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「国民連合政府」は戦争協力宣言だ 「安保廃棄は凍結」「自衛隊活用」と「戦争法反対」は絶対に両立しない 共産党の裏切りのりこえ11・1集会へ

週刊『前進』06頁(2703号03面01)(2015/10/26)


「国民連合政府」は戦争協力宣言だ
 「安保廃棄は凍結」「自衛隊活用」と「戦争法反対」は絶対に両立しない
 共産党の裏切りのりこえ11・1集会へ


 日本共産党の志位和夫委員長は、この間彼らが提唱している「国民連合政府」に関連して10月15日外国特派員協会で講演し、「安保条約に従う」「自衛隊は有事に活用する」と力説した。彼らの「国民連合政府」提案が積極的な戦争協力宣言であることを内外に明らかにしたのだ。政権入りするために安保条約を積極的に使うと言っているのだ。絶対に許すことはできない。

米軍と一緒に戦争をするつもりか!

 日本共産党は戦争法(安保関連法)が参院で強行採決・成立した9月19日の午後、中央委員会を開いて「国民連合政府」を野党5党を中心につくることを提唱した。本紙2701号「焦点」で断罪したように、これは1930年代のスターリン主義の人民戦線戦術の現代版であり、プロレタリア革命を圧殺し、帝国主義の侵略戦争に屈服・加担するものだ。
 この「国民連合政府」は「戦争法を廃止する」「昨年7・1の閣議決定を白紙に戻す」の2点を実現するためのものと説明されてきたが、その政策の具体化が「安保廃棄の方針は凍結する」「自衛隊は有事に活用する」方針というわけだ。
 10月20日付朝日新聞のインタビュー記事で、志位はこれらの方針は1998年から2000年にかけて打ち出したもので、安保と自衛隊に関する論議は「党内的な議論はもう尽くされている」と言う。これまでも革共同は「安保廃棄の凍結」「自衛隊活用」について、その時点で痛烈な批判を加えてきた。だが今回はその延長ではすまない。「国民連合政府」は現に朝鮮侵略戦争が発動されようとしている中での決定的な大転向と裏切りだからである。
 これまでは自衛隊の活用は「安保条約が廃棄された後」の共産党が入った政権の自衛隊政策であった。だが今度は、安保条約が存続するもとでの「自衛隊活用」なのである。より現実的に自衛隊を動かして戦争をやると言っているのだ。
 彼らが言う「安保廃棄の凍結」とは、安保に触らないということではない。現状の安保を発動するということなのだ。
 志位は言う。「これまでの条約の枠内で対応する」「日米安保条約第5条で、日本に対する武力攻撃が発生した場合には(日米が)共同対処する」「日本有事のさいには、連合政府としては、この条約にもとづいて対応することになります」
 つまり、在日米軍と自衛隊が共同対処する政権、戦争する政権に入るということである。
 「戦争法を廃止する」と言いながら戦争をやるのだ。7・1閣議決定以前の、あるいは戦争法成立以前の安保条約や自衛隊法やその他の有事立法などはすべて使います、ということなのだ。90年代以来の、PKO法(92年)、周辺事態法など新ガイドライン3法(99年)、対テロ特措法(01年)、有事法制関連3法(03年6月)などすべてを認め、その発動を共産党としてともに担うということだ。戦争当事者になるのだ。これのどこが「戦争反対」なのだ。
 志位は「日本有事」とか「急迫不正の主権侵害」と当たり前のように言うが、「日本の主権」とは帝国主義的主権であり、一握りの資本家階級の権益であり、労働者階級の利益とは相いれない。自衛権を振りかざして戦争をやることは、労働者階級の利益を踏みにじり、労働者を戦場に送り、殺すことである。
 要するに、共産党は資本家階級に向かって、自分たちは戦争絶対反対ではない、いざとなったら「自衛戦争」に賛成し一緒に戦うと売り込んでいるのである。労働者人民を戦争協力に導いているのである。

