《沖縄県反戦青年委員会からのアピール》

許せない! もういいかげんにしろ!

またもくり返された米兵犯罪・少女わいせつ事件!

戦争準備会議・サミット「戒厳令」をうち破り、
全人民は反基地のたたかいにたち上がろう

今こそ怒りを行動に!

米大統領・クリントンの摩文仁演説(沖縄米軍基地の意義の強調と「県民の基地への協力への感謝」)を許すな!

沖縄県反戦青年委員会 連絡先 那覇市楚辺1−12−25  電話 098−853−4710

 

 言語同断! 米兵犯罪はなぜくり返されたのか

 7月3日未明、沖縄市で米・海兵隊員が民家に侵入し、女子中学生にわいせつ行為に及ぶという許しがたい事件が起こった。自宅で、両親のすぐそばでこんなことが起こるとは、まったく言う言葉すらもたない。このニュ−スはまたたく間に沖縄中をかけめぐり、全島に怒りが燃え広がっている。
 誰もが1995年の9・4少女暴行事件を思い起こした。にもかかわらず、なぜ今回の事件がくり返されたのか。事件を引き起こした兵隊に責任があることはいうまでもない。同時に、別の意味で重大な犯人がいる。それは沖縄県知事・稲嶺と日本政府、そしてこれに連なる「基地は金のなる木」と思っているような、金で心を売りわたした者たちである。

 95年少女暴行事件で何を誓ったのか

 いま一度思い起こして見よう。1995年9・4少女暴行事件のときわれわれは何を思い、なぜ立ち上がったのか。10月21日の宜野湾市・海浜公園の県民大会で何を確認したのか。
 あのとき「基地があるかぎり事件・事故は必ず起こる。二度とこのような悲しいことを絶対に起こさせない」ことを誓い、米軍基地撤去のために不退転の決意で立ち上がった。さらに自分達の運命は自分達で決める、沖縄県民の頭ごしに基地と戦争に従属させられてきた戦後の沖縄のあり方そのものを根底から変革することをめざしたのだ。そして戦後約半世紀、「今度こそ沖縄の現実が変わる」ことを実感するような力強い沖縄人民の主体的、自己解放的なたたかいを実現してきた。

 県民のたたかいを金に換える裏切り者の犯罪性

 しかし、沖縄の戦後史で起こったことと同じ出来事が起こった。すなわち全県民的な基地反対の大闘争が盛り上がり政府や米軍政を追い詰めるとき、必ずこの「全県民的運動」を金に換えて売り渡す裏切り者が出てくるのである。そして追い詰められた政府もこの「裏切り者」を全力で持ち上げ、莫大な資金(買収金)を投入して、沖縄人民の自己解放闘争を押さえ込もうとする。
 1995年10・21県民大会の決起と誓いを真っ向から否定し、「現実的路線」と称する現実(米軍基地)ヘの迎合をうち出す裏切り者たち、稲嶺・県知事、岸本・名護市長、上原康助、さらには「学者」として登場した高良倉吉、等々。彼らが言う「オール・オア・ナッシング否定論」「ハーフ・オプション」「沖縄イニシアティブ論」などは、みな同じ穴のムジナが言うことだ。要は1995年以来のたたかいをやめよう、基地を認めて金をもらった方がよいということなのだ。
 はっきりさせなければならない。こういう連中がいるから今回の事件はまたもくりかえされたのだ! 米軍がどんなに「綱紀粛正」や「兵員教育」をやろうがそんなものは何の役にもたたない。基地あるかぎり必ず事件・事故は起こるということは、戦後50年の沖縄の歴史が100パーセント、いや1000パーセント証明していることだ。1995年10・21の県民大会で誓ったことは「少女の悲しみを二度とくり返さないためには基地の撤去しかない」ということだった。この県民の悲願とたたかいを汚し、いやしめ、「振興策」という名の金欲しさに「基地の誘致合戦」までやってのけるほどに腐った政治(その集大成がサミット沖縄開催だ!)を満展開してきた結果がこれなのだ。
 報道によれば7日に、前官房長官・青木をともなって県庁を訪れた中川官房長官がこのたびの米兵のわいせつ事件について謝罪したのにたいし、稲嶺は事件に関しては超一般的な言葉でお茶をにごし、何と「振興策についてよろしく」と述べてその要望書を出し、がっちり握手して写真に収まったとのことである。本当に、心の底から腐りきった人間である。こういう人間が県知事を名乗っていることを見透かしているから、米軍も「反省などクソ食らえ」であり、やりたい放題なのだ。

 戦争会議・サミット粉砕、歴史変革をかけてもう一度全県民的決起を!

 日米帝国主義は「1995年の悪夢の再現」に危機感をつのらせて県民の怒りの沈静化に躍起となり、「サミットの成功を」「テロ・ゲリラからサミットを守れ」などとキャンペーンをし、「警備のために墓を開けろ」とまで「警備への協力」を強要している。しかしそれはサミットの本性を暴露し、ますます県民にサミットの真実を覚せいさせ、怒りの火に油を注ぐ結果となっている。
 いま巷で何が言われているか。県民生活の毛穴をもふさぐようなサミット1万人警備(最終的には2万人を超える)に全県民はうんざりし、あるいは怒っている。「あの警察官は何から何を守っているのか」と考え、そしてこの「大戒厳令」にも等しい今の沖縄の状況の中で今回の事件が起こったことにより、「あれは沖縄県民から米軍基地を守っているのか」と気付き、大きな衝撃と心の変化が起きている。
 万余の大デモでサミットをぶっ飛ばしたとき、全世界の人々は沖縄県民の苦しみに気付く!
 サミットとは戦争準備会議である。沖縄サミットでは、昨年のユーゴ爆撃のような戦争行動を中国、朝鮮にたいして準備することが確認され、沖縄の米軍基地の役割を世界の名で確認するものとなる。クリントンは明確かつくり返しそう述べている。そしてクリントンは摩文仁に行ってそういう演説をやるという。
 何でこんなものを県民が「守礼の心でむかえ」なければならないのか。サミットで県民に利益になるものは何もない! 逆にそれで失うものは沖縄の全てである。沖縄の反戦平和の心、21世紀を「基地のない悲劇のない平和で豊かな沖縄を取り戻す」という沖縄県民の悲劇、そしてその運動とたたかいである。
 まさに今たち上がるときだ! サミット戒厳令をぶっ飛ばし、みんな街頭に出よう。南北首脳会談を契機に、在韓米軍撤退のたたかいに決起している南朝鮮・韓国の人民と連帯し、クリントンが震え上がって逃げ帰るような大デモをやろう。