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内部対立と抗争が一層激化 瓦解するJR総連カクマル 外注化の最先兵へと反動的純化

週刊『前進』06頁(2707号02面05)(2015/11/23)


内部対立と抗争が一層激化
 瓦解するJR総連カクマル
 外注化の最先兵へと反動的純化

双方が松崎の「位牌」担いでののしり合い

 JR総連カクマル中枢の浅野孝、水沢隆らを中心とするグループとJR総連・東労組を牛耳る実権派グループとの対立・抗争は、JR総連カクマルの分裂を顕在化させた。事態はJR総連カクマルが瓦解(がかい)している現実を突き出している。
 浅野らは、「松崎明さんの遺志を受け継ぎ闘う」として立ち上げたJR総連カクマルのフラクション「敬松(けいしょう)塾」を軸に、隠然と組織化を進めている。浅野は「敬松塾」での講演で、「東労組は御用組合になった」「東京地本の闘いを背後で突き動かしているのは会社だ」として、東労組の路線形成の中心にいる東京地本委員長の鳴海恭二を名指しで批判した。京浜東北線乗務員基地再編をめぐり、東労組カクマルの拠点職場を明け渡し、屈服的対応に終始する東京地本の鳴海とそれに追随する東労組執行部を指弾した。
 一方の鳴海など東労組実権派は、浅野らの言動を「組織破壊攻撃」と規定して、浅野グループ排除のため、組織の締め付けに躍起となっている。彼らはJR総連本部を始め各単組(貨物労組、東海労、西労など)、東労組本部、そして東京、大宮などの地本組織を動員し、浅野グループ弾劾の決議を上げた。
 中でも浅野、水沢が東労組OB会に所属することから、浅野グループ排除の急先鋒(きゅうせんぽう)として押し上げられたのが東労組OB会だ。「一部OB会員の組織問題」として、対立・抗争を小さく見せたいという鳴海実権派の思惑もある。しかし、開始された浅野グループ「粛清」の動きは、隠すことなどできない。
 8月下旬、東労組OB会はブロック別地本OB三役会議を4カ所で開催した。会議では、「浅野講演は絶対に許さない」とする弾劾決議をあらためて上げている。さらに10月19日には東京、大宮地本共催でOB会合同会議を開催し、浅野グループ排除に向けた意思統一を行った。会議には東京地本の田中組織部長、大宮地本の森田委員長、本部OB会の古川会長(元東労組副委員長)と、横浜、八王子地本のOB会代表など、この間の対立・抗争に直接関係する首都圏4地本から代表が参加した。千葉地本を除くこれら首都圏4地本に浅野「敬松塾」グループが浸透していることを示すものだ。
 古川会長は、「松崎明氏の遺志を引き継ぐ本部の『松明(たいまつ)塾』の取り組みを支持する」などと発言した。これは決定的な言辞だ。「敬松塾」に対抗して「松明塾」を対置するというのだが、現実には、両派のののしり合いが公然と行われることを意味する。
 「松明塾」とは、02年に嶋田邦彦東労組副委員長(当時)を中心とする嶋田派カクマルグループ(07年6月にJR労組として東労組から分裂)との対立・抗争の渦中で、「日本労働運動の未来を照らす松明たらんと努力するリーダーたちの学習塾」(松崎明)などと称して創設された松崎派カクマルのフラクションだ。一度は消滅したガラクタ同然の「松明塾」を再度立ち上げ、組織固めを行うというのだ。おぞましい限りだが、浅野グループも鳴海実権派も、腐り果てた「松崎の遺志」(=位牌)を担ぎ、正統性を主張する以外に対抗手段がないのだ。

「必要な効率化進める」と叫び資本に総屈服

 今やJR総連カクマル内部の対立・抗争と分裂は、JR総連・東労組総体を巻き込み泥沼状態に入っている。まさにJR総連カクマルは瓦解しつつある。
 その断末魔の危機の中で、鳴海実権派は、浅野グループへの「粛清」的対決に走る一方、資本との一体化をより鮮明に打ち出した。
 6月26日、東京地本・鳴海は、4月12日の山手線電化柱倒壊事故など続発する事故に関する「意見書」をJR東日本東京支社に提出した。事故についてのその内容は、JR東日本が倒壊事故の幕引きのために策定した5月8日付の「緊急点検結果と当面の対策」をなぞったものだ。外注化問題など事故原因の根幹に迫るものは一切ない。当然、JR資本の事故責任は追及していない。これは動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線に真っ向から敵対する内容だ。
 この鳴海「意見書」の最大の狙いは、重大事故が続発するJR東日本の現状を「現場の力が落ち、会社の施策の立案能力も劣化している」とした上で、その原因を、東労組カクマル排除の「労組対策の偏重」にあると主張するところにある。そして、東労組を優遇してきたこれまでの労務政策への回帰を懇願し、東労組カクマルらの「ベテラン社員」を指導員担当や指導助役に登用してくれと嘆願している。
 また鳴海「意見書」は、「現場力低下」をもたらす「構造的な問題」として外注化に論及する。動労千葉の外注化阻止の闘いに追い詰められグラグラなのだ。そこでは、外注化実施を前提に、「安全性、技術力、サービス品質が高まっていない」から「『効率化・外注化(委託)』は限界にきている」などと、外注化施策の「限界」論を展開する。これは、00年3月の「シニア協定」締結以降、設備部門、駅業務、検修部門などすべての外注化施策を率先推進しておきながら、その裏切りを隠蔽(いんぺい)し、居直るものだ。あらゆる外注化施策の中に東労組カクマルの裏切りが刻印されている。
 新自由主義の外注化攻撃は、直接利潤を生まない安全部門を真っ先に切り捨て、技術の継承をことごとく解体する。個々の外注化施策に機能的限界があるのではない。外注化の必然的帰結として安全の崩壊と技術力の低下、賃金・雇用破壊、総非正規職化があるのだ。
 さらに鳴海「意見書」は、「行き過ぎた効率化・外注化(委託)」が「効率化・外注化(委託)施策の弱点」だなどと言う。端的に、「行き過ぎない」外注化なら良しとしている。しかし、新自由主義に「行き過ぎない」理性を求めるなど無理な話だ。秩序ある外注化など存在しない。
 鳴海はまた「JR本体に現場を戻すこと」などと言うが、これは組合員向けのポーズに過ぎない。続けて、「東京地本は、これまで通り『必要な効率化を進める』という立場を貫く」と言い放っていることに鳴海の本音は表れている。

外注化粉砕へ動労総連合の建設・拡大を

 東労組カクマルには、JR資本と一体化する以外に延命の道はない。鳴海実権派はそのことを自覚した存在だ。鳴海「意見書」は、東労組カクマルが、第2の分割・民営化=外注化攻撃の最先兵としてあらためて名乗り出たことを示している。
 この鳴海「意見書」をえじきにし、分裂と瓦解を深めるJR総連カクマルを打倒しよう。
 動労千葉は10月31日〜11月1日の千葉運転区廃止反対ストを皮切りに、来春3月ダイヤ改定と16春闘を見据えた決戦に突入した。被曝労働拒否を闘う動労水戸は、青年組合員に対するライフサイクル発令を粉砕する重大攻防に入った。
 11・1全国労働者集会で打ち固められた階級的団結、訪韓闘争でさらにきずなを強くした韓国・民主労総との連帯、全世界の労働者との国際的団結を基礎に、動労総連合を今こそ東京を始め全国に建設しよう。外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを軸に、階級的労働運動の復権へ、堅実に大きく前進しよう。
〔矢剣 智〕