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豊洲でまた死亡事故 小池都知事の責任は重大

週刊『前進』04頁(3028号02面02)(2019/04/15)


豊洲でまた死亡事故
 小池都知事の責任は重大

(写真 事故が起きたエレベーター)


 4月8日午前0時5分、豊洲市場の水産仲卸売場棟1階で、小型運搬車(ターレ)を運転していた運送業の男性が、荷物用エレベーターの扉に頭を挟まれ死亡する事故が発生した。荷物を積んでエレベーターに乗ろうとした際、上から下りてきた扉に頭を挟まれ、搬送先の病院で亡くなった。昨年10月の開場以降、半年間での豊洲市場での死亡事故は、11月にターレの荷台から転落した女性がその後亡くなった件に続き、すでに2件目だ。
 危惧されていた死亡事故が再び起きてしまった。本当に痛苦の思いでいっぱいだ。「入荷する魚がおいしく食えたとしても、働く人が死んでたら安全安心な市場ではないし、そう称してはならない」(豊洲市場関係者)。その通りだ。
 開場以来、エレベーターの扉にぶつかる事故はほかに3件も起きていた。しかし都は徹底的な事故調査も検証もせず、詳細を公にすることもしなかった。相次ぐ事故に、市場の仲卸はこの間「きちんと原因究明しないと大変なことになる」と声を上げていた。
 にもかかわらず都は、「一時停止」「乗り降りは慎重に」と書いた紙切れを張り出しただけだった。それからたった2カ月で、死亡事故にまで行き着いたのだ。絶対に許せない。
 しかも、都と豊洲市場協会が発表した声明では「開業以来、豊洲市場協会交通委員会等を通じて、場内の交通ルールを守るように努めてまいりました」と述べ、あたかも男性が「交通ルールを守らなかった」ことに責任があるかのようにすり替えている。責任転嫁を許してはならない!
 事故の最大の責任は東京都にある。立体構造で閉鎖された豊洲市場には、水平構造で開放されていた築地市場にはなかったエレベーターやシートシャッターが設置され、これらに絡む事故が多発している。荷物用エレベーターのメーカーは、上下動扉のエレベーターに接近することは「けがや物品破損の危険がある」と明示している。にもかかわらず、なぜ都は、忙しい市場内でターレに乗って頻繁に出入りすることが想定されるエレベーターを上下動扉にしたのか。「安全装置」はどのように作動したのか。警報ブザーも鳴らないのはなぜか。なぜ扉が自動で下りてきたのか。下りてくる扉に頭を挟まれる事故が後を絶たない構造上の原因は何か。これらの問題は棚ざらしにされてきた。
 これらは豊洲市場そのものの構造上の欠陥であり、危険なエレベーターを放置したことは殺人行為に等しい。深刻な土壌汚染や建築基準法令違反のみならず、都が大資本の利益を優先させ、市場民営化のプログラムを進めるために、労働者の安全など少しも考えていないことが、ここにも明らかだ。
 小池百合子都知事の「豊洲市場は円滑」という大うそにとって都合の悪い真実は、徹底的に隠されてきた。これが根本的な事故原因だ。仲卸の仲間と共に、市場における労働組合の闘い、そして都の労働組合を階級的に再生する闘いを推し進めよう。その力で小池を打倒しよう。