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星野解放の奇跡≠ 無期懲役の終身刑化を考える院内集会 元保護局長、古畑弁護士が講演

週刊『前進』04頁(3022号04面01)(2019/03/25)


星野解放の奇跡≠
 無期懲役の終身刑化を考える院内集会
 元保護局長、古畑弁護士が講演

(写真 古畑講演に聞き入る参加者【3月19日 参議院議員会館】)

(写真 講演する古畑恒雄弁護士)

(写真 星野暁子さん)

 3月19日、「無期懲役の終身刑化を考える院内集会」が参議院議員会館で開かれた。沖縄闘争を闘って獄中44年、無実の星野文昭さんの解放へ、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議と救援連絡センターが主催した。170人が会場を埋める中、参議院の大島九州男議員、糸数慶子議員、さらに衆議院の浅野哲議員と生方幸夫議員の秘書が駆けつけた。
 主催者あいさつに立った再審連絡会議共同代表の狩野満男さんは、2月19日と3月14日に四国地方更生保護委員会の委員が徳島刑務所を訪れ、星野さんと長時間面接したことを報告し、「星野さんの仮釈放をめぐる審理が大詰めを迎えている。昨年、中野で開催した星野絵画展で運命的に出会った古畑恒雄弁護士を迎えて院内集会が実現した。無期懲役刑の終身刑化に終止符を打つことが今日の集会の目的だ」と訴えた。
 救援連絡センターの山中幸男事務局長は、「今日は私の70歳の誕生日。68年大学入学、学生運動は当たり前だった。71年沖縄闘争を闘い冤罪で囚(とら)われ人となった星野さんは今日まで獄中にある。星野さんを元気に取り戻すことが私たちの共通の使命だ」と語気を強めた。
 星野再審弁護団の藤田城治弁護士が、星野さんの解放を求めて3月14日、国連人権理事会に獄中44年の残虐性と恣意(しい)的な懲罰を通報し、翌15日に外国人記者クラブで記者会見をしたことを報告。「イタリアでは70歳を超えると原則として釈放になると聞いた。日本では更生保護委員会の仮釈放審理の内容さえ不透明だ。すみやかに星野さんを釈放せよの声を上げていこう」と呼びかけた。
 古畑恒雄弁護士が「無期懲役の終身刑化を考える」と題して講演を行った。古畑弁護士は、最高検公判部長として退官するまでに法務省保護局総務課長と保護局長も務め、現在は更生保護法人「更新会」理事長として刑事施設収容者および出所者の社会復帰のために「寄り添い弁護士」を提唱し、自ら実践している。
 「1933年生まれ、今も現役の弁護士だ」と語り始めた古畑さんは、法務省保護局総務課長時代、保護と矯正を合体し「矯正保護局」にしようと策動した中曽根臨調に反対し、「保護局」を守り抜いたと語った。「更生は刑務所に閉じ込めておく『施設内処遇』ではなく、『社会内処遇』であるべきだ。星野さんもそれでいいのではないか。施設内処遇の最大の問題が病気であり、命の問題だ」と、実例を挙げて「社会の中でこそ人間は変わりうる存在だ」と主張。「ところで現実は、この10年間で仮釈放は年平均6・4人。1998年のマル特無期通達、2009年保護局長通達により、現実は運用による終身刑化が進んでいる」「しかし、くじけてはならない! みなぎる熱意は必ず高松の更生保護委員会に伝わるだろう」と力を込め、日弁連が「無期刑の終身刑化」を議題に取り上げていることなどを紹介した。
 質疑では、「無罪の星野さんは更生する必要がないのではないか?」との率直な意見が出ると、「星野さんには立派な再審弁護団がついている。ぜひとも頑張って勝利を勝ち取ってほしい」と古畑弁護士。
 糸数議員は、「沖縄基地問題で玉城デニー沖縄県知事が安倍首相に会いにきている。3月25日から新たな土砂投入工事が始まる。今帰仁村(なきじんそん)で死んだジュゴンが見つかった。この沖縄への差別、人権無視、それを思って闘った星野さん。皆さんと思いを一つに最後まで闘います」とあいさつした。
 星野文昭さんから届いた「今回の院内集会が、無期受刑者と世の中に新たな光をあてるものになることを心から願っています」とのメッセージが紹介された。
 星野さんの妻の暁子さん、いとこの星野誉夫さんが発言した。暁子さんは、「文昭の仮釈放は、年度内に判断が示される可能性があります。やれることの全部をやりきって、奇跡を起こして仮釈放を勝ち取りたい」と決意を込めた。
 最後に、再審連絡会議共同代表の戸村裕実さんが、「更生保護委員会での仮釈放審理が切迫している。私たちの必死の思いをぶつけて、星野さんを奪還しよう」と結んだ。