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切迫する朝鮮戦争阻止を 真珠湾訪問で歴史清算し新たな戦争準備する安倍

週刊『前進』04頁(2811号03面01)(2017/01/16)


切迫する朝鮮戦争阻止を
 真珠湾訪問で歴史清算し新たな戦争準備する安倍

(写真 新たな戦争を宣言した安倍。右は米帝オバマ【昨年12月26日 米ハワイ真珠湾】)

 激動の2017年が幕を開け、日本帝国主義・安倍政権は年頭から著しく危機を深めている。昨年12月の日ロ首脳会談の大破産に続き、韓国民衆の闘いでパククネ政権が「死に体」に追い込まれたことで、安倍の外交戦略は完全に行き詰まっている。この中での12月26、27日に行われた安倍の真珠湾訪問は、「日米和解」を演出しつつ、新たな戦争に向け日米安保体制強化と独自の軍事大国化・改憲を狙う戦争外交にほかならない。だがその内実は、あまりにも破綻している。

日米軍事同盟の強化を宣言

 「これで『戦後』が完全に終わったと示したい。次の首相から『真殊湾』は歴史の一コマにした方がいい」――安倍は真珠湾訪問の狙いを周囲にそう説明した(12月6日付朝日新聞)。
 1941年の真珠湾攻撃に始まる日米戦争、そればかりか31年9・18柳条湖事件(「満州事変」)に始まる中国侵略戦争から15年にわたって行われたアジア・太平洋戦争のすべてを、今回の真珠湾訪問をもって「過去の出来事」として片付け、再び「戦争のできる帝国主義」への道を突っ走ろうというのだ。安倍とオバマの狙いは、「和解の力」と称して日米安保体制を誇示し、新たな戦争に向けてさらに強化することにある。
 そのことは何よりも、安倍の真珠湾訪問中の27日、沖縄・辺野古への新基地建設工事が再開されたことに示されている。さらには、昨年12月13日に名護市沿岸で起きたオスプレイ墜落事故の原因となった空中給油訓練も1月6日に再開された。いずれも沖縄の激しい怒りと抗議の声を踏みにじった暴挙であり、断じて許すことができない。
 また、安倍が真珠湾で行った演説は、「和解」「不戦の誓い」といった言葉を空疎に連呼しながら、戦争そのものへの謝罪や反省は一言半句もなく、そればかりか「ここから始まった戦いが奪ったすべての勇者たちの命に……哀悼の誠を捧げる」などと述べ、日米戦争での死者を「勇者」と呼んで賛美した。
 だが、新たな戦争の準備を進めながらかつての戦争を「歴史の一コマ」として清算しようとする安倍の軽薄な策動は、絶対に通用しない。日本海軍の整備兵だった男性は、「不戦の誓い」などと述べる安倍の演説を「ウソをつくな」と弾劾し、安保戦争法の強行や改憲への動きを指摘して「実際には戦争できる準備を急いでいる。きれいな言葉にだまされてはいけない」と訴えた(時事通信)。こうした声は地に満ちている。
 また安倍の真珠湾訪問に先立ち、映画監督のオリバー・ストーン氏をはじめ日米韓の学者・文化人ら53人が、安倍あての公開質問状を発表し、「日本が攻撃した場所は真珠湾だけではない」「中国や朝鮮半島、他のアジア太平洋諸国、他の連合国における数千万にも上る戦争被害者の『慰霊』にも行く予定はあるか」などと追及した。
 さらに、安倍の真珠湾訪問に同行した防衛相・稲田朋美が帰国翌日の29日に靖国神社を参拝したことに対しても、アジアをはじめ世界で怒りの声があがっている。

核軍拡を宣言したトランプ

 こうした安倍の動きは、トランプ次期政権の登場に対する必死の対応でもある。そのトランプは12月22日、自身のツイッターで「世界に核に関する良識が戻るまで、米国は核能力を大いに強化・拡大する必要がある」と述べた。さらに翌日、この発言についてテレビ局の電話取材に対し「軍拡競争が起こるなら起こればいい。米国はあらゆる面で勝り、最後まで生き残る」と主張した。
 トランプの発言は、直接には前日のロシア大統領・プーチンの「軍の戦略的核戦力を強化する」との演説を意識したものだが、トランプ政権下で野放図な核軍拡・核戦争政策に乗り出す意図をあらわにしたものだ。
 実際、米帝はロシア・中国をにらみつつ、朝鮮戦争・核戦争への衝動と準備を強めている。94年の朝鮮危機の際、クリントン政権の国防長官だったペリーは今月9日、北朝鮮との交渉が失敗した場合に備え、対北朝鮮制裁強化、日韓へのミサイル防衛強化、在韓米軍への核兵器の再配備などを急ぐべきだと主張した。
 このような朝鮮戦争の急切迫情勢の中で、民主労総を中心とする韓国民衆のゼネスト・民衆総決起闘争が不屈に闘われ、パククネを大統領権限停止にまで追い込み、実際に戦争を阻止してきた。
 例えば昨年12月、日米政府が韓国に対して日米韓3カ国の対潜水艦合同演習を防衛実務者協議の場で提案したが、パククネの権限が停止される中で、韓国政府は「応じられない」と回答せざるをえなくなった。
 この間、釜山の日本領事館前に新たに「平和の碑(少女像)」が設置されたことに対し、日帝・安倍が傲慢(ごうまん)にも「駐韓大使の帰国」などの報復措置をとったのは、戦争を止めてきた韓国民衆の決起に対する圧殺攻撃であり、絶対に許すことができない。
 だが、「最終的・不可逆的解決」と称して軍隊慰安婦という日帝の戦争犯罪を闇に葬ろうとした一昨年12月28日の「日韓合意」は、今や完全に崩壊し、むしろ安倍の巨大な危機へと転化しているのだ。これに応える日本での安倍打倒の闘いが今こそ求められている。

新共謀罪の提出を許すな!

 外交政策の破産に次ぐ破産の中で、安倍が昨年秋頃にうそぶいていた「17年冒頭に解散・総選挙」のもくろみは完全に破産した。安倍はそれゆえにますます凶暴化し、戦争・改憲と治安弾圧への衝動を強めている。
 今月20日に召集する通常国会では、「共謀罪」の構成要件を変えた「テロ等組織犯罪準備罪」(新共謀罪)法案を提出することを狙っている。対象となる犯罪は676に上るとみられる。また政府は、同じく「テロ対策」と称して公安調査庁の大幅増員を図り、治安弾圧と監視・情報収集を強めている。いずれも韓国に続くゼネスト―革命情勢が日本で始まることへの恐怖の表れだ。
 この安倍政権と連動して、経団連の榊原定征会長は日経新聞などのインタビューに答え、労働時間ではなく成果に応じて給与を決める「脱時間給制度」の導入などを「働き方改革の重要な柱だ」と位置づけた。
 国鉄・都労連決戦を軸に労働組合の団結でこの攻撃と対決し、ゼネストで安倍を倒そう。