民主党政権批判も凍結してすり寄る

 さらに、「国民連合政府」とは労働者の階級性を徹底的に解体し、資本家のために奉仕させるものである。志位らは「オールジャパン」とも言うが、それは99%の労働者人民の手で1%の資本家階級と対決するものではまったくない。逆だ。
 日本の労働者人民はすでに2009年から12年まで3年3カ月の民主党政権を体験している。この政権のもとで、労働者階級にとって少しでもいいことがあったのか。まったくなかった。それはまさに資本家階級の支配のための政権であり、労働者階級の解放に役立つ政権ではなかった。
 2010年4・9の国鉄1047名解雇撤回闘争に対する「政治和解」をもって国鉄闘争の最後的圧殺を図ったのが民主党・鳩山政権(前原国交相)であった。そこでは「不当労働行為や雇用の存在を二度と争わない」ことが和解の条件とされた。これに共産党も全面屈服して国鉄闘争の最後的解体を図ったのだ。
 消費税増税、原発再稼働、TPP推進、辺野古新基地建設、公務員攻撃、道州制の推進など、民主党自身が新自由主義政策の担い手として終始立ち回った。沖縄基地をめぐる鳩山政権の迷走と反動的決着は、民主党政権の反動性と破産をさらけ出すものだった。菅政権、野田政権はさらに反動的だった。
 1993年の非自民連立政権といい、民主党政権といい、みな資本家のための現体制を守るための政権でしかなかった。
 今年1月には、志位は民主党政権3年間について、「国民の願いを裏切った」「反省と清算が必要」と言っていた。それらの「批判」も棚上げし、今度は共産党自身が裏切るということだ。

韓国のゼネストに敵対する志位訪韓

 志位は10月20日から5度目の訪韓をした。これまでパククネの大統領就任式や、韓国政府や議員との会合が主要な目的だったが、今回は「戦後70年、日韓国交正常化50年の今年、記念事業の一環として」、志位の著書の韓国版の刊行と講演を併せて企画されたという。
 なんと「日韓国交正常化50年を記念して」行くというのだ。50年前の1965年、60年安保闘争後の大きな大衆闘争となった日韓条約批准阻止闘争で、共産党も「日韓条約反対」を掲げて闘ったはずだ。日韓条約は、南北朝鮮の分断固定化、侵略と戦争の条約だった。そんな歴史はなかったかのように、日韓国交を祝いパククネ政権との友好を図っているのだ。
 志位は今回、日帝が戦争法成立をもって朝鮮侵略戦争に具体的に参戦しようとしている中で、訪韓している。同じ10月20日に、ソウルで日韓防衛相会談が行われ、そこでは安保関連法(戦争法)で自衛隊が北朝鮮に攻め込むことをめぐって議論が行われているのだ。志位は「朝鮮戦争はリアリティーがない」(8月4日付『赤旗』)などと言って、「朝鮮有事」=朝鮮侵略戦争の切迫を否定してきたが、実際には米日韓の戦争準備を黙認しているのだ。
 さらに決定的なことは、今年に入って3波のゼネストを闘い、11月にはパククネ打倒の大闘争に立とうとしている民主労総の闘いに敵対していることだ。民主労総は「より安易な解雇、より低い賃金、より多数の非正規職」をつくりだすパククネの「労働市場構造改革」に反対して「ひっくり返そう!財閥の世の中。終わらせよう!資本家政権」という究極のスローガンを掲げて立ち上がっている。しかも米日韓による朝鮮侵略戦争攻撃に最先頭で立ち向かっている。
 ところが、共産党・志位は民主労総ゼネストには一言の言及もなく、無視することで完全に敵対している。ゼネストで資本家政府を打倒することなど絶対に許さないと共産党は考え、民主労総に徹底的に敵対しているのだ。それは生きるために闘うすべての労働者に対する敵対である。

11・1労働者集会にこそ希望がある

 日本共産党の「国民連合政府」提案は、戦争翼賛・階級闘争圧殺の方針だ。こんなものに労働者の未来を託すことはできない。闘いの道は明白だ。ゼネストと国際連帯で戦争を阻止することだ。闘う労働組合をよみがえらせることだ。11・1労働者集会にこそ闘いの希望がある。
 戦後労働運動に対する最大の破壊攻撃だった国鉄分割・民営化の攻撃に30年間闘いぬき、すべての労働者に闘いの展望を指し示している動労千葉。被曝労働を拒否して繰り返しストライキで闘う動労水戸。全国に広がる動労総連合結成の闘い。「非正規が闘って、勝った!」鈴コン分会の闘い。これらの闘いに続くことが勝利の道だ。
 労働者階級は国際的にひとつの階級であることをはっきりさせて、国際連帯の力で戦争に立ち向かう、ここにこそ展望がある。ゼネストでパククネ政権と闘う韓国・民主労総を始め世界の労働者階級との階級的連帯で、戦争のない社会をつくることができる。
 日本共産党は、資本家と一緒になってこの体制を守ることに全力を挙げる一方で、この体制では生きていけないと立ち上がる労働者学生には、牙(きば)をむいて襲いかかってくる。国会前で全学連を襲撃したシールズ指導部と一緒だ。共産党の反動を打ち破り、11・1労働者集会に大結集しよう。
(高田隆志)