれたキャンパス支配が通用するわけがない。今秋、3万法大生の怒りの決起で、独裁者=平林を恐怖のどん底にたたきこんでやる!
 全国の労働者、学生のみなさん! 日帝の危機は激しく深い。勝利するのは労働者階級と学生だ。日帝が延命するための侵略戦争と改憲を粉砕し、日帝打倒に突き進もう!
 法大生は、安倍改憲政権打倒の先頭に立つ。改憲阻止決戦に敵対する平林独裁体制を蹴散らし、全国の労働者が空気の入る闘いをバンバン切り開く。10・20法大1万人決起と無期限ストライキ闘争の大爆発をかちとり、11・5労働者集会への1万人決起から全国学生300万改憲阻止ゼネストに突き進もう!
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 ◎法大弾圧と6・15闘争

 法政大学当局が一方的に通告した「立て看板規制・ビラ規制」に反対して闘われた3月14日の抗議デモに対して、私服刑事200人がキャンパス構内に突入して襲撃し、学生29人を不当逮捕した。大学当局と公安警察の結託による前代未聞の弾圧だ。全員完黙非転向で不起訴釈放された。法大当局に対する抗議の闘いが続く中、6月15日には正門に検問体制を敷いた当局に怒りが爆発、法大生1000人が当局を追及する闘いに発展した。(写真上)

 

週刊『前進』(2255号1面3)(2006/07/24)

法政大 法学部2学生に処分

 「停学1年」など立ち入りも禁止 怒りの大反撃へ

全学連HPへ

処分通告書を持ってきた安東学生部長らをメガホンで徹底追及する法大生(7月14日 法政大)

 7月14日、法政大学法学部教授会は、3月14日に不当逮捕され自宅謹慎処分を受けていた法学部生2人に対して、1人は「停学1年」、もう1人には「停学6カ月」という不当処分を強行した。しかも、処分通告書には「停学処分期間中の学内への立ち入りは禁止」「これに従わない場合には、より重い処分を行う」とまで書き込まれている。絶対に許せない。
 処分理由は、一から十まで、まったくデタラメだ。当局は、2人の学生が「大学の業務を妨害する意図をもって、複数の学外者と学内に侵入するなどし、大学の業務を妨害した」という。「自宅謹慎を命じられたにもかからわらず、それに従っていない」ことも処分理由にあげている。
 ふざけるのもいい加減にせよ。学生との話し合いすらなく問答無用で通告された「立て看板・ビラ規制」に対して、抗議・申し入れを行ったこと、一方的な立て看板撤去の強行に対して、あまりにも当然の抗議の声を上げたこと、なぜこれが停学の理由になるのか。法大当局は声を上げることすら禁ずるのか。
 法学部教授会は、法大生3万の圧倒的な「処分反対」の声、全国から殺到している抗議の声を踏みにじり、恥知らずな処分に手を染めることで、日帝の改憲と戦争に向けた攻撃の手先に成り下がったのだ。
 教授会当日、当該の法学部生、退学処分を受けた文学部生、法大弾圧救援会、OB会などが、早朝からビラまきとアピールを行った。全学連の学生は、「平林総長の独裁で大学が全部変えられようとしている。処分に抗議する学生は警察を使って弾圧する。OBすらキャンパスからたたき出す。総長選は廃止され、ビラもまけない、立て看板も出せない。こんなものが大学と言えるのか。今こそ闘って法大を変えよう。処分を絶対に阻止しよう」と訴えた。
 処分され、追放されるべきは平林総長だ! 不当処分強行に猛然たる抗議を集中しよう。さらに闘いを広げ、処分撤回をかちとろう!
(写真 処分通告書を持ってきた安東学生部長らをメガホンで徹底追及する法大生【7月14日 法政大】)

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週刊『前進』(2254号4面3)(2006/07/17)

 法政大 3学生奪還に歓呼

 “処分策動にトドメを”

