ZENSHIN 1999/05/10(No1908 p10)

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週刊『前進』(1908号4面1)

 5・23狭山中央闘争アピール

 5−6月決戦の爆発かちとり高木打倒、事実調べ・再審を

 全国部落青年戦闘同志会

 狭山五−六月決戦の爆発をかちとり、狭山闘争解体=部落解放運動絶滅を狙う東京高裁・高木体制を最後的に打倒しよう。三月決戦で棄却策動を阻止したがゆえに、五−六月はそれ以上の階級的決戦になった。新ガイドライン関連法案粉砕の五月決戦のただ中で、五・二三狭山中央闘争(東京・星陵会館)に総決起しよう。

 第1節 3月決戦に勝利し主導権握りしめた

 部落解放同盟全国連合会を始めとする部落大衆と、闘う労働者階級人民は、東京高裁・高木裁判長が三月転任前に狭山再審を棄却しようとする策動を打ち砕き、狭山三月決戦に勝利した。五・二三狭山中央闘争への決起を訴えるにあたって、この三月決戦の意義を確認したい。
 日帝は、三月二十三−二十四日に「不審船」を口実にして、初めて自衛隊の海上警備行動=武力行使を行った。日帝・自衛隊の武力行使は、三月二十四日から開始されたNATOによるユーゴスラビア空爆とともに、第三次世界大戦へと歴史のかじを切る大反動攻撃だ。日帝は、場合によっては北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国との開戦になってもかまわないと決断し、これをテコにガイドライン関連法案を一挙的に成立させることを狙っていた。そして、それをとおして戦後的あり方を右からひっくり返そうとしていたのだ。
 このようにガイドライン攻撃がエスカレートする中で、東京高裁・高木による三月狭山再審棄却策動は、昨年十二月の年内棄却策動をも上回る攻撃としてしかけられていた。それは、狭山闘争の解体をとおして部落解放運動を絶滅し、差別主義的人民分断支配をもって戦争国家体制を構築しようとする野望に貫かれたものにほかならなかった。われわれは、これと真っ向から対決し、日帝・高木との白熱的攻防に勝利し、三月棄却策動を粉砕することで、狭山再審闘争勝利への主導権を握りしめるとともに、日帝のガイドライン攻撃の一環としての狭山闘争解体=部落解放運動絶滅攻撃を粉砕し、狭山闘争の爆発的な発展の切り口を開いたのである。
 三月決戦に勝利した力は何か。それは、石川一雄さんと部落民への部落差別に対する根底的な怒り、〈無実・差別〉を土台とした差別糾弾の大衆的実力闘争だ。狭山再審についてのみ、第一次再審請求以来二十二年間、一度たりとも事実調べを行わない裁判所、そして着任からまる五年、事実調べを拒否しつづけている高裁・高木に対する「事実調べをしないのは部落差別だ。極悪の差別裁判官・高木を辞めさせろ」という鋭い糾弾は、部落大衆の差別に対する根底的な怒りと結びつくことによって、昨年十二月を上回る激しい大衆的実力闘争として高木に突き刺さったのだ。
 日帝による狭山闘争解体=部落解放運動絶滅攻撃との攻防は、狭山三月決戦に勝利したからこそ、より一層激しい決戦過程に突入している。日帝は、高木を続投させることで、これ以外に棄却体制がないことをあらためて暴露した。その高木は、「事実調べ要求・再審貫徹」の圧倒的正義の前にぐらぐらになりながらも、ただただ国家暴力による五−六月棄却策動を虎視耽々(こしたんたん)と狙っている。
 何よりも狭山再審棄却攻撃を規定しているガイドライン攻撃が、四月二十七日の新ガイドライン関連法案の衆議院通過によって激しさを増している。法案の内容も、翼賛国会での修正論議をとおして、対米対抗的な日帝独自の侵略戦争を「自衛権」の名のもとに貫くものへとエスカレートしている。
 そして、これに反対する労働者階級人民の闘いを圧殺するために、排外主義と差別主義の攻撃もまた強まっているのだ。その頂点にあるものこそ、高木による狭山再審棄却とそれをとおした部落解放運動解体攻撃だ。階級決戦の重大な一翼を担う狭山闘争に勝利し、日帝の差別・分断攻撃を打ち砕こう。五・二三闘争こそ、当面する最大の焦点である。

