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3・11福島行動に集まろう 小児甲状腺がん230人超に 検査の縮小・廃止を許すな

週刊『前進』04頁(3014号03面01)(2019/02/25)


3・11福島行動に集まろう
 小児甲状腺がん230人超に
 検査の縮小・廃止を許すな


 福島の小児甲状腺がんが疑いの人も含め、公式発表でさえ230人を超えるまでになっている。だが、安倍政権と県当局は原発事故の影響であることを否定し続け、学校での甲状腺検診の縮小・打ち切りを狙っている。絶対に阻止しよう。

人民の声が打ち切り阻む

 福島第一原発事故の健康への影響を調べる「県民健康管理調査」(現在は「県民健康調査」に改称)は、事故のあった2011年6月に開始された。そのひとつに甲状腺の検査があり、事故当時18歳以下か、事故から1年以内に生まれた子ども全員、約37万人を対象にして行われている。
 1986年のチェルノブイリ原発事故では、広範な地域の住民と収束作業を担った人々が、放射線被曝によって各種のがんをはじめ多種多様な病気を発症している。だがIAEA(国際原子力機関)などは小児甲状腺がんしか被曝が原因であると認めなかった。そのため、不当にも福島では子どもの甲状腺検査しか行わないのだ。しかも、20歳以上は5年ごとの「節目健診」にされてしまう。
 福島での甲状腺検査はこれまでに先行検査と2回の本格検査が行われ、2018年度から本格検査の3回目が始まった。17年度から25歳時の検査も始まった。
 その結果、先行検査で、がんないしその疑いの人が116人となり、その後回を重ねるごとに増加してきた。前述したように、現在では公式発表でさえ230人を超えている。国立がん研究センターの統計では、小児甲状腺がんは年間で100万人に1〜2人とされており、明らかに多発だ。その原因が、ヨウ素131など原発事故で放出された放射能による内部被曝であることは明らかだ。
 しかし政府と県の意を受けた県民健康調査検討委員会は一貫して「放射線の影響とは考えられない」と否定し、卑劣にも甲状腺検査の打ち切りを策し続けてきた。それを福島と全国の「福島の子どもを守ろう!」「甲状腺検査の打ち切り許すな!」の声の高まりと、ふくしま共同診療所などの粘り強い署名活動や抗議行動が阻んできた。

「検査辞退」を狙う検討委

 3・11原発事故と小児甲状腺がん多発への怒りは、安倍政権と検討委員会を窮地に追い込んでいる。だからこそ、政府と検討委はあくまで原発事故の責任を回避し、被曝が甲状腺がんの原因であることを否定しようとあがいている。
 16年暮れの検討委員会で、座長の星北斗が突然「国際的で科学的な第三者機関の設置」なるものを打ち出した。国際的な権威≠ナ検査を打ち切ろうという企てだ。それを受け、WHO(世界保健機関)の専門機関であるIARC(国際がん研究機関)が「国際専門家グループ」を立ち上げた。費用は日本の環境省の全額負担だ。
 昨年1月11日、福島市でこのグループの15人全員と、検討委員や甲状腺評価部会員が意見交換会を開いた。その場で専門家グループは福島の甲状腺検査について、口をそろえて「過剰診断だ」と決めつけた。9月には提言を出し、「原子力事故後に甲状腺スクリーニング(注:被曝者全員を対象とした検査)を実施することは推奨しない」と言い放った。だが、保護者を先頭とした福島の人々の激しい怒りにたじろぎ、甲状腺検査の中止までは言及することができなかった。
 そのため、翌月29日に開催された甲状腺検査評価部会では部会長の鈴木元(げん)が検査打ち切り方針をトーンダウンせざるをえなかった。強引な打ち切りは福島の怒りの炎に油を注ぐことになるとおびえ、狡猾(こうかつ)な方針に転じたのだ。それが「検査対象者への説明文の見直し」方針だ。評価部会ではそれ以前から、甲状腺検査についての保護者への説明文を、「検査を受けることのデメリットをきちんと書いたものに書き換えるべきだ」という策動も始まっていた。12月27日の検討委員会では、座長の星が「(説明文の書き換えを)できるだけ早く準備してもらう」と促した。「検査のデメリット」を強調して検査辞退≠増やし、甲状腺がんが発症しても隠ぺいしようというのだ。断じて、許せない。甲状腺がんの発見が遅れたら、子どもたちの命と未来はどうなるのか。
 こんな卑劣なやり方に保護者や福島県民がだまされ従うことなどありえない。そもそも被曝による健康障害は子どもたちだけ、甲状腺がんだけではない。検査打ち切りを絶対に許さず、原発事故のすべての責任を政府、東電に取らせなくてはならない。原発事故を居直り、被曝と帰還を強制して福島を切り捨て、原発再稼働、核武装、改憲・戦争に突進する安倍政権と福島の怒りは非和解だ。動労福島や教育・自治体などの労働組合を先頭に全県的規模の闘いが必ず巻き起こる。
 3・11反原発福島行動(要項1面)は、福島の労働者・農民・漁民など多くの人々とともに事故の責任を徹底的に追及し、子どもたちを守り、改憲・戦争を阻止し、原発推進と核武装・核戦争を絶対に許さない闘いだ。全国から郡山に集まろう。

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●「県民健康調査」の経緯
2011年3月11日 東日本大震災―福島原発事故
   5月13日 ふくしま健康調査検討委員会準備会。発覚するまで毎回、事前に「秘密会」を開き、結果の評価などを決めていた
   5月27日 第1回検討委員会。座長は「放射能の影響はニコニコ笑っている人にはきません」と語った、御用学者の山下俊一
   6月   「県民健康管理調査」開始。4調査中の一つが甲状腺検査
2012年10月3日 毎日新聞が「秘密会」を報道
2013年5月24日 県民の怒りで、山下ら解職
   11月27日 第1回甲状腺検査評価部会
2018年12月27日 第33回検討委員会
2019年2月22日 第12回甲状腺検査評価部会

●甲状腺がんないし疑いの人数
先行検査       11〜13年度 116人
           (18年3月31日現在)
本格検査(検査2回目)14〜15年度 71人(同)
本格検査(検査3回目)16〜17年度 18人
           (18年9月30日現在)
本格検査(検査4回目)18〜19年度 0人(同)
25歳時の節目の検査  17年度〜  2人(同)
※この他の人も含め、公式発表でも230人超