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岩国の米軍機が墜落 朝鮮半島・中国へ戦争準備 夜間に空中給油の猛訓練

週刊『前進』04頁(2999号03面04)(2018/12/17)


岩国の米軍機が墜落
 朝鮮半島・中国へ戦争準備
 夜間に空中給油の猛訓練



(写真 岩国基地を滑走するKC130J )


 12月6日午前1時40分、高知県室戸岬沖の太平洋上で、米軍岩国基地所属の海兵隊複座戦闘攻撃機FA18Dと空中給油機KC130Jが空中で接触・墜落し、両機の乗員7人が行方不明になる大事故が発生した。米軍と自衛隊による捜索救難が行われ、6日正午頃までに自衛隊機が救助したFA18Dの乗員2人のうち1人が死亡した。その後もKC130Jの乗員5人の捜索が続いている。
 事故の直接の原因は、夜間の悪天候の中で空中給油訓練を強行したことにある。実戦に近い訓練を行ったことによって発生した事故なのだ。空中給油は朝鮮半島〜中国大陸への長距離飛行のために不可欠である。また単に航続距離を延ばすだけでなく、武装で重くなった航空機を離着陸させることなく効率的に運用していくための重要な軍事行動である。さらに近年では、ネットワーク化された作戦の飛行中のアップデート(更新)や無人機への対応のために、常時空中で作戦を継続する必要があり、そのために米軍は全世界の空中給油機の8割を占める600機以上を保有している。
 米軍機の事故はこの数年で急増している。岩国基地所属のFA18は、11月12日にもエンジントラブルを起こし、沖縄県那覇市の沖合で墜落したばかりだった。山口県や岩国市は国や米軍に再発防止を求めていた。
 日本周辺での空中給油にかかわる重大事故としては、2016年12月13日に沖縄県名護市の東海岸で米海兵隊の輸送機MV22BオスプレイがKC130と接触し墜落する大事故があった。同じく16年12月には海兵隊のFA18が高知県沖で墜落。今年6月には米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が那覇市沖で墜落事故を起こした。これらは、米軍が沖縄近海や四国・高知沖の広大な空間を訓練空域とし、切迫する朝鮮・中国での侵略戦争を想定して日常的に猛訓練を行っていることを示している。
 岩国基地の増強により中国地方の山間部での低空飛行訓練も激化している。広島県芸北町、北広島町、安芸太田町などで訓練による被害は激増した。安芸太田町議の大江厚子さんは「従来とは一変した様相」だと語る。地域住民の生活と命を無視する低空訓練への怒りは頂点に達している。

岩国は東アジア最大の出撃拠点

 米軍岩国基地はこの間、急速に強化され、嘉手納基地を上回る130機以上の航空機を配備する東アジア最大の出撃拠点となっている。対北朝鮮の戦争のみならず米中戦争の切迫をもリアルに実感できるほどだ。
 この岩国基地防衛のために、陸上自衛隊むつみ演習場(山口県萩市)への地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備が計画され、墜落事故当日の12月6日にボーリング調査が開始された。ばく大な国家予算を投入して出撃基地を防衛しようというのだ。
 また岩国基地は米本土外にある海兵隊航空部隊・空母艦載機部隊の最大拠点で、厚木基地や沖縄からは空母艦載機や早期警戒機、空中給油機など支援部隊の移駐が図られている。文字通り朝鮮・中国への攻撃拠点化が進んでいるのだ。
 米トランプ政権による安全保障に関する領域での電子機器部品を含む中国製品排除と、同様の対処を日本をはじめとした同盟国にも要求するやり方は、米中貿易戦争が軍事的衝突に至る危機にあることを示している。世界大恐慌の進展は、今や帝国主義・大国間の戦争に進展しつつあるのだ。

事故救難名目にオスプレイ出動

 岩国基地は海上自衛隊の基地でもあり、対潜哨戒機や救難飛行艇などの航空部隊、江田島の海自特殊部隊を運用するヘリコプター部隊なども常駐する。事故があれば乗員捜索・救援には岩国の海自航空部隊が投入される。今回は事故救難を名目にして、中国・四国地方の戦争態勢の構築のために、四国で初となるオスプレイの着陸を徳島空港で行った。徳島赤十字病院の労働者を動員し、「戦死(殉職)者」のひつぎを星条旗で包み、岩国基地へと移送するシーンをマスコミが大々的に報道したのだ。
 沖縄県民の「基地はいらない」という思いを踏みにじって強行されようとしている辺野古新基地建設と、米軍機墜落事故の続発を伴う基地機能強化は一体である。沖縄・岩国と全国の労働者人民が団結して基地撤去の闘いを今こそ推し進めよう! これは戦争・改憲阻止の闘いそのものである。命よりカネ、地方切り捨ての新自由主義を終わらせよう。闘う労働組合のゼネストと国際連帯でプロレタリア革命を実現しよう!