週刊『三里塚』
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反動判決弾劾!市東さんの農地守り抜こう 反対同盟2019年新春座談会 改憲阻止・安倍打倒へ勝負の年

週刊『三里塚』02頁(1007号01面01)(2019/01/01)


反動判決弾劾!市東さんの農地守り抜こう
 反対同盟2019年新春座談会
 改憲阻止・安倍打倒へ勝負の年

(写真 判決に先立ち千葉地裁をデモで包囲【12月20日】)

(写真 2019年決戦勝利の決意も固く大いに語り合った)

(写真 農地死守を誓い天神峰カフェに集まった【23日】)


出席者
市東孝雄さん(敷地内・天神峰)
萩原富夫さん(敷地内・東峰)
伊藤信晴さん(事務局員)
太郎良陽一さん(事務局員)
小川浩さん(全国農民会議共同代表)
司会『週刊三里塚』編集委員会

市東 農業こそ自分本来の姿
萩原 空港会社を攻める年に
伊藤 芝山廃村化を許さない
太郎良 国家権力と実力で闘う
小川 三里塚は全農民の課題

 2019年、改憲に突進する安倍政権のもとで、市東孝雄さん農地強奪阻止・空港機能強化との闘いが本番を迎える。昨年12月20日、請求異議裁判で、千葉地裁・高瀬順久裁判長は市東さんの訴えをすべて棄却する極悪の反動判決を下した。三里塚芝山連合空港反対同盟4氏と全国農民会議の新春座談会を開催し、闘う決意を語って頂いた。2面に婦人行動隊の対談を掲載します。

農民蔑視の判決

 司会 高瀬順久裁判長が反動判決を下ろしました。

(写真 市東孝雄さん)

 市東 改めて裁判所や国家権力がどういうものか認識できた。生き方を変えるつもりはない。

(写真 萩原富夫さん)

 萩原 勝利を目指してがんばったから2年間強制執行を止めてこれた。これは重大な勝利だ。
 市東 NAAは「話し合いで」と言ってるくせに法廷では何もしゃべらない。裁判長はいざ判決となると前の判決を踏襲。こっちは農家を辞めないと言っているのに、この金で十分と。高瀬は法廷を出るときに薄ら笑いをした。

(写真 太郎良陽一さん)

 太郎良 それが何でも金で解決という新自由主義。価値観を変えるしかない。「金で納得しない」と反旗を翻した市東さんの闘いの意義もそこにある。

(写真 小川浩さん)

 小川 「強制的な手段はとらない」とNAAが言ったのに、裁判長が「話し合いが頓挫した時は別」なんていうのはおかしい。三里塚闘争がはじまった当初からの農民蔑視が貫かれている。
 萩原 高瀬は「自分は小役人」とか言ってね。
 太郎良 自分さえよければいいという根性が気に入らない。

安倍農政の正体

(写真 伊藤信晴さん)

