ZENSHIN 1999/08/30(No1922 p06)

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週刊『前進』(1922号6面1)

 9月東大阪市議選必勝へ

 瀬川市議の5選かちとり革命的議会主義の発展を

 革共同関西地方委員会 東大阪市議選選対本部

 はじめに  瀬川博・部落解放同盟全国連合会(全国連)委員長の五選必勝をかけた東大阪市議選は、いよいよ九月十九日の投票日に向けて残り一カ月の白熱的蜂起戦過程に突入した。  今次瀬川選挙闘争は、何よりも七月八日の日帝・東京高裁高木による狭山再審棄却攻撃、全国連と部落解放闘争の根絶をかけた大反革命に対する激しい怒りの反撃の闘いである。石川一雄さんと部落民をあくまでも虫ケラのように踏みにじり、差別・分断支配を貫き、延命しようとする日帝を許すな! われわれは煮えたぎる怒りを抑えることができない。  革共同は全国連との血盟にかけ、党の死力を尽くして、瀬川全国連委員長の五選勝利を絶対にかちとる。日本共産党・長尾市政と真っ向から対決し、差別・分断攻撃を打ち破って五選勝利をかちとり、荒本支部をどんなことがあっても守りぬく。
 同時に瀬川選挙闘争は、組対法、「日の丸・君が代」法制化など激化する新安保ガイドライン体制づくり攻撃との闘いの一環である。また、四月統一地方選挙闘争の勝利を引き継いで革命的議会主義の闘いの新たな地平を切り開く闘いである。そして、来るべき衆院選挙闘争の勝利をこじ開ける決定的な前哨戦なのである。

 第1章 5大政策を掲げて日共市政と対決へ

 今次東大阪市議選は、過去の四回のどの選挙よりも激しく厳しい選挙戦となっている。日本共産党・長尾市政下において初めての市議選であり、定数五十に対して立候補予定者は七十人にも上る。
 この中でわれわれは、@新安保ガイドライン関連法反対、有事法制と自治体・民間の戦争協力に絶対反対、A不況と失業、賃下げから働くものの仕事と生活、権利を守ろう、B介護保険の四月実施をやめさせよう、C同和対策事業の打ち切り絶対反対、D日本共産党・長尾市政を打倒し、市政を刷新しよう−−という五大政策を選挙綱領として掲げている。これは、日帝の戦争と差別と大失業の攻撃に対する東大阪五十二万市民、労働者階級、部落大衆の根底的な階級的反撃を組織する政策である。
 東大阪は、中小企業が集中し、帝国主義の危機と矛盾が最も激しくしわ寄せされている地域だ。東大阪の労働者は、近畿全体の失業率が六・一%の中で有効求人倍率が〇・二八という被災地神戸に匹敵する厳しい失業と生活苦の中にたたき込まれている。
 しかも、汚職と腐敗にまみれた歴代自民党市政の刷新を掲げて登場したはずの日共・長尾市長は、自民党市政の継承を路線として打ち出している。日共市政としての唯一の独自性は、「労働者の味方」のふりをして部落差別を扇動し、同和対策事業の全廃はもちろん、地区指定すら廃止して、部落解放闘争の根絶を狙っていることである。
 市議会は、労働者人民の階級的利害とは無縁のところで自民、公明、社民勢力、日共による醜悪な権力争いの場と化している。
 足立区長不信任決議と区長選敗北の再現におびえる日共・長尾市政は、日共四中総路線に基づいてますます日帝への屈服を深め、日帝の最悪の先兵になることで延命を図ろうとしている。その最たるものが長尾市長による介護保険制度の強行実施攻撃であり、同和対策事業の打ち切りを軸とした前自民党市政を上回る全面的な行革の推進と労働者の権利剥奪(はくだつ)の攻撃である。

 第2章 沸き上がる市民の怒りを組織しよう

 東大阪の労働者人民は闘わなければ生きていけないところに立たされている。
 ある労働者は、「個人タクシー業界ではこの間、四人が自殺に追い込まれた。業界のボスと大会社だけが生き延び、個人タクシーを切り捨てようとしている。そういう中で国保だけは取り立てる。前回、棺おけ代を使って滞納を処理したが、もう払えん。この上、介護保険なんてとんでもない。瀬川さん、頑張ってくれ。自分もやることはやるよ」と抑えがたい怒りをぶちまけている。
 あるお年寄りは、「介護保険は、貧乏人は死ねということや。やっと生活しているのに国保など払われへん。この上、介護保険なんかどうして払えというのか」と語っている。
 また、ある婦人は、「高血圧で寝ています。介護保険て、結局うば捨て山なんですね。母は亡くなりましたが瀬川さんを支持していました。頑張ってください」と日帝への激しい怒りと瀬川議員への強い期待を明らかにしている。そして、帝国主義の侵略戦争に対して、「ユーゴスラビア空爆は戦争そのもの」「ガイドラインで自治体協力なんてとんでもない」「戦争は絶対反対。盗聴法や豊中八中の事件など、昔に戻っていくようだ」と危機感を語っている。
 「私たち貧しいもののために考えてくれる人は本当にいない。働いても働いても税金で取られる。給料も上がらない。それなのに介護保険でさらに取り上げるなんて本当に許せない。ガイドラインも恐ろしいと思う。金持ちばかりが生き延びる。長尾市長になってもなんにも変わらない」と既成政党の裏切りを弾劾し、瀬川議員を先頭とした闘う勢力の断固たる登場と革命的打開の方向性を真剣に求めている。ある八十歳前のお年寄りは、オルグ団の話を聞いて、「革命を起こさなければならないということですね」とこたえた。
 「革命的祖国敗北主義を土台にした戦略路線が必ず労働者人民の根底からの怒りの決起を引き出す、その時が来た」(革共同政治集会基調報告)のである。
 今次東大阪市議選とは、労働者階級人民の日帝と日共を始めとする既成政党に対する根底的な怒りを根こそぎ瀬川候補への投票として組織することである。

