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小型原発の開発阻止を 核兵器製造技術の保持と原発輸出継続を狙う日帝

週刊『前進』04頁(3006号03面04)(2019/01/28)


小型原発の開発阻止を
 核兵器製造技術の保持と原発輸出継続を狙う日帝

(写真 茨城県大洗町にある高温ガス炉の「高温工学試験研究炉」)


 日帝の原発輸出が総破綻した。だが、中西宏明経団連会長の「再稼働進めるべき」発言や、世耕弘成経産相の原発輸出方針に「変更はない」発言が示すように、日帝はあくまで原発再稼働・輸出と核武装を必死に狙っている。そのために押し出しているのが「小型原発の開発」方針だ。絶対に許すことはできない。

黒鉛を使う高温ガス炉の危険性

 世界危機の世界戦争への流れが加速する中で、日帝は帝国主義として生き残りをかけて、改憲・戦争と一体で独自の核武装化・軍事大国化、そのための原発再稼働と輸出の道に激しくのめりこんでいる。
 昨年7月、安倍政権は「原子力は重要なベースロード電源」「高温ガス炉などの技術開発を推進する」という第5次エネルギー基本計画を発表した。既成大型原発のさらなる再稼働と「改良型」への代替えに加え、「高温ガス炉」などの小型原発を開発・導入しようとしている。
 だが、「小型」であろうが「改良型」であろうが、原発はすべて人体にきわめて有害な物質=放射能をつくり出す。にもかかわらず、安倍政権は「原子力はクリーンなエネルギー」などと大破産した大うそを再度持ち出し、小型原発の一種の高温ガス炉を前面に押し出している。その試験研究炉がすでに茨城県大洗町にある。
 原発推進派は、高温ガス炉の核燃料は耐熱性の高いセラミックで覆われ、放射性物質は外に漏れないから安全だという。だが、燃料関連の欠損やひび割れなどは避けられない。冷却材に使われるヘリウムガスは漏れ出た放射能を全系統に運び、配管などの機器に放射能が付着する。通常の軽水炉型原発と同様に、高温ガス炉での点検・修理などに従事する労働者も被曝労働を強いられるのだ。
 高温ガス炉は、減速材に黒鉛を使う黒鉛炉だ。だから、炉心は大量の黒鉛で構成され、稼働中は高温になっている。ここに空気や水が侵入すれば黒鉛が燃える。ヘリウムガスを運ぶ循環経路は空気の侵入を防ぐために内圧を外圧より高くしているというが、ひとたび配管などが大きく破損されれば手に負えなくなる。きわめて危険な新型原子炉の導入など断じて許してはならない。
 そのうえで最大の問題は、黒鉛炉は核兵器用のプルトニウムをつくりやすいことだ。また濃縮が必要のない天然ウランを燃料として利用できるという利点がある。米帝などはこの黒鉛炉でプルトニウムを製造し核兵器を生産してきた。長崎に投下された原爆の原料のプルトニウムも黒鉛炉で造られたものだ。

東海原発廃炉で大洗の開発継続

 敗戦帝国主義・日帝は戦後、日米同盟と日米原子力協定のもと、「原子力の平和利用」の仮面を掲げながら独自の核武装を追求してきた。「核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャルは常に保持する」(外務省「わが国の外交政策大綱」1969年)という基本方針のもとに、日帝の原発・核燃サイクル政策は展開されてきた。イギリスから導入された、日本初の商業用原発である東海原発は黒鉛炉であり、その政策に沿ったものだった。だが米帝の横やりが入り、98年に運転中止となって現在は廃炉作業中だ。
 その中でも日帝は、黒鉛炉生産技術と体制の継続・温存を目的に、茨城県大洗町にある黒鉛炉高温ガス炉を開発し続けてきた。これを今、急浮上させようとしている。黒鉛型による核兵器製造の技術的能力を保持・拡大しようとしているのだ。

高速炉の開発も続行すると宣言

 他方で、99%高純度の超核兵器級プルトニウムを生産する高速炉の開発が、日帝の核武装政策の最大の目的となってきた。だが原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が破産し、フランスの実証炉アストリッドの日仏共同開発も凍結となり、実験炉「常陽」(茨城県大洗町)にしがみつく以外になくなっている。
 12月21日の原子力関係閣僚会議では、国家の総力をあげて高速炉開発を続行すると宣言した。高速炉「戦略ロードマップ」で「プルトニウムや機微技術の研究開発施設等の研究基盤は、国際競争力の観点からも維持すべき」と公言していることはきわめて重大だ。「機微技術」とは核兵器の製造に転用できる技術を意味する言葉だ。
 世界戦争への突入情勢の中で、日帝・安倍政権は核兵器に転用可能なプルトニウム生産体制を帝国主義の死活をかけて維持しようとあがきにあがいている。
 東海第二原発再稼働阻止、小型原発を含む全原発廃炉の闘いを推し進めよう。改憲・戦争阻止!大行進運動、杉並区議選の勝利と一体で、3月11日、全国から福島に総結集しよう。
(河東耕二)