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清掃工場で故障が多発 民間委託が最大の原因だ

週刊『前進』04頁(3020号03面03)(2019/03/18)


清掃工場で故障が多発
 民間委託が最大の原因だ



(写真 バイク車体、不燃シートまで持ち込まれてトラブルが多発【足立清掃工場】)


 東京の清掃工場の焼却炉に、燃えない産業廃棄物まで持ち込まれて機械が詰まり、故障が多発している。外注化・民間委託の結果、本来、東京湾の埋め立て地に運ぶべき物を、業者が経費削減のために近場の清掃工場に隠して持ち込むケースが増えた結果だ。

バイク車体、不燃シート、水銀まで

 清掃工場に持ち込まれて詰まらせてしまった物にはがれきや金属くず、バイクの車体(シャーシ)、不燃シートまで入っていた。水銀など医療廃棄物が持ち込まれたこともある。常識では考えられないことだ。
 産業廃棄物などの持ち込みのチェックは、当局(東京23区内の清掃工場を管轄する東京二十三区清掃一部事務組合)による清掃工場の人員削減のために追いつかず、半ば野放しの状態となっている。後日、業者は大よそ特定できることが多い。それでも何度も同じことが繰り返されている。
 いったん機械が故障して止まると、その都度、焼却炉の稼働は長期間にわたって停止せざるをえなくなる。そうした大きなトラブルだけでも年に何回も起こっている。詰まったり絡まったりした不燃物の取り除き、修理・修復・復旧は大変だ。防護服を着用した焼却灰まみれの危険な作業となる。労働者の労働安全衛生に関わる重大な問題である。

委託業者が経費の削減を狙って

 以前は直営で行っていた企業からのごみ収集が、「コスト削減」「民間にできることは民間に」「民間のノウハウを活用する」などと称して、民間業者に委託されてきた。その結果として清掃工場へのありえない物の持ち込みが多発している。中小零細企業の多い民間業者にしてみれば、どうコストを下げて利潤を確保・拡大し、業者間の競争に勝つかは死活問題だ。「悪いとはわかっていながらそうせざるをえない」構造になっている。
 取引先の出した大量の産業廃棄物を東京湾の埋め立て地まで高速道路を使って遠距離輸送するのに比べて、近場の清掃工場(23区内に建て替え中も含め21工場ある)で済ませれば、移動時間も必要な経費、人件費も切り縮めることができる。資本の論理の結果として、当然起こることだ。

労働組合の力で直営に戻そう!

 清掃工場の故障多発は、本来、公立・公営事業としてあるべき清掃業務総体の民営化・外注化の結果だ。工場での委託企業の非正規職労働者の労災・死亡事故も繰り返されている。
 同時に、民営化・外注化・非正規職化は労働組合破壊の攻撃だ。1987年の国鉄分割・民営化は、戦後一貫して最強の労働組合運動であった国鉄労働運動に対するストライキ根絶、労働組合解体のために強行された。それ自体が改憲に向けた攻撃と位置付けられていた。「階級的労働運動」をうたった総評は解散に追い込まれた。資本と共に新自由主義を支え労働者を支配しようとする連合が結成された。労働運動は後退を余儀なくされた。しかし動労千葉を先頭にストライキ決起は絶えることなく続いた。自治労、日教組、都労連などを軸に国鉄1047名解雇撤回の百万人闘争支援陣形が形成された。
 2000年4月からは東京23区の清掃事業のうち、ごみの収集・運搬は各区に、清掃工場は23区を構成団体とする清掃一部事務組合に移管された。都から区への移管自体が、ストライキで闘ってきた都労連・東京清掃労組の力を削ぐものとしてあった。その後、収集・運搬、清掃工場の民間委託と非正規職化が急速に進められていった。
 しかし情勢は変わった。東京特別区の18秋闘は、人事委員会による史上最悪の賃下げ勧告の実施を阻止する勝利をかちとった。「労働組合が絶対反対で闘えば勝てる」「総力挙げた闘いが労働組合の団結を打ち固める」----秋闘の勝利はそのことを実証した。
 今や絶体絶命の危機に立つ日帝・安倍との改憲・戦争阻止決戦の中で、JR労働者とともに公務員労働者、清掃労働者が立つ時が来た。労働組合の団結の力で清掃事業のすべてを直営に戻させよう。全労働者を正規職にさせよう。