週2回月・木発行『前進』
[メニュー][トップ]

生きさせろ!の闘いを B保育 規制緩和で死亡事故激増

週刊『前進』06頁(2625号03面04)(2014/03/24)


生きさせろ!の闘いを B保育
規制緩和で死亡事故激増


 ベビーシッターによる痛ましい子どもの死亡事故が報道されています。保育の安全崩壊が急速に進んでいます。厚生労働省の統計では、昨年1年間に、保育所の事故で19人の子どもが亡くなっています。過去最悪です。
 小泉政権の01年「待機児童ゼロ作戦」に始まる規制緩和と民営化・非正規職化で、事故はけた違いに増加。この10年間で146人も死亡しています。しかもこの中には、企業が従業員のために設置した事業所内保育施設や子育て経験者が自宅で乳児を預かる保育ママ、地域での相互援助事業、ベビーシッター、幼稚園などでの事故は含まれていません。多くの命が奪われているのです。
 ここまで保育現場の安全を崩壊させた政府や自治体の責任は重大です。しかし当局は「乳児の呼吸等の確認を5分ごとにタイマーを使って正確に行え」というマニュアルまで押しつけて、何か起これば労働者の責任にしようとしています。
 子ども・子育て支援新制度が15年4月に実施されようとしていますが、事態がさらに悪化することは不可避です。

待機児童解消を掲げて企業参入

 13年4月時点で、保育所に入所申請をしているにもかかわらず入れないでいる待機児童数は2万2741人。新自由主義が労働者総体の貧困・低賃金化を進めて女性労働力を極限まで動員する一方、公立保育所を増設せず、民営化したり廃止したりしてきた結果です。
 政府や自治体は「待機児童解消加速化プラン」を進めています。「待機児童を解消した」とされる「横浜方式」を全国に広げようというのです。
 しかし横浜方式とは、企業の参入と低年齢児の小規模保育所増を図るものです。横浜では4分の1が会社経営になってしまいました。ビルの一室や高架下など、庭もない狭い施設に子どもたちが詰め込まれています。保育労働者は低賃金・無権利の非正規雇用として少ない人数で過酷な労働を強制され、保護者は高額の保育料を徴収されています。こうしてのみ企業利潤が生みだされるからです。JRは鉄道の安全をそっちのけで、駅ビルやガード下に保育所をつくって出退勤に合わせた「エキナカ保育」、「コインロッカー保育」でもうけようとしています。

公立をつぶして10割非正規職化

 新制度では、従来型の保育所への国の補助は廃止されます。自治体は、公立保育所と幼稚園を廃止・統合して、補助の出る幼保連携型認定こども園に変えつつあります。
 認定こども園は、児童福祉法の適用から外されて自治体責任の福祉ではなくなり、利潤の追求を公然と掲げることが可能となります。保育所と幼稚園の統合で子どもが200〜300人という巨大な規模になり、事故の多発は不可避です。労働条件はさらに過重・劣悪となり、慢性的な人員不足を非正規職で綱渡り的に補充しようとし続けることになります。
 公立保育所でも非正規職化が進み、自治労の12年度集約ですら臨時・非常勤等職員は52・9%に達しています。さらに政府は、保育士不足を口実に簡単な試験や研修で取得できる「准保育士」導入の検討を始めました。10割非正規職化の大攻撃です。子どもの詰め込み保育や職員配置基準の悪化と闘ってきた保育労働運動をたたきつぶすのが本当の狙いです。
 民営化・外注化・非正規職化と絶対反対で闘わなかったら、保育現場の安全は崩壊します。保育労働者の労働条件を守れないところでは、子どもの命も守れません。ベビーシッターの事件で明らかとなったことは、どんな環境だろうとそこに子どもを預けざるをえない状態に労働者をたたき込んでいる新自由主義の現実です。この社会を変えなければなりません。
 全国の自治体労働者は14春闘の闘いとして3・14統一行動を全力で闘い、公務員大決戦の巨大な突破口を開きました。職場に労働組合の闘う団結を取り戻し、反合理化・安全闘争を進めましょう。
(大迫達志)