 7月3日の昼休み、6月19日に「建造物侵入」でデッチあげ逮捕された文学部生3人が、法政大キャンパスに登場し、圧倒的な歓呼の声に迎えられた。法大弾圧救援会や法大統一OB会なども正門前に結集した。
 3人は次々とマイクをとってアピール。3万法大生の力で退学処分を撤回させ、改憲阻止ゼネストへと徹底的に闘うことを宣言した。法大当局も公安刑事もまったく手出しできない。 法大生4人全員の奪還は実に決定的な勝利だ。弾圧と処分で、全国300万学生の改憲阻止ゼネストを圧殺しようとする大攻撃は完全にうち破られた。逆に、延べ37人ものデッチあげ逮捕や退学処分に対して、一歩も引かず闘いぬく法大生の存在が大衆決起の圧倒的求心力を作り出している。弾圧や処分は、今や巨大な決起の水路に転化しているのだ。
 7月決戦の最大の焦点は、2人の法学部生に対する法学部教授会での「退学処分」決定を絶対に阻止することだ。平林総長や法大理事は、どんなに強引な形であっても「退学処分」決定を強行しようとしている。法学部教授会の日程を隠し、秘密裏に決定することさえ狙っている。3万法大生と全国学生の力で、2人の法学部生への「退学処分」を粉砕しよう!

(写真 「退学処分を撤回せよ」。奪還された文学部生がキャンパス中央でアピール【7月3日 法政大学・市ヶ谷】)

 ■改憲・戦争と一体の言論弾圧

  パンフレット『2007大学案内』で平林総長は「法政大学は…自ら培った知的能力をもって21世紀の国際社会及び日本社会に貢献する」と言っている。帝国主義・資本主義に貢献する法政大学にしますということだ。
 学生部は「北朝鮮拉致被害者の救出」ポスターをキャンパスの掲示板に張り出し、「北朝鮮への経済制裁」―戦争発動をあおり立てている。これが平林のいう「社会貢献」の実態だ。他方で、学生の改憲反対の看板やビラは暴力的に禁圧する。ここに「立て看板・ビラ規制」の階級的性格が鋭く示されている。
 言論統制・思想統制は際限なく拡大している。安東学生部長は、法大新聞会に対してなんと6・15法大1千人集会の報道写真を別のものに差し替えるよう「自主規制」させた。戦中さながらの言論統制だ。応援団には、平林総長が「キャンパスで大声を出すな」「駆け足するな」「汚れた学生服を着るな」という「通達」を出した。自由に記事も書けない新聞会、キャンパスで声も出せない応援団!
 なぜここまでやるのか。日帝の新たな侵略戦争に「貢献する」という反動的意思があるからだ。こういう形で、平林や安東は、全学生に対して「国を愛する態度」や「国防の義務」、日帝の戦争動員に従うのか否かを突きつけているのだ。
 6月15日、法大生の怒りによって学生証チェックを粉砕された法大当局は、今度は、ボアソナードタワーから正門前に向けて設置した監視カメラで学生や教職員の誰がビラを配り、誰が受け取っているかを常時見張ることまでやっている。この監視カメラの設置は、一部の教職員以外には知らされてもいない。
 法政大が反動の砦(とりで)と化すのか、改憲阻止の砦となるのか、一切は7月法学部教授会決戦にかかっている。6・15の1千人集会をこえる7月大集会をかちとり、法学部教授会での「退学処分」決定を粉砕しよう。さらに7月4日から、文学部生3人の地位保全を求める仮処分裁判が始まった。退学処分撤回・平林独裁体制打倒へ法政大学当局を徹底的に追いつめていこう!

