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JR総連カクマル 中枢から瓦解 混乱と動揺示す四茂野の「論考」

週刊『前進』06頁(2700号06面05)(2015/10/05)


JR総連カクマル 中枢から瓦解
 混乱と動揺示す四茂野の「論考」


 JR総連カクマル中枢の浅野孝、水沢隆ら国際労働総研(総研)・浅野グループと、東労組を実質的に牛耳る東京地本委員長・鳴海恭二らJR総連・東労組実権派との対立・抗争は、JR総連カクマルの崩壊的危機をさらに深めている。その中で、総研専務理事であり機関誌『われらのインター』編集長でもある四茂野修は、同誌72号(8・15付)に「高めあう議論をめざして――『組織破壊者』をめぐる一考察」なる論考を発表した。
 四茂野は1977年にJAC(全学連特別行動隊=白色テロ組織)から本部書記として動労に潜入して以来、東労組、JR総連の専従中執として国鉄分割・民営化の最先兵となった。02年〜08年はJR総連副委員長。07年の総研設立時にはJR総連カクマル最高幹部の松崎明の側近中の側近として監事となり事実上の運営責任者に。浅野らの「トラジャ(カクマル中央労働者組織委員会)」下の「マングローブ」と呼ばれるJRカクマル指導機関に属していた。

東労組実権派への「支持」を表明

 この論考は、四茂野自身の混乱と動揺の極みを示すものだが、同時に、JR総連カクマルの危機の深さをストレートに示している。JR総連カクマルはその中心部から崩壊を始めている。
 論考は第一に、欺瞞(ぎまん)に満ちている。四茂野は、東労組機関紙『緑の風』号外(6・23付)を読み、「『組織破壊者』というきつい言葉に出会い思わずドキッとした」などと、浅野らを「組織破壊者」と弾劾する執行部の決定に傍観者的立場を装う。だが、次の言辞でそのウソがすぐにばれる。
 四茂野は、「東労組は御用組合」と批判する浅野らの言動には、「一方的に『御用組合』と断定されたのでは、まともに対応することは不可能であり、そこから討論は生まれない」と否定的立場をとる。他方で鳴海ら東労組実権派の主張には、「『組織破壊者』と表現したことは納得できる」と積極的支持を表明する。明らかに鳴海ら東労組実権派の立場なのだ。
 結局四茂野は、「陰で組合執行部を非難・断罪して反執行部派を糾合するようなやり方は政治党派の悪しき手法だろう。このような政治的振る舞いが、組合内での真摯(しんし)な討論を妨げ、団結を弱めるものであることを、この際はっきりさせておく必要がある」と総研・浅野グループとの対決姿勢を鮮明にしている。
 論考は第二に、デタラメ極まりない脆弱(ぜいじゃく)なものだ。四茂野は、「事態の詳細は知らない」などと分裂の本質問題から完全に逃げる。JR総連カクマル内部で進行する対立の原因を見据えられず、何が起きているのかを組合員に明らかにできない。

労務政策の転換で存立の危機に

 JR総連カクマルの分裂は、京浜東北線の乗務員基地再編に示されるJR大再編をめぐる激震――カクマルを切り捨てるJR東会社の労務政策の転換が根幹にある。この転換がJR総連カクマルの存立を根幹から揺るがしているのだ。
 浅野が「3年前の文書」で批判したように、東労組執行部は、東会社の労務政策の転換に屈服して職場支配権を資本に明け渡した。12年1月には人事・賃金制度、2月には駅業務全面外注化、6月には検修全面外注化と連続して3本の外注化施策を妥結。今回の対立・抗争は、資本の先兵として生き残るために総研・浅野グループのように分割・民営化以降のカクマル的権益に固執するのか、あるいは鳴海・東労組実権派のようにそれらをかなぐり捨てて徹底的に資本と一体化するのかをめぐるものだ。

松崎の延命機関 総研が真っ二つ

 論考は第三に、総研内部も浅野グループと鳴海らの東労組実権派を支持するグループとに真っ二つに分裂していることを示している。JR総連カクマル内での総研の位置を考えると決定的事態だ。四茂野は総研設立の意義を「行き詰まりと混迷の中で労働運動が進むべき道を国際的な視野に立って明らかにすることをめざした小さな試み。中心は松崎さん」(07年第3回総研セミナー)などと確認している。
 07年過程の松崎明は、国鉄分割・民営化の破綻、すなわち「行き詰まりと混迷」が最末期帝国主義の崩壊に直結することに危機感をつのらせ、再び新自由主義攻撃の先頭に立つ名乗りを上げていた。絶望的でもそれ以外に松崎の延命の道はなかった。それが総研設立であり、機関誌『われらのインター』の発刊だった。何よりも、動労千葉の存在と闘いが松崎ののど元を締め上げていた。
 総研は単なる研究機関ではない。カクマル中央派と分裂したJR総連カクマルが、松崎を中心とする新たな「党的」結集軸を目指して創設したものだ。総研セミナーの参加者は、JR総連の各単組(東労組、東海労、貨物労組など)、各地本の役員などJRカクマルのメンバーで構成されていた。浅野らによる東労組執行部に対する批判は、総研中枢内での対立の存在と、JR総連カクマルの中心軸の瓦解(がかい)を示している。

動労総連合建設、カクマル打倒へ

 論考は第四に、ガラクタ同然の「松崎の遺訓」のもとに再統一を夢想するなど、始めから破綻している。
 四茂野は50年も前の「動力車賃金論についての一考察」なる松崎論文を持ち出して、「自己を絶対化して相手を断罪するのではなく、相手から学ぶ姿勢がそこにはある」などと「相手を変える議論」が必要だという「見解」を必死に披歴(ひれき)する。「松崎の遺訓」にならい、いったんは「組織破壊者」と断じた浅野らを「アウフヘーベン」する、つまり「説得し、理解させ、わが陣営に獲得する」ことを目指さなければならないと言う。こんな主張が東労組実権派に通用する段階ではない。
 6月下旬に開かれた東京地本第32回定期大会では、「組織破壊者」との絶対非和解性を確認するとともに、浅野らに同調する組合員の排除を決定した。そして、8月下旬に東労組4カ所で開かれたブロック別地本OB三役会議でも、あらためて「浅野講演は絶対に許さない」と弾劾した。四茂野の夢想など入り込む余地はない。
 10月1日、動労千葉は第2の分割・民営化粉砕、外注化阻止・非正規職撤廃のストライキに敢然と立った。韓国民主労総のゼネストとの連帯が問われている。動労総連合建設を突破口に、ゼネスト情勢を切り開こう。JR総連カクマル打倒へ突き進もう。
(矢剣智)