 伊藤 安倍はあくまで改憲をやると言っている。市東さんの農地を農地法で取ること自身が改憲攻撃だ。安保法制も戦力不保持の憲法を踏みにじっている。沖縄もそう。世の中を変えるという闘いとして、改憲反対の運動を日本全体でつくらないといけない。市東さんの農地決戦は権力の万能神話を打ち砕いてきた。三里塚53年が貫いてきた「体を張って闘う」ということが今年はどこでも問われる。
 太郎良 反対同盟農民が今も天神峰・東峰で自然を大事に農業をやっているという観点から今の政治・社会の在り方はおかしいと声をあげていることが重要だと思う。
 小川 農民の闘いは、すぐには反権力とはならず、どこに矛先を向ければいいのかはっきりしない。自分も三里塚農民の闘いを見てはじめて、やっぱり自分たちの敵は国家権力だとピンときた。
 安倍農政は今までの農民支配のあり方と違う。家族農業を営む農民を排除し企業が農業を支配する。農業関連法をみても、優良農地をコンクリートにしても農地として認める。8割もの農地を集約して農民の首を切る。さらに自由貿易協定で様々な規制緩和が狙われている。BSEの30カ月規制を撤廃したり遺伝子組み換え食品の規制をなくす。食の安全や農民の生活なんて何一つ考えていない。市東さんと同じことが全農民に問われている。
 司会 判決では市東さんの農地は借地で権利の消滅もありうると新たな論理を出してきました。
 萩原 それは耕す者の権利を定めた農地法の否定ですよ。しかもNAAの不法行為は何も問わない。安倍政権の姿勢がそうさせている。
 市東 企業が農業に参入しても利益が出なくなればすぐやめる。今は金を出せば買えるかもしれないけど、食べることができないようなときが必ず来るよ。 
 小川 戦前がそうだった。1929年大恐慌の過程で絹も米も大暴落して農村が疲弊して食えなくなった。農業問題の解決策として満蒙開拓で農民を動員して侵略戦争に突き進んだ。今、食料自給率が38%ということは、戦争にも直結する。
 市東 飛行機だって需要がないから余っている。唯一戦争で、武器や戦闘機を売ったりするしか経済がもたない。
 伊藤 自動車は日本の基幹産業だけど、そこに手を付けさせないようにアメリカからステルスF35を1機百億円以上で百機も買っている。1929年大恐慌から10年後に第2次世界大戦が始まった。リーマンショックから10年。歴史的にみると世界戦争が始まるような情勢に入っている。
 市東 だけど、アメリカと中国が戦争したら終わりだよ。今は核戦争だからね。
 司会 すぐ全面戦争にならなくても、韓国軍のレーダー照射事件とかをみても、小競り合いから戦闘が拡大しますね。
 伊藤 安倍は凶暴に改憲に突進するしかないけど、みんな許さないと思う。市東さんの農地決戦を闘いぬいたことが、今の改憲決戦とマッチし、勝てる要素が出てきた。
 市東 いつまでも人々は黙ってはいない。どこかで何かがありますよ。その時に俺たちがバーンと登場して怒りを束ねられればいいんだけどね。
 太郎良 フランスの闘いはすごいね。
 市東 アメリカだってトランプに対してね。
 司会 アメリカの若者にも社会主義への支持が広がっています。
 太郎良 日本の若者もね。東京新聞に京大の立て看板規制について出てたよ。がんばってもらいたい。
 萩原 東京でもね。法政大学は靖国神社のすぐ近くで、以前は学生運動の出撃拠点だった。

第3滑走路阻止

 司会 空港機能強化策によって芝山廃村化が現実として迫っています。
 伊藤 芝山の騒音下の人たちは必ずしもみんなが空港そのものには反対していないけど、空港の持ってきた災いの苦しさは分かってほしいと俺たちに言うわけ。ある部落では、いろんな不幸が連続するということがあって、鎮魂碑を墓地の真ん中にどかんと建てた。
 市東 相川勝重芝山町長は、新しい人が来て人口が増えるなんて言うけど、増えるわけない。
 伊藤 空港開港以降、芝山では新たに500軒以上家が建った。それは移転した軒数より圧倒的に多いんだけど、1万人くらいいた人口は7千人台まで減り、農家は成田用水の分担金を払うのがきつくなっている。NAAに金を要求する石井新二の署名も騒音下世帯の4割しか集まってない。
 萩原 一斉行動の成果だね。農業振興を建前に作った成田用水をつぶさないと、第3滑走路建設はできない。
 市東 そもそも第3滑走路なんて必要なのか。
 伊藤 軍事空港としては必要になるよね。
 市東 それはそうだけど、LCCをいくら引き入れても、利益は上がらないわけでしょ。外国人が来なくなったら終わりですよ。アメリカの航空会社だって羽田に移る。
 太郎良 「観光立国」で日本経済が再び右肩上がりになるはずがない。日本の税収は60兆円くらいで、予算は百兆円を超えている。どんどん借金して今の経済を回す発想が間違っている。国債は未来の国民の借金でしょ。それで企業が成り立つのはおかしい。 
 市東 成田のハブ空港化っていうのは俺が帰ってきた頃に言っていたけど、30年も前に仁川も上海も滑走路を何本も作っている。そこから追いつくわけがない。