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週刊『前進』(2253号1面2)(2006/07/10)

 法政大3学生を奪還

 法学部 退学処分を4度阻む

 「平林、出てこい!」総長室に向けて怒りのシュプレヒコールをたたきつけるデモ隊(6月26日 千代田区・法大九段校舎前)

 法政大学で退学処分を受け6月19日に不当逮捕された3人の文学部生は30日、不起訴釈放をかちとった。大勝利だ。
 これに先立ち26日、法学部生2人に対する「退学処分」決定は、またもや阻止された。法学部教授会は、4時間を超える討議でも処分を決定できず、次回教授会に結論を持ち越した。
 この二つの勝利は、法大1千人集会の爆発を始めとする大衆運動の力でかちとった決定的勝利だ。(関連記事4面)
 平林法大総長―安東学生部長らは、警視庁公安部と癒着・結託し、あらんかぎりの策謀で闘う学生の法大からの追放を狙った。公安刑事は19日に逮捕した法学部生(23日に奪還)に対して、「逮捕されたから、お前は退学だ」という暴言まで吐いた。しかし、こうした陰謀は、大衆運動の鉄槌で粉々に粉砕されたのだ。

 「平林打倒!」総長室にデモ

 法学部教授会が行われた26日、多数の法大生、首都圏・全国から駆けつけた学生、法大弾圧救援会、OBなどが集会とデモを行った。15日に続き、多くの学生がキャンパスに集まり、校舎の窓や屋上からも注目した。
 23日に奪還をかちとった法学部の学生が、キャンパス中央に元気に登場し「処分絶対阻止」を訴えた。正門前でも、集まった学生が次々とアピール。都内の学生は「3カ月で37人逮捕はありえない。自由じゃない法政は法政じゃない」「学生ホールにまで警察が入ってきて逮捕するなんて信じられない。大学は学生のものだ」と怒りを込めた発言が続いた。
 闘う法大生は、6・19不当逮捕の責任を追及するために学内デモで学生部に突入。しかし、これまでさんざんビラまきや集会妨害をくり返してきた安東学生部長、学生部の一部反動職員どもは、恐れをなして完全に姿を隠していた。
 結集した学生の怒りは爆発、「安東が逃げまくっているんだったら、自分たちは総長室に行くだけだ」と、総長室のある九段校舎にむかってデモに出発した。九段校舎前では「平林、出てこい」と怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。東郷公園に到着した学生は、再び法大正門前に戻り、法学部教授会での処分阻止を訴え、教授会が終わる7時すぎまでビラまきとアピールを続けた。
 午後7時過ぎ、当該学生が「処分先送り」という結果を正門の仲間に報告、全体で、法学部生への処分完全粉砕、逮捕されている文学部生3人の即時奪還と処分撤回まで闘い抜くことを確認して解散した。

 再度の一斉捜索を弾劾する

 26日以降、東北大、京都大、富山大、法政大、そして前進社本社(29日)、杉並(同)などに対する警視庁公安一課の不当捜索が強行されている。デタラメきわまりない6・19逮捕を口実に、事件と一切関係がない全国大学への捜索をくり返すことがどうして許せるか。日帝・国家権力は、法大決戦の爆発が全国300万学生の改憲阻止ゼネストへ“飛び火”することを死ぬほど恐れ、圧殺に躍起になっているのだ。
 19日に逮捕され、牛込警察署に勾留されたA君に対しては、警視庁の公安刑事どもが「お前の根性をたたき直してやる!」と怒鳴りちらしながら、なんとA君を何日にもわたって立たせたまま取り調べを強行した。
 3人の学生は完黙・非転向を貫き弾圧をはね返した。3学生を奪還した力で、法大平林・安東体制打倒へ、直ちに巨大な闘いにうって出よう。

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6・15法政大 法大当局は学生証チェックの体制を敷いて集会圧殺を図ったが、それは法大生の怒りをかき立て、退学処分を受けた学生を先頭に1000人が当局を追及た。6・19不当逮捕は、この闘いに恐怖した法大当局・公安警察による報復弾圧だ(6月15日 市ケ谷キャンパス)

週刊『前進』(2252号1面2)(2006/07/03)

