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3・11反原発福島行動 呼びかけ人から訴えC 地元の労組が先頭に立つ 国労郡山工場支部・郡山市 橋本光一さん

週刊『前進』06頁(2621号05面01)(2014/02/24)


 3・11反原発福島行動 呼びかけ人から訴えC
 地元の労組が先頭に立つ
 国労郡山工場支部・郡山市 橋本光一さん

 ――郡山と郡山工場の現状を教えてください。
 工場は平均で地上1bで毎時0・3?シーベルトぐらいあります。高いところは地上で1・5?シーベルト。郡工支部では組合掲示板にずっと「会社は放射線対策をしろ」というバナーを張って訴えています。
 若手は被曝を気にして仙台や宇都宮に避難して新幹線で通勤している。若手は線量が高くて嫌だと思っているのに、東労組がその思いを封じ込めている。「安全」「復興」キャンペーンの圧力がすごくて、声を上げられない空気がある。
 だけど日常会話でぽろっと出てくる。県外の親戚がお盆や正月に来て、「食事を出す時に子どものお母さんに『うちで採れた野菜、入れていいか』って聞かなきゃならないのがつらい。大概断られるし」。晴れた空を見て「きょうは天気いいな。だけど、この空気には放射能がいっぱい入ってるよな」とか、「きょうの食堂の飯、うまかったな。でも福島県産の野菜を使ってるんだべ」とかいう言葉がぽっと出てくる。もやもや感があふれています。

 被曝労働強制を許さない!

 郡山工場はJR常磐線や水戸線、東北本線、磐越西線などの車両整備を行う職場です。運行中にほこりをくっつけてきた車両を分解して整備するから、ほこりや粉じんが大量に出る。心配だから組合で線量を測っています。工場に入ってきた時の車両の線量。解体してばらした時の線量。次に圧縮空気でチリを吹き飛ばす「気吹き作業」をやる部屋で作業の前と後で測ったら、作業後に線量がぶわっと上がった。
 気吹きの後、ペンキを塗って最後の組み立てを終え、車両の線量を測った。すると最初より上がっていたんです。工場の中を回っているうちに、放射能まみれのほこりがついちゃう。あらためてどれだけ線量が高いかがよくわかった。そこで毎日働いているおれたちはどれだけ被曝させられていることか。
 うちの職場はスポーツ好き人間ばかりだから、オリンピックの東京招致が決まった時、みんな喜ぶかと思ったら、違った。「安倍のやろう、うそつきやがってよ」とか、「もうちょっと過ぎてからのほうがよかったんじゃないか」「こんなところに世界中の人を集めていいのかよ」って。
 ――JR東による業務の外注化攻撃との闘いも正念場ですね。
 会社から、おれの職場である車体科の機器着脱業務と主電動機検修業務の一部を10月1日から外注化するという提案がされて、職場集会を開いて議論しています。貴重な意見も出ます。「団体交渉では風穴は開かない。勝負は現場。国労だけでなく東労組を動かすことが重要だ。でも東労組の若手はなかなか動かない。東労組の国鉄採用者を『そんなことをやるならおれは国労に戻るぞ』と言わせるような運動をやらないと、平成採も動かない」とか。確かにそのとおりで、おれは平成採ばっかりオルグしてきたけど、両方やらないといけないと思いました。
 最近郡工に入ってくる新採は、高卒資格で入る20人ぐらいのうち高卒は数人で、残りは大卒です。そういう若手はエリート意識もある。飲みながら話をすると、理屈では納得して「そのとおりだと思います」と言うけど、自分が会社と対決して労働運動をやることはそう簡単ではない。
 だけど周りの組合員はおれに対して、誰よりも平成採と学習会や飲み会をやって、組合のことをきっちり教えていると認めてくれている。

(写真 橋本さんが働くJR郡山総合車両センター)

 職場の労働者を心から信頼

 なぜおれが若手を含め職場の労働者と話ができるのか。やはり労働者を根底から信頼して、彼らとの団結を求めているから。連合幹部は労働者を見下し、マイナスの部分ばかり引っ張り出そうとする。でもおれたちはプラスの部分を引き出す。そういう労働者観だからいいところがいっぱい見えてくるし、プラスの話もいっぱい出てくる。
 おれも、「工場の中に組織をつくることを目的にしてるんだろう」なんて言われる。だけどそれは違う。目的は組織じゃなくて革命。そして革命に勝利するために組織が必要なんです。労働組合は党の下にある存在じゃないってことをはっきりさせたのが党と労働組合の一体的建設ってことだと思っています。
 労働組合の持つ力はやはりすごい。国家の行政機構に対抗して勝ちぬくためには労働者の行政機構が必要で、それが労働組合です。組合こそ、革命に向けて労働者が前進していく団結体です。
 ――3・11行動を呼びかけた思いを聞かせてください。
 正しいことを訴え続けても「お前、いつまで熱くなってるんだ。年を考えろ」「正しいことばっかり言って飯が食えるのか」とか、よく言われます。でも今の福島のすさまじい圧力と閉塞(へいそく)感の中だからこそ、なおさらおれたちが呼びかけている3・11行動が希望だと思う。「放射能は危ない。原発はだめ。政府も東電も許さない」ということをはっきり訴えたい。
 郡工の労働者はみな、12年3・11に郡山の開成山野球場でやった1万6千人集会とデモの解放感を味わっている。今年3月8日に磐梯熱海で開催される平和フォーラムの「原発のない福島を!福島県民大会」は、デモをやらない。12年の3・11と同じような集会を望んだけど、そういう感じじゃないのが残念です。

 3・11で変えよう、変わろう

 地元の労働組合として3・11の先頭に立ちたい。「きっと来てくれる」と信用して一人ひとりをオルグしています。
 去年の3・11に来てくれた人が今回、「お前の3・11にはデモあるのか」と聞いてきた。「あります」と答えると「去年の福島のデモみたいに自動車を止めるのか」。警察がデモのために信号を変えて、自動車を止めたでしょう? 「おれはあれが好きだ」。信号を変えるデモができた。デモがその社会、空間を制圧して、もやもや感が吹き飛ばせた。それがいいって言うんですね。
 全国の人には率直、高線量地域に来てもらっていいのかという思いもある。でも3月11日の1日だけはリスクを背負っても来てほしい。敵もわざわざそういうところに来て声を上げる人間にこそ「これは本気だ」と恐怖する。3・11郡山にこそ日本革命の神髄があると思っています。
 僕らの訴える3・11行動は、政治を変えるとともに、自分たち自身を変える闘いに必ずなると思います。一緒に声を上げて、この政治を変え、一緒に変わっていきましょう。