 第3章 住民の自主的決起を促す党の飛躍を

 五大選挙政策は、こうした最も広範な労働者階級人民と党が結びつき、住民の怒りと要求、闘いの希求に党が真正面からこたえ、生きた交通関係を取り結び、それを瀬川候補への投票に結実させていく、党と階級の闘う共同綱領である。
 それは同時に、プロレタリア独裁権力の樹立と全人民の一斉武装蜂起を闘いとる観点に立って、日帝のガイドライン体制=戦争国家体制づくりの攻撃に対する労働者階級人民の人間としての尊厳と生存権をかけた階級的反撃の方向性を指し示している。また「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」の戦略的総路線の実現に向かって労働者階級人民の決起を組織していく水路である。
 翼賛議会をテコとした反革命のラッシュともいうべき日帝の攻撃の一つひとつについて鋭い革命的階級的暴露を行うならば、必ず労働者階級人民は自己解放をかけて怒りをもって立ち上がる。われわれはそのことを深く確信して労働者人民の政治意識、階級的要求をつかみとり、粘り強い討論をとおして階級的怒りを引き出し、階級的自覚の成熟をかちとってきている。そして、今次選挙では革命的大衆行動の端緒的形態として、ガイドライン関連法に基づく自治体戦争協力拒否決議要求請願署名と介護保険反対署名、失業対策要求署名運動を展開している。
 それはまさに燎原(りょうげん)の火のように爆発的に広がっている。家の玄関に署名用紙を張り付け、スーパーで会う知人に片っ端から署名を呼びかけ、あるいはデイサービスを受けている病院の窓口で署名を集めるなど、連鎖反応的に署名運動が拡大している。
 しかも、それは住民自身が党派闘争の担い手になっていく過程である。公明党や日本共産党の支持者のところに出向き、「介護保険反対に学会も共産党もない。反対せなあかん」と圧倒し、「ガイドライン反対の署名して文句いわれたら『岸壁の母』になりたくないんやと言うたる」と語るなど、感動的な決起がかちとられている。
 支持者の一人ひとりがかつてない規模で帝国主義の反動的地域支配を打ち破り、日共、公明党などの既成政党による有形無形の重圧と対決している。これは、これまでのどの選挙でもなかった住民の自主的で主体的な決起だ。
 投票日まで残り一カ月となった。いよいよ署名運動という形で拡大した大衆的決起を瀬川候補への投票に集約し、瀬川候補の五選勝利をかちとるべき正念場に来ている。四月統一地方選勝利の教訓である、このように決起している最も先進的な住民自身を政党間党派闘争の主体として押し上げ、党の決起と住民の自主的決起を爆発的に推進し、住民と一体となって選挙勝利をかちとる段階に突入しているのである。
 この飛躍は、今次選挙戦を五月テーゼに基づいて貫徹できるかどうかにかかっている。労働者人民を自己解放の主体として措定し、信頼し、階級意識の成熟を粘り強くかちとり、住民自身の自主的主体的な党派闘争と投票への決起を促進する党の指導内容の飛躍が問われているのである。
 その飛躍のかぎは、介護保険絶対反対などの階級的な怒り、自覚の成熟をオルグによって促しつつ、候補者自身が直接働きかけることにある。住民は、「部落差別と闘ってきた人だからこそ、貧しいもの弱いものの気持ちがわかる。苦労人。あたたかい人。筋を通す人。反戦を体を張って貫いてきた人」と、瀬川議員の人格にじかに触れて、圧倒的な確信を深め、自らの要求の実現をかけて瀬川議員の当選のために決起する。その闘いはすでに開始され、「革命的変化」となって現れている。われわれはこの飛躍をやりとげて必ず勝利をかちとる。
 今次瀬川選挙闘争はきわめて党建設的な闘いだ。それは五月テーゼを全面的に貫徹できる党への飛躍をかけた闘いである。選対本部を先頭に一人ひとりが蜂起戦の担い手となること、また革命的共産主義者としての全体性を常に体現することが求められている。  今次選挙戦の格闘の中から革命的議会主義の闘いの新たな地平を切り開き、衆院選闘争の前哨戦にふさわしい圧倒的な勝利をかちとることを決意する。

 

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