 「建造物進入」「公防」をデッチあげ 法大生4人をまたも逮捕

 平林・安東独裁体制打倒へ

 巨大な学生の闘いが始まっている法政大学で、またもや超不当弾圧が強行された。6月19日午前8時40分、警視庁の公安刑事20人余が市ケ谷キャンパスに突入、ビラまきの準備をしていた法大生4人を「建造物侵入」「公務執行妨害」をデッチあげて逮捕した。15日の4人不当逮捕(17日釈放)後、今度は被処分の当該の法大生逮捕を目的に襲いかかってきたのだ。
 逮捕されたのは、退学処分撤回を闘う文学部生3人、自宅謹慎処分を受けている法学部生1人だ。公安刑事は、校舎1階にある学生ホール・ヘリオスまで踏み込み、学生4人を羽交い締めにして引きずり出して、キャンパスに乗り入れた車に押し込み連行した。
 東京地裁は21日、「なぜ大学内での問題に警察が次々と導入されて逮捕されているのか、よく分からない」と言いつつ、不当にも10日間の勾留を決定した。
 3月14日の弾圧以降、法大では3度にわたり、延べ37人もの学生が逮捕されている。この暴挙が許せるか!  
(写真 法大正門前で直ちに不当逮捕弾劾のビラ配布。退学処分撤回署名がどんどん集まった【6月19日】)

 「こいつも公妨で持ってけ!」

 逮捕の理由は文学部生3人は「建造物侵入」、法学部生は「公務執行妨害罪」とされているが、絶対に許せない。
 19日の朝、4人の学生は退学処分撤回を訴えるビラ配りの準備をしていた。自らに対する不当処分撤回を訴え、学生にビラを配って何が悪い。どうしてこれが「建造物侵入」なのか!
 法学部の学生は、3人の仲間が逮捕される状況を携帯電話のカメラで撮影していた。すると、公安刑事・畠中某が突然肩をぶつけ、責任者の刑事が「こいつも公妨で持ってけ!」と叫んで連行していった。しかも取り調べの刑事は、「逮捕されたから退学だ。次は建造物侵入で逮捕する」と暴言を吐いている。

 「知らない」とシラ切る当局

 

闘う法大生の「誰が110番通報したんだ!」という追及に、安東学生部長は「知らない」の一点張りでシラを切っている。学生を公安警察に突き出しておいて、本当にふざけきっている。公安刑事は取り調べで「110番通報があった」と明言している。当局が手引きしたことは明らかだ。
 6・19弾圧は、6・15法大1000人集会に対する階級的報復そのものだ。6月26日の法学部教授会を前に当該学生を逮捕し、そのことを口実にして退学処分強行を狙っているのだ。この歴史的暴挙に、法大教授会は屈服・加担し、改憲勢力に転落するのか。
 しかし、こんな不正義は絶対に通らない。当局・警察は、どんどん自らの墓穴を掘っているのだ。前代未聞の大弾圧に猛然と反撃し、平林・安東の独裁体制打倒へ進撃しよう。4人を直ちに取り戻そう。

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週刊『前進』(2252号5面2)(2006/07/03)

 公安と一体化した当局

 これが6・15逮捕の真相だ

 

6月15日に不当逮捕された4人の学生は、17日夕方全員が釈放をかちとった。東京地検は勾留請求さえできず、逮捕の不法性・不正義性を自らさらけだしている。
 早期に奪還をかちとったとはいえ、警察権力・法大当局のやりたい放題の弾圧は絶対に許せない。この間の弾圧の実態は、本当に怒りなしに語れない。警視庁・法大当局を包囲し、徹底弾劾しよう!
 読売新聞の6月15日付夕刊は、学生が大学に侵入した上、大学職員に「暴行を加えた」と報じているがデタラメもいいところだ。真相はこうだ。

2006年6月15日法政大学逮捕写真(1) 2006年6月15日法政大学逮捕写真(2)

2006年6月15日法政大学逮捕写真(3)2006年6月15日法政大学逮捕写真(4)

2006年6月15日法政大学逮捕写真(5)

