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ふるさと飯舘を返せ 呼びかけ人から訴えA 飯舘村前田区長・酪農家 長谷川健一さん

週刊『前進』06頁(2619号05面01)(2014/02/10)


 ふるさと飯舘を返せ
 呼びかけ人から訴えA 3・11反原発福島行動'14
 原発は「即廃炉」以外ない
 飯舘村前田区長・酪農家 長谷川健一さん

(写真 飯舘村から避難中の伊達市の仮設住宅集会所にて)

 高線量隠され大量初期被曝

 ――3・11直後の飯舘村の状況はどうだったのでしょうか。
 飯舘村の菅野典雄村長の対応は当初から間違っていた。「村を残したい」ということを一切に優先させて村民を避難させず、とんでもない初期被曝をさせた。南相馬市などはすぐに一斉に避難させたのに、菅野村長は3月14日に毎時40マイクロシーベルトを超える数字を計測しながら、村民に被曝の実態を隠し続けた。
 さらにそれを正当化するため、3月25日には長崎大学の高村昇教授、4月1日には山下俊一教授を呼んで「心配ない」という講演をさせた。
 だけど写真家の森住卓さんや京都大学の今中哲二助教が来て、毎時100マイクロシーベルトまで測れる線量計が振り切れてしまったことも教えてくれた。だからおれたちは「何を言っているんだ」と発信していった。
 おれは「こんなに汚染されてしまった以上、村を出ることも考えなくちゃいけない。伊達市でも福島市でも南相馬市でもいい。線量の低いところに飯舘用地を確保して、新しい飯舘村をつくるしかない」とずっと言ってきた。だけど村長は耳も貸さなかった。
 村長は11年7月に早くも「2年で村に帰る」と明言した。さらにとんでもないのは、国が「長期的には追加年間被曝線量1_シーベルトを目指す」と言っているのに、「飯舘村は5_を目指す」と言ったことだ。国も「飯舘村については村長が『5_』と言っているから、除染をして5_を目指す」と言った。
 おれは「5_なんてとんでもない。放射線管理区域の年間被曝線量が5・2_、チェルノブイリの移住の義務は5_だぞ」と追及したけれど、「1_を目指しては10年も20年も帰れない。だから5_にする」というのが村長の答えだった。

 「除染」で線量は下がらない

 ――除染をめぐる動きはどうですか。
 飯舘村には20の行政区がある。12年から除染を先行実施したのが2行政区で、ここもまだ除染は終わってない。13年から除染を始めた地区が3地区。合わせて5地区でしか始まっていない。
 私はそもそも除染には否定的だったけれど「もし仮に除染をやるなら徹底的にまでいな除染をやれ」と求めた。「までい」とは東北地方の方言で、物事を大切に丁重にきれいにやるという意味だ。小さい子どもたちが外で安心して遊べる環境がつくれない限り、戻ることはできないわけだ。
 だけど除染しても線量はまったく下がらない。この1月の区長会で、先行実施した地区について職員が「約7割完了し、年間1_に近くなった」と報告したが、副区長が「自分のうちも『除染が終わった』と言われて測ったが、毎時1マイクロ以上のところが十数カ所。一番高かったのは60マイクロ。これで除染が終わったと言えるのか」と抗議したよ。(注 毎時1マイクロは年間約9_)
 除染を始めたら膨大な汚染土が出ることがわかった。だけど仮置き場が確保できない。国はとりあえず小宮地区に40fの仮置き場を確保した。そのうち小宮地区の汚染土でほぼ半分が埋まる。
 そこで国は「各行政区ごとに『仮々置き場』をつくれ」と言ってきた。当初は「そんなのだめだ」と言っていた各地区を動かしたのがやっぱりお金だ。「仮々置き場用地には国が借地料を払う」となったら、「おれの土地使ってくれ」と言い出す人が次々出てきた。飯舘に戻れないとあきらめた人は、借地料で生活再建の資金が得られると考えるからだ。
 去年11月にも、おれは村長に「帰村宣言をいつ出すつもりか」と質問した。住宅の周りだけの除染なのか、農地もやるのか、加えて汚染土の山も撤去した時点で宣言するのか。そうしたら「住環境の除染が終わったら帰村宣言します」と答えた。うちの周りしかやらないということだ。
 昨年9月に村民のアンケートを取ったら、「避難指示が解除されたらすぐに帰りたい」と答えた人は村全体で326人。年齢層は80代がダントツ。次に70代、60代。50代以下はすとんと下がる。80代や70代の人たちだけで飯舘村に帰ってどうやって生活するんだ。

 フクシマを二度とつくるな

 ――長谷川さんは全国各地で飯舘村の写真展や講演を行っていますね。
 ずっと言っているのは「福島を忘れないでほしい」ということと、「福島と同じような場所は二度とつくらない」ということ。われわれが最初に味わった苦しみも大きいけど、今、現実にどうなっているのかをどんどん声に出していかないと。
 国は3・11を忘れさせようとしている。原発の後ろにいるのはやっぱり経済界だ。輸出までしようとしている。原発をつくったゼネコンが今度は除染でもうけている。
 安倍首相は「汚染水はブロックされている」と言ったけど、できるわけない。海水の半分は満潮干潮のたびに動くんだぞ。これから福島はオリンピックの陰に隠され、オリンピック施設にどんどん財政が投じられ、除染費用もどんどん削られていくのかと思ったよ。
 ――3・11行動を呼びかけた思いを聞かせてください。

 3・11を絶対に忘れない!

 「3・11」は本当に悔しいことだけれども、やっぱり記念すべき日だ。この日に起きたことを絶対に忘れてはならない。そのために3・11当日の行動は継続していくべきだと思っている。
 「反原発」「脱原発」と言う人間は多い。しかし「将来的になくす」と言っても、何年後になくすのかまったく明確でない「脱原発」はにせものだ。原発は即停止しかない。即停止を決めて、停止に向かってスタートするしかないんだ。
 おれたちのふるさと・飯舘村はこんなに汚染されてしまった。今の科学をもっても絶対に元に戻せない。3・11をもって原発の「安全神話」は完全に崩れた。原発を動かしたら、再びのフクシマを引き起こす。
 われわれは3・11直後に大量被曝させられただけでなく、それ以降この3年近く、全員が苦しみ続けて生きているんです。われわれの世代で起きたことは、われわれの世代で解決したい。若い者や子どもたちに先送りしていくなんてとんでもない。一人ひとり、みんなで声を上げていきたいと思っています。
 ――どうもありがとうございました。
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【要項】2・23怒りのいわき行動、3・1ビキニデー集会、3・11反原発福島行動'14

政府・東電の責任逃れ、常磐線竜田延伸、被ばく強制――もう許さない!
2・23怒りのいわき行動
2月23日(日)午後1時30分開会
集会後デモ出発
ラトブ6階(いわき駅南口徒歩1分)
主催 NAZENいわき

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3・1ビキニデー集会
3月1日(土)午後6時30分
杉並産業商工会館3Fホール(杉並区阿佐谷南3―2―19)
主催 NAZEN東京

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3・11反原発福島行動'14
3月11日(火)午後1時開場 午後2時開会
 午後4時15分デモ出発
郡山市総合体育館(郡山市豊田町3―10)
主催 3・11反原発福島行動実行委員会