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「子ども・子育て支援新制度」批判 株式会社化・安全破壊許さない 革共同治体労働者委員会

週刊『前進』06頁(2620号04面03)(2014/02/17)


 「子ども・子育て支援新制度」批判
 株式会社化・安全破壊許さない
 革共同治体労働者委員会

 新制度は既に破綻している

 自治体当局は今、「子ども・子育て支援新制度」の2015年4月実施にむかって「保護者が選べる」仕組みを今秋完成させようと、ニーズ調査や認定基準、基準作りなどに必死になっている。しかし、実際のところ公定価格にしろ認定基準にしろ何も決まっていない。しかも、新制度の財源は消費増税分からの7千億円にそれ例外のものを加えて1兆円にすると説明されているが、増税分は1100兆円を超える国の借金の返済に優先的に充てられるのだ。新制度は財源自体が破綻している。
 つまり何か整合性のある新しい制度ができるわけではないのだ。決まっているのは、公立保育所の労働組合運動をつぶすことであり、公立も民間も保育所を金もうけのための株式会社経営に置き換えることだ。
 政府や資本家は破綻必至の来年4月本格実施を待たずに「待機児童解消加速化プラン」に乗り出し、「横浜方式」を全国に広げようとしている。横浜方式とは、徹底した規制緩和で企業参入と低年齢児の小規模保育所増を図ることだ。すでに横浜では4分の1が会社経営の保育所になっている。
 ビルの一室や高架下など安上がりで庭もない狭い施設に子どもを詰め込み、英語などの早期教育を施し、保育労働者を極限的な低賃金・無権利状態にたたき込み、親である労働者から高額の保育料を徴収している。こうしてのみ利潤が生まれる。
 民間保育所や企業立保育所では、労組をつくろうとする労働者にパワハラ・セクハラ・いじめで病気や自主退職に追い込む攻撃が襲いかかる。
 公立保育所でも規制緩和が進み、非正規率は他の職種と比較して高率だ。(図1)。しかも2001年からの小泉政権による「待機児童ゼロ作戦」で、認可保育所でも死亡事故が急増している(図2)。規制緩和、大規模化、非正規職化の結果だ。これを許してきたのは闘わない労働組合だ。こうした実態はJR北海道と同じだ。
 無認可保育所に国はわずかな補助金を与え、公立保育所つぶしを容認させ、分断を図っている。だからこそ公、民、無認可のすべての保育労働者は団結しよう!
 民営化・非正規職化・外注化・労働基本権剥奪(はくだつ)攻撃と日々闘わなければ保育現場の安全は崩壊する。保育労働者の命を守れず生活が成り立たないところでは、子どもの命も育ちも守れない。反合理化・保育安全闘争に立ち上がろう!

 公立つぶしの認定こども園

 連合自治労も日本共産党系の全国保育運動連絡会も、一昨年の子ども・子育て支援新制度法成立後は「反対」の旗を降ろし、「よりましな制度を」と言って「子ども・子育て会議」に参加することが唯一の方針となっている。だが、子ども・子育て会議は新制度推進会議にすぎず、絶対反対の声を上げさせないためのものだ。
 子ども・子育て支援新制度法では従来型の保育所への国の運営費補助は撤廃される。自治体は自力で保育所を運営するしかない。自治体は「公立の生き残り策は認定こども園しかない」として、公立保育所・幼稚園を整理・統合し、補助の出る幼保連携型認定こども園に変えつつある。
 この認定こども園の問題の核心は「直接契約制度」だ。認定こども園は、児童福祉法24条の適用から外され、自治体責任の福祉ではなくなる。
 「企業が参入できない」とされる幼保連携型認定こども園が「公立の生き残り策」として労使一体で推進されている。しかし、この認定こども園は「公私連携型」をトンネルにしていつでも企業化することが可能だ。公的な業務を引き継げば公的施設を譲り受けることができるのが公私連携だ。事業体を児童福祉法人とする制限はまったくない。
 また認定こども園の多くは幼保統合によって子どもの数が200〜300人と大規模になる。保育認定制度により、昼から登園する子もいれば、昼で帰る子もいる。保育労働者はその時々の子ども数に合わせてパートで雇われる。子どもも職員も出入りが激しくなる。そのため子どもの把握も困難になる。誰かがいなくなっても気づかないという事故も多発するだろう。過重労働と劣悪な労働条件の非正規職で人員不足を補うことになる。今どこの自治体でも民間園でも保育士確保に必死だが、認定こども園ではそれがより激しくなっている。
 認定こども園化は民営化と安全崩壊そのものなのだ。そして保育教諭の免許をめぐる分断・解雇・非正規職化・抑圧がより激しくなる。

 現業の外注化・民営化阻止を

 幼稚園型認定こども園では、もともと幼稚園だったため調理室がなく、給食は弁当会社に外注化されている。
 K市では長年にわたる調理員(現業職員)の不採用の結果、正規職の調理員がいなくなった。これは当局の責任だ。ところが当局はこの状態を逆用して給食の外注化を始めた。
 西宮市では昨年、給食の食べ残しを調理員が食べていたことを口実に外注化攻撃が始まった。労組が処分を容認する中、直営は維持されたものの「現業活性化運動」のような階級意識解体の攻撃が進んでいる。
 N市では認定こども園化にともない、調理員を委託給食会社に転職・転籍させる攻撃がかけられた。これに対して怒りの決起が始まっている。
 保育労働者と現業労働者を分断する攻撃を粉砕し、首切り・非正規職化・外注化に対して、団結してともに闘おう!

 大阪・橋下が公立全廃攻撃

 大阪市の橋下徹市長(当時)は昨年、幼稚園・保育所の民営化・廃止計画を発表した。全面民営化方針だ。「セーフティーネット」の観点から一部の保育所だけ残すと言った。つまり全員解雇を言い渡したのだ。大阪市の資料は「民間委託・休廃止により、平成15(2003)年度末当時の136に比して約50%の保育所の民営化・効率化を推進し、その結果約46億円の削減効果を得た。合わせて保育士600人、技能職員117人の人員削減を行った」ことを「成果」とし、採用停止と解雇を強行している。
 非正規職の圧倒的導入、保育士の配置基準の緩和、保育士給料表の導入(「民間並みの給料に」)など矢継ぎ早の攻撃がかけられている。ところが体制内労組幹部は「セーフティーネット」で一部保育所が残るかもしれないと、あわい期待をあおるのみだ。大阪市当局は、こうした体たらくに付け込んで、組合ビラの現場での「回覧禁止」を言い渡したばかりか、仲間を互いに監視させようとした。
 しかし、こんな現状は「おかしい」と一人の保育労働者が立ち上がった。「このままでは自分より若い人がどうなるのか」という思いとこの間の橋下打倒の闘いとが出合い、新たな団結が生まれた。この偉大な一人の決起を一気に拡大する大阪市職決戦の火ぶたが切られたのだ。
 子ども・子育て支援新制度との闘いは、自治労本部を打倒して闘う労働組合につくり変える闘いだ。それは組合員と労働組合に真に責任をとる指導部の建設であり、党建設を通じて実現される。職場に大胆に党として登場し、機関紙『前進』を持ち込もう!
 大恐慌は戦争と大失業、革命を生み出す。都知事選決戦に続いて、この時代認識と路線を訴え、闘いと団結をつくり出し、拠点建設を進めよう!