 「お前も来い」で次々と連行

 6月15日朝、法大当局が全学生に学生証提示の「検問」を強行している時、フリーパスで学内に入っている人間がいる。全学連の学生が、この人物の顔を覚えていた。「お前は公安じゃないか!」と鋭く摘発し、徹底弾劾を浴びせると、その人物はこそこそと学外に逃げた。
 学生がさらに、「学生は検問しておいて公安は入れるのか!」と法大当局を激しく弾劾し始めると、職員は大動揺し、青ざめ、言葉もない状態になった。
 その時、音もなく背後から近づいた警視庁本部の公安デカどもが「警告」の一言もなく、まずA君に襲いかかり逮捕し去った【写真A】。さらに、不当逮捕に抗議する他の学生3人も、手当たりしだいに逮捕し始めた。B君やC君に至っては、逮捕される時、逮捕の理由すら告げられず、「お前も来い!」と言われ警察車両に押し込まれた【写真B】。こんな「逮捕」があるか!
 逮捕時には、取材に来ていたTBSカメラマン、写真を撮っていた朝日新聞記者などに対しても、公安刑事どもが「てめぇら何やってんだ!」と怒鳴り散らし、突き飛ばすなどの暴行を加えている。
 逮捕のデタラメぶりは、公安刑事や東京地検公安部検事の取り調べで、一層明らかになっている。
 公安刑事は、A君に対して「大学職員=菅野俊一の腕を振り払うなどの暴行」(?!)を働いたのが逮捕の理由だと言っている。しかし、【写真@】が唯物論的に示しているように、学生に暴力を振るっているのは法大職員=菅野だ。暴力職員の腕を振り払ったら、なんで「暴行」で逮捕されるのか! まさに白を黒と言いくるめるデッチあげだ。

 逮捕の理由すらも二転三転

 C君の場合は、公安刑事の初日の取り調べでは、「職員の制止を振り切り大学に侵入した上、職員を手で殴った」ことが逮捕の理由だった。しかし、3日目の東京地検・児島隆行検事の調べでは「…のぼり旗を持ったままの状態で2、3度胸を突くなどした」に変わっている。逮捕の理由すら二転三転している。言うまでもなく、実際にはどちらの事実もない。
 児島検事はC君の取り調べの最後に、「僕は、昨日の夜寝る前、2時間かけてビデオを見たんだ」と言っている。その結論が、3日目の釈放だ。起訴したくてたまらない公安部の検事が、目を皿のようにして何度ビデオを見ても、「建造物侵入」や「暴行」の事実などどこにも無く、勾留請求すらできなかったというのが真相だ。警視庁の公安刑事どもは、手当たりしだいに学生を逮捕し、適当な逮捕理由を“後付け”しているだけなのだ。

 暴力職員が公安刑事と談笑

 

しかも、である。【写真C】を見てほしい。4人の学生が不当逮捕された直後の実におぞましい写真だ。
 「法政大学」の腕章を着けた暴力職員=菅野俊一が、警視庁公安一課の刑事(左=貞山明警部補、左から2人目=関正孝警部、3人目・後ろ姿=石沢剛警部補)らと、デッチあげ逮捕の“戦果”を確認しあい、談笑しているのだ! ここまで法大当局と警視庁公安は癒着しているのだ。
 暴力職員=菅野は、学生証提示を拒否した法大院生に対しても、首を絞め、キャンパスから引きずり出そうとした張本人だ【写真D】。この現場の近くに居た院生の担当教員・武藤博己法学部教授は、「○○! 学生証を見せたくないなら大学をやめろ!」という度しがたい暴言を吐いている。性根から腐りきっているのだ。この大学院生は当然にも、最後まで学生証の提示拒否を貫きとおした。
 警察を招き入れた法大当局を包囲し、責任を徹底追及しよう! 平林総長、安東学生部長、暴力職員を法大から追放しよう!


週刊『前進』(2252号5面3)(2006/07/03)

 不当弾圧に怒りの声

 独裁者を追い落とそう!

