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改憲と共謀罪を撃つ!4・23集会へ 現代の治安維持法と闘う会・呼びかけ人 山本志都弁護士 警察の監視、尾行、盗聴が公然化 改憲・戦争阻止の大行進で反撃を

週刊『前進』04頁(2931号04面01)(2018/04/09)


改憲と共謀罪を撃つ!4・23集会へ
 現代の治安維持法と闘う会・呼びかけ人 山本志都弁護士

(写真 改憲・戦争阻止大行進の3・25銀座デモに「闘う会」も立つ)

警察の監視、尾行、盗聴が公然化
改憲・戦争阻止の大行進で反撃を

 「共謀罪」を粉砕するために先頭に立つ「現代の治安維持法と闘う会」が4月23日に都内で集会を開催する。闘う会の呼びかけ人、山本志都弁護士の訴えを掲載します。(編集局)
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意思の合致≠処罰

 昨年6月に強行的に採決された「共謀罪」法が、翌7月に施行された。これは、朝鮮核戦争が切迫する時代の中で、帝国主義の最弱の環としての日帝・安倍政権が改憲・戦争阻止の巨大な人民決起に恐怖した治安攻撃である。戦前の治安維持法同様に労働運動・革命運動を弾圧するために労働者階級の団結破壊を目的とした改憲攻撃そのものだ。
 犯罪実行後の処罰を原則としてきた刑事法体系の根本を覆し、なんら実行行為が行われていない、意思の合致自体を処罰の対象にするという「共謀罪」。外部からは分からない、心の中で考えていることを把握することが必要だから、公安的な情報収集活動が前提とされている。
 この情報収集には、電話やメール、LINEの盗聴、GPS捜査、室内盗聴などの新たな捜査手法が必要とされ、情報提供者・スパイの密告が奨励されることになる。(2016年5月、盗聴の対象を組織的監禁・強要・恐喝、組織的威力業務妨害などにまで拡大する盗聴法・刑事訴訟法改悪が行われ、同年12月施行。他人に関する情報を提供することで他人の罪をつくり上げることに加担させる「司法取引」は今年6月に施行される)
 共謀罪攻撃は、「共謀」=意思を通じること、団結すること自体を、弾圧の対象にすることに狙いがある。威力業務妨害や強要はこれまでも労働運動や学生運動の弾圧に使われてきたが、今度は、それを実行に移す前から「犯罪」とレッテル貼りをして、分断を図り、人々を萎縮させ、口実にして捜索・押収を行うわけだ。
 共謀罪は、国家権力が労働組合や市民運動の日常的活動をも監視の対象とすることを容認し、監視、尾行、盗聴など、これまでも行われてきた卑劣な手段(公安警察が違法な情報収集を行っていることは周知の事実だ)を公然化する。

完黙・非転向で勝つ

 昨年1月の道路運送法違反をでっち上げた「埼玉白タク弾圧」は、「レンタカーを借り、その費用を割り勘した」ことを「犯罪」とした。誰だってやるであろう、違法性を意識しようもない行為によって3人が逮捕された。
 反原発運動が直接に問題にされ、運動の分断や萎縮を狙うという権力の意図が明らかだったことから、広範な人々が「これは共謀罪弾圧だ」と正しく直感して立ち上がった。逮捕された本人たちの完全黙秘の闘いと、埼玉県警本部へ向けたデモによる大衆的な反撃で、むしろ団結が広がり、弾圧は完全に粉砕された。
 これは典型的な例であるが、共謀罪的な手法は、闘う団体に対してはこれまでも使われてきた。だからこそ、これまでも攻撃の意図を無効化してきた「完全黙秘・非転向」、権力に対して一切の情報を提供しないという思想で打ち勝つことができる。私たちはそのことに確信を持っている。

迷惑防止条例の改悪

 3月29日、東京都迷惑防止条例が改悪された(施行は7月)。「つきまとい」「粗野・乱暴な言動」「連続電話」「汚物の送付」の4類型だった規制対象に、「監視していると告げること」「名誉を害する事項を告げること」「性的羞恥(しゅうち)心を害する事項を告げること」の3類型を追加し、「つきまとい」の定義に「みだりにうろつくこと」を新たに盛り込んだ。
 「悪意の感情を充足する目的」が要件とされているが、内面に立ち入り、警察の恣意(しい)的判断に委ねられてしまうという点が共謀罪と通底する。
 また、「名誉を害する事項を告げる」などは、国会前や路上でのデモ、労働組合の門前闘争、企業批判などの行為が形式的には該当する。名誉毀損(きそん)罪とは異なり告訴が不要なので、恣意的な弾圧に使われる危険性が高い。森友学園問題をめぐり、国会前で、安倍首相や麻生財務相に対して「名誉」を害する事項が告げられ、「市民が監視しているぞ」と告げられている最中、この条例が採決されたことの意味は明らかだ。

戦争のための治安法

 昨年12月に九州大学名誉教授の内田博文先生が『共謀罪と治安維持法』(岩波新書)を出版された。
 同書は治安維持法の歴史や現代の警察や司法の戦前との連続性に着目し、共謀罪はまさに現在の治安維持法であるということを具体的な事実に即して指摘している。戦前の刑事法制の中でも、治安維持法は近代刑法の原則を無視・逸脱していることが当時から指摘されてきたのに、運用は拡張の一途をたどった。そして、検察官司法、捜査官の強制処分権、伝聞証拠が例外的に許される「伝聞例外」などの戦時刑法が、戦後も「平時の衣」として維持されたのだ。
 治安維持法の法案審議の中では、法律の対象は「共産主義運動であり、一般市民には適用されない」と説明されていた。その後、労働組合や法曹界、宗教団体や学術研究者をも対象とし、思想検察と特高警察の暴力が席巻していった経過は、周知の事実である。改憲と共謀罪を共に対象化し闘おう。
 現代の治安維持法と闘う会は4月23日、内田博文先生をお招きして「改憲と共謀罪を撃つ!」集会を開催する。闘う現場からの報告も予定している。ぜひ多くの方々にご参加いただきたい。

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改憲と共謀罪を撃つ!4・23集会
 4月23日(月)午後6時30分開場
 東京・日比谷図書文化館 地下コンベンションホール
 講演 内田博文氏(九州大学名誉教授)
 主催 現代の治安維持法と闘う会