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焦点 米帝が新ミサイル戦略(MDR) 軍拡競争と戦争招く暴挙

週刊『前進』02頁(3007号02面04)(2019/01/31)


焦点
 米帝が新ミサイル戦略(MDR)
 軍拡競争と戦争招く暴挙


 アメリカ帝国主義・トランプ政権は17日、ミサイル防衛戦略の中期的な指針とされる「ミサイル防衛見直し(MDR)」を発表した。中国とロシアへの対抗意識をあらわにし、宇宙空間にまで広がるミサイル防衛網の構築や、日本などの同盟国への新型迎撃ミサイルシステム配備を推し進めることを明記した。
 トランプは17日の国防総省での演説で「宇宙は新たな戦闘領域だ」と述べ、「宇宙軍」の創設と一体で宇宙空間に軍事力を展開する考えを強調。さらに「同盟国・友好国とのミサイル防衛協力の強化を追求する」として、日本を「最も強力なミサイル防衛のパートナー」に挙げ、「相応の負担」を日本などに要求していくことも明言した。
 中国とロシアはこれに激しく反発しており、世界戦争の危機をはらんだ大軍拡競争の激化は不可避だ。
●中国とロシアを敵視
 オバマ政権時代の2010年以来9年ぶりとなる今回のMDRは、トランプ政権が17年12月に発表した国家安全保障戦略(NSS)に基づく。NSSでは、中国とロシアを「(米基軸の世界秩序に対する)修正主義勢力」と名指しし、「力による平和」を確立すると称して大軍拡を宣言。続いて18年2月に発表したNPR(核戦略見直し)では、「核攻撃の抑止や反撃に限定せず、通常攻撃による脅威に対しても核で反撃することを検討する」と核による先制攻撃を容認し、そのための新型核兵器の開発・製造を盛り込んだ。
 またトランプは、ロシアと結んでいた中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を昨年10月に表明しており、来月にも条約破棄をロシアに通告する見通しだ。条約で禁止されてきた核弾頭搭載可能な地上発射型中距離ミサイルの開発・製造を積極的に進めることも公言している。
 トランプはNSSを公表した17年12月の演説で、「帝国主義的な領土拡張競争は過ぎ去った世紀の現象ではない。強国同士の競争が再来している」と主張した(17年12月20日付日経新聞)。今や軍事力にものを言わせて「強国同士の競争」に勝ち抜く以外に、米帝の世界支配を維持するすべがないという認識が、この間の米帝の凶暴な軍事・外交政策の背景にある。同時にトランプは、新自由主義のもとで極限的な貧困や失業状態に追い込まれた米国内の労働者階級人民の怒りを、戦争と排外主義の大宣伝で「外」へそらそうと必死になっているのだ。
●沖縄にミサイル配備も
 トランプは、ロシアや中国が極超音速(ハイパーソニック)兵器の開発を進めていることをMDRの理由に挙げているが、相手国の防空レーダーや迎撃システムを無力化する超音速兵器の開発は、米帝がオバマ政権時代から先行して進めていたものだ。日帝も昨年12月に閣議決定した新防衛大綱で、空母保有と一体で超音速誘導弾や高速滑空弾などの先端ミサイル開発・配備計画を盛り込んだ。
 さらに米帝は今年1月、中国との軍事衝突を念頭に、地上から艦艇を攻撃する対艦ミサイルを沖縄に配備する計画を日帝・自衛隊に伝えた。今年中にも自衛隊と対艦攻撃訓練を行う意向を示している。これは米日帝の対中国軍事戦略の最前線に沖縄を位置づけ、再び戦場にするということだ。だからこそ安倍は、基地と戦争に反対する沖縄の闘いを強権的に圧殺することを狙い、昨年12月からの辺野古への土砂投入を強行しているのだ。
 日本における改憲・戦争阻止の闘いは、3度目の世界戦争・核戦争を阻止するための歴史的決戦だ。辺野古基地建設阻止の闘いと連帯し、全国で「改憲・戦争阻止!大行進」を闘おう。