共闘陣形が拡大

 太郎良 今、新たに24時間の巨大空港をつくろうという中で、飛行時間制限を強制し、政府の横暴を止めてきた三里塚闘争は正しかったと改めて思う。この間の闘いの中で、いろんな人とつながりができた。全国の反原発・反基地闘争、労働運動ともつながった。地域を網羅するような運動を作り上げるように中核派もがんばってほしい。
 萩原 それは三里塚がやるしかないと思うよ。
 市東 権力側は三里塚といろんな運動をくっつけたくないわけだよ。だけど、10年前に初めて沖縄に行ったときは「三里塚のようにするな」と言われたけど、最近は三里塚のように闘わないと勝てないという声が上がってきている。
 萩原 民主主義的な権利の上だけでは勝てないですよ。
 司会 横田基地、石木ダム、百里基地の反対運動、若狭の反原発運動も市東さんの農地決戦の中で結びついてきました。
 萩原 努力が実ってきた。継続が大事だ。
 小川 韓国でパククネを打倒したときは、全国でいろんな運動があり、農民もソウルを目指して闘った。機運が高まれば全国の運動が安倍打倒で一つになる。
 萩原 これから何をやるか。全国の現場で闘っている人とつながるということと、今年は直接NAAに対する闘いを組んでいきたい。
 市東 裁判所で代理人の話だけ聞いてもしょうがないからね。空港会社に打撃を与えるような闘いをやりたい。そして、三里塚闘争が現在も続いていることがまだまだ知られていない。初めて来た人はみんなこんなところがあるのかとびっくりする。
 太郎良 みんなに見せないといけないよね。
 伊藤 空港周辺の住民にも来てもらいたい。
 萩原 今年は芝山から横芝光町まで縦断するデモをやろう。まず俺らが闘いをみせないと。3月31日には成田市街地で全国集会を開きます。ぜひ全国で闘っている人に来てもらいたい。三里塚の力が伝わると思います。

3・31全国集会へ

 司会 最後に今年の決意をお願いします。
 萩原 今年は空港機能強化粉砕に向けて本格的に攻める年だ。その闘いを通して市東さんの農地を守る。もちろん控訴審も勝つつもりで全力を尽くしてがんばる。その上で、現地の状況とわれわれの闘いの正義性を訴え続けながら、実力阻止の立場で決戦陣形を拡大し、強固な三里塚闘争を作り上げていきたい。
 市東 天神峰で農業をやっていることが自分の本来の姿です。自分の生き方を通すということ以外ない。体もきつくなってくるけど、信念だけは切らしたくないし、ここでがんばりたい。それに賛同してくれる人は、一人でも多く現地に来て頂き、共に闘ってほしい。
 小川 2月に成田市で全国農民会議の第7回総会をやります。安倍政権はあらゆるものを企業に売り渡し、なりふり構わず農民を切り捨てようとしている。安倍農政と対決していくためにも、三里塚の市東さんの闘いは全国の農民の指針になります。総会を出発点にして、安倍打倒に向けた農民会議の新たな団結、闘いをつくりたい。
 伊藤 市東さんの農地強奪攻撃は改憲攻撃そのもので、一つの転換点。みんなが生きられなくなっている中で、三里塚が53年闘いぬいてきた地平の上で、いっそう団結、絆を固めていきたい。空港機能強化策との闘いも改憲阻止の一環として、苦闘している周辺住民と共に先頭で闘いたい。
 太郎良 判決後1日だけだったが、市東さんはじめ現地の仲間と新たに駆けつけてくれた仲間も含めて座り込みをやった。高瀬判決を受けて三里塚闘争は再び覚醒し、実力闘争が爆発する手前までいくいい経験が積めました。
 三里塚は改めて国家権力と実力で闘います。ぜひ3・31全国集会に来てください。