 平林と安東の黒い巨塔が必ず倒れることは自明の理だ。学生から追い出される前に、さっさと逃げ出したほうが身のためだと思うぞ。
 学生は商品じゃないぞ!学生の自主性を尊重しない大学に誰が居たいと思う
か!! 大学拡張に血道を上げているが、学生の不満は日々高まっているぞ。今日(6月15日)の決起を口火に全大学、全学生の怒りの炎を呼び覚まして、独裁者をその座から追い落とそう。 (法大文学部 N)=「3・14法大弾圧を許さない会」のビラより

 職員こそ立ち上がるべきだ

 「こんな検問はおかしい。学生は別に暴力を振るっているわけじゃない。混乱を引き起こす原因を作っているのは公安警察と大学の側です。大学が警察を引き入れるのをやめ、学内秩序を元に戻せばこんな騒ぎにはならないんだ」
 これは6月15日、警備に動員されていた法政大の職員がその場で私に語った言葉だ。学生の闘いを応援したくて久しぶりに母校を訪れた。その私の前に、何人もの職員が立ちふさがった。学外者は氏名・住所と用件を書いて許可を得なければ入れないという。押し問答をするうちに、その一人が「あなたの言われるとおりだ」と言って自ら大学当局を批判し始めたのだ。
 「だったらどうして学生と一緒に抗議の声を上げないんですか!」。思わずどなってしまった。労働者である職員こそ、学生と連帯して立つべきだ。公安警察と結託した一部の暴力職員を除けば、弾圧と処分の不正義性はもはや誰もが認めている。平林独裁体制は倒せる。確信をもって闘おう。(法大OB Y・S)

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週刊『前進』(2251号1面1)(2006/06/26)

 「検問はやめろ!」の大コール

 法大生1000人が当局追及

  織田全学連委員長ら4人逮捕許すな 国会へデモで進撃 

退学処分と逮捕に怒りが爆発 15日文学部生3人への退学処分、学生4人の不当逮捕に怒り、全学生への学生証チェックを強行した張本人=安東学生部長(中央ネクタイ)を包囲し追求する法大生(6月15日)
 