 第2節 狭山闘争は戦争と差別を打ち砕く力

 五・二三闘争は、第一に、日帝の狭山棄却体制としての高裁・高木を最後的に打倒し、棄却策動粉砕=再審開始をかちとる闘いだ。事実調べを拒否することで差別裁判を護持しつづけ、狭山闘争を解体しようとする日帝の野望をぶっつぶすのだ。
 再審か棄却かは、事実調べをかちとれるかどうかにかかっている。この攻防においてわれわれは、事実調べを拒絶する日帝・高木の部落差別と不正義性を暴き尽くすことで、押しに押しまくっている。今や高木はぐらぐらなのだ。だが、事実調べを少しでもやった途端、石川さんの無実と国家権力による差別犯罪の全貌(ぜんぼう)が明らかになるがゆえに、あくまで事実調べを拒否し、棄却を狙おうとしているのだ。高木の続投とは、そういうことなのだ。ここに込められたきわめて暴力的な意図を絶対に軽視してはならない。
 事実、日帝・最高裁は三月九日、「日産サニー事件」(一九六七年に福島県いわき市で宿直員が金を奪われ殺された事件)の再審請求に対して特別抗告を棄却する決定(再審開始取り消しの高裁決定を支持)を行った。日帝・最高裁はこういう形で七五年「白鳥決定」以降の再審の流れを覆し、高木体制へのテコ入れに全力を挙げている。
 今求められているのは、攻勢に次ぐ攻勢だ。さらに「事実調べ要求・再審開始」の声を大にして、ここに大衆的実力闘争の力を集中して、高木に最後の引導を渡し、打倒しよう。
 第二に、五・二三闘争を日帝の朝鮮侵略戦争とそのための国家総動員体制づくりを粉砕するガイドライン決戦の一環として、部落解放運動をめぐる中央政治闘争としてかちとることだ。
 ガイドライン決戦は、関連法案をめぐる参議院攻防に突入した。翼賛国会での反動的論議を許さない巨万の国会デモをたたきつけ、法案成立を阻止しなければならない。
 同時に、朝鮮侵略戦争ができる国家総動員体制をつくるためにしかけられている階級決戦に勝利することだ。狭山闘争は、国労解体攻撃を粉砕する国鉄労働者の闘い、米軍基地撤去の沖縄の闘い、三里塚や北富士の反基地の闘いなどと並ぶ全人民の内乱の砦(とりで)だ。日帝は、狭山闘争の解体をとおして部落解放運動を絶滅し、労働者人民を差別主義に染めあげて分断支配を強化しようとしている。だが、狭山闘争にはこれを打ち砕く力がある。このどす黒い日帝の野望を打ち砕こう。

 第3節 〈無実・差別-糾弾〉の全人民的運動へ

 第三に、五・二三闘争を〈無実・差別−糾弾〉の全人民的運動、大衆的糾弾闘争をつくり出す新たな出発点にしようということだ。
 事実調べをめぐる攻防は、狭山闘争の重大な柱をなす裁判闘争−再審闘争の最先端にあるし、絶対に勝利しなければならない闘いだ。だが、同時にわれわれには、石川一雄さんと部落民にしかけられた国家総ぐるみの差別犯罪に対する怒りを裁判闘争だけに限定しなければならない義務はない。この怒りはもっと深く激しい。狭山闘争とは、政治闘争や武装闘争をも含む、ありとあらゆる形態、水路をとった日帝国家権力に対する糾弾闘争なのである。
 石川一雄さんの〈無実・差別−糾弾〉の血叫びは、三百万部落民の部落差別に対する根底的な怒り、自分自身が受けた差別への怒り、親きょうだいや祖先の悔しさ、恨みつらみを掘り起こす檄(げき)だ。それは六千万プロレタリアートの階級的怒りを掘り起こす檄でもある。
 今や、住宅家賃値上げに対する供託を始めとした実力反撃が全国の部落で巻き起こっている。そして、同和事業の全廃に対して、あらゆる領域から部落大衆の実力反撃が巻き起ころうとしている。日帝による部落解放運動解体攻撃に対して、三百万部落大衆の怒りは今や沸点に達しようとしているのだ。

 第4節 狭山署名運動を広めよう

 全国連が呼びかける「差別裁判取り消し要求」署名こそ、このような三百万部落民と六千万プロレタリアートの怒りを組織する運動にほかならない。「差別裁判取り消し要求」の大署名運動をテコに、狭山闘争の原点である〈無実・差別−糾弾〉を三百万部落民と労働者人民に浸透させよう。
 生涯をかけた石川一雄さんの闘い、その鮮明な決意と非妥協・不屈の姿勢に共感しない者など誰ひとりとしていない。なぜか。「やつらを死刑に」という石川一雄さんの血叫びには、部落民自主解放の道が指し示されているからだ。部落差別の元凶=帝国主義の国家権力に対する部落民と労働者階級の共同闘争の道が示されているからだ。国家権力こそ差別の元凶だ。「自分たちには人間らしく生きる権利がある。おれたちには、やつらを裁く権利があるんだ。石川さんとともに闘おう」−−すべての人民にそうした意志と意欲を呼び起こすに違いない。
 七〇年代の狭山闘争は、石川さんの怒りを自分自身の怒りとして体現した青年たちの実力糾弾闘争によって切り開かれた。六九年の全国部落研五戦士による浦和地裁占拠闘争に始まる闘いは、地域、学園、職場などのあらゆる反動とのやり合いに一つひとつ勝利することをとおして、数十万人の決起をつくり出していった。そのテコになったのも地道な署名運動だった。
 「差別裁判取り消し要求」署名をテコに、三百万部落民と六千万労働者階級人民のあらしのような大糾弾闘争を、戦争と大失業と差別のこの時代につくり出そう。解同本部派が狭山闘争の幕を引き、糾弾闘争を投げ出し、労働運動の既成指導部が屈服と裏切りを深めている今だからこそ、狭山闘争の新たな爆発の条件が成熟しているのである。現に、「日の丸・君が代」攻撃が広教組と解同広島県連を同時に解体する攻撃としてかけられてきたことに対して、激しい反撃が始まっているではないか。
 すべての闘う人民は、新ガイドライン粉砕決戦を全力で闘うとともに、それと一体の闘いとして五・二三狭山中央闘争−二四高裁要請行動に総決起しよう。 
 

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