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運転士・車掌を廃止 労組解体へJRが新提案 鉄道の安全を根本から破壊

週刊『前進』04頁(3026号02面01)(2019/04/08)


運転士・車掌を廃止
 労組解体へJRが新提案
 鉄道の安全を根本から破壊


 JR東日本は3月28日、「変革2027を踏まえた新たなジョブローテーションの実施について」と題して、車掌と運転士を廃止する提案を出してきた。
 その中身は、@車掌試験と運転士試験を廃止し、今後の乗務員への異動は「任用の基準」にのっとり扱う、A車掌を経ずに運転士になることを可能にする、B車掌と運転士の職名を「乗務係」「乗務指導係」「乗務主任」「乗務主務」に統一する、C同一の担務が最長でもおおむね10年を超えないように異動または担務変更する、D賃金制度を改定する(その内容は別途提示)、E実施時期は来年4月1日というものだ。
 JR東日本は3月のダイヤ改定で乗務員勤務制度の改悪を強行したが、今回の提案は乗務員という枠組み自体の解体を狙っている。
 JRはこの提案の理由を、「今後予想される人口減少等による厳しい経営環境の中でも持続的な成長を実現していくためには、より柔軟なジョブローテーションが必要」とし、これまでの駅→車掌→運転士という養成ルートを廃止して「柔軟な運用を図る」と言う。資本の都合で労働者をどんな業務にも使い回せるようにするというのだ。これは「働き方改革」の最先端にある攻撃だ。
 「運転士」という職名には、何千人の乗客の命を預かって列車を安全に運行する労働者の誇りが刻まれている。「列車を掌(つかさど)る」ことを意味する「車掌」という職名も同じだ。その職名をこれ見よがしに廃止することで、JRは「列車の自動運転もできるのだから、運転士を特別扱いしない」という姿勢をあからさまに示してきた。これを許せば、鉄道の安全は根本から解体される。
 JRが出した今回の提案の付属文書には、「今後の急速な業務変化」で「ワンマン化やドライバレス運転」が進むと書かれている。ローカル線は軒並みワンマン化し、首都圏では無人運転を強行して、車掌と運転士を大幅に削減するということだ。

不当労働行為はやりたい放題に

 この提案が意図するものは、改憲に向けて「労働組合のない企業」「労働組合のない社会」をつくることだ。昨年2月、JR東日本は首相官邸の指示のもと、JR東労組の解体に踏み切った。それにより数カ月で3万8千人が東労組を脱退したことは、ただならない事態だ。だが、それでも東労組には運転士や車掌を中心に1万数千人が残っている。JRは、これを最終的に一掃することをたくらんでいる。その攻撃の矛先は、動労千葉・動労総連合にも向けられている。
 今回の提案は、安全の要を担う運転士や車掌への異動を、試験ではなく「任用の基準」で行うと言う。「任用の基準」とは、国鉄分割・民営化前後に動労千葉や国労の組合員が本来の職務を外されて売店やベンディングなどに強制配転された際、資本が不当労働行為を居直るために盛んに使った言葉だ。JRは、労組つぶしを目的とした強制配転を、無制限に強行すると通告してきたのだ。

10年で強制的に別の仕事に異動

 この提案が、労働者を同じ仕事に10年以上は就かせないとしていることも重大だ。今回の提案の付属文書でJRは、現在の制度は「早い段階から企画部門業務等を希望する社員の期待に応えにくい」が、今後は「早期から企画部門等の他職に挑戦できる機会が増える」ことになると言う。JRが最終的に狙っているのは、早期に管理職に昇進する者以外はJRに残れないようにすることだ。
 それでも現場に残る労働者は、10年たったら別の仕事に回される。JRは「区所間の異動も担務変更」と説明しているので、車掌や運転士を10年続けたら再び駅業務に就くか、別の地域の運転職場に移ることになる。頻繁に異動を強いて、職場に団結をつくらせないことがその目的だ。
 今回の提案には、40歳を前にした運転士を駅に強制配転するライフサイクル制度の廃止が盛り込まれた。全労働者が強制配転の対象になるから、対象を限定したライフサイクル制度はいらなくなるのだ。
 車掌と運転士の廃止は、乗務員手当の廃止に連動している。JRが「別途提示」するという賃金制度の改悪が、大幅賃下げを狙っていることも明らかだ。
 今回の提案は、労働者支配のあり方を根本的に転換する大攻撃の切っ先に位置している。これとの大攻防が始まったのだ。だが、鉄道の安全も労働者の生活もまったく顧みないこの提案は、必ず破綻する。
 ダイヤ改定阻止・19春闘の過程で、動労千葉は組織拡大を実現した。動労総連合の各組合も組織拡大の現実的な展望をつかんでいる。JR本体の労働者の怒りも限界に達した。車掌・運転士廃止提案粉砕へ闘いぬこう。

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千葉県労働委審理拒否事件行政訴訟
 4月12日(金)
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 午前9時45分 千葉県庁南庁舎前集合