6月15日昼休み、法政大学キャンパスは再び人、人、人で埋め尽くされた。「退学処分撤回」「教基法改悪粉砕・改憲阻止」を掲げた6・15法大集会に1000人を超える学生が集まった。集会の爆発を恐れた法大当局は、前夜から泊まり込みで構内を封鎖し、正門での学生証チェック体制を敷いて集会圧殺を図った。警察権力は、早朝から抗議した学生4人を不当逮捕した。しかし、5月26日の集会をはるかに上回る学生が結集し、警察と大学当局の集会圧殺策動は完全に打ち破られた。29人逮捕の3・14弾圧以来の倒すか倒されるかのやり合いに勝ち抜き、壮大な改憲阻止決戦の号砲がうち鳴らされたのだ。
 開構時間の午前8時、法政大学は異様な緊張に包まれた。正門以外の入り口はすべて封鎖、正門には「検問所」のテントが建てられ全員に学生証チェックが強行されている。法大前の道路は200bにわたって数十台の警察車両が埋めつくし公安刑事どもが弾圧の機会をうかがっている。まさに戒厳令だ。
 5・26集会の爆発に恐怖した法大当局は、前夜から泊まり込み体制をとって大学を封鎖し、警視庁公安部と連絡を取り合いながら絶対に集会をやらせない体制で臨んできたのだ。
 登校する学生に対して、ビラまきが始まる。
 9時20分。学生には検問をしながら、警視庁の公安刑事どもはフリーパスで学内に入れていることを学生が摘発した。これに対して抗議を始めた被処分者の法大生や織田陽介全学連委員長を始めとする学生に対し、警視庁公安一課が襲いかかり、「暴力行為」「建造物侵入」容疑をデッチあげて4人を不当逮捕した。暴行したのは法大当局の方だ。4人逮捕は、法大当局と警視庁が仕組んだ第2のデッチあげ大弾圧だ。
 10時過ぎには大量の警察部隊が正門前に殺到し、門前で抗議していた学生に「市ケ谷駅まで退去しろ」と通告。駅前の公園まで暴力的に排除し、周りを取り囲んで拘束までしてきた。集会破壊のために法大当局が警察を呼んだのだ。
 11時。警察の包囲をうち破って、法大正門前に再結集した学生は、全国から駆けつけた学生と合流。国会前でビラを受けとった労働者もたくさん駆けつけている。誰もが「この大学は本当にむちゃくちゃだ」と、口々に法大当局の異常きわまりない姿に怒りをあらわにしている。集会発言と監視弁護にやってきた山本志都弁護士(立川反戦ビラ弾圧弁護人)、法大OBのコメディアン松元ヒロさんも職員によって入構を阻止された。山本弁護士は「弾圧監視に来た弁護士まで排除するとはあまりにおかしい」と当局を弾劾した。
 12時半の授業終了とともに、法大生が続々とキャンパス中央に集まってきた。校舎の窓という窓、屋上からも学生が鈴なりになって集会に注目している。
 集会中、検問体制に抗議し、学生証提示を拒否した大学院生に対して、法大当局は羽交い締めにし、暴力的に学外に追い出そうとした。この暴挙に、キャンパスに集まった学生の怒りが爆発した。1000人の学生が、安東学生部長などを包囲し弾劾の嵐を浴びせる。キャンパス全体から「通せ、通せ!」の大コールがまき起こった。学生証提示を拒否した大学院生はマイクをとり、「法大はこんな大学じゃなかったんですよ。なんだ、この警備員の数は!」と激しく当局を弾劾した。
 退学処分を受けた学生がマイクをとった。
 「私を退学処分にして大学から排除したら、次は学生証チェックの検問ですよ。しかも今朝、検問に抗議しただけで4人も学生が逮捕された。こんなことを許したらサークルも何もかもできなくなってしまう。
 そこに立っている教職員のみなさん! 法大は、もっと自由な大学じゃなかったんですか。こんな法大でいいんですか。なんで学生証チェックなんかやってるんだ! あんたら教授失格なんだよ! 言論を一方的に封じておいて抗議したら逮捕、退学。こんな大学は一回ぶっ壊した方がいいんだ。大学を変えられるのは学生の力だけです。退学処分の再審査も却下されたけれど、私は毎日ここにきて徹底的にやります。学生が主人公の大学に法大をつくり変えよう!」。この熱いアピールに、キャンパスの学生が一つになった。
 集会の最後には松元ヒロさん扮する「小泉首相」が登場。「学生のみなさん、国会で会いましょう!」と国会デモへの参加を呼びかけた。

 国会へデモ

  午後1時半、集会を終えた学生300人は、「不当逮捕弾劾」「退学処分撤回」「教基法改悪・共謀罪・改憲反対」を掲げて国会デモに出発した。沿道の注目も圧倒的だ。
 この日は、60年安保闘争を闘った人びとがつくる「9条改憲阻止の会」が「6・15」を期して国会請願デモを計画していた。デモ解散地の日比谷公園に到着したデモ隊は、このデモに合流。新旧の「全学連」が一つになり国会前まで元気にデモをやり抜いた。
 国会前の総括集会では、法大など首都圏5大学、東北大、山形大、弘前大、富山大、京都大、広島大の学生が、それぞれ勝利感あふれる発言をした。法大の被処分学生は「今日は、たくさんの法大生が決起してくれたし、全国からも来てくれて、本当に素晴らしい一日だった。今の大学を変えるためには、学生が立ち上がるしかない」と訴えた。
 闘う法大生は、文学部生3人の退学処分撤回、法学部生2人への処分策動粉砕へさらに闘いを強め、断固たる裁判闘争にうって出る。不当にも逮捕された4人の学生の即時奪還を! 警視庁と法大当局に、猛烈な抗議を! 法大救援会にカンパを集中しよう!

