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香港の占拠闘争 中国スターリン主義揺るがす 労組がストで学生に合流

週刊『前進』06頁(2654号03面03)(2014/10/27)


香港の占拠闘争
 中国スターリン主義揺るがす
 労組がストで学生に合流

(写真 多数の金融機関の本部があるセントラルを占拠し普通選挙を要求して闘う香港の学生と労働者)


 香港で学生と労働者によるセントラル(金融街の中心)占拠闘争が、香港政府・中国政府の弾圧、民間反革命の破壊攻撃と対決しながら9月末より不屈に闘われている。それは中国スターリン主義を揺るがし、東アジアの大激動を促進する歴史的な闘いになっている。

本来の普通選挙要求し街頭占拠

 香港の街頭占拠闘争の直接のきっかけは、行政長官をめぐる選挙制度改革である。1997年に香港がイギリスから中国に返還された時、今の香港の体制を50年間は維持すること、および行政長官の選挙には将来的に普通選挙を導入することを中国スターリン主義は確約した。今年8月31日に「第12期全国人民代表大会常務委員会第10回会議」は選挙制度改革を決定したが、それは実にペテン的なものであった。
 普通選挙を香港に導入する代わりに候補者をあらかじめ2〜3人に決定する「指名委員会」を新設することとし、中国政府に批判的な候補者は立候補できない制度になっているのである。このペテン的な「普通選挙」導入に反対し、誰でも立候補でき、投票権を持つ本来の普通選挙の導入を要求して、今回の大闘争が爆発した。
 9月22日に大学生ら(大学など25校)が授業のストライキに突入した。26日より数千人の学生が政府庁舎前で集会を行い、100人以上が敷地内に突入し、警察隊と激突した。警察は学生らを強制排除しようとしたが、逆に参加者が5万人にふくれ上がった。61人の逮捕者が出た。24日には、香港の30の労働組合と民間団体(後に41団体に拡大)による「真の普通選挙が必要で、民衆の生活を改善しなければならない」と題する声明が発せられた。
 28日に至り、10月1日に予定されていたセントラル占拠闘争を前倒しで行うことが決定された。同日、香港職工会連盟が全香港ストライキを宣言した。「全香港の労働者が決起することで、初めて独裁政権を敗北させることができる。民主と正義を守るために、強権的な弾圧と対抗し闘い、学生を孤立闘争に追い込んではならない」として、翌29日に労働者は仕事を放棄して政府庁舎前に駆けつけ、学生・市民とともに闘うことを訴えた。
 こうした学生・労働者の闘いの空前の拡大に、香港政庁は警察隊の弾圧で応えるとともに、民間の反動勢力を数千人規模で組織して、白昼(はくちゅう)公然と参加者を襲撃し、運動を破壊しようとした。警察はいくつかのバリケードの撤去に入っており、情勢は極めて流動化している。

本質的に非妥協の階級的な激突

 はっきりさせなければならないことは、香港情勢、そして中国情勢がまったく新たな段階に入ったことである。香港の存在は、1978年から始まる中国の改革・開放政策に決定的な役割を果たした。最初の経済特区である深?(しんせん)市は香港の隣にある。中国政府は世界で最も極限的な新自由主義を体現している香港を利用し、それに依拠して自国の巨大な経済発展をとげていった。香港返還以来、中国スターリン主義は香港を自分の体内に取り込むことでますますそうなっていった。
 今回の事態は、直接には長官選挙をめぐる「民主主義」の問題として爆発しているが、新自由主義の破綻とこの「民主主義」をめぐる問題(すなわちスターリン主義による人民支配の問題)は直結しており、大恐慌の進展と新自由主義政策の破綻、中国経済、香港経済の破綻の中で、この運動は結局、階級闘争の課題として発展していかざるをえない。
 本質的には妥協の余地のない問題で学生・労働者民衆と中国政府が対立し、大闘争になっているのだ。今回の事態がいったんどのような形になろうとも根本問題は何ら解決しない。中国スターリン主義打倒に至るまで闘いがやむことはない。それは89年の天安門事件がやはり「民主化」のレベルの問題ではなく、その勝利は、実は労働者の階級的な闘いにかかっていたのだという総括と一体である。香港と中国本土の労働者人民の課題は完全に一体であることが示されたのだ。

香港・中国人民との国際連帯を

 今回の闘いは極めて歴史的な闘いになっている。運動の先頭には十代の学生・青年が立ち、また労働組合・労働者が根底でこの運動を支えている。大陸の労働者にも大きな影響を与えている。
 香港情勢は中国の改革・開放政策、新自由主義的な政策の展開が生み出した巨大な矛盾の爆発である。それは香港の労働者の闘いが、大陸の労働者の闘いと結びつき、ともに中国スターリン主義を打倒するまでやむことのない闘いである。
 同時に、それは大恐慌の激化・深化のもとでの世界とアジアの大激動、労働者階級の決起とつながっている。香港の学生・労働者の闘いは、アジアの学生・労働者の決起をうながし、世界革命の一環としてのアジア革命を促進していこうとしている。
 反帝・反スターリン主義世界革命に向かって、日本の労働者階級の国際主義を貫く闘いが求められている。11・2労働者集会を国鉄闘争を貫いた国際連帯集会として大成功させ、香港・中国の労働者との階級的な団結をつくり出していこう!
(河原善之)

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改革・開放政策 1978年末からケ小平の主導で始まった国内改革および対外開放政策。従来の「計画経済」を脱して資本主義化政策を大幅に採り入れ、沿海部を中心に経済活動の自由化や外資の導入を積極的に推進。その一方で中国共産党の政治権力は絶対に手放さない路線である。