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JR貨物が新人事・賃金制度 低賃金強い評価制度で分断

週刊『前進』04頁(3024号02面03)(2019/04/01)


JR貨物が新人事・賃金制度
 低賃金強い評価制度で分断


 JR資本は労働者の総非正規職化を狙う「働き方改革」を最先頭で進めている。ダイヤ改定で乗務員勤務制度を改悪したJR東日本に続き、JR貨物は4月1日に新人事・賃金制度を実施に移す。これは年功賃金を最終的に解体する攻撃だ。評価制度で労働者を徹底的に分断し、賃金を大幅に引き下げるのだ。
 この制度では、JR貨物の社員は大学卒業者が対象の「プランナー」、短大・高専卒業者が対象の「エキスパート」、高校卒業者が対象の「プロフェッショナル」の3職群に分けられる(表参照)。プランナーは経営幹部を目指す層、エキスパートは区長や助役、支社幹部を目指す層、プロフェッショナルは生涯、現場で働く層とされている。
 これまでもJR各社は、採用の段階から社員を学歴で区分してきた。だが、今回の制度が従来と違うのは、人事評価と試験、会社の判断により、職群の転換があるとしていることだ。形の上では高卒でも大卒と同じ昇進ルートが開かれているが、逆に大卒が高卒と同じ扱いになることもありえるのだ。徹底した競争をあおることがその狙いだ。
 それぞれの職群はさらに「キャプテン」「インストラクター」「レギュラー2級」「レギュラー1級」「ビギナー」の5等級に分けられ、試験に合格しなければ等級は上がらない。
 運転職場なら、助役はキャプテン、主任運転士はインストラクターかレギュラー2級、運転士はレギュラー1級、車両係はビギナーに位置づけられる。高卒の労働者はプロフェッショナル職群のビギナー等級からスタートし、試験に受からなければいつまでたってもビギナーのままだ。
 また、職群・等級にかかわらず、すべての労働者がS、AA、A、BA、Bの5段階で評価される。毎年の定期昇給額は評価が高いほど多い。しかし、仮に最高ランクのS評価を受けても、等級が上がらない限り賃金は大きくは上がらない。仲間を蹴落として昇級しなければ、低賃金から抜け出せない仕組みなのだ。
 等級が上がらなければ賃金は「年齢別保障基本給」と呼ばれる最低ラインに張り付くことになる。保障基本給は16万8600円の初任給から徐々に上がり45歳で21万8520円になるが、それ以降は一切上がらない。税金などを引かれた手取りでは16〜17万円ほどで、非正規職並みだ。
 国鉄分割・民営化以来、JR貨物は55歳以上の労働者の賃金を3割カットする制度を続けてきた。60歳定年後に再雇用された嘱託社員の賃金は、さらにその約半分だ。これで定年前と同じきつい仕事をやらされるのだ。国鉄時代に採用された労働者には、今後も基本的にこの仕組みが維持される。
 他方、青年労働者は採用の時点から評価制度で徹底的に分断される。退職金も職群や等級に連動するので生涯賃金は大幅に下がる。
 JR貨物は、この制度を「社員が安心して生き生き伸び伸び力いっぱい働くことができる」制度とうそぶいている。冗談ではない。これがもたらすものは、まさに労働者の奴隷化だ。
 だが、この攻撃は必ず破綻する。他のJRと比べてもJR貨物の賃金はあまりに低く、青年労働者が次々と辞めていく。貨物を貨車に積み込む作業などを請け負う外注先の労働条件はさらに劣悪で、人員は常に足りず、労災事故が後を絶たない。怒りはいずれ噴出する。動労総連合のストライキは労働者の心をつかんでいる。新人事・賃金制度粉砕へ、粘り強く闘おう。