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週刊『前進』(2251号3面3)(2006/06/26)

 法政大 法学部で処分阻む

 6・15の圧殺狙い 門を封鎖し検問

 当局に学生の怒り

 法大キャンパスでは、6・15闘争の高揚にむけて、激しい攻防が闘い抜かれた。連日、クラスやサークルで、国会デモをめぐって真剣な討論が交わされ、「デモに行く」という学生が次々と現れた。あるクラスでは、全員が処分反対署名を行った。ある学生は「デモに行こう」と呼びかける文章を書き、キャンパスでビラまきとアジテーションに決起した。

当局が検問のため用意したテントと資材(6月14日)

 文教授会は再審査却下の暴挙!

 6月12日には法学部生2名への処分決定を阻む重大な勝利をかちとった。
 この日、2名の法学部生を先頭に、法学部の教授会の会場となる80年館の前に終日陣取り、「処分決定するな」と訴え続けた。ビラを配り、マイクで訴えると、学友が次々と応える。法学部教授会が処分を決定するのか否か、全学生が注目している。
 当該学生の怒りの訴えの前に、法学部教授会は長時間に及ぶ議論によってもこの日の処分決定を出すことができず、「2週間後の教授会で継続審議」としたのだ。
 平林総長ら法大当局中枢は、学部長会議などを通じ、この日の教授会で「退学処分」を決定するよう、ゴリゴリと圧力を加えていた。そして、6・15闘争を迎える前に、5人全員を「学外者」としてキャンパスから追放することを画策していたのだ。この日の決定を阻んだことは決定的だ。さらなる処分反対の闘いで、6・26教授会では、「いっさいの処分はしない」との決定をかちとろう。
 一方、14日、文学部教授会はまったく不当にも3名の文学部生の再審査請求を却下する暴挙を行った。3名はそれぞれ詳細な異議申立書を提出し、退学処分決定が「業務妨害」の内容すら明らかにできないまま「結論ありき」で行われたことを徹底的に弾劾した。しかし、文学部の教授らはその訴えに一切耳を傾けることなく、処分決定を居直ったのだ。
 かつての法大が、三木清教授を大学から追放し、侵略の先兵の道を進んでいったのとまったく同じ道を進んでいるのだ。文学部教授会の暴挙を、全学生と全人民の怒りの声で追及しよう。腐り果てた教授会を弾劾し、大学を学生の手に取り戻そう。

 改憲攻撃の先兵平林総長打倒へ

 法大当局は、6・15闘争の爆発に心底脅えていた。12日からは、「最近学内で不審者が発見されます。学生のみなさんも注意してください。また、学内では常に学生証を携帯してください」という構内放送が繰り返し流され、当然にも学生や教員の間からは「あの放送はなんだ!」という怒りの声があがった。被処分者の学生を「不審者」といいなす許しがたいキャンペーンであると同時に、15日当日に、全学生に対し学生証チェックを行うことをあらかじめ宣言していたのだ。
 6・15前日の14日には、入学試験時のようなテントが門に設置された。当日の集会圧殺のために、門をすべて封鎖し、正門にバリケードを築いて、40人の教職員で検問と学生証チェックを行うためだ。学生に向けた事前の告知すら一切なされなかった。
 そして被処分者ばかりか、改憲・戦争の先兵へと転落した法大当局に怒りを燃やして駆けつけた法大卒業生や全国の学生をたたき出し、キャンパスを教職員が暴力的に制圧して、キャンパスの法大生の決起を弾圧すると同時に集会そのものを破壊してしまおうとしたのだ。本当に許せない! これが大学のやることか。集会圧殺のために門を封鎖するなど、法大の歴史始まって以来の暴挙だ。
 しかし、弾圧のエスカレートは、恐怖の裏返しだ。平林総長らがどれほど6・15の爆発に戦々恐々としていたかを示してあまりある。そして現実の6・15闘争の大高揚がますます学生の怒りに火をつけ、法大当局への怒りをかき立てた。平林総長は自らの墓穴を掘ったのだ。
 6・15闘争の大勝利に続き、さらに小泉と平林を串刺しにし打倒する闘いに猛然と立ち上がろう。