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雇用・賃金破壊にかける経団連 経労委報告「さらなる働き方改革」主張 ストで闘う団結固め19春闘へ

週刊『前進』04頁(3010号02面01)(2019/02/11)


雇用・賃金破壊にかける経団連
 経労委報告「さらなる働き方改革」主張
 ストで闘う団結固め19春闘へ


 1月22日、経団連は経営労働政策特別委員会報告を発表した。「反グローバル化の動きが広がり日本経済へのリスクが顕在化」する危機を訴え、「労働生産性の向上」へ「多様で柔軟な働き方を選択できる組織・職場をつくっていく」と強調した。昨年の労働法改悪に続いて労働現場での雇用・賃金破壊にかける宣言だ。連合幹部も28〜29日の経団連「労使フォーラム」でこれに同調する許しがたい考えを示した。しかし現場では荒々しいストライキが次々と火を噴いている。闘う団結を固め一律大幅賃上げへ19春闘に立とう。

「労働生産性の向上」掲げ

 リーマン・ショックを超えるバブル崩壊の切迫、国際競争力の喪失とアベノミクスの破綻が日帝・資本を存亡の危機にたたき込んでいる。安倍の施政方針演説と同じく、経団連の春闘方針である経労委報告のキーワードも「労働生産性の向上」であり「働き方改革のさらなる推進」だ。
 「労働生産性の向上」とは何か。本紙3006号はカルロス・ゴーンへの工場労働者の怒りを紹介した。ゴーンはフランス・ルノーでも「生産性向上」を説法のように唱えて人員削減を進め、半数近くを1〜3カ月未満の短期雇用に換えて過酷な労働を強要した。日本でも年俸20億円超のゴーンらは日産グループだけで4万1千人の首を切ってぼろもうけしてきた。
 ゴーンの「業績のV字回復」の実態こそ「労働生産性の向上」=搾取強化であり、徹底したリストラと労働強化、非正規職化と賃下げだった。同じことを経団連は労働現場での「働き方改革のさらなる推進」として主張している。職場の攻防が最大の焦点だ。

「柔軟な就労」と「デジタル革新」

 報告は冒頭から本格的な人口減少社会への突入―労働力人口の減少を問題にして「多様な人材、多様な雇用形態と柔軟な就労スタイルを提供できる企業・職場へ変えていく」「雇用の流動化」を求めた。テレワークや個人請負を拡大し、いつでも首を切れるようにするということだ。特に継続雇用年齢の65歳超への引き上げ、70歳までの就業を強調した。年金受給年齢引き上げと併せ「死ぬまで」働かせようとしている。
 さらに「デジタル革新」=AI・ロボット化による「定型的業務」の人減らしを主張した。JR東日本が試験を始めた山手線の自動運転や、会計年度職員制度を水路とする「自治体戦略2040構想」の職員半減=首切り・総非正規職化はその先取りだ。

やりがい搾取と過労死の強制だ

 報告は「(これまで以上に)働きがい・やりがいに軸足を置いた取り組み」を求めた。資本が労働者の意欲や責任感につけ込んで過重労働・長時間労働に駆り立てる「やりがい搾取」が増えている。そうすることで労働者から徹底的に搾り尽くそうということだ。
 その観点から「仕事や役割・貢献度を重視した賃金制度への移行」「人事評価や処遇への反映」を強調した。人事・賃金制度を根本から変えて労働者を分断し競争をあおる。労働組合の団結を破壊して総体を低賃金化する攻撃だ。「同一労働同一賃金」=「違う労働には違う賃金」の本質そのものであり、これとの闘いがJRをはじめ自治体、郵政、医療職場など全産別で本格化している。
 昨年制定された高度プロフェッショナル制度(労働時間規制の撤廃)、フレックスタイム制(就業時間枠を固定しない)の清算期間延長の活用を提唱するとともに、裁量労働制の対象業務拡大を強く求めた。「健康確保は自助努力」「働き方改革は長時間労働の是正だけが目的となってはならない」と公言し、「働きがいを高めながら労働生産性向上と収益拡大を実現していく」とした。過労死の一層の強制だ。
 報告は最後に「新卒一括採用や終身雇用、年功型賃金、企業内労使関係を主な特徴とする日本型雇用システム」の見直しを迫った。雇用・賃金の破壊と労働組合根絶の主張だ。国鉄決戦を先頭に、今春闘はこれとの正面激突となる。

一律大幅賃上げへ闘おう

 資本の経常利益は過去最高を記録し、経営者への報酬と資本家への配当も激増している。他方、実質賃金は下がり続けている。その上さらに消費税率10%への引き上げは、社会保険料(年金・医療・介護)の引き上げ、社会保障給付の削減とともに労働者の生活を直撃し破壊する。
 この状況下で連合本部は経団連とともに消費増税を求めている。春闘でベースアップ(基本給の一律底上げ)要求を後景化させ、「大手と中小の賃金格差の是正」と称して企業ごとに目標を定める歴史的な転換に踏み出した。階級の闘いとしての春闘の否定だ。
 労働組合の変質・解体は改憲・戦争に直結する。闘い抜きに雇用も生活も守れない。すでに現場では懸命にストライキが闘われている。そして賃金闘争は労働組合の団結の土台だ。ストで闘う春闘をかちとろう。大幅賃下げを阻止した東京・特区連の勝利に続き、JR3月ダイヤ改悪阻止の闘いを先頭に労働大改悪粉砕・一律大幅賃上げ、安倍打倒へ19春闘を闘おう。