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もんじゅ廃炉で日帝の核燃サイクルは大破綻 「堅持方針」許さず核武装阻止を

週刊『前進』04頁(2789号03面03)(2016/10/17)


もんじゅ廃炉で日帝の核燃サイクルは大破綻
 「堅持方針」許さず核武装阻止を


 原子力関係閣僚会議は9月21日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の廃炉を今年中に決定すると確認した。もんじゅは核燃料サイクルの軸をなすものだ。もんじゅ廃炉は核燃サイクル政策の完全な破綻だ。
 にもかかわらず、日帝・安倍政権は「核燃サイクル堅持」を叫んでいる。それは、核燃サイクルが核兵器製造に不可欠のものだからだ。だがその展望はない。

核燃サイクル政策の目的は核兵器製造だ

 核燃サイクルの目的は、核兵器用の高純度プルトニウムを得ることだ。核燃サイクルとは、原発で使用した核燃料を再処理して得た低純度のプルトニウムをウランと混合した燃料(MOX燃料)に加工し、それを高速増殖炉もんじゅで燃やし、高速炉用再処理工場で処理して高純度のプルトニウムを製造する工程だ。もんじゅは、この流れの中軸に位置する。
 この高速増殖炉建設・核燃サイクル確立を、日帝は帝国主義としての存立にかかわる第一級の国策として一貫して推進してきた。
 1954年3月、中曽根康弘(後の首相)が原子炉製造のための2億3500万円の予算計上を国会に提出。日帝の核政策はここから始まった。そしてこの際の趣旨説明で、「原子兵器をも理解し、またこれを使用する能力を持つことが先決問題」とした。許しがたい核武装宣言そのものだ。この予算に基づき設置された原子力委員会は56年に、初めての「原子力開発利用長期基本計画」を策定。その中で「核燃料サイクルを確立するため、増殖炉、燃料要素再処理などの技術の向上を図る」とした。
 これは日帝にとって、それ以外にない選択だった。戦後、帝国主義とスターリン主義にとって核兵器という大量虐殺兵器が軍事・外交の基本手段となった。その中で日帝は、高速増殖炉を軸とする核燃サイクルを確立して生き延びていく道を選択したのである。
 しかし日帝にとってそれは、ストレートに進める道ではなかった。日帝の前には、日本とアジアの労働者人民の「日帝のアジア再侵略を許さない。核武装は許さない」という強力な闘いが立ちはだかった。他方、米帝との争闘戦も日帝にとって大きな壁となった。
 これらの「制約」をかいくぐる手段として、日帝は「核の平和利用」なる巧妙な隠れみのをかぶることに全力を注いだ。それを、「高速増殖炉等の面で、すぐ核武装できるポジションをもちながら平和利用を進めていく」(外交政策企画委員会、1968年)と実に明確に語っている。

労働者人民の怒りが廃炉に追い込んだ

 高速増殖炉は技術的にも不可能である。アメリカ、イギリス、ドイツはすでにその事業から撤退した。
 もんじゅも事故と失敗の歴史だった。もんじゅは1985年に着工し、95年8月に運転を開始したが、その直後の12月にナトリウム流出・炎上の重大事故が発生。2010年5月にやっと運転再開にこぎつけたものの、この際も直後の8月に燃料交換用機器の落下という大事故を起こし、運転中止となった。
 その約半年後、3・11福島第一原発事故が発生し、労働者人民の原発と核、歴代自民党政権の原発政策へ怒りが爆発。それは、昨年9月の戦争法制定、朝鮮侵略戦争切迫情勢と改憲攻撃への危機感と重なり、いっそう深く広範な怒りとなって日帝・安倍政権を追い詰めている。
 その後も、もんじゅで働く労働者の「士気の低下」などもあり、約1万点の機器の点検漏れなどが次々と発覚した。3・11への根底からの怒りとともに、「危険なもんじゅを廃炉にせよ!」が労働者人民の声となった。その怒りの激しさ・大きさと闘いが、もんじゅを破綻に追い込んだ真の要因だ。
 しかし許しがたいことに安倍政権は「核燃サイクル推進」を叫んでいる。「高速炉開発会議」を設置し、「国内の高速炉開発の総合司令塔機能」を持たせ、「オールジャパン体制」を整えるなどと主張している。労働者人民から搾り取った1兆円以上もの税金をもんじゅに注ぎ込んだ上、それでもなおかつ安倍は、その大破綻した道にすがりつこうというのだ。断じて許さない。
 だが核燃サイクルがうまくいくことなど、万に一つもありえない。もんじゅの挽回(ばんかい)策として日帝・経産省が持ち出してきたフランスの高速炉「アストリッド」と実験炉「常陽」(茨城県)の正体を見ればそれは明らかだ。
 アストリッドは現在、基本設計を行っている段階で実物さえ存在しない。しかもアストリッドの前段階の原型炉であった「スーパーフェニックス」は、もんじゅと同じくナトリウム流出事故で廃炉になったのだ。この後継であるアストリッドに一筋の未来もないことなど明白である。
 常陽はどうか。高速増殖炉の実用化に向けた段階は4段階あり、実験炉―原型炉―実証炉―実用炉(商用炉)と進む。常陽は実験炉であり、もんじゅはその次の段階の原型炉だ。1段階前の、しかも廃炉になりかけていた常陽を再び持ち出さざるを得ないほど、日帝にとって打つ手がないということだ。

再処理工場などすべてを廃絶させよう

 日帝があくまで核燃サイクルにしがみつくのは、大恐慌と朝鮮侵略戦争―世界戦争・核戦争の切迫情勢下で、核武装しなければ帝国主義として完全な脱落が不可避だからだ。日帝にあるのは核武装を目指す≠ニいう絶望的な願望だけだ。さらに、2018年に日米原子力協定を更新し、非核保有国で日本だけが認められている使用済み核燃料の再処理の権利を守りぬくためだ。
 もんじゅを廃炉に追い込み、青森県六ケ所村の再処理工場、MOX燃料加工工場などの核燃サイクル全体を粉砕しよう。日帝の核武装など絶対に許さない。韓国・民主労総のゼネストと連帯し、国際連帯で朝鮮戦争・核戦争を始まる前に止めよう。改憲と労働法制改悪は絶対に阻止だ。そのために、11・6全国労働者総決起集会に集まろう。
(北沢隆広)

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高速増殖炉研究の4段階
@実験炉 基礎技術の研究
 常陽(茨城県)
A原型炉 発電技術の研究
 もんじゅ(福井県、年内に廃炉決定)
B実証炉 経済性を検証
 スーパーフェニックス(仏、事故を起こし廃炉)
C実用炉(商用炉)なし
※高速増殖炉は不可能だ。
 アメリカ、イギリス、ドイツはすでにこの事業から撤退している