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JR東労組は解体の危機 「スト権」引っ込め、資本に屈服

週刊『前進』04頁(2827号02面03)(2017/03/13)


JR東労組は解体の危機
 「スト権」引っ込め、資本に屈服


 国鉄分割・民営化の破綻はJR総連の解体状況をもたらしている。JR総連の最大組合である東労組は2月10日、定期中央委員会と臨時大会を開いた。これについて報じた東労組の機関紙『緑の風』2月15日号は、「格差ベアに完全に終止符を打つため……『いつでもたたかえる体制』を構築することを決定した」と言う。しかし、東労組本部があれほど騒いでいた「スト権確立」の文字はどこにもない。
 東労組を牛耳るカクマルは、もともとこの臨時大会で「正式にスト権の確立をめざす」としていたはずだ。だが、資本に恫喝されてあわてて「スト権」を引っ込めたのだ。臨大前までは「一票投票で実質的にスト権が確立した」と叫んでいたが、臨大後は一票投票の位置づけも「組合員の総意を確認した」にすぎないものに変えている。
 臨大直前の2月8日に行われた東労組との団交で、JR東日本は「今春闘では定額ベアを実施する」と回答した。「格差ベア反対のためのスト権確立」を叫ぶカクマルに肩透かしを食らわせた形だ。東労組が言う格差ベアとは、職階が上がるほどベースアップの額も高いというものだ。だがそれは、東労組の裏切り妥結により導入された新人事・賃金制度がもたらしたものだ。カクマルに「格差ベア反対」を唱える資格はそもそもない。
 JR資本は、業務の全面的な分社化と転籍強要に踏み込むために、カクマルを切り捨てると最終的に決断した。これに対しカクマルは昨年来、運転士と車掌の兼務問題や36(サブロク)協定、格差ベアをめぐり、資本との「対立」を演出しようとした。その目的は、「自分たちを切り捨てないでくれ。結託体制を維持してくれ」と資本に泣きつくとともに、組合員にカクマルへの忠誠を誓わせることにあった。
 ストをやる気などまったくないのに「スト権確立」を騒ぎ立てた綱渡り的な手法は、資本によって手玉に取られた。カクマルは「全組合員と総対話」と称するストーカーまがいのやり方で現場組合員に「一票投票」を強制したが、それが何のためだったのかを、今やまったく説明できない。
 その中で、水戸支社課員ら6人が東労組を脱退する事態が起きた。これは資本の指図によるものと見て間違いない。他方で資本は、カクマル組織を解体し、東労組を丸ごと資本の制圧下に置くことをも狙っている。これに対しカクマルは「脱退者=組織破壊者を許すな」と絶叫するとともに、「管理手当の増額」を突然、掲げ始めた。管理職層の離反を食い止めようと必死なのだ。
 『緑の風』は「国鉄改革の原点に帰れ」と叫びつつ「国鉄改革当時、広域異動、一時帰休、派遣などのいわゆる三本柱を担い……血と汗と涙を流し国鉄改革を成し得たのは私たちの先輩である。しかし……JR東日本は、本当に苦労した者が報われる会社になっているだろうか」とわめく。
 広域異動、一時帰休、派遣は当時、「首切り3本柱」といわれた代物だ。旧動労組合員はカクマルの指示で北海道や九州の故郷を捨てて本州に移住することを強いられた上、本州の国労組合員らを「余剰人員」として玉突き解雇するための道具とされた。これが広域異動だ。一時帰休に応じた労働者の多くは、そのまま退職に追い込まれた。派遣とは、民間会社への強制出向のことだ。
 カクマルが首切り3本柱を労働者に強制したことにより職場の団結は解体され、200人が自殺者に追い込まれた。その血の上に国鉄分割・民営化は強行された。カクマルはその反革命的「功績」をあらためて強調して、自らの有用性を資本に売り込んでいるのだ。
 『緑の風』は、「会社を持続的に発展させるためには『JR改革』が必要」と叫ぶ。結局カクマルは第2の分割・民営化攻撃の手先となることで延命を図る以外にない。
 その対極で動労総連合は動労千葉、動労水戸を先頭にダイヤ改定に対するストライキを貫徹し、労働者の力を示した。JR総連解体と動労総連合の組織拡大へ、17春闘勝利に向けて闘おう。