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人事評価で「解雇自由」を狙う 地公法改悪を許すな

週刊『前進』06頁(2626号05面03)(2014/03/31)


人事評価で「解雇自由」を狙う
 地公法改悪を許すな


 3月7日、安倍政権は地方公務員法の大改悪案を閣議決定した。今回の大改悪は、人事評価による全公務員の解雇自由化と労組解体、全面民営化を狙う歴史的攻撃だ。それは全労働者の10割非正規職化に行き着く。絶対に許してはならない。

当局が生殺与奪権を握る

 法案は、これまでの条文から「職階制」という言葉をすべて削除した。替わりに人事評価制度を「根本基準」として、公務員労働者の「任用(採用、昇任、降任、転任)、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用する」とした。人事評価で「(職員の)意に反して、これを降任しまたは免職することができる」とまで明記した。
 改悪案はこれまでと次元が違う。労働者を生かすも殺すも自由。当局者が生殺与奪の独裁的権限を手にするという法案だ。当局が人事評価を振りかざして降任や賃下げ、配転、さらに分限免職(解雇)も実施できるようにする。職場の団結を破壊して労働組合を根こそぎ解体する。公務員の「岩盤」を崩し、全労働者の解雇自由化と10割非正規職化に直結する最大級の攻撃だ。
 維新の会・橋下徹が「ダメ公務員は人事評価の最低評価2回でクビ」と言い放ち、大阪府と市で条例を作って進めようとした大攻撃を、安倍政権が全面化しようとしている。国のあり方を変える改憲・戦争国家化の最先端、階級戦争攻撃だ。

年功制解体や民営化と一体

 法案は「給与条例で(給料表とは別に)『等級別基準職務表』を定め等級別に職名ごとの職員数を公表する」とした。
 その意図は明白だ。これまで公務員賃金は、毎年昇給する年功制の賃金表が基本とされてきた。政府や自治体当局によって、一時金に対する成績率や査定給の導入など、成果主義に基づく攻撃がかけられてきたが、現場労働者の激しい抵抗を招き、労働組合の根幹にかかわる攻防として闘い続けられてきた。今回の大改悪案は、そうした年功制賃金体系とは別に「標準職務遂行能力」なる規定をデッチあげて人事評価の基準とし、新たな「等級別基準職務表」で労働者を振り分け、バラバラにすることを、地方自治体に義務付けた。
 13年8月の人事院報告で、「民間企業の組織形態の変化への対応」が打ち出され、今年8月の人事院勧告で本格化しようとしている。すでにNTTなどでは賃金表自体がなくなり、労働者分断と低賃金化が急速に進行している。今春闘でマスコミが騒ぐ「大手企業が軒並みベースアップ」なるものも、全労働者に対する一律の賃上げなどではない。賃金格差の拡大をごまかし、成果主義に基づく諸手当を含む賃金の平均のごくわずかなアップでしかない。まさに労働者の分断と賃下げ、年功制賃金体系の解体が今回の攻撃の核心だ。
 さらに大改悪案が、等級別の全職員数の公表を全自治体に義務付けたことは重大だ。中央政府が全国自治体の民営化・外注化と人減らしの実態を直接掌握することで、人事院勧告と一体で「指導」を徹底し、交付税額にも反映させる。「公務員バッシング」の悪宣伝も使って、民間非正規職並みの賃下げと全面民営化・外注化・非正規職化を暴力的に推進しようとしているのだ。

公務員大決戦で安倍打倒を

 地方公務員法の大改悪は、戦後地方自治を解体して中央政府のむき出しの独裁に変える実質改憲と戦争国家化の大攻撃だ。アベノミクスの大破綻が始まった。戦争と改憲に突進する安倍を倒し新自由主義を打ち破る大決戦のときが来た。
 3・14自治労統一行動をもって公務員大決戦の火ぶたが切られた。賃金破壊と全面民営化に対する労働組合の闘いが本格的に始まった。労組解体をめざした橋下大阪市長は、現場労働者の闘いで打倒され、見る影もない。国鉄闘争10万筆署名を進め、反合理化・安全闘争を職場から巻き起こそう。安倍打倒をかちとろう。
(大迫達志)