週刊『三里塚』
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明日も耕す 農業問題の今 食卓に浸透するGM食品 表示は信用できるのか

週刊『三里塚』02頁(1001号02面07)(2018/10/08)


明日も耕す 農業問題の今
 食卓に浸透するGM食品
 表示は信用できるのか


 前々号で取り上げた「ゲノム編集」がこのところ新聞各紙でたびたび報じられるようになった。遺伝子操作の主流になろうとしているが、ひるがえって「遺伝子組み換え」は今、どうなっているのか。

 アメリカ農政破綻の現状を記した前号で、遺伝子組み換え(GM)食品拒絶の動きを例示したが、世界全体から見ればまだまだ端緒だ。
 1996年に始まったGM作物の商業栽培は、現在、アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、カナダ、インドの上位5カ国で91・3%を占める。
 2017年現在の栽培面積は、1億8980万f(国際アグリバイオ事業団調べ)。これはメキシコ1国の面積に近い広さだ。

日本はGM大国

 日本は世界有数のGM利用国で、トウモロコシ、大豆、ナタネ、綿が流通している。
 トウモロコシは輸入量の89%の1369万d、大豆は輸入量の93%の291万dがGM作物(農研機構・生物機能利用研究部門の推計 16年)だ。また、ナタネ油の90%以上、大豆油の80%以上、コーン油の75%以上がGMだ。この3品目は、世界の作付け面積の9割以上がGMで、日本の自給率はほぼ0%だから、当然こういう結果になる。
 しかし、日本で表示義務があるのは豆腐、納豆、みそだけ。これには「組み換えでない」等の表示がなされるが、「表示義務のない加工食品の8〜9割はGM作物入りと思って間違いない」と天笠啓祐さん(遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表)は言う。

行政の後押し?

 GM食品が深く食卓に浸透する中で、安全に不安を抱く消費者の声に押され、消費者庁は、「遺伝子組み換えでない」と表示できる要件を、現行の「混入率5%以下」から「不検出」に改正しようとしている。
 表示制度が厳格化されるなどと報じられているが、対象品目は現行のままで、限られたものでしかない。「不検出」に限るという運用も実際には課題が多く、実効性のはなはだ怪しいマイナーチェンジでしかないのだ。
 また、GM作物の拡散・交雑の問題もある。輸入したGMナタネの種がこぼれ、日本国内の港湾や道路脇などで発芽、生育する例が頻繁に報告されている。
 千葉県でも、過去に鹿島港ルートとみられるGMナタネが国道51号沿いで発見されたことがある。
 こうしたGMナタネについての環境省、農水省の調査はきわめて限定的で、「問題なし」としている。しかし、民間の調査では、雑草との交雑も多く見つかっているという(「農民新聞」)。農業への影響が出かねない話なのだ。
 激化する貿易戦争の中で、GM食品の流入はますます拡大しかねない。おそらくは、あなたも私も食べているであろうGM食品は本当に安全なのか。冒頭に触れた拒絶の動きはどうなっているのか。回を改めて取り上げたい。