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相次ぐボーイング機の墜落 自動運転で安全崩壊 JRの無人運転化も事故必至

週刊『前進』04頁(3028号02面03)(2019/04/15)


相次ぐボーイング機の墜落
 自動運転で安全崩壊
 JRの無人運転化も事故必至

(写真 エチオピア航空機の墜落現場)

最新鋭機が半年で2件の大惨事

 エチオピア航空機が首都アディスアベバの空港から離陸した直後に墜落した3月10日の大事故は、自動運転の危険をまざまざと示した。
 事故機は米ボーイング社製の最新鋭機種「737MAX」で、機体の傾きを自動制御する「MCAS」と呼ばれるシステムが組み込まれていた。これは、センサーが機体の傾きを検知し、傾きに異常があればそれを自動的に修正する機能を持つ。しかし、センサーのデータに誤りがあり、システムが異常でないものを異常と判断して誤作動し、事故に至ったのだ。
 事故機のパイロットは、システムが勝手に機首を下げようとするのに対して、何度も機首を上げようと操縦桿(かん)を動かした。だが、737MAXは、パイロットによる手動操作より、自動運転システムが優先的に作動するように設計されていた。こうして事故機は、離陸から6分後に墜落し、乗客149人・乗員8人の全員の命が奪われたのだ。
 昨年10月にもインドネシアの格安航空会社ライオンエアが運行する737MAXが、離陸直後にジャカルタ沖に墜落する事故が起きている。この事故では、乗員・乗客計189人の命が失われた。
 この事故について、インドネシアの国家運輸安全委員会は昨年11月、機体の傾きを計測する機器が故障し、自動的に機首を下げるシステムが作動して墜落したとする報告書を出した。にもかかわらずボーイングは何の対策もとらず、わずか半年後に再び同様の事故を起こしたのだ。
 737MAXは、ボーイングが新興国の格安航空会社に売り込むことを狙って開発した小型機だ。18年にボーイングが引き渡した航空機のうち6割が737MAXだった。没落を深め、対中国の貿易戦争を激化させることで延命を図るアメリカ帝国主義にとって、航空機産業は最後の防衛線とも言えるものだ。
 だから、エチオピアでの事故直後、世界各国が737MAXの飛行禁止を決める中でも、アメリカは即座には運航停止の措置をとらず、ボーイング社は「同機は運航の要件を満たしている」と言い張り続けた。ボーイングが自動運転システムの誤動作を認めたのは、事故から1カ月近くもたった4月4日だ。
 新たに開発された航空機は米連邦航空局(FAA)の認証審査を受けなければならないが、その業務は民間委託され、まともな審査がされなかったことも指摘されている。今回の大惨事は、破綻し崩壊した新自由主義がもたらしたものだ。
 自動運転化は安全を徹底的に破壊する。ボーイング機の事故はこのことをはっきりと突きつけた。「失速を防ぐ」ための自動運転システムが、逆に恐るべき惨事をもたらしたのだ。
 にもかかわらずJR資本は「ドライバレス運転の実現」を叫び、山手線自動運転の実験を強行し、運転士や車掌すら廃止しようとしている。

運転士の技能も誇りも奪うJR

 ボーイング機の事故が示しているのは、パイロットや運転士による手動操作よりも、自動運転システムを優先的に作動させることの危険性だ。
 JR東日本が山手線に新型車両E235を投入し、営業運転を開始した15年11月にも、同様のことが起きた。自動運転システムを積んだ新型車両は、オーバーランなどのトラブルを繰り返した。運転士が手動に切り替えてブレーキをかけた途端、運転台のモニターには多数の故障表示が点灯して、運転は打ち切られた。運転士の熟練・経験を排除し、機械に判断をゆだねるシステムは、かえって安全を損なうのだ。
 さらにJRは運転士・車掌の職名をなくし、労働者の誇りをも奪おうとしている。その先にあるのは再度の尼崎事故だ。乗務員勤務制度の改悪と運転士・車掌の廃止を許さず闘おう。