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読書感想 『ロシア革命 現代世界の起点』 革命主体=階級形成論を深めた実践的概説書

週刊『前進』02頁(2992号02面04)(2018/11/22)


読書感想
 『ロシア革命 現代世界の起点』
 革命主体=階級形成論を深めた実践的概説書


 ロシア革命100年企画の集大成というべき本書を仕事の合間に読み通した。労働者が手軽に学べる概説書として高く評価されるべきだ。革命の現代史的意義を見事に伝えている。
 1917年の二月革命―十月革命に始まり、29〜32年の全面的・強制農業集団化、37〜38年の大テロル=大粛清に至る通史をとおして、スターリン主義の発生・成立の次元の問題を特に革命主体の側の問題として解き明かしている。プロレタリア独裁論・国家論、過渡期論においても従来を超えた前進が読み取れた。トロツキー・左翼反対派の総括を一層深めた。これらの点で世界の著名な歴史家たちのロシア革命史を凌駕(りょうが)している。
 だが特に強調したいことは、本書が、革命の主体形成を問題の軸においていることだ。それは『なにをなすべきか?』と『左翼空論主義』を新たな視点から読み解いた二つの「補論」に凝縮的に表されている。
 レーニンは、ロシア社会民主労働党の創成期から革命党と労働者大衆の一体的な(あるいは相互作用による)階級形成過程として革命運動を構想した。それを『なにをなすべきか?』では意識性と自然発生性の問題として語っているが、本書ではさらに突っ込んで正しく解明している。「外部注入論」をマルクス主義の原点に立ち返って検討した箇所だ。注目したい。
 レーニンはさらに権力奪取後、『左翼空論主義』で党と大衆の一体的な階級形成について強力な指導をしている。飛躍的なスケールで展開された勝利の教訓だ。「補論2」はそれを読みやすく解説してくれている。ここに踏み込み光を当てたことに本書の最大の意義がある。
 労働者の階級的な意識は、革命党の提起する時代認識、戦略・戦術、スローガンを労働者大衆が自らの経験をとおして納得することで形成される。またそれを条件として初めて党は前衛として建設されていく。
 こうした問題意識は、いま自分たちが直面している実践上の課題に重なる。「労働者階級の基礎的団結形態としての労働組合」の再生、「党と労働組合の一体的建設」は、世界的な規模で緊要な課題だ。本書の発刊は、100周年を起点にしたロシア革命復権の事業の巻頭にふさわしい。青年労働者との学習に最適の文献として自信をもって薦めたい。
(東京・MS)